Fリーグ2023-2024 ファイナルシーズン 隅田ラウンド 第27節
〜バサジィ大分 VS 立川アスレティックFC〜
1月14日(日)、Fリーグディビジョン1はファイナルシーズンの上位リーグ最終節を開催した。第1試合は、3位のバサジィ大分と、勝点2差で4位からの逆転を狙う立川アスレティックFCの対戦。優勝の可能性はないものの、この試合の勝敗によって3位が入れ替わる状況だ。
さらに注目を集めたのは、得点王争い。26節が終わった時点で大分の仁部屋和弘は得点ランキング1位、1ゴール差で立川の新井裕生と名古屋オーシャンズのアンドレシートが追う。しかも仁部屋は累積によって最終節のこの試合は出場停止。新井はここでゴールを決めて、まずは単独で1位になるところを狙いたい。
レギュラーシーズンの戦いは、大分が2勝。シーズン序盤はつまずくことも多かったが、終盤にかけてチームが熟成し、勝点を積み上げて上位リーグに進出した。試合はその勢いのまま大分がセットプレーから橋本澪良のゴールで先制に成功する。しかし、タイトな守備が信条の立川がその特徴を生かしたプレスからボールを奪って前へ仕掛け、酒井遼太郎の粘りから新井が得点して同点に。これで新井は、得点ランキングで仁部屋に並んだ。ところがその後、大分のリシが高い位置からプレスをかけてボールを奪って得点、再びリードしてハーフタイムを迎えた。
2ndピリオド、先にスコアを動かしたのは立川。上村充哉が要所で出場するボラからのパスを受けて強烈なシュートを放ち、同点に。リズムをつかんだ立川が攻勢を強めると、中村充のシュートが決まって逆転。その約3分後にはカウンターから新井がこの試合2得点目を決めてリードを広げた。
大分は、残り6分を切ったところでパワープレーをスタートするが、得点できないままタイムアップとなった。
この試合で2点を決めた新井は、得点ランキングで単独首位に立ち、チームは3位に浮上。最終節の逆転劇は、この試合でも演じられた。
バサジィ大分 試合後会見
狩野 新監督
ーー試合の総括をお願いします
日本中が苦しんでいる今、立川さんを含めて試合のなかで、自分たちが持っているものを出し切れたところを届けられたのはよかったと思います。そのなかで自分たちは、守備を含めて自分たちの形というものが本当にうまくいかなかったところが敗戦の大きな要因だと思います。立川さんにはリーグ戦では2勝していますが、今日はすごく対応されたので、本当に立川さんが素晴らしかったと試合を振り返って思ってます。
ーーシーズンの振り返りをお願いします
ネガティブな部分は一切なくて、フットサルやFリーグを本当に楽しめた1年になりました。選手たちには、フットサルと向き合う姿勢だったり、Fリーグに対する思いだったり、そういうものを常に強く持つように練習から話しています。そういう部分で自分は、選手から伝わる熱量がすごく大きく感じたので、戦術面での課題はたくさん残るなかですけど、1年間戦ってみて、すごく楽しかったなという印象です。
ーー昨シーズンの低迷から今シーズンの躍進についての感想をお願いします
非常に難しい苦しいシーズンでしたけど、土台作りというところで自分が一番に考えたのは、やっぱりフットサルに取り組む姿勢です。姿勢とは、例えばシンプルなんですけど、人に悪いことを言わないといった、本当に基本ベースのところ。そこを自分たちは徹底して、人間性の部分でまずはそれを土台に中位まで上がって、戦術的なところで上位まで上がっていくというプランが自分にはありました。まずは人間性の部分での改善は少なからずできたのかなと思います。フットサルに取り組む姿勢だったり、態度・姿勢のところ、僕は一番そこを重要視したので、それが土台となって戦術部分に入れたのではないかと、そういう1年になったと思っています。
ーー前への意識が高いチームだと思いますが、監督自身はどういうチームを目指してきたのか、それがどこまでできたと感じているか教えてください
自分は指導者としては本当に初心者なので、すごく考えさせられることはありましたが、持っている情報量が少ないなかで選手たちに伝えたことを考えると、選手たちには100点をあげたいなと思ってます。
常に攻撃的でアグレッシブなフットサルを展開するという自分たちのスタイルがあるので、まずはそこを、例え試合に負けている状況であったとしても、選手たちはそれを体現してくれました。ただ本当に自分も指導者としては初心者で、足りてないところもすごく明確にもなりましたので、来シーズンはそこを必ず改善して、帰ってきたいなと思っています。
野口 茅斗選手
ーー試合の総括をお願いします
非常に悔しいという一言です。でも、次の選手権に向けて何かを変えていかないといけないので、自分を含め、何が変えられるのかというのを一度見つめ直す必要があるのかなと思います。
今までこういう苦しい試合のときに仁部屋(和弘)選手は、状況を打開するような得点を取ったりしていたので、そういうところを自分たち、今日(ピッチに)いた選手は、もっとこだわっていかないと、チームとして上に行けないのかなと思います。選手権までの期間は、そういうところにもっとこだわってやっていきたいなと思います。
ーーシーズンの振り返りをお願いします
個人的にもチーム的にも、すごく充実したシーズンではあったんですけど、望むような結果ではなかったので、そうですね、もっと上に行かないといけないという気持ちもありますし、バサジィ大分でもっとたくさんの勝利を届けたいという気持ちがもっと強くなりました。そう思ったからにはもっとやらないといけないと思いますので、練習からしっかり取り組んでいきたいと思います。
ーー昨シーズンの低迷から今シーズンの躍進についての感想をお願いします
先ほど監督が言ったことがすべてで、選手としては苦しいときにどういう声かけが必要なのか、どういう振る舞いが大事なのかというのを常に考えるようにしています。それがキャプテンとして、もっとできたなという面もありますし、チームがたくさん支えてくれたこともあるので、そういうところをもっと厚くしていけば、もっともっと上に行ける自信があるので、そういうとこもしっかりやっていきたいなと思います。
立川アスレティックFC 試合後会見
比嘉 リカルド監督
ーー試合の総括をお願いします
大分はリーグ戦の後半から負けなしを続けてきているので、リードされたところをしっかり集中して、最後まで戦って、逆転勝利できたのはすごく大きいですね。1年頑張って、激しい波もあったんですけど、3位を取れてすごくうれしいです。まだ全日本選手権が残っているので、1回休んで、もう1回リセットして、もう1回全日本選手権でいい結果を残したいと思っています。
ーー前半のタイムアウトで言った言葉で今日は勝ち切れたと思いますが、どんな話をしたのでしょうか?
(ペスカドーラ)町田戦もそうだったし、名古屋(オーシャンズ)戦もそうですね、自陣でボールを取られて失点した試合が多いです。今日もあったし、失点の後にまたあったんですよ、危ないシーンが。だから1回怒らないと…怒りすぎたかもしれないです(笑)。
選手たち、切り替えて、チームのために走って、よくやってくれたと思います。わざとミスをする人間はいないし、ミスをわかってない選手もいるかもしれない。それをはっきりして、切り替える。悪い雰囲気を続けるより、切り替えてもう1回集中する。よく逆転してくれたと思います。勝負の世界は甘い世界じゃないので、厳しくしないといけないことはある。それは一つの経験、怒られてでも、「もう1回いけるぞ」と思った選手たちは、今日もちょっと強くなったと感じていると思います。そういう勉強、プラスになる経験をして、レベルアップをして欲しいです。
正直、あふれてしまったというところもありますね(笑)。
ーーシーズンの振り返りをお願いします
去年2位になって、チームの土台、しっかりできているし、優勝を狙っていきたいと思っていました。さっきも話したんですけど、すごく波が激しかったんですね、連勝したり連敗したり、変な負け方もしてるし、運の悪い試合もあったし。最後、3位ね。優勝を狙って行きたかったけど、3位は恥ずかしい結果じゃないし、選手たちにすごく感謝している。新井選手が得点王を取れるならうれしいですけど、それは、みんなの走り、みんなのパス回し、みんなの動き、新井選手が決めたのはみんなのおかげ。タイトルを取るのは個人でも、みんなのタイトルだと思うので、すごくうれしいです。取れたらね(笑)。
上村 充哉選手
ーー試合の総括をお願いします
今日も先制されてスタートしたんですけど、なんとなくなんですけど、いい意味で落ち着いていたというか、後半巻き返せるなという雰囲気を今日は感じていたので、良かったと思います。これをリーグを通してやらないといけないと思うので、そこは選手権に向けてまた頑張りたいと思います。
ーーシーズンの振り返りをお願いします
優勝を目標にしていたので、満足はしてないんですけど、でも、ここ数年、リーグでもカップ戦でもある程度高い順位で終えているんで、そこは一定の評価に値するかなとは思ってます。ただ、チームの目標は優勝なんで、もっとやらないといけないので、オフが開けたらまた頑張りたいと思います。
新井選手の得点王は、比嘉さんも言いましたけど、すごい賞だと思うんで、このまま(最終節の全ての試合が)終わって欲しいなと思います。それかアンドレシート選手が10点ぐらい取るか(笑)。キリキリしたのはイヤなんで、願ってます(笑)。
ーー今シーズンは優勝を狙うのにいいシーズンだったと思うが、結果として苦しんだシーズンになったがそこはキャプテンとしてどこが難しかったかと、上村選手個人も技術面も含めて変わったシーズンだったと思うが、個人的にはどんなシーズンだったか教えてください
多分誰も言い訳はしてないと思うんですけど、去年中心選手だった黒本(ギレルメ)選手(しながわシティ)と金澤(空)選手(名古屋オーシャンズ)と、関(尚登)選手が引退して。新しい選手も入ってきましたけど、あの3人の選手がチームに与えてくれていたものはかなり大きかったんで、みんな不安はあったと思います。それでも全員が少しずつ頑張っていけば、チームは優勝できるレベルだと思ってみんな頑張っていたんですけど、ああいう波があったシーズンになって、僕も含めてですけど、すごい不安になったシーズンでした。それでも3位で終わったのは、比嘉さん含めて、チームのみんなが頑張ってくれた結果だと思うので、さっきも話しましたけど、満足はしてないですけど、ある程度の評価に値するかなとは思います。
自分自身も、そんな満足するタイプじゃなくて、もっともっとというタイプなんで、初めて10点取ったんですけど、まだまだもっとやらないといけないなと思います。チームもそうですし、代表もそうですし、もっと上を目指してやりたいと感じています。日本で結果を出すだけじゃなくて、世界に勝っていかないといけないと思うし、小さい頃からそういう目標を持ってやってきたので、そこはブラさずに、また来シーズンから頑張っていきたいと思います。
ミックスゾーンにて
※ミックスゾーンでの取材のため、写真はありません
バサジィ大分 高溝 黎磨選手
ーー試合全体を振り返った感想をお願いします
まだ整理がつかないですけど、今シーズンやってきたこと、積み重ねてきたことが結果として出せなくて、すごく残念な気持ちです。
ーー結果としては敗戦ですが、大分のスタイルは出せていたのでは?
いや、もうちょっとできたなというのが率直な感想ですね。持ってた力を、もちろん悔いはないですけど、出し切れたかっていうとそうではなかったかなと。試合に臨むメンタリティだったりは、もちろんこの試合に100%かけて準備してきたつもりなんで、悔いはないですけど、うまく試合で体現できなかったというところはすごく悔しいですね。
ーー2年間在籍していて、昨年は低迷して、監督が代わった今シーズンは徐々に強くなっていきましたが、そこを含めてシーズン全体を振り返った感想を教えてください
そうですね、ターニングポイントになったのは、アウェイの(バルドラール)浦安戦です。そこから負けなしが続いていったと思うんですけど、アウェイの浦安戦は結果的に負けたんですけど、その負け方が、なんていうんですかね、試合が終わったときに心の底から悔しがってる選手が何人いるのかなっていうところでした。なにか「うまいフットサルをしよう」とか、「いいボール回しをしよう」とか、相手の分析、もちろん浦安はいいチームですけど、相手のセットプレーの戦術の分析だったりに頭が行ってしまっていた。何人の選手が本当にこの試合に勝ちたくてピッチに立ったのかなと。それは原点で当たり前のことなんですけど、そんなことが少し飛んでしまっている状態がチームにありました。
そこで選手みんなで、これではメンバー外の選手たち、ピッチに立てない選手は納得できないよねっていうふうに話し合いました。僕自身もその試合が一番悔しかったんです。パッションが足りないというか。(狩野)新さんもよく言ってますけど、フットサルにかけてるのかなと疑問に思う試合だったので、そこでみんなで、1試合1試合本当に本気で向き合って戦っていこうというところをしっかり話し合えたことがすごくうまくいって、上位リーグを自分たちの力でつかみ取れたというところだと思います。
ーー戦術というよりも自分たちの個々の姿勢が問題だったということですか?
もちろん相手を分析することや、それを頭に入れて試合に臨むことは絶対に大切だと思います。ですが勝負なので、相手も簡単には勝たせてくれないし、本当に勝ちたいと思ったチームがやっぱり勝つと自分は思っているんで、そういったところの気持ち、根本的な気持ちを出せれば、負けるようなポテンシャルのチームじゃない。若い選手もすごくいい選手が多いので、と、思ってるというのがみんなの意見でしたね。
ーー話は変わりますが、湘南から大分へ移籍を決めた理由を教えてください
僕はプロのフットサル選手としてやっていきたいと思っていたし、常にフットサルにもっと打ち込める環境を探し求めていたので。あとはいろんなフットサルに触れたいというところですね。自分の引き出しを増やしたいと思っていました。それと仁部屋さんがいるっていうところですね。
ーー仁部屋選手とは、元々何か縁があったのですか?
いや、多分誰にとっても特別な選手だと思うんで、そういった選手と一緒にできる環境がある、それはもう本当にやるしかない、チャレンジしたいという気持ちですね。
ーー移籍して今、結果としてはどう感じていますか?
今シーズンもそうですけど、仁部屋さんは練習から要求も高いですし、味方にもすごく要求するんですけど、そこに自分がチームを勝たせるんだっていう強い意志とか気持ち、本当の覚悟を感じるというか。そこを自分も持たないといけない。ニブさんがいるからニブさんに頼るじゃなくて、自分も強い気持ちを持って、自分がチームを勝たせるという責任というか、そういったものを強く持ってやらなきゃいけないと今シーズンは途中からですけど本当に強く思いましたね。
ーーそういう意味では、仁部屋選手が出場停止だった今日の試合は余計に勝ちたかった?
間違いないですね。チーム全員が仁部屋さんを得点王にしたいという思いでビッチに立ちましたし、もちろん順位としても3位で終わりたいというところでした。そうですね、何も残せなかったのが悔しいですね。
◇◇◇
立川アスレティックFC 新井 裕生選手
ーー試合全体を振り返った感想をお願いします
正直、あの2失点は自分たちの自滅です。キーパーが取れなかったシュートも、自陣で取られてしまったのも。あそこは名古屋ラウンドの町田戦でも自分たちで失ってカウンターで失点、名古屋戦も失って失点というところがあったので、選手権に向けて改善すべきところだと思います。
でもファイナルシーズンは、先制されてリードされても、浦安と(シュライカー)大阪戦で逆転できたことと、今日も逆転できたところは、やっぱり組織力というかチームの力もあった。試合中に下を向かずに改善して、こうやって勝ちにつなげられるというのは、一つ大きなところだと思います。
ーー今シーズンは大分と相性がよくないし、今日の勝敗で順位が入れ替わる可能性もあったというところで気持ちの入る試合でしたか?
大分のホームで7対2で負けた試合は、ちょっとまぁ壊れた試合だったので、なんとも言えないんですけど、僕たちのホームでやった試合は、上原(拓也)選手を使ったキーパー戦術からの失点だったんで、それ以外は特にプレス回避されて、自陣でも崩されて失点というのはあまりなかったので、そういう苦手意識はなかったです。だから僕たちがキーパーを使った戦術に対応するのと、してしまったんですけど自分たちのミスがなければ、そんなに苦手な相手でもないので、試合を優位に進められる自信はありました。
ーー自分は得点で貢献していくというところですか?
まあまずは勝ってチームが3位で終わることがチームとして一番の目標で、それに対して自分の得点がついてくればいいかなとは思ってたし、チームメイトも後押ししてくれたので。今日は何がなんでもアシストしてやる、みたいな感じの温かいサポートもあったんで(笑)、そういうところが今日の逆転につながったのかなと思います。
ーー得点王は意識するところですか?
去年の12月末の時点で4点差くらいあったんで、そこまで意識はしてなかったです。でもこの間の名古屋ラウンドで2試合で3点取れたので、そこで初めて「なんか、行けるぞ」っていう感じにはなりました。
ーーそういう意味では、今日の試合中はどんな気持ちで臨みましたか?
ドリブルで剥がして決めるとか、反転で決めるとかがそこまで得意な選手ではないし、来たボールを素直に決めるというところが僕の強みでもあるんで、それだけです。なんか気負って自分で仕掛けて取るっていう気持ちは別になかったので、パスするべきところはパスするし、ゴール前にボールが飛んでくれば打つし、みたいなシンプルな考えで今日の試合も臨めたと思います。
ーーそんなに力が入ることもなく?
そうですね、でもシュート練習のときはちょっと力入ってましたけど(笑)。でも試合に入ったら本当に来たボールを素直にゴールに決めるだけなんで、そこは集中力を持って臨めたと思います。
ーー1点目の得点シーンは、酒井選手もよく追いついてくれました
本当に(酒井)遼太郎の粘りは彼のストロングポイントでもありますし、自分ももう4、5年一緒にやってますから、あそこは頑張る選手だと思って詰めに行けていたんで、そういうところはよかったと思います。
ーー同点になってからのチームからは、もっと点を取らせてやろうという空気を感じましたが?
はい(笑)。(中村)充もそうだし、遼太郎もそうだし、みんななんかゴール前は「俺にパスだ」みたいな感じはあったんで、僕もそこは信頼して。最後のほうも結構チャンスがあったんで「もう1点位取れたらな」と思いましたけど、こうやって1点だけじゃなくて2点目も取れたので、そこは本当にチームに感謝ですし、いろんなサポートに感謝って感じですね。
ーー立川は感情を素直に表現する選手が多いなかで新井選手は落ち着かせる役割のように感じますが何か意識はしていますか?
監督含めて、うるさい奴らが多いし、(皆本)晃さんもそうですけど、結構前しか見えないというふうになりやすくて、審判に対してとか相手に対してとか、なりがちなんですけど、そこをやっぱり誰かが落ち着かせる役であったり、どうしたらうまくやっていけるのかというのを示さないといけないんで、そういうところはちょっと気をつけながら。みんながみんな、言いたいことを言っていたらバラバラになってしまいますし、でも言いたいことを言うところがこのチームの強みでもあるんで、そこもなくさず、うまくバランスを取る選手も必要なんで、必然的にそういう立ち回りになっていくのかなと思います。
ーー会見では、チームに力がついてきたという話を監督もキャプテンもしていましたが、その辺りはどう感じていますか?
全日本を優勝してからの3年間は、本当に比嘉さんのおかげが一番大きいと思います。選手個人個人が比嘉さんの言ってることを理解して、ピッチ内で体現できるように、自分たちも頭を使いながら、ときに厳しいことも言われますし、その要求も順位が上がっていけばいくほど厳しいものになってくるんですけど、そういうところで反発せずに、みんなで「ここはこうした方がいいんじゃない」とか「ああしたほうがいいんじゃない」とうまくやってこれたのが大きいと思います。
でも、この先もっと上を目指していくというのであれば、やっぱり個人のスキルとかもうちょっと頭を使うだったり、今日みたいなミスの失点はあり得ないですし、今日は点が取れたから良かったですけど、町田戦だったり名古屋戦だったり、試合が壊れてしまうようなミスも今年は多かったと思うので、そういうところで個人が成長していければ、来シーズンはもうちょっと上位と、もっといい戦いができると思います。
ーーそれは優勝を狙っていくということですね?
もちろん去年(昨シーズン)2位で、今年は3位になってしまったんですけど、優勝しかないですよね。全日本も優勝しましたし。今年は町田が、本当に去年の僕らを見てるような、ジオヴァンニを守備の要にしてみんなで守って、数少ないチャンスを決めて、みたいな。去年の僕らも黒本がいて、組織で守って、少ないチャンスを決めて何とか勝つみたいな試合が多かったんで、そういう部分は町田を徹底してやれてるんじゃないかと思います。
ーーなんとか勝っていた印象でしたか?
僕たちも去年は、そこまでみんながみんな調子がいいわけではなかったし、カウンターであったりセットプレーであったりというチャンスをものにする形が多かったので。この先名古屋と戦っていくこと考えたら、それだけだとちょっと運まかせ的な部分もあるから、もうちょっと対等にボールを支配したり、相手に思うようなプレーさせない守備だったり、そういうところを高めていかないと毎試合いい勝負はできないと思う。毎回圧倒されて、全日本の勝利みたいにシュートを10本も打てないで、向こうは30本も打ってという。試合は、勝ちましたけど、本当の意味で勝てたのかというと、もちろん自分たちはうれしかったですけど、足りないところも多いなと思ったので、もうちょっと対等に、レベルの高い駆け引きをして、なおかつ上回って勝つというところが目標ですね。
ーーそのために個人的に伸ばしていきたいところは?
ちょっと話が変わるんですけど、日本代表につながる部分では、もうちょっと守備のクオリティ、その1対1のスキル、攻撃も守備もそうですけど、1対1個々のスキルというところを伸ばしつつ、木暮(賢一郎)監督が目指しているフットサルは、結構頭を使わなくちゃいけないフットサルなんで、そういう頭を使うという部分をもう少し、頭を柔らかくするだったり、いろんな戦術を理解するというところを伸ばしていければと思います。
ーーやはり目指すのは日本代表ですか?
こうやってフットサルをやってる以上、目指すものはそこかなとは思います。
ーー上位のチームにいれば当然、得点王になればなおさらですか?
それだけじゃないですけど、1つの判断材料としては、やっぱり上位にいて、個人の結果も残すというところは大きいと思います。そういう意味では、一般の人やサポーターたちから見たら選ばれてもおかしくないと思いますけど、選ぶのは監督なので。特にフットサルは、個人の力よりはセットの4人、4枚の組み合わせというところが大きいと思うんで、そういうところにフィットできるかというのも見られると思います。
ーー木暮監督は同じクラブの選手をセットで使う場合も多いですね?
そう、名古屋セットみたいな部分もあると思うんで。
ーーチームから多く選ばれたいというところですか?
そうですね。充哉だったり、充だったりも、選ばれる可能性があるので、みんなで代表に入れたらと思います。