ファイナルシーズン 隅田ラウンド 第27節 マッチレポート 湘南ベルマーレ VS Y.S.C.C.横浜

試合

シーズン最後の神奈川ダービーは大量得点で湘南が勝利

Fリーグ2023-2024 ファイナルシーズン 隅田ラウンド 第27節
〜湘南ベルマーレ VS Y.S.C.C.横浜〜

1月13日(土)、Fリーグディビジョン1はファイナルシーズンの最終節を迎え、下位リーグの対戦が行われた。第1試合はレギュラーシーズンを7位で終えたY.S.C.C.横浜と9位で終えた湘南ベルマーレが対戦。リーグ最終節で3度目の神奈川ダービーが実現した。

ファイナルシーズンの成績は、湘南が3勝1分、横浜が2勝1敗1分。ファイナルシーズンに入って湘南は、ここまで積み上げたものが形になりつつあって、それが成績に反映している。横浜は、キャプテンを務める堤優太が名古屋ラウンドで負傷。メンバー登録はされているものの、チームのキープレーヤーの状態が気になるところだ。

スコアを最初に動かしたのは、横浜。自陣からのカウンターで数的優位のなか、ペナルティエリア内左サイドでマークを引きつけた田村佳翔が中央のリッツィにパス、リッツィはそのままシュートを放って先制に成功する。その4分後には高橋響が得点し、リードを広げた。

しかし湘南は、横浜のゴレイロ・井戸孔晟がボールを持ち出したところからのパスを萩原真夏が狙って奪い、シュートに持ち込んで得点。さらにセットプレーから山﨑歩夢が決めて同点に追いついた。

2ndピリオド、早々に得点を決めたのも湘南。セットプレーの流れから高橋広大が得点し、逆転に成功する。その後も湘南は、堀内迪弥が決めてリードを広げた。

6分を切ったところで横浜がパワープレーをスタートするが、パワープレー返しから林田フェリペ良孝が得点、その後再び高橋が決めてゲームを決めた。

横浜の堤は最後まで出場することなくタイムアップ。シーズン最後の神奈川ダービーは、大量得点を奪った湘南に軍配が上がった。

湘南ベルマーレ 試合後会見

試合後会見に臨む湘南ベルマーレの伊久間洋輔監督とキャプテンの萩原真夏選手

試合後会見に臨む湘南ベルマーレの伊久間洋輔監督とキャプテンの萩原真夏選手

伊久間 洋輔監督

ーー試合の総括をお願いします
最終節、いつも通りですけど、本当にたくさんの湘南サポーターの皆さんの声が力になりました。ありがとうございます。

試合に関しては、前節と一緒で先に2点を取られる苦しい展開ではありましたけど、プレスには行けてましたし、(萩原)真夏が前半のうちに得点を決めてくれて、あれでみんなが「行けるぞ」という気持ちになりました。チャンスをものにできて、セットプレーで追加点が奪えたところも非常によかったと思います。後半は、守備の面で前半はちょっと押し込まれたときにボールへの距離が遠かったので、その辺りは話をして修正できて、追加点も奪えた。湘南らしい、お祭りみたいなゲームができて、最終節にこういう形でゲームを終われたのはよかったと思います。

ーー2失点した後のタイムアウトの指示は?
やろうとしていることがうまくいってなかったので、もっと動きを入れる指示をしました。動きに関しては練習していたので、先週の試合もそうですけど、これをもうちょっとこういうふうに動いていけという話をして、動いた結果、自分たちがボール保持をできるようになってという。それでリズムが出てきてプレスに行けるようになってという感じじゃないかなと思います。

ーープレスの強度が途中から上がったように見えたのは、タイミングが合ってるかどうかというところもあったということですか?
守備がうまくいっていると攻撃がうまくいく、攻撃がうまくいくと守備がうまくという連動っていうところ。ゲームは、きっかけがあれば好転していくものなので、最初は守備もプレスは行ってるけどタイミングがちょっとずれてボールが前に入っちゃって数的不利になったり、1失点目もやっぱりチグハグな攻撃をしたからカウンターを受けたというところ。あれも思いっきり行っていればカウンターにならずに済んだと思うんです。だから動きを入れて攻撃面もちょっと好転させた、そうすれば自分たちのフットサルができるという話をして。みんなも落ち着いてましたし、それでやっぱり前半に1点取れたし、2点目も取れてしまったので(笑)。今のチーム状態であれば、1点取れればなんとかなるかなっていう感じがしていました。

ーーシーズンを振り返って感想をお願いします
これができるチームであるとは私たちも思っていました。ただ、リーグの中盤に主力のケガがあって、それを補えるだけの選手の成長がまだまだ難しかったところがあったと思います。それがここに来て、昨年度は主力として出てない選手がゲームに出ることによって成長したと思います。全日本に向けても、来年度はまだわからないですけど、選手たちはプレーを続ける限りは成長が見られて自信になったと思います。順位は悔しい結果になりましたけど、そういう面で言えば、先が見えるというシーズンになったと、今後思えるようにできればいいかなと思います。長いシーズン、ありがとうございました。

ーー得点力に苦しんだシーズンだったと思いますが、選手権も含めて来シーズンに向けてどういうふうにカバーしていこうと考えていますか?
補強はいつも、して欲しいと思ってます(笑)。今は負けている試合でもやろうとしていることがあって、それを積み上げてきたなかで、最終的にナタンの加入もありますし、他の選手たちも今、どうすべきかとか、それがすごくかみ合ってきた部分があると思うので、何かをするというよりはこれをもっと精度を上げていくということ。

11月ぐらいから戦術的なところはある程度入れてこれているなと思っていて、精度を高めるというところに取り組んできて、それが良くなってきているので、引き続き精度を高めることに取り組んでいく。それをすることによってセットプレーでも点が増えるし、ディフェンス面もよければカウンターも行けます。定位置攻撃に関しては、以前から話していますが、我々がボールを保持したい、保持しながらボールを前に進めてシュートまで行く。そういう形でいくつかの得点パターンが見えてきていると思います。

ーーファイナルシーズンは菊池大介選手を短時間でも起用していますが、起用に至った理由と今シーズンの成長について教えてください
彼は、Jリーグで長いシーズンプレーしてきて、基礎技術とかフィジカルコンディションに非常にいいものがあります。多分Fリーグの中でもそれは争えるくらいだと思います。ただ、サッカーからフットサルに来て、例えJリーガーであったとしても、フットサルのトップリーグでやるというのは非常に難しいことだと思います。そういう面で、練習を積んできたなかで、フットサル的な動きとかディフェンス面においてもよくなってきたので、来年のことはまだわからないですけど、選手権の頃には彼ももっと慣れて、力を発揮できるんじゃないかなと、そういった期待も込めて起用に至ったというところです。

萩原 真夏選手

ーー試合の総括をお願いします
先制されましたけど、みんなが素晴らしいプレーをして、それを継続できたので勝てたかなと思います。リーグを通してこれができたら良かったんですけど、イレギュラーが起きて、選手がいないことがあってできないこともありましたが、本当はそれでもできないといけないと思います。選手権でも継続して優勝を目指していきたいです。

ーーシーズンを振り返って感想をお願いします
率直に言うと苦しいシーズンだったなと思います。昨シーズンから点が取れる選手がいなくなって、そこに頼っていたので得点力がなくなって勝ちきれない試合が増えて、苦しくなりました。途中は全然勝てないこともありましたけど、それでも成長できたシーズンだったかなと思います。

Y.S.C.C.横浜 試合後会見

試合後会見に臨むY.S.C.C.横浜の鳥丸太作監督とゲームキャプテンの伊藤玄選手

試合後会見に臨むY.S.C.C.横浜の鳥丸太作監督とゲームキャプテンの伊藤玄選手

鳥丸 太作監督

ーー試合の総括をお願いします
まず、たくさんの方に見ていただいて、感謝しています。そのなかで今の時期に応援してくれたことは、とてもありがたいことだなと思います。

ただ、忌憚のないところを言うと、到底皆さんに見せられる試合ではなかったなと思います。振り返ってみて気付くのはかんたんですけど、僕も含めて100%、このゲームにすべての力を注げたのかは疑問に思った試合です。最後のパワープレーも準備していたけど、失点は試合につきものでしょうがないことですけど、僕も含めてそのときのチーム全体の立ち振る舞いは、応援されるべきチームのものではなかったんじゃないかなと思ってます。

もしかしたら、それでもたまたま勝てる試合もあるかもしれないですけど、あの振る舞いがあるのであれば勝つべきではないと思うし、応援されるべきではないと思います。一番は自分に矢印は向いてますけど、選手のモチベーションもコンディションもコントロールは僕がやっているので、自分に対しての怒りが一番大きいです。一つ前向きに考えるのであれば、本当に良い薬だと思って、まだ選手権という価値の高い大会が残ってるので、それに向けてみんなでもう一回気持ちを入れ直す。その薬として今日の試合を使えればなと、思ったゲームでした。

ーーシーズンの振り返りをお願いします
シーズンを振り返ると、本当に山と谷があったシーズンだったなと思います。最初の町田戦は、鮮明に思い出せるゲームでしたけど、あそこから始まって、(チームとして)いい状態が続きました。僕が就任して、以前とは全く違うゲームモデルになって、昨シーズンからの積み重ねというところと田村佳翔の入団があって、新しいプレーモデルに馴染んできた選手たちのプレーも見られました。人数は少なくなりましたけど、一体感を持ってできていたし、自分のやってきたこと、取り組んできたことが良かったなと思うことができたのが印象的な序盤でした。

そこから難しかったのは、ケガ人や累積があるなかでのチームのバランス、例えばどの選手とどの選手を組み合わせるかというところに対して難しさを感じました。他のチームと比べても、割と決まったメンバーでのセット組が僕らの特徴だったと思います。そこには根拠があって、僕が求める連動を短期間で体現してほしいというのがありますし、そのためにコミュニケーションをとって欲しいということもあって、なるべく同じメンバーで組みたいと考えていました。その結果、ピッチ上で僕の満足のいく連動とか、グループの行動が生まれたので良かったと思う反面、崩れたとき、一番は矢澤大夢と北野聖夜のケガが印象的だと思いますけど、そこでガタッと崩れてしまった。いつもだったら勝てる展開で勝てなかったり、そこから這い上がるのにすごく、這い上がり切れてるかどうかはわからないですけど、そこが難しかった。

だから、自信を持てた部分と、後はここが難しかったなという部分が、すごく大きく、両極端に感じたシーズンでした。簡単に話すと、そんな感じです。

ーー課題ははっきりしているが、来季はそれをどう埋めていくのかを教えてください
来季ですか? 僕はこのチームの監督ではなくなってしまいますけど、課題を改善するとすれば、今までとやっぱり同じような練習が多くなると思います。それに対して理解を深めていく。伊藤選手が言ってくれたように、僕の場合は選手にアイデアを与えて、そのアイデアのなかで選手に自分で判断して欲しいということが根底にあるので、そこを選手一人ひとりがレベルアップをしていって、個人としてもグループとしても、その精度と強度を上げていく。それには、強度の高い練習が必要です。試合に近い強度ですね、同じ雰囲気や強度感を出すのは不可能ですけど、それに近い雰囲気やスピードや強度感を出していく。そのなかで僕が求めた連動、僕の場合はボールを持つのが好きなので、ボールを持ちながらどういう優位性を作っていくとか、そこを生かしていくとか、というところをチーム全員でコミットしていけば、おのずと良いフットサルに、僕らが求める、自分たちがやっていても、見る人たちが見ていても楽しいフットサルに近づくんじゃないかなと思います。

ーー今日は堤選手が出られなかったことも関係していると思いますが、祝選手をファーストセットに入れた狙いと評価をお願いします
祝は名古屋ラウンドでは、伊藤選手と同じセットで出ることが多くて、それには堤がいるかどうかというのは、やっぱり関係はしています。今日の試合も、そこまで満点ではないですけど、僕らはビルドアップのところで相手のコートに押し込むことは割とできる時間帯が多いので、そこからどういう攻撃をするかといったら、やっぱりサイドのドリブラー、またはピヴォは必要だと思っています。そこで堤の代わりに小林拓夢を入れて、ピヴォが2枚いるような形、もしくは小林はサイドでの1対1もあるので、そこを活かしながらというアイデアを持ちながら、祝は1対1で自分の形になればシュートまで行ける能力を持っているので、そこで発揮して欲しいと。堤と同じことは求めてないですけど、堤のサイドの1対1に近しい形を菅原健太としてほしいというところと、後は小林拓夢がファーストセットに入ると、次のセット、伊藤選手のセットのところでピヴォの役割をする選手がいなくなることが多いので、小林拓夢を伊藤選手のいるセットに移動させると、自ずとそこに祝選手が入るのが自然なのかなという発想でそういう役割を与えました。役割としては、ゴールが必要ですね、彼には(笑)。
(惜しいシュートもありましたが?)
そうですね。そういうレベルのリーグなので1対1からファーサイドに抜けていくシュートができるだけでもいいのかなと思うので、そういう意味では良いところもあったし、まだもの足りないところもあったという、そういう印象です。

伊藤 玄選手

ーー試合の総括をお願いします
僕ら横浜のチームスローガンとして、ずっと掲げている「飾らずひたむきに」という言葉があるんですけど、今日も試合前からそういう試合をチームで体現しようと言って入ったんですけど、結果もそうですし、内容もそれとは程遠い選手のパフォーマンスになってしまったと思っています。

僕らはリーグ戦、1試合1試合に向けて気持ちを作って練習して、試合で最高のパフォーマンスを出せるようにというサイクルを今日も含めて行ってきたはずでしたが、蓋を開けたらこういう内容の試合になってしまったことを非常に重く捉えています。

これは最後だから楽しもうとか、優勝がかかってないから消化試合なのかというところとはまた別の僕たちの判断基準があって、そこには到底達していない内容の試合でした。

ただ、今日負けたことで例えば誰かに文句を言ったり、チームメイトを批判するとかそういうところに行くのではなく、このチームは僕が最年長ですけど、ベテランから一番若い選手まで、このチームで試合をすることの意味をもう一度考えて、選手権までの期間に叩き直してやっていきたいと思ってます。そういう意味では一つ、監督からもありましたけど、いい薬になったかなと思います。

ーーシーズンの振り返りをお願いします
鳥丸監督が来て1年目が終わって、2年目のシーズンが始まって、前期に連勝した時期は、自分たちのなかでも監督の求めるコンセプトが試合で実際に出せる、表現できるとなってきて、それが実際に結果にも繋がったところで、やっていても正直、負ける気がしないというか、それぐらい勢いも含めてあって、試合後も自分たちがどんなプレーができたかっていうのを映像で見るのが楽しみでした。人数は少なくなりましたけど、本当に1年目とは比べものにならない、YSのフットサルの進化を表現できたという部分は大きかったです。ただ、やっぱりケガ人から始まって、かなり苦しい時期が長く続いたときに、やっぱりチームとしてそこを乗り越えきれなかったという部分が強くて。というのは、監督が求めるコンセプトというのは、「これをやってくれ」というオーダーじゃなくて、僕らがそこから何かを得てアレンジさせてやっていくというもので、僕らが表現することができなかったという反省を個人的には持っています。そこがもう少しチームだったり、個人の関係が深まれば、もう1個上に、チームとして上位リーグで戦えたところまで行けたのかなあという、そんなシーズンの印象です。

ミックスゾーンにて
※ミックスゾーンでの取材のため、写真はありません

湘南ベルマーレ 菊池 大介選手

ーー試合に出場するなかで、自分のプレーが通用している実感はありますか?
パスの質だったり、ドリブルの質もそうですし、アイデアだったりというところは自分の特徴ですし、あとはやっぱり攻守の切り替えとか頑張れるところというのは、全く負けてるとは思ってないです。それを発揮するためにもフットサルを鍛えるだったり、戦術やセットプレーを含めて、もっともっと自分の身体に染み付かせていかなきゃいけないことがあります。今日もやろうとしたことがわからなくなったところもありましたし、そういうことも含めてやっぱり試合に出る出ないでは、やっぱり出て得られるもの、出てできなかったことを教訓にやっていくことがすごく大事だと思います。最近、少しずつですけど出られるようになって、そういうところの実感をすごく持てているので、まだ全日本もありますし、来年に向けて練習試合も含めて、いろんなチャレンジをしながら戦力になっていきたいなと思います。

ーー来年に向けてという言葉が出てくるということは、今シーズンはあまり試合に出られてないですけど、続けるモチベーションに問題はないということですか?
はい。もちろんクラブの契約はありますけど、個人的にも今年1年はしっかり練習して、次のシーズンから戦力になれるようにという思いで最初のシーズンから入っているので、今言ったように、今年得たものを必ず来期に繋げないといけないなと思ってます。

やっぱりチームのなかで自分の発言力とか変えられる部分というのは、やっぱり試合に出ないと強くなっていかないと思うんで、そういうとこも含めて今年クラブとして悔しい結果に終わったので、そこを変えられるように、やっていきたいなと思います。

ーーそこまで試合に出られなかったなかで、どうやって気持ちを奮い立たせてきましたか?
正直そんなに。言い訳みたいに聞こえるかもしれないですけど、出れないなと思ってました。練習参加したときから全く違うスポーツで、そこの悔しさも味わって、プロで10何年やってきたからって1年目とか、すぐに出れるような環境ではないんだというのは理解していたので、そこに対してストレスを感じるとかはそんなになかったです。やっぱり自分のなかにフットサルを吸収していかないといけないというのをずっと感じながらやってきたので、その気持ちはすごく大きかったなと思います。もちろんね、悔しさはありますけど、すべてを受け入れて今年1年やってきたので、これが来年に繋がっていけばいいかなと思います。

ーー開幕前に話を聞いたときに比べて痩せましたか? 顔が細くなっているように見えますが?
本当ですか? 体重は変わってないですけど、でも、筋トレもサッカーのとき以上にやってるんで、測定してもサッカーをやってたときよりもベンチプレスも30キロ40キロぐらい持てるようになったりとか。そこら辺の実感もすごく持てているんで、すごくいい1年だったかなと思います。

ーー改めてフットサルの魅力は、どういったところに感じます?
やっぱり攻守の切り替えとか、局面局面の相手の近さだったり、あとはそういう戦術だったり、セットプレーのなかで一発で状況を変えられたりとか。バスケに近いですけど、狭いなかに熱狂できる空間がすごくあるなと思っていて、そこはまたサッカーと違う魅力があるなと思ってます。盛り上がりというところでいうとまだまだ足りないんで、本当に魅力あるスポーツだと思いますし、もっともっとバスケだったり、サッカーも含めてそういう競技に追いつけるように僕も微力だとは思いますけど、いろんな貢献をしていきたいなと思います。

ーー今日の自分のプレーを振り返ると?
今日、そうですね。ファイナルシーズン、名古屋(ラウンド)から2分とか2分半とか、それぐらいずつ出さしてもらってるんですけど、そこもその前に出たときにうまくいかなかったところをすごく自分で整理できていて、落ち着いて入ろうというところで、この3試合は、もちろんうまくいかなかったところもありますけど、冷静に試合をできたかなという気はしてます。できることできないことがしっかり整理できて、また次につながるこの3試合になったのかなと思っています。

ーー今日は、フットサルの選手らしいプレーをしていたと思いますが、自分の変化は感じていますか?
最初はやっぱり戸惑いもありましたし、どう変えていこうとか、ここを変えなきゃっていうとこで、本当に自分のなかで試行錯誤しながら1年やってきて、やっと頭もクリアになって、いろんなことを考えながらプレーできるようになっているので、だからこそ試合にもちょっとずつ使ってもらえてるのかなという気はしてます。大変ですけど、逆にそこに対してすごく充実感もありますし、楽しさも持ってやれています。

ーーやっぱりサッカーの基礎技術とフットサルの技術は共通するということですね?
基本的な面を作ってしっかりパス出すところだったりドリブルも含めて、もちろんやり方だったり考え方は違いますけど、そこは本当に繋がってる部分があります。だから、そこの技術だったり局面局面のプレーの質は負けてる気はしないですし、練習でもすごく実感を持てているんで、そこは続けてやっていきたいかなと思います。

ーーさっきわからなくなったという発言がありましたが、どういったことがわからなくなったんですか?
セットプレーを含めてサインとかがたくさんあって、瞬間瞬間でこれっていうのがあるなかで、一瞬「なんだっけ?」みたいなことが練習でもあります。そこは、僕がまだ1年目だからっていうところで他の選手たちも笑いながら教えてくれたりとかしてますけど、でも、そこに対しても自分のなかでもっともっと厳しさを持ってやらないといけないなと思ってるんで、甘えずにやっていきたいなと思います。

ーー湘南の他の選手から、出場機会が少ないなかでも菊池選手が声をかけてくれたことでモチベーションを保てているという話を聞きましたが、コミュニケーションの取り方などで気をつけていることはありますか?
スポーツをやってる以上、やっぱり試合に出られる選手、出られない選手が出てくるので、そこは自分もサッカーで出られない時期もたくさんありましたし、そういうところの経験とか腐らないでやる大切だったり、そういうところを見られてるという話だったり、それがチームの勝ちに繋がっているんだよというところは、言葉だったり、行動で示してきたつもりなんで、そこを感じてくれているのはうれしいです。ただ僕も、さっき言いましたけど、プレーだったり、フットサルを覚えるというところで、まだまだ結果が出てないし、試合に出れてないので、その自分の発言力とか行動がどれだけ伝わっているかっていうのは、まだわからないと思います。やっぱりそういうところも含めてもっともっと試合に絡んだり結果を残すことで、影響も大きくなっていくと思います。そこは自分の役割でもありますし、スポーツは違いますけど、そこで自分の経験してきたことはこれからもしっかりと伝えていって、やっぱり優勝したいので、そういうところに貢献できたらいいかなと思います。

◇◇◇

Y.S.C.C.横浜 田村 佳翔選手

ーー一番長く過ごした場所で最後のリーグ戦を迎えた気持ちは?
そうですね。楽しかったですね、やっぱりすごく良い体育館だなと改めて思いました。

まず会場入りしたときから感慨深かったですし、最後にここでできるのは、すごくうれしいなっていう、単純にそういう気持ちで試合に臨んでました。

ーー試合全体を振り返っての感想をお願いします
モチベーション的にもすごく難しいゲームだったと思います。個人的には、ここでできるということと、(自分にとってリーグ戦)最後の試合ということで、すごく気持ちは入っていたんですけど、チームとしては順位も確定していて、(若い選手などに)いろんな経験を積ませたいことも多分あると思うし、いろんなことを試したりとかというところで、もちろん勝ちを目指しながらも、多分そういうことをやる時間でもあったと思うので、それがうまくいかなかったことも実際にあったし。でも、ピッチに立つ以上は勝たなきゃいけないので、ちょっとそういうチグハグはあったけど、チームとしてはいい時間だったのかなと思います。

ーー自分のプレーを振り返ると?
至って普通だったというか。もっともっと我を出してやってもいいかなとも思っていたんですけど、でも、チームスポーツなので、自分で打てるところもありましたけど、最後はリッツィに出して、リッツィが決めてくれたりがあったので、その思いに結果が伴ってよかったなと思います。

ーーまだまだフットサルへの情熱がプレーに表れていたと思いますが、それでも引退するんですね?
もう自分のなかでは今年がラスト1年とずっと決めてやってきたので。今年1年に全部かけてやろうって思ってやってきたので、その予定通りにちゃんとやめようって決めてました。

ーーやりきれた感覚ですか?
もちろんやりきったと思ったこともそうですし、フットサルをやっていく自分のモチベーションは、日本代表に入ることだったので、それが現実的に厳しくなったなというのも思ったので。シーズンの前半戦は、個人的にもすごく調子が良かったし、チームの調子もよくて、「可能性はあるのかな」とか「まだゼロじゃないな」と思ったなかで、(代表チームが)世代交代をどんどんしていっていたので。そこがなくなったら僕はやめようと決めていたので、そこが現実的になくなったので、やめるという決断をしました。

ーー長野で苦しいシーズンを過ごして、横浜でもケガ人が出たときに得点を取るという仕事をしてチームを助けていたが、そこはどういった気持ちでプレーしていましたか?
前半戦はすごく調子よかったのに、一番欠けちゃいけない選手2人がケガをしてしまった。しかもその試合、僕は累積で出れなくて、上(スタンド)から見ていて、単純にすごい悔しかったんですね。でも、自分の立ち位置だったり、やるべき事だったりは変わらない。ただ、このチームのために(北野)聖夜が歯車としてプレーしてたところを、他の選手がパッと入ってきたときに、それをうまくやってあげなきゃなという気持ちでもいたし、でも、自分も結果を残さなきゃいけないと思って、一気に難しくなりました。ただ、そういう役目を監督が信頼して使ってくれたので、それに対して応えたいなという気持ちでずっとやってました。

ーー田村選手にとってフットサルとは?
究極の趣味じゃないですかね。もちろん日本代表を目指して、代表選手という看板を背負いたくてやってきて、なおかつこのスポーツが広がってくれればいいなと思っていたし、自分の趣味について、この趣味はこんなに素晴らしいものだぞというのを今後も伝えていきたいなと思いますし、それは、選手としてプレーしていた間は、もちろんプレーで伝えたかったし、今後は選手じゃなくなっていくので、また違う形でフットサルってこんなに素晴らしいものだぞというのをいろんなところで広めれたらなと思ってます。

ーー今後は決まっていますか?
もちろん決まってはいるんですけど、フットサル界隈とも少しはつながりながら、基本的には一般企業に勤めて仕事します。

ーー残りの選手生活はどう締め括りたいと考えていますか?
一番は、ケガなく終わりたいと思っています。この10年間、大きいケガも手術とかもなかったので、とにかくケガなく最後までこのチームで楽しんでプレーをできればというのが一番ですね。

▶Text by 小西 尚美
▶Photo by 小西 尚美
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