Fリーグ2023-2024シーズン 第2節
〜Y.S.C.C.横浜 VS 湘南ベルマーレ〜
6月4日(日)、Y.S.C.C.横浜は第2節の対戦相手として、同じ神奈川県にホームタウンを持つ湘南ベルマーレをホームアリーナ、横浜武道館に迎えた。今節は、横浜にとってはホーム開幕戦。神奈川ダービーということもあって湘南のサポーターも数多く訪れ、アリーナは終始熱い空気に包まれた。
前週に迎えた開幕戦では、両チームともに攻撃力を発揮し、得点差をつけて快勝している。得失点差を踏まえて湘南が首位、横浜が2位という対決となった。どちらのチームも連勝してスタートダッシュで弾みをつけたい気持ちは、同じ。この試合に向けた気合も十分だ。
試合はキックオフ直後から攻守に強度の高いプレーが続き、拮抗した展開に。攻撃の狙いを寸断するディフェンスを実行してはボールを奪い合い、自陣に攻め込まれてもすかさずカウンターを狙って勝利への意欲を見せ合った。先制したのは、湘南。フィールドプレーヤー4人で攻めてもなかなか得点に結びつかないなか、ゴレイロ、フィウーザ選手がボールを持ち上がって攻撃の起点に。そこで得たコーナーキックから萩原真夏選手が決めた。しかし、約40秒後には横浜のゴレイロ、矢澤大夢選手がゴールマウスから飛び出し、相手陣内にボールを運んで左サイドの小林拓夢選手へパス、小林(拓)選手がゴール前にパスを送ると田村佳翔選手が押し込み、同点とした。この得点で流れを掴んだ横浜は、際どいシーンをいくつか演出し、セットプレーから安井嶺芽選手が決めて逆転に成功する。
追いかける展開となった湘南だが、やるべきことを変えずに前からプレスを仕掛け、リズムを取り戻していく。その勢いが勝ったのか横浜の連携ミスを誘発。ルーズになったボールを内村俊太選手が奪って山﨑歩夢選手へ繋ぎ、そのままゴール前へボールを運ぶと、逆サイドを並走した堀内迪弥選手へパス、堀内選手がゴールに流し込み、再び同点とした。
前半の課題をハーフタイムで修正した2ndピリオドは、前半以上に勝利への執念が見える戦いに。守備への意識も高く、中盤での奪い合いからゴール前では身体を張って守り、最後はゴレイロが砦となってゴールに鍵をかけた。その鍵を先にこじ開けたのは湘南、中盤まで時間が進んだところで得たコーナーキックから堀内選手が決めて、再び逆転する。ホームで負けられない横浜は、3分強を残したところでパワープレーを開始。残り時間1分を切ったところで攻撃が実って菅原健太選手が同点弾を決めた。しかし、お互いにこれ以上スコアは動かすことはできずにタイムアップとなった。
両チームともにここまで積み重ねてきた時間の充実ぶりがうかがえる戦いを披露。今シーズンの上位争いの鍵を握ることを予感させる強さを見せた。
2節を終えて、連勝は名古屋オーシャンズのみとなり、横浜と湘南は、1つずつ順位を下げて、3節の戦いに挑むこととなった。
Y.S.C.C.横浜試合後会見
ーー試合の総括
鳥丸 太作監督 まず、相手がすごく強かったなという感想です。そのなかでも、僕らのフットサルというものは見せられた部分があったと思いますし、同時に課題も見られました。相手が対抗してきたときに、またさらにそこを上回る対抗策を考えなきゃいけないなとか。いろいろそういう感想もありながら、すごくいい試合だったなと思いました。それを引き出してくれた選手たちを誇りに思いますし、伸び代も見えてますので、また彼らの成長が楽しみなことを感じさせてくれる試合だったなと思います。ちょっとまとまらないんですけど、いい試合でした。ありがとうございます。
堤 優太選手 監督が仰った通り、僕らの良さも出ましたし、ベルマーレさんの良さも出た試合で、(横浜)武道館で最多観客数のなかでいいゲームができたのは、フットサルを見てくださる方を増やしたり、フットサルのレベルを上げるというところでいい試合ができたのかなと思います。僕らが目指しているタイトルを取るという点では、最後、いい方に考えれば負けなかったというのもありますし、悪い方に考えれば勝点1しか取れなかったというのがあります。切り替えて次の1週間、名古屋戦は絶対に勝てるように目指していきたいなと思います。
ーーハーフタイムに話したことと、後半のスタートをセカンドセットで入った意図は?
鳥丸 太作監督 まずハーフタイムに伝えたことは、ディフェンスラインの調整ですね、内村(俊太)選手と堀内(迪弥)選手のラインがすごく質が高かったので、そこで僕らが間延びした状態でプレスをかけてしまうと、少し後ろから相手を追いかける形になってしまうので、そこをコンパクトにというところと、あとは矢澤(大夢)選手が出たときのゴールキーパー攻撃で、前進がなかなか難しい相手だったので、そこの有効性と少し細かい配置のところを話しました。セカンドセットからスタートした意図は、体力的な部分もあって6人で回すことが多いんですけど、今日のゲームでの得点も生まれたりしていたので。あとは相手が内村選手と堀内選手がいるセットを僕らのファーストセットに当てたいんだろうなということも感じていて、相手の狙いを少し壊したいなという意図もありました。なので、少しセカンドセットとの相性を見て、良ければ引っ張るし、悪ければすぐにセットを戻そうかなっていうところで、あのようなメンバーにしました。
ーー湘南は、そこですぐにセカンドセットに交代したが?
鳥丸 太作監督 やっぱり代えてきたなというところで、相手の狙いを確信できたのは大きかったです。そのなかでセカンドセットを引っ張りながら、堤のセットはボールを持つことを含めて攻撃力があると思うんですけど、そこで得点をもう1点取りたいなとか、相手の嫌がることを考えながらやりました。
ーー今日は最多入場者数というところで、また来ていただくためにも、今シーズンの横浜のアピールポイントを
鳥丸 太作監督 前節の試合後にもお伝えさせてもらったんですけど、僕らのコンセプトは、選手も、もちろん観客の方も楽しめるようなフットサルを目指しています。その内容というのは、ボールを持ちながら優位性を作っていくというところで、僕はかなり多くの人が好きなスタイルなんじゃないかなと思っています。それが選手を成長させると思っていますし、そのフットサルは、攻撃のバリエーションが大事だと思います。攻撃がワンパターンだった場合、相手が対抗してきたり、それによってうちの良さがなくなってしまうこともあるので、そこの攻撃のアイデアのバリエーションが増えていくところ、プラス今のスタイルが馴染んだところでの強度、その強度というのはスピードとか正確さというところですが、そこのレベルが上がっていく様子というのは、見に来るたびに感じていただけるとおもしろいと思いますし、僕らにとってもすごくうれしいことです。
堤 優太選手 多くのお客さんに見ていただけるのは、間違いなく僕らは非常にうれしいです。クオリティの部分では、ボール保持に関してはすごくよくなっていると思いますけど、4枚の崩しの部分で、相手コートでの迫力というのはまだまだ出せてないと思うので、そこをもっとチーム全体として攻撃力アップできるように、日頃の練習からもっと頑張っていきたいと思います。僕らチームの一体感は、昨シーズンに比べてもよりすごいと思うので、そこをお客様に見ていただいて、また来たい、また見たいと思わせるようなフットサルをどんどんしていきたいなと思います。
ーー総括で話していた課題を具体的に
鳥丸 太作監督 今日の試合でいうと、僕らがボールを持ったときに、よく縦切りと言われる、相手のディフェンスが僕らが縦にパスを出すルートを邪魔してくるような対抗策だったと思うんですけど、その場合いつもだったら例えば堤選手から、斜めにコートを横断するパスがよく見られるんですけど、そこの受け手である77番の菅原(健太)と、内村選手とのマッチアップのところで、数えてないですけど、有効なパスが1、2本くらいだったのかなと思います。だから例えば堤がボールを持っていたときに、じゃあこういう工夫をしようとか、攻撃の起点になっている選手、そういう選手が持ったときの時間の工夫とか。あとは単純な個人戦術のレベルアップですね。それはチーム全体というか、選手全員に言えると思うんですけど、そこの工夫と個人戦術のレベル感ですかね、フィットネスも含めてですね、身体の。そこがもう少しレベルアップすることで改善されるのかなと、もちろん他のグループでの連動での改善策というのもありますけど、一番最初に取り組むのはそこなのかなと思います。
ーーハーフタイムに会場MCと試合についてコメントをしていたが、あれは新しい試みか?
鳥丸 太作監督 そうです。僕も実はちょっとびっくりして、何を話したのかはあんまり覚えてないんですけど。割と前半の終わり方も、結構盛り上がるような終わり方だったので、ただもう率直に、対戦相手は強いし、お客さんはたくさんいて、これはもういいゲームだなというところで、いいゲームなので楽しんでくださいっていうことを伝えただけだったんですけど。運営にまかせることですが、それで見てる方が少しでも興味が湧くということがあれば、続けていきたいと思います。選手から聞いたりしてもおもしろいと思いますね。展開によるとは思いますけど。
ーー湘南は山﨑歩夢選手をつけていたり、他の試合でも対策されることが多くなっているが、そこをどう超えていこうと考えているか?
堤 優太選手 僕にマンツーマンディフェンスを準備してくるチームもありますけど、そこについては僕は安井(嶺芽)選手とよく話をしていて、ボールをもらう前の動きを増やしています。近ければ裏を取る動きであったり、そこでもらえなかったときは止まって足元でもらうというのはすごく意識しています。僕は1m離れればボールを受ける自信があるので。そこからは個人戦術の課題があって、ドリブルで抜いてシュートを打ったり、菅原選手とのコンビネーションというところは、この2試合ではまだまだできてない。僕自身2試合で0ゴールというのは、課題を感じているので、次の試合は絶対に得点を取りたいなと思います。
ーー前節の会見で、3連勝を目標にしていると話していたが、今日の勝点1をどう捉えているか?
堤 優太選手 さっきも言った通り、ホームで勝てなかったことは非常に悔しい思いはありますけど、最後にパワープレーで得点を奪えたというのはチームとしては成長している部分だと思います。僕のこれまでのY.S.C.C.横浜の経験では、あそこで負けていたことが多かったので。そこを引き分けにしたというのは、シーズンを通して最後、優勝争いをしたり、まずは6位までに入るといった目標に向けて、非常に大切な勝点1だったのかなと思います。
ーーファン・サポーターのお見送りが復活したが、その感想は?
鳥丸 太作監督 久しぶりだなっていう感覚でした、僕のなかでは。どれくらい前かは忘れましたけど、(バルドラール)浦安で選手をやっていたときは、ああいうのが当たり前にあった。そこから僕がFリーグに戻ってきたときはもう何もなくなっていたので。そこで、生の声で「よかったね」「惜しかったね」っていう言葉を聞けて、それが活力になりますし。逆にやっぱり勝ちたかったなっていう気持ちが出てきました。
堤 優太選手 監督と同じように、「元気もらいました」とか「また見にきます」とかっていうお声をいただいて、正直勝ちたかったっていうのは本当に。悔しい気持ちもありますし、またぜひ見にきていただいて、ファン・サポーターと選手と一緒にフットサルを盛り上げていければいいかなと思います。
ミックスゾーンにて
※ミックスゾーンでの取材のため、写真はありません
田村 佳翔選手
ーー試合を振り返って
先制されて、ちょっと流れ悪くて、苦しい試合でしたけど、逆転して、また逆転されて、ただ全体を通してみると追い付けたことがすべてだったかなと。だから勝点1を拾えたなという感覚でいます。
ーー加入したばかりだが、横浜にすごく馴染んでいるように見えるが?
まずこのチームの選手や監督、スタッフを含めて、人を受け入れてくれる体制というのがすごくて。プライベートも含めて、単純にすごく馴染みやすかった。本当に最初から前からいたような感じで接してくれるので、そこも含めて、プライベートもプレーも全部スッと馴染めたなという感覚はあります。戦術的なことはもちろん長野でやってたときとはまったく違うので、そこの違いとか、引退するつもりだったので、1か月間、まったく動いてなかったことで体力的にきつい、まだ戻ってない部分も正直あるんですけど、ただそこも含めて受け入れてくれている。というのでこっちも頑張れる、頑張りたいなと思う、という感じです。
ーー引退を撤回し、現役を継続することは自分の中でどのように整理している?
入れ替え戦が終わって降格が決まって、僕はF1でやりたいっていう気持ちが強かったので、正直あの時点では特にどこからもオファーはなくて、引退せざるを得ないという状況でした。その中で、横浜にいる選手が「どうするの?」みたいな感じで聞いてくれて。チームが少し興味があるみたいだけど、というような話が出て、それで練習に参加させていただきました。全日本選手権が終わったすぐあと、まだ身体はできてる状態のときに2回だけ。その後、横浜が声をかけてくださったという形。F1で現役を継続できるチャンスがあるんだったらもう少しだけやろうかなというふうに思えて、このシーズン、やることを決めました。
ーー自分のなかで現役続行を決められた?
1回(気持ちが)切れているので、そんなに簡単じゃないなと思いましたけど。でも、人生は1回だし、フットサルも1回トップリーグを辞めてしまったら、もう2度と帰ってくるのは難しい。僕は、そんなに甘いリーグじゃないと思っているので。まだやれるチャンスをいただけたならやろうというふうに思えました。
ーー今、とても楽しそうにプレーしているように見えるが?
そうですね。実際、選手一人ひとりの人間性だったり、そこがものすごくいいんですよ。一番年上で入ってきて、なのにすごくフレンドリーに接してくれる。こっちもそれに応えたいと思いますし。プレーに関しても、要求するところは要求してくれるし、でもこっちに合わせてくれようともするし、生かしてくれようともする。だからやっていて余計にやりやすいという感覚は正直あります。
ーー堤選手にだいぶいじられているという話だが?
堤どころか、全員がめちゃめちゃいじってくるようになっちゃって。ちょっと早いって言っているんですけど(笑)。でもそういうふうにフレンドリーにやってくれる、そこも含めて僕は好きです、このチーム。
ーーフットサルの違い自体は、どのように理解して試合出場に至っていると考えている?
(ボアルース)長野と横浜のフットサルって180度違います。哲学の違いだと思うんですけど、横浜のフットサルの哲学は、ボールを保持して、相手を崩して勝つというところ。僕自身は、横浜が今やっているフットサルは、そんなに得意じゃない分野。僕は、どちらかというとトランジションだったり、個の能力で何とかするタイプだったので、ボールを保持して保持してというのはあんまり得意じゃなかったんですけど、いざ入ってやってみるとすごく楽しいというか。慣れてない部分もあるし、わからない部分もあるけど、そこら辺も含めて鳥丸監督はすごく細かく伝えてくれるし、詰めてくれるので、実際にやっているうちによくなってるなとか、合ってるなとか、そういう感覚が練習の中で出てくるんですよ。それも含めてやってるとすごく楽しい感覚になる。もちろん戦術的な違いは脳みそで切り替えてはやってますけど、自分自身、長野でやっていたときと特に何かを変えたということはない。ただ、自分の能力を信じてやっているというのと、そこで周りがうまく合わせてくれているというのがあるのかなと思います。
ーー周りが合わせてくれる?
監督も、今一緒に出ているセットの選手たちも、自分がどういう選手だというのをよく知ってくれて、わかってくれて、だからこそ、じゃあこいつはこうやって活かそうというふうにしてくれているというか。すごくやりやすくて、自分も合わせやすいという感じかなと思います。
ーーチームで一番年上ということで、果たす役割みたいなものは?
僕はチームの雰囲気を一番に考えていて、強いチームというのはベンチも含めて必ず一体感があって、同じ方向を向いていると思っているので、最年長なので、そこをもちろん率先して一番にやるということを考えています。だけどこのチームは、それが結構できているというか、僕自身がすごく強く意識してやらなくても、他の選手のパーソナリティがすごく高いので、もうできているんですよね。なので自分は自分のプレーに集中してるっていうような感じです。
ーー今シーズンの目標は?
個人的に目標を立てているということはあんまりなくて、僕は一回辞めようと思っていた身なので、とにかくフットサルをやれるこの時間を楽しむことを、僕個人としては目標としてやっています。チームとしては、本気でタイトル取りに行こうと思ってやってますし、正直このチームだったら何とかなるんじゃないかと思うくらい、練習をやっていても質が高いので、自分も本気でそこを目指したいなと思っています。
湘南ベルマーレ試合後会見
ーー試合の総括
伊久間 洋輔監督 第2節ということで、ABEMAさんに中継していただき、非常にたくさんのお客さんのなかで試合ができたことに感謝します。試合の方は、第1節から非常に横浜さんが好調で、他のチームよりも仕上がっている印象を受けました。今日の試合は我々にとっても、このリーグを占う試合だったと思います。鬼門の先制点を奪うことができて非常によかったと思いますし、逆転されましたけど、追いついて逆転できる力がついてきていると思います。課題は、去年から引き続きパワープレーのディフェンスかなと思いますけど、そこもね、しっかり改善して次に向けていければいいかなと思います。以上です。
フィウーザ選手 みなさん、こんにちは。お疲れ様です。今日、ベルマーレと横浜、選手たちめちゃ頑張ったね。試合、前半と後半、ベルマーレと横浜、チャンスあったね。けど、いい試合。ちょっと寂しい、あと1分のところで横浜、ゴール決めた。けど、僕たち負けないね。引き分け。ベルマーレと横浜、サポーター、素晴らしいね。今日は終わり。来週、ボルク(バレット北九州)戦、頑張ります。
ーーハーフタイムで話したことは? 後半、横浜がセカンドセットでスタートしたところで湘南もセットを交代したが、それは噛み合わせを見てか?
伊久間 洋輔監督 ハーフタイムに関しては、我々がやろうとしていることはできているぞと。失点しましたけど、堤選手と菅原選手へのボールというのは、そこまでやられたわけでもないと思いますし、うちが後半の頭に得点できれば勝利に近づくという話をしました。
セットの交代は、堤選手にはうちの山﨑(歩夢)、スピードがあるので、彼をつけていたので。抑えられたと思ってます。向こうがどういう意図だったのかというのは、ちょっと聞いてみたいですけど。そういうところです。
ーー今季、ロドリゴが抜けた穴は小さくないが、試合を見ていると選手一人ひとりの自覚が出てきているように見えるが?
伊久間 洋輔監督 僕が監督になって、1シーズン目は途中交代だったので、その流れがありましたけど、昨シーズンからは、何が違うの? というところで、Fリーグの試合をいろいろ見たり、名古屋(オーシャンズ)さんを見たりして、「個が違う」という(ところを確認した)。これだけの情報があるなかで、戦術などはある程度網羅されていると思ってます。ということは、個を100%出させれば、うちの100%が出るということ。これは「Fリーグだから」というわけではなくて、僕はユース世代やサテライト世代をずっと見てきているんですけど、なかなか個を出せない選手がいるんですよね、どのカテゴリーにも。で、それはトップカテゴリーも同じでした。なので、失敗を恐れずにチャレンジをするという、我々の「SBFCの精神」というのがあるんですけど、それをこの舞台でやらなければいる意味はないと、選手たちにも言ってます。
失敗することは当然のことなんで、だから自分は何のプレーヤーなのかということを常に問いただします。例えば(靏谷)春人があそこでドリブル勝負しないんだったら、いる意味ないよねっていうだけの話。(堀内)迪弥が前でボールを収めてシュートを決めるとかもそうですし。それは特徴ある彼らだけじゃなく、全選手が持っているものがあると思うので、それを出させる。個別に話をして、自分がやりたいプレーと、自分が出せるプレーというのは、もしかしたら違うのかもしれませんし、それは話し合いのなかで、僕からこういうプレーをやってほしいというのもありますし、彼らが僕はこういうふうにやりたいんだということに関しては、現状それはどうなの?というところで、できているのか、それをやるためにはどういう努力をするのかということを常に言ってます。それが一定の水準にいかなければ試合には出られない、いっていれば出られるという。単純な話なんですけど、それを彼らにやらせています。試合に勝つ負けるは別の話だと思っていますし、そこは去年からずっと言っています。
ロドリゴは得点王もとった素晴らしいプレーヤーですけど、彼がいなくなった穴を埋めろということではなくて、みんなもできるよと。だから一人ひとりが持っているものを出してほしいという話をしながらやってきて、昨シーズンの(全日本)選手権あたりから、みんなが思い切ってできるようになってきて、途中敗退しましたけどオーシャンカップでも出せていたと思います。リーグ戦が始まっても、そういうプレーをみんなが続けていると思ってますので、誰を出しても楽しめる、チームも個人も見てる人も、というところにフォーカスして日々トレーニングしています。
ーー好調の横浜と対戦するにあたってのプランは?
伊久間 洋輔監督 横浜さんは、定位置攻撃が非常に整備されていて、全員がしっかりとチームプレーを行ってくる。こういうチームのプレーは再現性が高いので、その再現性を抑えるためにはまず菅原選手へのボールを切ることがメインだったんですけど、ただセカンドセットもみんなボールを持てますし、判断がいい。そこに対してはうちのセカンドセットとの勝負になるなという感じでした。まず、そういう話でディフェンス面を整理して。オフェンス面に関しては、こういう拮抗する試合になるなというのは向こうもそうですし、うちもそうだと思ったので、セットプレーに関してうまくそこで点を取れれば有利に進めるよっていう話ですね。それがプランです。
ーー靏谷選手が後半少し長めに出ていたがその意図は?
伊久間 洋輔監督 山﨑は、これまでの試合で長い時間でていた選手じゃないので、その辺も踏まえて。靏谷を入れて何かをするということではなく、山﨑を休ませるためというところです。
ミックスゾーンにて
※ミックスゾーンでの取材のため、写真はありません
牧野 謙心選手
ーー試合を振り返って
アウェイで勝点3を取れるところだったのに、逃してしまった印象です。でも、昨シーズンはアウェイで追いつかれると、そこから崩れてしまって負けたこともあったので、今回は勝点1を取れたことをポジティブに受け止めて次の試合で活かしたいと思います。
ーー自分のプレーの評価
相手がゴールキーパー攻撃を仕掛けてきたときに、セットとしての対応をもっと明確に伝えて守備をするべきだった。そこが曖昧になってしまって、チャンスを多く作られたと思います。
ーーこの試合で感じたチームの成長と課題をそれぞれ
セットプレーで得点が取れていたことは良かったが、定位置攻撃の質を上げることによって失点もしにくくなるし、得点力も上がると思ったので、そこが課題だと感じています。
ーーこの勝点1をどう捉えているか?
パワープレーで最後失点してしまって、とても悲しい終わり方になってしまいましたけど、アウェイで勝点を1取れたことをポジティブに受け止めて、チームとして最後の部分を改善していこうと思った試合になりました。
ーー2失点目はマークについた相手に決められたが、防ぐのは難しかったか? どういう対応をすれば良かったかなど、考えていることがあれば
相手選手が自分の前に入ってきたので身体をぶつけたが、足で先に触られてしまった。身体を前に入れさせないように構え、ゴール前での競り合いを負けないようにしないといけないと感じています。
ーー今シーズンの個人的な目標と課題にしていることなどがあれば
守備を完璧にすることを大前提としつつ、攻撃の質も上げていきたい。
山﨑 歩夢選手
ーー試合を振り返って
すごい試合だったと思います。が結果的にはそうではなかったかもしれないです。
ーーこの試合で感じたチームの成長と課題をそれぞれ
アウェイで勝点をとれたことはよかったのではないかと思ってます。
ーーこの勝点1をどう捉えているか?
この後のリーグ戦を戦ううえで、貴重な勝点になると思います。
ーー横浜の堤選手につく時間が長かったが、どんなことを気を付けてプレーしていたか?
堤選手は非常にいい選手なので、全神経を使ってました。仕事をさせてはいけないと感じてました。
ーー今シーズンの個人的な目標と課題にしていることなどがあれば
とにかくピッチで恩返しがしたいです。