あっという間に新シーズンが開幕。最初の公式戦となるオーシャンカップを戦って、リーグ戦に突入しました。各クラブとも指向するフットサルや目標に違いはあっても、昨シーズンからの成長を目指す思いは同じです。そこでオーシャンカップの取材から、気になるチームの監督や選手が今シーズンへの思いを語ったコメントを紹介。今回はボアルース長野をclose-upします。
※Fリーグオーシャンカップ2023の3回戦 VS 立川アスレティックFC戦後のミックスゾーン取材より。(ボアルース長野はベスト8:立川戦で敗退)
山蔦 一弘監督
ーー今年は降格からのスタートになりますが、チームづくりについて改めて?
人数もちょっと少なくなってという部分はありますけど、仮にですけど昨シーズン残留していたとしても、また今シーズンも苦しい戦いが続くというのは、常に印象として持っていました。そのなかで降格してしまったんですけど、チームを作る上ではやはりF1に上がったときに戦えるということを1番の目標として取り組みたいなと思っています。
ーー去年の終盤は、常に割り切ってパワープレーを選択するような戦術だったが、F2を戦ううえでの考え方は?
今日の試合もそうですけど、4対4で戦うときにまだまだ差があるので、そこの差を埋める、上回るというところが自分たちの最大の目標です。そのためにF2でどう勝っていくかということが一番なんですけど、僕らも(ペスカドーラ)町田に勝てましたけど(2回戦で対戦)、その前は(ヴィンセドール)白山に点が取れなかったのも事実で(1回戦で対戦)、やはり簡単ではないと思います、自分たちがある程度主導権を握れるなかでもどうやって点を取るかというのは、1年間突き詰めないといけないなと感じています。
ーー3回戦で初めてパワープレーを使ったが、その狙いは?
(相手が)退場した状態でしたので、こちらは5人使ってでも1点取りたいというのがまず一つありました。正直、今シーズンはまだパワープレーの練習ができてないので、実践の場がほとんどないなかで予行演習じゃないですけど、試したかったというのはあります。感触としては、まだまだ練習しなければいけないなというのは思います。ただパワープレーではない、4対4の攻撃について、(今大会で)3試合やらしてもらって、戦えるという印象を自分の中に少し持っています。
ーー今日の試合は球際で負けたところからカウンターなどが失点の起点になっていたが、そこについては?
今シーズン、そこが1番成長しないといけないところ。一人ひとりが負けない、一人ひとりが相手よりもボールを前に運ぶ、あるいは運ばせないというところをどれだけ練習からできるかというところです。今日は本当に完敗なんですけど、そのなかで感じたスピードを練習で自分たちが示していかないといけないなと思います。
ーー柄沢 健前監督から引き継いだものは何かありますか?
引き継いだというかボアルース長野のクラブとしてのアイデンティティは、柄さんが象徴だと思います。よく柄さんは「群れになって戦う」という言葉を言いますが、そこは柄さんからというよりも、ボアルース長野として引き継いでいかないといけないものだと思います。もちろんこれからも柄さんはどんどんアドバイスをくれると思いますので、一緒にチームを作っていきたいと思います。
ーー今シーズンのチームとして、言葉としてはどんなチームを作っていきたいか?
チームスローガン、クラブスローガンというのは「ワンチーム」ということで、本当に一つになって戦うのが今シーズンの目標です。ただ、ワンチームというのは、ありがちな言葉なので、本当の意味でワンチームになれるかというのが自分たちが今年、戦い切れるかどうかのポイントになると思います。
ーー長野からテレビ局が来ているが、クラブに対して地元の反応や協力は?
地域性というか、あったかいです。例えば食事に行けば、いろんな方が気にかけてくれます。そういうなかで去年は、なかなか結果が出なかったので、すごく申し訳ないなという気持ちがあって、今年は結果で恩返ししたいという思いはあります。地域は本当にすごく応援してくれて、本当にいい地域だと思います。
ーーサポーターも多く来ていたが?
そうですね、遠いところでもいつも来ていただいて本当にありがたいです。だから今年はみんなを笑顔にできればいいなと思います。
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米村 尚也選手
ーー大会を振り返って
チームとしては2回戦に勝利して、初めてベスト8進出ということで、すごく勢いに乗ってたなかでの今日の戦いだったんですけど、昨シーズンのリーグ戦同様、立川さんに敗れてしまった。ただ、自分の感触としては本当に負けるべくして負けたというのもあります。昨シーズンから半分メンバーも入れ替わって、移籍してきた選手、あとはセカンドチームから昇格して、Fリーグでの経験がない選手だったりとか、昨シーズンなかなか出場機会がなかった選手、というところが今、すごくチャンスが与えられているので、そういう選手にとってはすごくいい機会になったと思います。チーム全体としても、良かった部分、改善しないといけない部分ということがわかって、もっと練習から突き詰めていかないといけないなということを思わされた3試合だったかなと思います。
ーー監督が代わってメンバーも入れ替わって迎えたシーズンだが、チームの雰囲気は?
監督は代わりましたけど、昨シーズンからコーチとして入ってくれていた山蔦監督ですし、コーチも引き続き山元(優典)コーチなので、昨シーズンやったことを全てまっさらにして、新しいことに取り組もうということではなくて、昨シーズンやってきたことをそのまま引き継いでいる状況になるので、昨シーズン1年間戦った選手が半分残っていることが本当にポジティブなところかなと思います。そこに関しては山蔦監督が伝える部分もありますけど、ピッチ内で自分たちがやってきたこと、体現してきたことを、セカンドから昇格してくれた選手だったり、ボアルース長野に移籍して来てくれた選手だったりに伝えるというのは、自分たちの役目でもあると思うので、チームとしてはいい方向に進んでいるかなと思います。
ーー今シーズンも引き続きキャプテンだが、そこについては?
昨シーズン、自分としても選手人生のなかで初めてキャプテンをまかせていただいて、本当に難しかったり、不慣れなこともすごく多かったんですけど、その中でできたこともあると思いますが、もっともっとチームをうまくまとめることができたなと思うところもすごくあったので、その中でもう一度キャプテンに任命していただいて、自分としてはすごくうれしいです。チームスタッフ、強化スタッフ、フロント陣にすごく感謝をしてますので、その期待に応えるためにもやっぱり自分が率先して周りを鼓舞する、チームを鼓舞して、行動で体現して、このチームをF1に再昇格させるために頑張っていきたいと思います。
ーー地元からテレビ局も来ていましたが、地元に対してはどんな思いがあるか?
昨シーズンもインタビューのところだったり、記者会見のなかで常々話させてもらっていましたが、ボアルースを取り巻く環境というのはすごく大きいです。テレビ、新聞、雑誌、フリーペーパーなどに取り上げていただいたり、小学校に訪問させていただいたり。街を歩けばボアルースの名前を知ってくれているとか、ポスターが貼ってあるとか。お店にいけば、選手ですよねと声をかけていただいたり。すごくありがたい環境に身を置けていると思いますし、選手たちはそれをもっと実感するべき、胸に刻むというのは必要なのかなと思います。いろんなチームを渡り歩いてきましたけど、今までで一番地域に大事にされているというか、地域としてチームを応援していただいているなと思います。ただ、そこに応えるためには、やはりトップリーグで戦うことと、勝敗がつくスポーツである以上、やはり勝利を届けたい、勝利することでホームのみんなと一緒に喜びたいというのが一番にあります。今シーズンは、F1昇格という大きな結果を持って、ファン・サポーター、地域の人たちを盛り上げて喜んでいただけるよう、頑張っていきたいと思います。