コラム

今後も日本のフットサルには貢献していきたい

~馬場源徳氏インタビュー~

前身のボルク北九州時代の2016年から6年間に渡ってボルクバレット北九州の監督を務めた馬場源徳氏。
突然とも思われた2月の退任発表には多くの関係者から驚きの声が聞かれた。

あれから約2ヵ月が経過した4月下旬、スペインに滞在中の馬場氏にオンラインで取材を行い、北九州での6年間と近況について話を聞いた。

馬場源徳元監督
ーー少し遅くなりましたが、21-22シーズンのボルクバレット北九州の振り返りをお願いします
馬場昨シーズンはF1での2年目となり、ある程度自分たちの実力を理解した上で、相手も北九州を警戒し、研究してくる中でどれぐらいのパフォーマンスが出せるのかというのが一つの焦点でしたが、離脱やけが人があった中では妥当な順位、勝ち点だったのではないかと思います。

1年目よりは多い勝ち点を得てしっかりと残留も出来た。けが人や離脱者がいる中でも若手が育ってくれた。そういう意味では簡単ではないけれども、想定内のシーズンだったのかなと思います」

ーーボルクと出会ってからここまでを振り返ってみて思うことは?
馬場「これがひとつのサイクルだと思うんですよね。小さなクラブに呼んでいただいて、昇格するとか、規模を大きくするとか、戦力をあげるとか。

ここまでかかわってくれた人、やめた人、一緒に戦ってくれた選手も含めてよくやったと思います。
この6年間すごく充実したサイクルだったですし、Fリーグの1部まで上がった。ひとつの仕事をしっかりとやった、いい仕事ができたという充実感でいっぱいです」

ーー北九州で過ごしてきた時間の中で、印象に残っている出来事をあげるとしたら何になるでしょうか?
馬場「やはり一番印象に残っているのは最初の小原さん(小原崇元ボルク北九州代表・監督)との出会いだと思います。やっぱり彼が支えてくれた部分があって、日本という環境で、プロ契約という形でフットサルの監督として挑戦させていただけたこと。

僕にとってスペインから帰ってきてから初めての仕事だったんですけど、夜中の2時までの練習なども一緒に付き合ってくれたりしたこと。広い視野と公平な目で僕や選手のことを見守ってくれたこと。彼がいなければ最初の2年間もなかったし、今につながっていなかったと思うので。彼でなければできなかったことだと思います。

そして振り返ってみてぱっと思い浮かぶのはウーゴ(・サンチェス)という選手。世界最高峰リーグのスペインのリーグの中でもリスペクトされている選手を説得して、北九州に来てもらって。色んなものを犠牲にして、嫌な思いもされたと思います。リーグの差とか環境の差とか。苦しかったと思うんですけど日本語も覚えて、チームメイトやクラブのために仕事をしてくれた。これは小原さんに続いて忘れてはいけないことだと思います。

我々としては彼と本当にいい別れが出来たのかどうか、正直言って僕はわかりません。本当に彼のことを評価してお別れすることができたのか。感謝をちゃんと伝えることが出来たのか。僕は出来てないと思っています。記事の中で感謝を伝えることができるのだとしたら、僕はしたいと思います。彼には素人目にはわからない貢献があります。

そして東京や関東、遠いところから自分の力を信じて北九州まで集まってきてくれた選手、特に若い選手達にはこれからも期待しています」

当初のプランにはない形で急遽北九州を離れたが、今後に関して現時点では未定という。
現在はポルトガルからスペインに渡り、いくつかのプロチームで研修や下部組織の指導などで研鑚の日々を過ごす。

馬場「朝7時に起きてフットサルの会議をして、8時から監督と話し合いをして、夜の11時まで仕事をしています。それをお互いにしっかりと還元できる環境で。じゃないとやる意味がないじゃないですか」

このままずっとスペインですごすのか?との問いには「また縁があれば日本のクラブに戻ることもあるかもしれません」とのこと。
今後も日本のフットサルには貢献していきたいという思いは変わらない。

お知らせ


これから始まる22-23シーズンの終了をもちまして、FUTSALOGICは終了します。
経験も人脈もない中で「Fリーグを盛り上げたい」と始めましたが、当然ながら思うようにいかないことばかりでした。

SNSのいいねやRTで記事を拡散して頂いた皆様、取材対応して頂いた監督・選手・フロントスタッフ、記事を書いて頂いたライターの皆様に感謝申し上げます。

コロナの影響もあり、3年を一区切りにメディアとしての活動は終了しますが、Fリーグクラブのスポンサーやサポートカンパニーとして、これからもFリーグを応援していきます。

FUTSALOGIC 名ばかり編集長 先崎 恭平

Text by 東 恭子
Photo by 東恭子 & 馬場源徳
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