試合

優勝チームとして名を刻むために、1点を守り切って立川・府中が勝利

~名古屋オーシャンズ VS 立川・府中アスレティックFC~

3月21日(祝・月)、第27回全日本フットサル選手権の決勝が駒沢オリンピック公園総合運動場 屋内球技場で行われた。準々決勝からの3連戦を勝ち上がってきたのは、リーグ戦を制した王者名古屋オーシャンズと、リーグ戦は5位につけた立川・府中アスレティックFC。どちらも優勝しなければならない理由がある。

名古屋は、Fリーグの中でも一線を画す環境の良さを整えたクラブ。常に勝利が求められる。選手もその環境に甘えることなく、絶対王者を維持するべく切磋琢磨している。当然付け入る隙は少ない。対する立川・府中は、来季から名称が変わり、それに伴ってエンブレムやチームカラーも変更する。22年の歴史に幕を下ろし、新しい一歩を踏み出すことになっている。サポーターや地域との関係が変わることはないが、それでもこの名前をこの大会の優勝チームとして残したいという強い思いで勝ち上がってきている。

アリーナの客席は、声を出しての応援は禁止など観戦スタイルに制限はあるものの、収容率は100%可能となり、連日各チームのサポーターで賑わっている。決勝を迎えたこの日は、空席はほとんど見当たらない状態となった。その中でも目立つのが、立川・府中のレプリカユニに身を包んでいるサポーターたち。都内がホームタウンなので、地の利があるのは当然だが、サポーターもこのエンブレムの最後の試合を見届けようという思いは同じようだった。もちろん名古屋から駆けつけたサポーターは、準々決勝から3日間、太鼓や手拍子でチームを鼓舞した。

チームの総合力としては名古屋が上。リーグ戦で攻撃の中心となった外国籍選手は早々に抜けているが、リーグ戦が終わってからこの大会まで1ヶ月半の時間があったこともあり、日本人選手を中心とした戦い方にシフトしている。さらにこの大会を通してその精度を上げてきており、チームのクオリティはしっかりと維持されている。他方、立川・府中は今シーズンから比嘉リカルド監督を迎え、幅と深さを使ったフットサルを実践。リーグ終盤にはその完成度も上がり、簡単には負けないチームに成長しつつある。名古屋を相手に立川・府中がどう挑むのかが注目のポイントとなった。

1stピリオドは名古屋のキックオフでスタート。序盤は、お互いに高い位置からプレスを掛け合い、中盤の奪い合いが目立ち、主導権を譲らない展開。その中でも名古屋は、ゴール前で豊富なアイデアを見せる。ところが、際どいコースのシュートも立川・府中のゴレイロの黒本ギレルメ選手がセーブ。また、ビルドアップのミスを高い位置で奪ったボールをシュートまで持ち込んでも、黒本選手が勇気を持って立ちはだかった。

互いのゴール前を行き来する中、得点を動かしたのは立川・府中。相手陣内深い位置で獲得したキックインで、キッカーの皆本晃選手がゴレイロとディフェンスに立つ選手との間を狙い、グラウンダーのボールを蹴り込むと、そのボールが名古屋の選手の足に当たり、そのままゴールに吸い込まれた。思わぬ形で得点した立川・府中だが、皆川選手はボールを蹴り込む前に自分たちのサポーターを見上げて手拍子を煽り、そのアクションに応えてサポーターは強く手を鳴らした。その一体感が引き寄せたゴールともいえる。

しかし、リードを許せば、スイッチが入るのが名古屋の攻撃。ボールを保持する時間が長くなり、オープンプレーのパス回しからのシュートやセットプレーからのサインプレーなど、さまざまな形からゴールを狙ってくる。しかし立川・府中も相手の動きをよく見ながらファウルをすることなくインターセプトやクリアを狙っていく。またシュートを打たれれば、集中力を高く保つ黒本選手が止める。攻勢をかけているのは名古屋ながら、守備でペースを握っているのは立川・府中という構図の中、名古屋は強度を高めるとファウルが増え、約3分を残したところで5ファウルとなるなど、ややリズムに乗りきれない前半となった。

2ndピリオドは、開始早々から名古屋が強烈なシュートを放つシーンが目立つ展開。修正力の高さも名古屋の強みで、前半の乗り切れなさをきっちりと改善して主導権を握った。名古屋の攻撃は、アルトゥール選手や平田 ネト アントニオ マサノリ選手が個の力を見せるかと思えば、セットごとに連動したコンビネーションで、チームで攻撃を形作るシーンもあり、そのバリエーションは豊富。中でも星翔太選手は、自身でシュートを打つだけでなく、相手ディフェンスをブロックして味方を活かしたり、シュートをお膳立てするなど、攻守にわたってチームの中心となるプレーを見せる。

しかし、強烈なシュートも黒本選手が神がかったセーブで対応。前半名古屋が打ったシュートは23本、後半はより攻撃に重心を傾けている。しかもスピードや強度の高さは、時間が進むごとに増していく。対する立川・府中は防戦一方、僅かにカウンターのチャンスがあるばかりという状況。とはいえ、多くの時間帯を守備に費やすことになったものの、全員が集中力高く守り、名古屋に得点を許さない。

打てども打てども1点が遠い名古屋は、約4分を残したところでパワープレーに突入。どんなプレーも精度が高い名古屋は、パワープレーの攻撃もさまざまな形を持っている。しかし、隙をついたシュートも黒本選手がセーブ。またキャプテンの上村充哉選手が大きな声を出してピッチに立つ選手を鼓舞し、ディフェンスの集中力を高めていく。そのまま試合はタイムアップを迎えた。

結果的に名古屋が後半に放ったシュートは25本、前後半合わせて48本のシュートを放った。一方の立川・府中は、前半のシュートは7本、後半はわずかに3本。しかし、気持ちで守って名古屋を零封し、エンブレムとの別れに優勝という花を添えた。

大会MVPは、立川・府中の優勝に大きく貢献したゴレイロの黒本選手。その活躍にふさわしい賞を獲得した。

試合後会見


立川・府中アスレティックFC 比嘉リカルド監督
ーー試合の振り返りをお願いします
比嘉
「タフな試合でした。7割8割くらいはディフェンスになったので、すごくきつかったんです。自分たちのディフェンスのやり方は、相手に対してポジショニングを取るのですが、名古屋の選手の強度が高く、スピードもあったので、そのポジショニングが取れない時間が多くなって危ないシーンをたくさん作られました。メンタル的にもつらい試合でした。ただ、得点はいつも名古屋にはセットプレーで失点しているので、今日は逆に得点できて、最後まで守れたのは良かったです。僕も監督として初タイトルなので、うれしさがあふれています」

ーーリーグ戦が終わったあと、全日本選手権を通してチームが一回り成長したと思うが、どう感じていますか?
比嘉
「ありがとうございます。リーグ戦がスタートした頃は、いい試合はしていましたが、いい結果につながりませんでした。その中でもみんなでいい雰囲気を作って、頑張り続けた結果、リーグ戦は5位で終わることができました。上り調子でリーグ戦を終えたということです。全日本選手権に向けては、ディフェンスについてしっかり準備をしました。1人では戦えないですから、ディフェンス面でのチームとしての戦い方、攻撃面でのチームとしての戦い方、すごく難しいと思います。選手みんなに努力してもらって、結果的にいいチームになったと思います」

ーー選手が楽しそうにフットサルをやっているように見えるが、監督はどう感じていますか?
比嘉
「皆さんには、僕が厳しい声を出していると聞こえるかもしれないですけど、監督は要求しないといけないので、人間として好きなことをやっているんだから、全力でやろうと言っています。チームをまとめる、一つの方向に向かわせるのが監督の仕事だし、それで勝てるようになったので、選手たちも楽しく試合をしているんじゃないかなと思います」

ーー来季に向けて取り組みたい課題はありますか?
比嘉
「クラブがいろいろ変わるタイミングなので、その中でチームの土台を作れるように。退団するメンバーもいますが、彼らが抜けた後をカバーできる選手を迎えて、新しい選手が今いる選手と同じようにうまく走れるようにチームを作っていきたい。Fリーグで優勝できるように、頑張りたいです」

ーー昨日は言えなかったと思いますけど、名古屋のどこを警戒していたか教えてください
比嘉
「名古屋はセットプレーがうまいです。僕が大阪で監督をしていたとき、オーシャンカップ、全日本選手権、Fリーグの2試合、必ずセットプレーで得点を取られていました。だからセットプレーを消したら勝つ可能性がある。チームとしてディフェンスができるように準備をしました。あとは攻撃のセットプレーも準備をして、うまく攻めてセットプレーで勝てて良かったです。それでも名古屋の強度はすごくつらかったです」

ーー星龍太選手はシュート2本しか打ててなかったり、安藤良平選手は0だったり、ディフェンスは時間がない中でも細かく指示していたんですか?
比嘉
「アルトゥール選手や龍太選手はミドルシュート、安藤選手はボレーシュートがうまい。でも、セットプレーは、いいキッカーじゃないといいフィニッシュはできない。吉川智貴選手と西谷選手は、うまいキッカーです。だからキッカーの方をどうにかできないなら、フィニッシュできる選手を近くで見ましょう、消しましょうというプランニングをしました」

新井裕生選手
ーーすごく手強い相手でしたが試合を振り返ってみていかがでしたでしょうか?
新井
「この大会が始まって、サポーターの人たちが中心になって「#駒沢をブラウンに」というハッシュタグで応援をしてくれていたので、その思いも乗ってここまで来れたと思います。楽な試合は1つもなかったですし、怪我人も多くて、苦しい部分もあったんですけど、チーム一丸となって守備も攻撃も走力で頑張れたというところが一番の要因だと思います」

ーー決定機を外したシーンがありましたが、そのシュートについてはどうですか?
新井
「あれを決められなかったときに、これは『負けたらまずいぞ』という気持ちもちょっとありました。最後のパワープレーの守備で出ている選手たちが頑張ってくれたおかげで勝てたので、終わったときには本当にホッとしました」

ーー外したとき、どういう景色が見えていたのでしょうか?
新井
「ボールがちょっと浮いていたんですが、(金澤)空の声が聞こえて、置きにいった部分もありました。迷いと終盤での疲れでミスしてしまったかなと思います。でも、この大会だったら思い切って打っていれば絶対決められたかなと、終わってみればそう思います」

ーーああいうシーンで決め切ったり、代表に向けて、今後自分で高めていきたいところはありますか?
新井
「代表に呼ばれている本石(猛裕)選手や平田(ネト・アントニオ・マサノリ)選手とはまた違った左利きでもありますし、アラでもプレーした経験もあるので、別のタイプのピヴォ、引退してしまう星翔太選手のような、オールマイティに活躍できるピヴォを目指していきたいと思います。得点や普段のボール回し、受ける部分、アジリティなどを伸ばしていければなと思います」

ーージョー選手も出られない中、守備面でのプレス回避などでも大きな役割を果たしていたと思うが、どんな役割を託されていたのでしょうか?
新井
「ジョーや(内田)隼太もいなかったので、リーグ戦で戦ったセットとは全然違うセットでした。大阪で開催された1、2回戦とも違う、普段ジョーが入っているセットに入って、準備できる時間は1週間しかなかったんですけど、去年一昨年くらいから、徹(完山徹一)さんや(皆本)晃さんとはずっとやっていたんで、その2人との関係だったり、空とは練習中からコミュニケーションを多くとっているので、そういう2人の関係で頑張ってうまくやれていたかなと思います」

ーーこれで全国大会のタイトルを勝ち取りました。あまりサッカーエリートではなかった新井選手ですが、今どう感じていますか?
新井
「そうですね、最後の笛が鳴ったとき、本当にいろんな思いがあって、小中と全然試合にも出られず、高校もサブであんまりいいフットボール人生ではなかったですけど、ここまでがむしゃらに雑草魂で続けてきたのが、やっと結果に出てとてもうれしいです。それと、Fリーグ選抜で一時活躍できたんですけど、立川・府中に戻ってからは全然チームの力に慣れていないという思いが自分の中にはあって、中学1年の頃からお世話になったクラブですし、1回サッカーで挫折した僕にもう1回夢を見させてくれたクラブなので、最後に恩返しがしたいなという気持ちでこの大会に臨んだんですけど、本当にうれしいです」

ーー名古屋を相手に1点差で勝つというのは難しかったと思うが、ピッチの中の空気感というのはどんな感じだったのでしょうか?
新井
「僕たちもこのまま1対0で終わるわけはないと思っていた中で、本当に全員が集中して球際も戦えていましたし、お互いのカバーも支え合うという部分で、かなり強度高く守れたと思います。ポストも助かりましたし、なんといっても黒本選手があそこまで守ってくれて、本当に助かりました」

ーーサポーターの存在は大きかったと思うが、その辺はどう感じていますか?
新井
「「#駒沢をブラウンに」というハッシュタグで、たくさんお客さんを集めてくれて、それがなかったらここまでいい試合はできなかったと思いますし、この大会を通じてサポーターの力というのは本当に伝わってきました。声は出せないですけど太鼓や拍手で本当に後押しされて、いつも出ないところの一歩、守備のところの一歩だったりというのは、その応援があったからこそ戦えたと思います」

皆本晃選手
ーー立川・府中を背負って最後の試合、オウンゴールを誘発したコーナーキックを蹴る前にサポーターを煽ってましたが、サポーターの存在というのはどう感じていますか?
皆本
「ここまで長い時間をかけてこのエンブレムを育ててきたと思っていますし、育ててもらったり、助けてもらったりした部分もあるので、最後に1つ形に残したいなというすごく強い思いがありました。しかも今日は名古屋オーシャンズという本当に強いチームが相手で、自分たちだけでは勝てない、やっぱりサポーターの皆さんの力を借りたいというのがありました。皆さんに助けてほしいというアピールをしようとして、ああいうアクションを起こしたというか、自然に出ていたんですけど、その思いがゴールにつながったのかなと思います」

ーー試合全体を振り返ってというのはいかがですか?
皆本
「試合を分析すると、やはり苦しい試合だったと思います。このままではFリーグで優勝するのは難しいと、僕たちも感じています。ただ、今日はファイナルということで、勝つか負けるか、それしかないというところで最後の最後、本当にアスレらしい試合ができたのかなと思います。相手は格上かもしれないですけど、最後まで粘り強く戦って本当に1点を守り切る、本当に1プレー1プレー、最後まで戦い抜く、華麗なプレーはほとんどなかったですし、皆さんが喜ぶような素晴らしいプレーというのももしかしたら多くはなかったかもしれないですけど、逆に私たちにとっては本当に自分たちらしい戦い方ができたと思います。チームカラーの茶色は、馬の茶色でもあるんですけど、僕たちは泥の茶色も一つだと思っているんで、泥臭い試合になったら俺たちは負けないという強い思いでずーっとやってきたので、それを最後の試合に発揮できたというのは、それはそれで美しい終わり方だったのかなと思っているところです」

ーー中断期間が長かったり、W杯があったり難しいシーズンだったが、その振り返りと、名称が変わって新しいスタートになる来シーズンに向けての展望をお願いします
皆本
「本当に今シーズンは、いろんなことがあって、一生忘れられないようなシーズンになったと思います。本当にいろんなことがあって、ままならないことがあったのは事実、その中でこの最後、いろんなことがあったからこそいろんな思いが重なって、今日の結果につながったのかなと思っています。選手だけじゃなくて、スタッフもそうですし、応援してくれる人、みんなに感謝したいなと思います。一方で私ですが、選手も兼任でやるということは選手としてのパフォーマンスも求められると思いますが、そういった意味でなかなかパフォーマンスを発揮できない状況になっていたし、発揮できる自信もない部分もありました。これはもう終わったから言えることですけど、自分1人では何もできないって今は思っていますし、だからこそ仲間が助けてくれることに本当にありがとうと思ってます。来シーズンからは代表者になりますが、選手も兼任する以上、選手として皆さんを喜ばせられるプレーというのをたくさんしていきたいなと思っていて、そこだけは間違いないようにして、しっかり自分もいいパフォーマンスをした上で、チームに貢献していきたいなと改めて思っているところです」

黒本ギレルメ選手
ーー今日の試合もたくさんセーブがありました。シーズン途中にチームを助けたいと戻ってきて、最高の形でシーズンを終えられましたが、今の気持ちを教えてください
黒本
「言葉にならない。うれしすぎる。僕がいなかったときのチームの状況を見て、助けたいという気持ちで戻ってきましたが、W杯期間にみんなでチームを立て直したことがすごいと思います。あまり試合に出ていなかった選手も結果を出して、優勝できたのは個人の力ではなく、チームの力だと思います」

ーー日本で2度目のタイトルですが、どう感じていますか?
黒本
「最高。リーグ戦は、長くて試合もたくさんあるので、そのタイトルを目指すには、まだまだ積み重ねが必要だと思いますけど、カップ戦は一発勝負の大会なので、気持ちが大切。僕らは守備を中心にみんなでめちゃくちゃ頑張った。今まで見たことがないアスレでした」

ーーパワープレーの守備は、いつものメンバーではなかったと思うが、守備を組織的にやるのは難しかったのでは?
黒本
「ジョー選手も決勝はまったく出場できず、酒井(遼太郎)選手も足を痛めてパワープレーの時間は出られませんでした。でも、そのときはチームの力が出ていたので、監督の指示を絶対にやり切ろうとしていました。出場した選手全員が素晴らしい大会でした」

ーーMVPの感想を聞かせてください
黒本
「うれしいです。もちろんうれしいですけど、日本一になったことのほうがうれしいです」

ーー2020年に帰化されていて、日本代表も狙えると思いますが、日本代表への思いはありますか?
黒本
「帰化するまでに時間がかかったり、帰化してから大きな怪我をしたり、いろいろ苦しいことがありましたが、目指してます。35歳ですけど、まだこの夢を叶えたいなと思います」

名古屋オーシャンズ フエンテス監督
ーー試合の振り返りをお願いします
フエンテス
「まず、選手、スタッフ一同、本当にお疲れ様ですと伝えたいです。本当にチーム全体で戦ったゲームでした。ただ、このゲームに関しては、ゴールに嫌われていたところがありました。

ゲーム内容に関しては、前半は厚みのある攻撃はできていましたが、怖いと感じさせるシーンは作れませんでした。その中でちょっと運悪く失点してしまい、追いかける状況になってしまいました。しかし、1対0というのは、私たちにとって逆転するのが難しい状況ではないので、冷静な気持ちでハーフタイムに入りました。そこで戦術的な修正をして、後半は先手を打ってプレーすることができて、コーナーキックもキックインも、ゴールに向かうシーンをたくさん生み出すことができたと思います。しかし、今日に限っては、相手のゴールをなかなかこじ開けることができず、打っても打っても入らない日だったと考えるしかないと思います。

ただ、私たちも今できる全力を出し切って戦いましたし、そういうゲームだったと思います。後半から終盤にかけては、攻撃のチームと守備のチームのようになりましたけど、相手も守備を固めて私たちを0に抑えることは、勝利のために必要だったと思いますので、そういう形になったと思います」

星翔太選手
ーー敗戦となりましたが、試合を振り返って感想をお願いします
星翔太
「こういう日もあるんだなという感じですね。打てども打てども入らないというような日はあるので。そこは力のなさを…、W杯のときなどに話をさせてもらっていますが、そういうところでゴールを決めるというところが自分自身に足りなかったと思いながら過ごしてきましたし、今日もそういうところが結果に出てしまったので、自分の力のなさだと感じています」

ーー表彰式の前にチームメイトにメダルをかけていましたが、どんな声をかけたのでしょうか?
星翔太
「それぞれにメッセージを、基本的には来シーズン以降頑張ってというところと、それぞれへの思いっていうところを伝えさせてもらいました」

ーーこれで選手生活は終わりますけど、第二の人生におけるフットサルへの思いを聞かせてください
星翔太
「選手もスタッフの方々もみんな頑張っているとは思うので、引き続きそれぞれのステージで、努力を続ける以外ないのかなと思っています。僕自身の現状は、フットサルに何か関わるといった予定はないですが、自分の中では、行く行くはフットサルに関われるような学びを持てる場所で働きたいなと思っています。試合を見にきたり、選手と食事に行ったり、少しでもフットサルに触れていければと思っています。これから社会人として自分の生活スタイルを見直して、フットサルとの付き合い方を探したいと思っています」

ーーシュート数が48対10というのもそうですが、敗れてなおオーシャンズ強しという試合でした。クラブを離れるにあたって、今後チームやクラブに期待したいことを聞かせてください
星翔太
「やっぱり勝たなければいけないクラブなので、今日のような結果では評価はされないですし、逆に勝ったチームは、1試合でも持て囃されるのがこのリーグの現状だと思います。

今年はすでに外国籍選手が抜けて、この大会はほぼ日本人選手だけで出ましたし、このあと日本人選手も多く退団するので、今日プレー時間を得た、これから中心になっていかなければいけない若い選手たちは、この悔しさを身をもって感じられた大会になったと思うので、そういった意味ではすごく期待感があります。来年は、環境がさらに良くなりますし、新しい外国籍選手も入ってきてフレッシュになっていくと思うので、来シーズンもリーグをトップでかけ続けると思います。名古屋オーシャンズには、環境と結果で、引き続きリーグを牽引し続けてほしいですし、アジアで5回目のチャンピオンをぜひ取ってほしいと思っています」

ーー現役生活が終わるということで、感想をお願いします
星翔太
「成長し続けられたフットサル人生だなと思います。人間としてもそうですし、プレーヤーとしても、いろんな課題を突きつけられてここまでこられたので、本当に成長という言葉が、やっぱり今日も、もっと成長しなきゃいけないねということを突きつけられた結果だったと思うので。成長に関する課題を与えてくれた競技だったと思いますし、そういう競技人生だったなと思います」

西谷良介選手
ーー総合力やチャンス数は名古屋が上回っていたが敗戦となりました。この結果を受けての感想をお願いします
西谷
「自分たちでも試合を通して押し込んでいる感覚もありましたし、チャンスも数多く作れていた中で、立川・府中もしっかり体を張ってきたり、カバーリングの意識の高さをすごく持っていたりというのは、試合を通して強く感じてました。しぶとく戦ってくるだろうなというのは想定していましたし、不運な形で1点取られた後も、自分たちもストロングポイントや積み重ねてきたものを出して、我慢強く試合を通して戦い続けられたなと、結果は負けてしまいましたけど、戦い終えて今、感じています」

ーーコロナ禍があり、W杯も出場されたが、シーズンを振り返って感想をお願いします
西谷
「この1年間は、自分の中でも特別なシーズンでした。W杯という舞台でしっかりピッチでプレーもできたというのも、経験できる選手は限られているので、そういった意味でも特別なシーズンでした。だからこそこのシーズンを締め括る大会で、勝って笑顔で終わりたかった。残念な気持ちでいっぱいです」

ーーフエンテス監督が前半は圧力をかけきれなかったという話をしていたが、西谷選手はどう感じていましたか?
西谷
「ハーフまでは押し込めていたとは思うんですけど、そこからカバーを作ってくるチームに苦戦したというか苦しめられたなと思います。そこのカバーも1人だけじゃなくて、3人4人で来て、カバーリングの距離や角度も徹底されているなと思ったんで、そこでアジャストするのに少し手間取ったというか。その辺は前半は押し込めていたけど苦しめられたという感覚はあります」

ーー金澤選手のスピードだったり、前線で新井選手がキープしたりというのは、名古屋としても嫌だったと思います。立川・府中の若手の台頭について感じたことはありますか?
西谷
「この試合だけに限らず、全日本のここまでの試合やFリーグを見ていても、若手がどんどん伸びてきていますし、代表に選出されていることも自信になっていると思います。戦っていても脅威に感じることはあるので、本当に非常に自信を持ってやっているなと思いますし、そこをどんどん経験を積んで、自分はもうベテランの域ですけど、しっかり競争して、またその若手の活躍っていうのを楽しみにしていきたいなっていうふうに思っています」

ーー来季は練習場もできて、名古屋オーシャンズが再び絶対王者として全てのタイトルを取り戻しにいくシーズンとなると思うが、その一員として意気込みをお願いします
西谷
「今シーズンも突っ走ってきたので、まずは英気を養いたい、休みたいと思います。とはいえシーズンはやってきますし、今まで名古屋のアイデンティティを作り、引っ張ってきてくれた龍太だったり、翔太だったりがいなくなるのは、改めて新しい名古屋オーシャンズになると思いますし、そのアイデンティティを継承していくためにも大事なシーズンになると思います。自分も責任を持って、若手に負けないように意識してやっていきたいと思います」

ーー決勝戦での敗戦を、今後の名古屋オーシャンズの歴史においてどう活かしていきますか?
西谷
「この負けというのは名古屋オーシャンズには、特に厳しいものがあります。簡単には勝てないなと改めて思いましたし、全チームが打倒名古屋オーシャンズで来るのは分かっていますけど、そこで受けに回らず、逆に自分たちのチャレンジャーとしての姿勢、取り組み方が試合を作っていくと思うし、その姿勢が結果に反映してくると思うので、しっかり結果を受け止めて次に繋げたいですし、無駄にはしたくないです」

星龍太選手
ーー総合力では名古屋が上回っていた試合だったと思うが、試合を振り返っていかがでしょうか??
星龍太「決勝が始まる前からこういう硬い試合というか、難しい試合になるのは分かっていて、殴り合いになるか、本当に接戦になるかとは思っていました。相手は組織的にしっかり守っていたし、対策も練られていたし、その中でどちらも持ち味であるセットプレーで得点を取ったのが立川府中の方だった。最後までその1点で終わってしまったというのは僕たちが決められなかったこともありますが、トーナメント戦というのは、こういう試合だと実感させられましたね」

ーー今日でシーズンが終わって、退団も発表されていますが、2016年からキャプテンも務めて、チームに対する思いというのはいかがでしょうか?
星龍太「10年いて、半分以上の時間をキャプテンをやらせてもらって、地元は東京ですけども、成人してからほぼほぼ名古屋にいて、プロとしてやってきて、いろんな選手、スタッフ、スポンサーだったりサポーターの皆さんと、いろんな人と交流を持てたのは、名古屋でしか経験できなかったことでもあるので、すごく感謝しています。でも最後、気持ちよく終わりたかったというのはあって、翔太の引退だったり、チームで言えば(笠井)大輝も引退するし、今年で辞める選手もいる中で、勝って終わりたかったですね。でもそれは僕や翔太以外の選手も思っていたことで、それでも勝てないのがスポーツの世界。気持ちだけじゃ勝てないし、戦術だったり、いろんな要素がある中で、厳しさを最後に実感させられたので、勝ちたかったですけど、リーグ(優勝)も落としたキャプテンでもあるので、こういうふうに終わるのも自分らしいなと思いました」

ーー立川・府中はかつて所属していたクラブですが、星選手は今日は2本しかシュートを打たせてもらえてなくて警戒もされていたようですが、相手に感じたものはありましたか?
星龍太「泥臭さというか、若い選手が多い中でしっかり走ってきましたし、名古屋に対してはしっかりハードワークするというのが多分名古屋に勝つ、一つの道というかチャンスだと思っているので、そこをしっかり徹底してやってきたのが立川・府中の勝ちにつながったと思います。ファウルやハンドなどで僕らも審判にいろいろアピールをしましたけど、そういうことは関係なしに体を張ってきたから点が入らなかったし、その気持ちの入ったディフェンスはこじ開けられなかった。そうですね、一丸となっていたと思います」

ーーキャプテンとして最初のシーズンに無冠で終わってそこから強くなったと思うが、この敗戦を今後の競技人生にどう活かしたいか、また今後は名古屋と対戦する立場になるがどういう思いがありますか?
星龍太「チームが変わると自分の立ち位置も変わると思いますし、自分がそのチームに何をアプローチしなければいけないかは入ってみないとわからないので、フウガ(ドールすみだ)に入ってからシーズンを通して、自分のやれることややっていかなきゃいけないことを見つけていくのが大事だと思います。でも、こういったプレッシャーを受けながら試合に出続ける経験を持っているのは、フウガには多分僕しかいないと思いますし、そういうメンタルというのを、フウガのメンバーに限らず、若い選手に伝えていくことが大事だと思うので、フットサルに関わり続ける限りはそういったことを続けようと思います」

ーー決勝戦で悔しい形で敗れてしまいましたけど、キャプテンとして選手たちに伝えたメッセージはありますか?
星龍太「違うチームになるんですけど、まだこのチームのキャプテンなんで、「この敗戦は、来シーズン取り返そう」「今日はやり切ったし、しょうがないよ」ということで、来シーズンにこのタイトル取り返そうねっていう声はかけました。「違うチームだろう」って言われましたけど(笑)。まだ今日は、このチームのキャプテンなので」

ーー名古屋オーシャンズのキャプテンとして、この負けはチームにとってどんな意味を持つでしょうか?
星龍太「監督から話もありましたけど、こういう試合をすることでみんなが何かしらの経験を得ることができるし、それはフットサルだけじゃなくて人生でも困難な壁にぶつかることもあると思いますが、それを糧にすることができるかどうかは自分次第ですし、オーシャンズにはそれができる選手が揃っていると思うので、来シーズンはもっと強くなるんじゃないかなと思います」

▶Text by 小西 尚美
▶Photo by 勝又寛晃
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