Fリーグ2023-2024シーズン 第16節 マッチレポート Y.S.C.C.横浜 VS 名古屋オーシャンズ

試合

攻守に盤石の名古屋が再開1戦目から手堅く勝利

Fリーグ2023-2024シーズン 第16節
〜Y.S.C.C.横浜 VS 名古屋オーシャンズ〜

10月7日〜11日まで開催されたAFCフットサルアジアカップ2024一次予選へフットサル日本代表を送り出したFリーグディビジョン1は、3週間の中断を挟んで10月13日(金)・14日(土)に再開。Y.S.C.C.横浜は、14日にホームアリーナの一つ、横須賀アリーナに名古屋オーシャンズを迎えた。

前回の対戦は6月に行われた名古屋ホームでの試合。結果こそ6対3で名古屋が勝利したが、横浜が粘りを見せて、一時は3点差を追いつき、同点にまで持ち込んでいる。お互いに、過去の経験を活かした戦いをしたいところ。特に12節以降勝利がない横浜は、ファイナルシーズンに向けて上位グループをキープするためにも負けたくない一戦となっている。

序盤の主導権争いを制したのは、名古屋。開始早々、前線に構えるギレルマオに鋭い縦パスが入ると、そこを起点にダルランと八木聖人が深い位置まで攻め込み、ライン側で粘ったところから出たマイナスのパスを再びギレルマオが受けてシュートへ。先制に成功する。

その後、お互いに攻撃の形を作るもののスコアが動かない時間が続いたところで強引に得点を狙ったのは名古屋の清水和也。前線でフィクソを背負った状態から前を向いてシュートを放ち、リードを広げた。その3分後には、献身的な動きで攻撃を支えたダルランが吉川智貴のアシストで得点し、3対0とする。横浜も何度かチャンスはあったが名古屋の固い守備に阻まれ、得点までは至らないままハーフタイムを迎えた。

3点のリードがあってもそこに甘えることのない名古屋は、手を緩めることなく攻撃し、4分に獲得したフリーキックから甲斐稜人が得点。その5分後には、キックインからデザインされたプレーで再び清水が得点する。

横浜の攻撃が実ったのは、中盤の時間帯を過ぎてから。名古屋が前からのプレスに切り替えたところをうまく回避して前線までボールを運び、その勢いのまま小林拓夢がシュート。一度は止められたが、跳ね返ったボールに小林歩夢が合わせてゴール。1点を返した。その後、横浜はパワープレーを開始。しかし、名古屋の守備陣形を崩そうと狙ったパスを水谷颯真にカットされ、パワープレー返しを決められる。最後は、安井嶺芽が意地を見せて得点したが、反撃もここまで。タイムアップとなった。

ミックスゾーンにて
※会場の都合でコメントはすべてミックスゾーンでの取材になっています。そのため、写真はありません

Y.S.C.C.横浜 試合後コメント

鳥丸太作監督

ーー試合の総括をお願いします
前回対戦したときとピヴォの選手、ギレルマオ選手がいるかいないかが、大きく違う部分でした。特にオフェンスの部分で、ギレルマオ選手が脅威だったなと思います。そこに対抗する手段については、こちらの選手が慣れるまでに、早い時間で失点しまったこともあって、僕らのプレスのノリっていうのがなくなってしまったなと感じています。また、プレスに行ったところでピヴォの選手に(ボールを)収められてしまうと、その選手は戻らないといけないというところで、なかなか行きづらくなったのかなっていう部分もありますね。

そこから後手に回って、僕らもチャンスはありましたが、にもかかわらずそこを決められずに失点してしまって、どうしても後手に回っていくという試合展開でした。

総括ということを考えると、相手のやりたいことをやられてしまったなっていうところです。ただそれをわかっていても、僕らはそこに真っ向から対抗しようと思っていたので、名古屋さんとの力の差を感じたこと、できたこともできなかったこともあると思うんですけど、それが体感できたことは収穫として持って、これから活かしていくしかない。そういう試合だったと思います。

ーーギレルマオ選手への対策は、どういったものでしたか?
ギレルマオ選手がいることは、もちろん選手には伝えていて、そのなかで僕らの取り所は決めていて、そこはコンセプトをなるべく変えずにやっていました。ただ名古屋の選手も個人個人技術のベースが高いというところで、フィクソが前で取り切ることができずに、そこへの対抗策というかプランしていたことが、うまくいかなかったなというのはあります。

ーー名古屋の選手一人ひとりの力を含めた総合力によって、対抗策がうまく働かなかったということですか?
本当に、かんたんに言うと個人のところでやられたシーンが多かったなっていう印象です。まだ映像を見てみないとわからないところもありますけど。やっぱりピヴォの2人が驚異だったのは間違いないと思います。

ーー後半はセカンドセットからスタートしましたけど、その狙いは?
最初のスタートで出たセットの体力的なところもありますし、いろんなことを考えて、流れとか、かみ合わせを変えたいとか、やっぱり何か変化が必要だと思うので、そういうことを考えて、そっちのセットからスタートしました。選手のモチベーションとか、そういうのも考えて、0対3での折り返しだったので、やっぱり何か変えていくんだというものがないと、そのままいくのは多分選手としては、納得しづらいところもあると思うので。今日の試合のなかでのセカンドセットを、後半は先に出したというところですね。

ーーこれほど得点差がつくことは、戦前は予想しづらかったのですが?
確かにそうですね。僕も驚いている部分があります。それは練習からの部分だったかなって思いますね。危機感を持ってやっているつもりですけど、僕のなかでももっと危機感を持ってやることにフォーカスするべきだったと思います。それは今日のプレスの強さにも現れていたと思うので。やってるようでやってなかったみたいなところがあったのかなと思っています。

ーーそれは相手が名古屋だからというのとは関係ないということですか?
関係ないと思います。どのチームと対戦しても、今日は負けたんじゃないかなって思います。

ーーそこは、チームとしての課題が出てしまったというところですか?
メンタル的な部分ではあると思うんですけど、僕自身もそうですし。どうすれば勝てるという答えはないから、そのなかでやることと言えば、やっぱり強度の高い練習をやっていくことだと思います。

それがやりきれなかったのは、朝が早いとか、仕事があるとか、いろんな言い訳がありますけど、このピッチに立ったら、それは本当に言い訳にしかならないですから。そんなこと言いたくないですけど、そのなかでやるのを選んだのは自分自身、僕もそうだし、選手もそう。だから、そこを言い訳にせずにやるのが大事なんじゃないかと思います。

ーーそういう意味では特に次に活かさないといけない試合になったのでは?
この試合だけじゃなくて、どの試合もそうです。ただ、名古屋さんは唯一のプロで、今シーズンは、負けてもいますけども、そういうチームは特別だと思うし、多分同じような環境のチームが出てきたら、そうはいかないと思うから、そういう意味では強いチームであってほしいというのはあります。

そういうチームに対して、何ができるか。今までの歴史もあって、当然みんなリスペクトしてる。やっぱりアジアの中でもトップのレベルだと思うので、そういうチームに対してというのは、もちろん何ができた、できなかったっていうのは大事かなとは思います。

ーー次節に向けての意気込みをお願いします
落ち込んでる暇はないと思うから、この敗戦を持ち込まずに、僕らのできることは、切り替えてトレーニングして、また次の試合に臨むというところ。この悔しさを忘れてはいけないと思うので隣に置いておいて、置きながら次に向かって進んでいく。いつ勝てるかは分からないですけど、次かもしれないし、その次かもしれないし、もしかしたら今シーズンはずっと勝てないかもしれないけど。

落ち込む時間は、割と長い時間がありますけど、ただやっぱり上を向いてやるしかないし、若い選手が多いから、その経験は無駄にはならないと思います。なので、決してネガティブな意味じゃなくて、これが明けるのがいつになろうとも、落ち込まずに、元気に取り組んでいこうと思っています。

堤優太選手

ーー試合の総括をお願いします
中断明けの一戦目、なかなか勝てていない状況でしたが、名古屋オーシャンズと対戦するうえで、絶対にチャレンジャーの精神は忘れてはいけないと思って臨みました。状況的にも負けられないなかで、立ち上がりに失点して、チームのリズムがなかなか作れないまま、連続失点でズルズルいってしまった。そのなかでも、何個かあったチャンスを決めきれなかったっていうのが、一つの敗因であると思います。一つのチャンスをしっかり決めてくるのが名古屋オーシャンズという、決定力の差が見えた試合かなと思います。

ーー堤選手自身は、代表でも活躍して調子は良さそうだが、チームの流れとは合わなかったですか?
代表のコンセプトとYSCCのコンセプトは違う部分があるので、一昨日帰ってきて、昨日の練習1回だけだったので、タイミングは一つ、ちょっとズレはありました。でも、個人の調子はわりかし落ちてないので、そこはもっともっと出していかないといけないと思います。この試合を忘れちゃいけないですけど、切り替えて次の湘南ベルマーレ戦に、チームとして絶対勝ちに行くっていうのを忘れないように頑張っていきたいと思ってます。

ーー代表からクラブに戻るといろいろな思いもあると思うが?
代表は、絶対に負けてはいけないという気持ちもありますので、クラブでも、その気持ちは忘れずに入りました。そういう気持ちの部分は、うまく切り替えてはいたんですけど、連続失点してしまうと、正直な気持ちとしては、マイナスになってしまうので、そこの部分を僕自身がチームとして、声をかけるのは忘れてはいけないと思います。そういった部分をもっともっと。一個人として、チームを立ち上がらせるということをもっともっとやっていきたいなと思います。

ーー前回名古屋と対戦したときと違ったところに、ギレルマオ選手の加入がありましたが、対戦してみての感想は?
やっぱり大きくて強くてというのは、僕らは正直イヤでした。だからこそ名古屋が戦術として入れてきたのは、しょうがないと思います。ですが、逆にディフェンスの部分では、ちょっと切り替えの遅いところをもっともっとついていければ、数的優位のところで点を取るチャンスはあったので、そこをもっともっと精度高くやるべきだったと思います。

ーー課題として感じているところは?
一つはパスの技術というのがあると思いますし、一人ひとりが今、こういう状況でどういう守り方をしてるっていう認知の部分をもっともっと頭の回転を速くすることによって、チームとしてこういう攻め方ができるというのは出てくると思います。フットサルは、試合中は頭を休めてはいけないと思うので、そこの部分は、選手一人ひとりがもっとフットサルを考えなきゃいけないかなと思います。

ーー中断期間がちょっと悪い方に作用したところもありますか?
リーグ戦から離れてしまうと試合勘というのは難しい部分はあります。ですが、そこは練習で作れると思うので、そこも選手一人ひとりが作っていかなきゃいけない部分だと思います。練習から強度高くやっていけるように頑張りたいと思います。

ーー敗戦が続いているというところでメンタル的な影響もありますか?
選手には、勝ち負けが大切なところなので、影響は正直あると思います。でも、試合の後、ロッカールームで、この負けを忘れちゃいけないけど、次の試合、この10月、負けてはいけないという話をしました。もう気持ちを切り替えてやるのみだと思うので、絶対次の湘南戦で勝ちたいと思ってます。

ーー名古屋を相手にしても、ここまで大差がつくチームではないはずなので、ちょっと驚いたが?
ここ最近は、名古屋相手にも勝ててる試合もありますし、アウェイでは点差が離れてからでも追いつくこともできましたし、そこの力は僕らにあると思ってチームを信じてやってるので。今日はなかなか難しい展開でしたけど、僕らのフットサルはおもしろいですし、強い部分はあると思うので、そこは一人ひとりYSCCのフットサルを信じてやるのみだと思ってます。

ーー失点を簡単にしてしまったというのは、どのあたりが問題だと感じますか?
やっぱり球際の部分っていうのは、絶対負けてはいけないと思いますし、そこの部分を負けてしまったら、日本一強いチームですと絶対に決めてくるので、そこの部分はもっともっと戦わなきゃいけないと思ってます。

ーー次節に向けて意気込みをお願いします
今回、2対6という大差で負けてしまったんですけど、次は神奈川ダービーということで、小田原アリーナという最高の会場でやれるので、いいゲームをして、しっかり勝ち切るっていうことに選手一人ひとりが思いを入れて頑張っていきたいと思ってます。

名古屋オーシャンズ 試合後コメント

フエンテス監督

ーー試合の総括をお願いします
この試合は、上位に食い込んでくるチームとの直接対決のような試合でしたので、自分たちにとって難しいものになると思って、プランを組んで準備してきました。相手のホームで6点を決めて勝ちましたけど、難しい試合でしたし、代表の活動に3人の選手が行っていたり、ケガ人が2人もいたりしますので、メンバーのところでも難しさがありました。でも、代表活動のない選手たちも毎日毎日すごくいいトレーニングを積んでいるので、自分たちは自信を持って来ていますし、プレー中の課題を上手くクリアしてこれたかなと思っています。

このように、いい準備をした部分がすごく出せた結果、整った試合運びができたと思っています。また、自分たちが準備してきたことがうまくいって、得点も重ねられました。それがまた自分たちの自信にもなると思います。

自分たちは、こういった内容の試合をしないといけないと思っていましたし、そういう試合ができてよかったなと思っています。今シーズンはここまで難しい試合が続いてますし、いいプレーをしていても、ちょっとしたミスが失点につながることがかなりあったり、自分たちに不運なところがあったりもしました。今日も、5対0になったところで自分たちが前にプレスをかけると判断した時に1失点をしてしまった。そこから相手はパスを繋いできましたし、うまく回避してきて、自分たちが相手の背後を走るようなシチュエーションになってしまった。できるだけスペースを消すように自分たちはサイドからサイドまで頑張りましたけど、最終的に失点という形になってしまいました。

最後のところ、パワープレーは、すごくいい守備ができたと思っています。でも、1点取った後にコーナーからすばやく展開されたところで自分たちの反応が少し遅れてしまったので、それが失点につながったと思います。

それでも勝ったことはすごくうれしいですし、すごく良かったと思います。コンプリートな試合になったんじゃないかなと思います。

今日は勝ちましたが、改善しないといけないところはまだあるので、そこを継続してやっていかないといけない。選手がすごく頑張ってくれたので、その努力がこの勝ちに繋がったと思っています。また今日みたいな試合を繰り返しやっていけるように、全員がしっかり責任感を持ちながら、一歩一歩前進していける、そこを継続するだけじゃなくて、そこから成長につなげていかないといけないと思います。

ーー難しい試合だったとおっしゃってますけど、どの辺が難しかったんでしょうか
難しいというのは、試合の内容というより準備の部分です。自分たちが思っているような試合運びができていない試合が続いていましたし、今日はアウェイの試合ですから、思ったような試合運びをするために、自分たちが準備をするというところがより難しい部分だったと思います。

でも、そこで準備してきたこと、例えばキックインの守備だったり、コーナーの守備だったりというところで、試合の中のそういったところで良い内容が見られました。1対1になりそうなシチュエーションで、篠田が止めたシーンもありました。また、今、自分たちが難しいと感じている部分は、キーパーが上がってくることについて、より練習しないといけない部分だと思います。

ここ何週間かは、全員そろって練習ができてないので、そういったところも難しい要素の一つかなと思います。これからより良くしていけると思ってますし、そこが良くなればまた違うところをより良くしていけるんじゃないかなと思っています。

ーーギレルマオ選手が加入して、攻撃のバリエーションがより増えたように見えますが?
前でしっかり張れる選手で、背負ってプレーできる、そういう個性のある選手だと思っています。押し込んだところで、その個性をより出してくれる選手だと思っているので、そういったところで違いを見せられるんじゃないかなというふうに思っています。

レフェリーとの部分でも、すごくファウルを取られる試合が多かったですけど、今日に関しては標準的な笛の吹き方をしてくれていたと思うので、それも、より今日の結果につながったんじゃないかなというふうに思います。

身体もかなり強いので、止めるのはすごく難しいと思います。

篠田 龍馬選手

ーー試合の総括をお願いします
代表に3人が行っていましたが、代表の選手は代表活動があってコンディション的にも難しいなかで、残ったメンバーでしっかり2週間準備してきました。なかなか苦戦しているシーズンですけど、この中断期間後の一試合目ということで、すごく大事な一戦だということと位置づけて今日の試合に臨みました。

流れは、すごくよかったです。先制点も早く取れて、いいゲームができたと思います。失点のところは、今シーズンにちょっと失点が多くて、今日も2失点してしまいましたが、改善は出来てきているのかなっていう印象です。

ーー2失点はありましたけど、守備は良かったように見えました
はい、良かったと思います。結果的に2点取られてますけど、今、取り組んでやってきてる、ディフェンスの方に力を入れてやってきているんですけど、その成果っていうのはあったと思います。人数のこともあって、ちょっとハーフからの守備をやっているなかで、一定の成果というか、練習で取り組んできた成果というのは出せたと思います。

そのなかで、今日の失点は、ちょっと運がなかったりとかっていうようなものでした。そこにもしっかり目を向けて、次に、起きないように。もっともっと向上していけると思うので、チームとしてまた引き続き取り組んでいきたいです。

ーーギレルマオ選手が加入して、攻撃面もバリエーションが増えたように見えましたが?
そうですね。ギレルマオも、ダルランも、ピヴォの選手で、どっちがピヴォの位置に入ってもやれますし、ダルランはパスもうまいんで、今日もピヴォの位置に入ることはなかったんですけど、アラの位置で、身体の強さを生かして、ギレルマオにいい形で当てて、で、ダルランが打ちに行ったり、3人目で(八木)聖人とかが打ちに行ったりっていうところで、おっしゃる通りバリエーションやっぱり増えたと思います。

ーー新加入選手たちが馴染んで、本来の力を出せるようになってきたように見えましたが、キャプテンとしてはどうみていますか?
本当に馴染んできて、戦術的にも問題なくやれてますし、今日も(甲斐)稜人は点を取りましたし、(清水)和也も2点取って、結果としても出てきてるんで、もともと他のクラブで中心選手してやってきた3人なので、問題はないですし、3人が馴染んできて、3人もそうですけど、僕たちもより良くなっていくんじゃないかなというふうに思います。

▶Text by 小西 尚美
▶Photo by 小西 尚美
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