Fリーグ2023-2024シーズン 第15節 〜バルドラール浦安 VS ボルクバレット北九州〜

試合

エースが決めて、狙いがハマった浦安が6得点で完勝

Fリーグ2023-2024シーズン 第15節
〜バルドラール浦安 VS ボルクバレット北九州〜

フットサル日本代表がブラジル遠征を行った関係でリーグ戦が1週空いたFリーグディビジョン1。バルドラール浦安は、9月23日(土)に再開の15節を開催し、ホームのバルドラール浦安アリーナにボルクバレット北九州を迎えた。

浦安は14節終了時点で6位。シーズンの深まりとともにチーム力が安定して得点力も増し、ここ2試合は連勝している。一方の北九州は11位と下位にいるが勝点差は詰まっていて、1試合の勝敗で順位は入れ替わる状況。こちらも直近の2試合に連勝、3試合負けなしでこの試合に臨んだ。

試合開始からアグレッシブな姿勢を見せたのは北九州。しかし浦安は、その勢いを組織的な守備で受け止めつつ、攻撃につなげていく。主導権を譲りたくない北九州は、さらに前への勢いを高めようとゴレイロの伊名野慎も攻撃に参加するが、ここで浦安の加藤竜馬が強度高くプレスをかけて、ボールをルーズに。すかさず本石猛裕が拾って、無人のゴールへ蹴り込んだ。

北九州は先制を許したものの、相手陣内の高い位置からプレスを仕掛けてコーナーキックに持ち込み、このセットプレーでクシヤマイザケが得点。失点直後に試合を振り出しに戻した。

両チームともにアグレッシブに攻めるなか、先に追加点を奪ったのは浦安。吉田圭吾がゴール前の際どい位置にパスを送ると北九州の守備の乱れを誘って東出脩椰が得点。その後、北九州の攻撃からバックパスを取られた浦安はゴール前での間接フリーキックを与えてしまうが、宮崎岳のシュートをしっかり跳ね返すと、持ち前の守備から攻撃へつなげて奪ったセットプレーから本石が2得点を決め、ハットトリックを達成する。

3点を追う展開となった北九州は、残り時間が4分を切ったところでゴレイロを今給黎空に交代。今給黎を加えた形でパワープレーをスタートする。残り1分を切ったところで今給黎がゴール前に速いボールを送ると、浦安のオウンゴールを誘発。1点を返してハーフタイムを迎えた。

2ndピリオド、北九州はスタートから今給黎を加えた形でのパワープレーを展開。数的優位の攻撃から田村龍太郎が決めて1点差に迫る。その後も北九州は、ファーストセットは今給黎が入った形のパワープレーを行い、セットはゴレイロごと交代する体制で得点を狙う。しかし、中盤に差し掛かった時間帯にセカンドセットに交代した直後、浦安の長坂拓海が高い位置でパスをカットし、そのままシュートして追加点。さらに終盤のセットプレーから四度本石が得点を決め、6-3とリードを広げた。

その後北九州は、フィールドプレーヤーをゴレイロに仕立てたパワープレーを開始するが得点することはできずにタイムアップとなった。

バルドラール浦安 試合後会見

バルドラール浦安試合後会見 小宮山友祐監督

バルドラール浦安 小宮山友祐監督

小宮山友祐監督

ーー試合の総括をお願いします

絶対に勝たなきゃいけない試合をしっかり勝てたことが大きな価値になったと思っています。北九州がキーパープレーも含めて、早く上がってきて、パワープレーのような形を作ることも想定してましたし、それに対してどうやって対応するかというのも練習してきて、1点目は本石(猛裕)と(加藤)竜馬がしっかり挟んで、伊名野(慎)からボールを取って決めて、理想的な形で先制することができました。リードしながらゲームを進められたのは、本当に良かったなと思っています。

いらない失点はありましたけど、そういうのも含めて現時点での順位が自分たちの居場所になっていると思います。今日もそうですけど、これからの試合は1点の重みがすごく大事になってくるので、ああいうもったいない失点は減らしていかないと、上位にはいけないかなと思っています。

後半のキーパープレーのディフェンスに関しても、いつもは出場時間が短い染野(伸也)、空(涼介)、(宇野)伊織、(伊東)陽希が、本当によくやってくれたと思います。彼らがああやって時間を進めてくれたことは非常に大きかったですし、多分北九州にとっても「あれ?」というところはあったかなと思います。ファーストセットが対応すると、(ボールを)取れると思って取りに行って、思う壺で逆にやられて、実際に危ないシーンもあったので。彼らには、セットを替える前にこういうことをやってほしいということを伝えて、それをしっかり体現してくれたので、そういう意味ではチーム全員で掴んだ勝利だと思っています。

ーー守備を徹底してもらうための、その4人のセットだったということですか?

ファーストセットの4人が取るに取れなくて失点して、熱くなっちゃってたから。1回替えて、こういうコンセプトでやるよというのを彼らに言うのももちろん一つあったんですけど、「見てみろ、彼らがやるから大丈夫」「体現してくれるから落ち着け」と。ファーストセットもその分休めるし、1回リセットもできる。そういう意味では決めるところを、ちゃんとタケ(本石猛裕)も(長坂)拓海も、しっかりと後半の一番欲しいところで点を取ってくれたんで。そういう意味では役割分担ですよね。すごく良かったんじゃないかと思います。

ーーチーム力としては浦安の方が上だと思うが、それにもかかわらず1点差に迫られたりといったゲーム運びがあるが、そういったところへの取り組みは?

この間もお話した通り、自陣でのロストを減らそうというのは、いつも言っています。自分たちのプレーモデルは相手コートでゲームを進めるものなので、相手コートに早くボールを運ぶこと、そのために強いピヴォがいて、クワトロを持っていて。それでなぜ、底辺でロストするの? っていうところは、常に言ってきている。でも、今日の1失点目もそうじゃないですか。底辺でロストして、コーナーキックから決められて、2失点目のオウンゴールはちょっとかわいそうでしたけど、ああいうところは切り替えが遅くて失点したというよりは、相手コートにボールを運べないというところ。そこが自分たちにとっては大きな課題なんですよね。

プレス回避は、いろんなバリエーションがあって、いろいろ準備してきて、これをやろうあれをやろうと言ってきた。でも、結局選ぶのはちょっと違うものだったり。それは(ピッチの)中の選手たちが決めることだから、もちろん尊重してますけど、同じエラーをしちゃうと。例えばですけど、今日は染野と伊東と空と伊織が良かったから、彼らが長く出ましたけど、その分、東出(脩椰)、吉田(圭吾)、ディドゥダ、柴山(圭吾)は出てないですから。それは彼らがチームのモデルを体現できなくて失点してしまったから。そうなると、やっぱり出場時間が短くなるよね、その分、選手層も厚くなってきているから、というところ。チーム内の競争が今後、もっともっと高まれば。今日は、ファーストセットを休ませることができたのは、大きかったですよ。熱くなってるんだったら1回休めと。その分は他の選手がやってくれるからと。そういう意味では、チームの総合力が少しずつ上がってきたかなとは思ってますね。

ーー今日はチームの総合力が上がったことがよくわかる試合だったと思います

監督としては、うれしい誤算というか。定位置攻撃とか普通のディフェンスとかも含めて、「やれるじゃん」と。今まではどこかしらエラーが目につくところがあったんですけど、今日はすごく良かったと思います。むしろ、今日だけが良かったのではなくて、彼らは今週ずっとよかったですから。あとはこっちが使うかどうか。19歳の伊織と陽希を一緒に使うことは、やっぱりリスクはあると思いますけど、でも柴山も含めて、そういう選手たちにチャンスを与えて、長く試合に出すというのは、すごく大事なことかなと思うので。もっともっとそういう競争力を活性化したい。これで大島(旺洋)と田中(晃輝)が戻ってきたら、もっともっといい競争が生まれると思うので、そこに関しては、この中断期間を上手に使って。現状6位ですけど、現状に満足しているわけではないので、後半戦まだまだ、1つでも勝点を挙げて、順位を上げたいなと思います。

ーーこの試合までに1週空きましたけど、この間に何か取り組まれたんですか?

もちろん。自分たちがやらなければいけないことは、オフェンスもディフェンスもチームモデルは何かということを確認するところと、一番はさっきも言いましたけど、勝つために必要なことはなんだということを確認するところ。

だから紅白戦を毎回プレーイング(タイム)でやって、勝敗を競いました。負けたら罰ゲームはないですけど、でもやっぱり勝敗を競うところ。試合がない週でも、紅白戦をリアルな試合だと思って、徹底して勝ち負けにこだわれよ、と。残り10秒で1-0で勝ってるならクリアしていいよ、勝つためには必要なことでしょって。負けてる方は、自分たちでビブスを着て、パワープレーしていいよ、勝ちたいんだよな? と。監督としてコンセプトは、やってほしいことは全部伝えてある。選ぶのはみんなだよねというところで、セットであえてめちゃめちゃ競わせました。ファーストセットが負けることもたくさんありましたし。本当にいい意味で成長してるなという手応えは感じています。これからもっと良くなると思います。

ーーこのあとはリーグ戦が3週間空きますけど、そこでも何かやることは決めていますか?

我々にとっては非常にうれしいですよね。この間も石田(健太郎)がブラジルから帰ってきましたけど、やっぱりいい経験をしてきたと思います。明日からは本石が合宿(フットサル日本代表候補トレーニングキャンプ)に行きますし、そのあと石田もアジア選手権(AFCフットサルアジアカップ2024 1次予選)に行きますし。本石は多分現時点で得点ランキングは2位だと思いますが、やっぱり結果を出せば呼んでもらえる。誰にもチャンスがある。小暮監督もよく言ってますけども、門は開いてるんで、そこに対して、タケや健太郎だけじゃなくて、やっぱり何人も入ってきてほしいなと思うので、そこはチームにとってすごく大きいですよね。

とはいえ、いないから練習は休み、ということはないです。名古屋がどれだけ練習してるか、他のチームが練習してるか、それはわからないですけど、今、浦安史上、一番練習してます。私が現役のときよりも、めちゃめちゃ練習してます。私が現役のときは、試合前と試合後はオフでしたから。今は試合の前も練習するから当然昨日も練習してますし、試合後も、明日はちょっとないですが、通常のリーグスケジュールのときは練習していますし。やっぱり量と質は比例すると思うので、過去一、浦安史上一番練習しています。足が痛い選手は休んでいいよ、でも、その分、自分のポジションがなくなるよという緊張感と危機感というのは常に持ってます。それが若い選手がすごく伸びてきている要因の一つかなとは思ってます。

ーー本石選手はフィジカルが強いですが、その割にポジショニングとワンタッチでうまく得点した印象ですけど、このプレースタイルは元々本人が持っているものか、それとも監督が何か指導をしたんですか?

その辺の技術は、元々めちゃめちゃうまいです。パスもそうだし、コントロールもめちゃめちゃうまい。身体も強いんで、前に張りっぱなしのピヴォという印象があるかもしれないですけど。

やっぱり柔軟なフットサルをしたいんですよね。例えば彼が代表に行って、イランとかブラジルとかと戦ったときに、それだけだと難しい。私も彼は、いつ代表に行ってもおかしくない選手だと思ってるので、もっと柔軟に、いろんな引き出しを持っているプレースタイルになってほしいと伝えてます。それに石田がいて本石がいて、パスの出し手と受け手の関係性はすごくいいですし。石田が運んでる間に本石はどこに顔を出すか、本石が下がってきたスペースに長坂が入ってくるとか、相手からしたらやっぱりいやですよね。

そこの関係性は、僕はすごくいいと思ってるんで。ずっと固定したピヴォだと長坂が出てくるスペースがないので、本石を下ろしてきて、あえてスペースを空けて長坂を走らせる、そこに出せる石田、右サイドでスピードでスプリントできる竜馬がいるっていうのは、やっぱり固定しているだけではもったいないかなって思います。

ーー長坂選手は、ポジション取りやこぼれ球を狙うタイミングが絶妙ですが、あれはチームのタスクとしてのプレーか、それとも個人のセンスですか?

完全に個人のセンスです。彼に関しては、こっちが予想してる外の動きをしますね。逆にこうしてくれということはあんまり得意じゃないです(笑)。もちろん言いますよ、こうしてほしいって。例えば構造でクワトロだったら、あなたがここにいるときはこうしてこうでこうだよって言います。でも、「わかってます」と言っても、全然違う動きをする。でも、それは彼の感性なんですよ。「え?」って思いますけど、でも、こっちが「え?」って思うってことは、相手も「え?」って思うんですよ。クワトロのセオリーでいえば、ここに入ってくるのに、いきなりパーンって走り出す。でも拓海は相手を見て走ってる。相手を見てそれを決断するのは全然いいよというところと、でも、それだけだったらダメなんですけど、うちはそこにパスを出せる選手がいます。石田とか本石とか。そういう意味では相手からしたらわからないですよね。拓海のその辺のセンスは、私もわからないです。

こぼれ球に対してすごく反応できるのは、多分拓海のなかで予測と経験があるからだと思います。このヘディングの落とし方だったら、ここに転がるっていう。それと単純に足も速いです。

そういう意味では、彼はボール奪取がすごく多いです。フィクソのディドゥダとか健太郎が多いという印象がありますけど、ボール奪取は長坂がすごく多い。チームの中でも、奪取数でいったら。そういう意味では彼の天性のものもあって、あとはそれだけだとダメだから、いろんなものを学びながら。それで今、ああいうものが確立されたんじゃないかなと思います。彼にももう1回代表に行ってほしいなと思います。

ーー今日の柴山選手は、パカット選手を背負ってシュートまで持っていくシーンもありました。シュート自体は決められなかったということで、今後、彼にはどんなものが必要ですか?

強引さは、彼の良さなんで、持ち続けてほしいなと思います。いつも言ってますけど、(柴山)圭吾に関しては、ゼロか100なんですよ。パスが入ったら自分が反転して打つ、しかないんですよ。本石は、それもできてパスも出せる。でも圭吾はまだパスが出せない。なぜかといえば、ボールコントロールが下手だから。(ボールが)自分の形で収まれば落とすこともできるし、反転することもできるんですけど、でも、そこの幅がまだ狭い。狭い範囲内では落とせるんですけど、タケみたいに逆サイドに飛ばすとかっていうのはまだできない。だからパカットは、反転されなきゃいいと思っていたと思うんですよ。パスはないから。というような守り方をしてるのかなと思いました。

でも、パカットをあれだけ背負えるのは大したものだと思います。何回もシュートまで行っていたし、チャンスもあったので、今の彼にはそれだけでいい、と。「反転して打て」「反転して打て」それだけで十分脅威だからと言っています。それがすごく良くなってきてるので、それに対して相手が警戒し、挟んできたりしたら、次がパスだよね、と。だから一個ずつかなと。

一時期、本石のことを意識しすぎて、パスばっかり出していて、全然怖くなくなっちゃったけど、それが今は戻ってきた。パスとかはまだいいから、まずは反転して打て、と。そういう意味でもすごく良かった試合だったなと思います。

石田健太郎選手

バルドラール浦安試合後会見 石田健太郎選手

バルドラール浦安 キャプテンの石田健太郎選手

ーー試合の総括をお願いします

勝ったことが本当に良かったことだと思いますし、それがすべてのゲームだと思います。

ーー入りは北九州の方が良かったように見えたが、戦う中で主導権を握っていった戦い方については?

ゲームの入りは、もちろん大事ですけど、そこで点を取られなかったことがすごく大事だと思います。僕は(代表の活動で)ブラジルで試合してきていましたけど、相手も含めてみんなは、試合が空いたなかでの久しぶりのゲームだったので、入りの時間帯で流れが相手に傾いても、そこで点を取られずにしっかり落ち着いて自分たちの攻撃をして先に点を取れたというのは、この試合において一番大事なポイントだったかなと思います。

ーー相手が攻撃によってゴレイロを交代していたが、対策はしていましたか?

いや、替わることについては対策してなかったですけど、キーパーが上がってくる時間が長いというのはスカウティングであったので、ある程度予想はできてました。でも、あれだけ長い時間やられるとは思ってなかったので、守り方のちょっとしたエラーはありましたけど、それは本当にすぐ監督やコーチングスタッフが修正してくれたので。1失点しちゃいましたけど、後半連続で失点することなく、相手に1回もリード許すことなく試合を運べたのは、すごくよかったです。

ーー1点目の得点は対策通りということですか?

あれは完全にスカウティングで監督が言ってくれた通りで、あれは狙い通りでした。

ーースカウティング通りで得点できたことが主導権を握って試合を進められた要因ですか?

そうですね。ここ最近はやっぱりスカウティング通りというか、じゃあここを狙おうというプレーでうまく点が取れることが多いので、あの得点は本当に大きかったかなと思います。やっぱり相手はリスクをかけてくるので、そのリスクをこっちが跳ね返したら、相手のダメージは大きいので、本当にスカウティング通りだったなと思います。

ーー得点が量産できているが、本石選手が馴染んできてチーム力が上がったように見えますが?

両方あると思います。さっきも言いましたけど、スカウティング通りの得点というのが本当に増えたなと思うし、相手の隙をつく部分っていうのはすごい多くあるなと思っています。一人ひとりが多くのことをやろうとしすぎてうまくいかなかった部分があったので、そこを1回頭をクリアにして、自分の得意な部分だったり、ハードワークしたり、そういう当たり前のことをできるようにみんながなってきているので、自分の力を発揮しやすくなってきてるのかなと思います。

ーーシンプルな考え方になったということですか?

さっき言ったスカウティングもそうですけど、自分たちのチームスタイルは、大量得点をするスタイルじゃなくて、ディフェンスで、しっかり主導権を握って勝つというスタイルなので、今日の最初のゴールじゃないですけど、奪ってゴールを決めるとか、ああいう部分がすごい良くなってきてると思います。

組み立てについては僕の役割だと思ってるので、そこは自分にしかできないと思うし、自分がやらなきゃいけないと思うので、そういう部分を僕はしっかり全うして、みんながどういうふうにプレイできるかっていうのを考えながらやってはいるつもりです。

ーー今日は3セット出てきて、チームの全体的なレベルが上がっていると感じましたが?

チームとしてやっぱり誰が出ても同じフットサルをするというのは、それは攻撃じゃなくてディフェンスの部分だと思うので、ああいう風に今日みたいにパワープレーでしたけど、押し込まれた時間でも、全員で多分変わらずにディフェンスできていたと思うし、

欲を言えばもうちょっとマイボールの時間を、奪ったあとに長くできればよかったですけど。普段のみんなならもっとできると僕は思っているので、まだまだこんなもんじゃないなというのはあるので、練習通りというのは難しいですけど、本当に誰が出ても同じようなフットサルをできるように、みんながもっと自分の力を出していけば、チーム内の競争も含めて、順位も上に上がれるかなと思います。

ーー代表から帰って疲れなどは大丈夫ですか?

まだ若干時差の影響はありますけど、でもみんなより試合はやってきたので、試合のイメージだったり、試合勘とか体感とかスピード感っていうのは問題なくやれてるかなと思いますね。

ーーむしろ厳しい戦いをしてきたというところですか?

また違うものなので、比べるのは違いますけど、もちろん戦術も違うし、ファールの基準もまた違うので、頭の疲れというか、切り替えるっていうのがちょっとあります。でもそこはもう代表に行く以上は大切なことだと思うので、自分がもっと対応していかなきゃいけない部分だと思います。

ーー代表で経験したことをチームに還元していくことについては、どう考えていますか?

戦術とかは全く違うので、そこの部分は難しいですけど。でも、ディフェンスの強度だったり、一個のポジショニングの賢さとかは、戦術面以外の部分は持って帰って、実践できるかなって思ってます。

ーー賢さというのは?

ファールする場所だったり、ポジショニングひとつだったりっていうのは、本当に、一瞬で失点してしまうような試合を多くしてきたので、そこはあるかなと思います。

本石猛裕選手

バルドラール浦安試合後会見 バルドラール浦安 試合後会見 本石猛裕選手

バルドラール浦安 本石猛裕選手 4得点を挙げて勝利に貢献

ーー試合の総括をお願いします

点が多く取れた試合でしたけど、本当にいらない失点もあったので、まだ改善できる部分があるゲームだったかなと思います。

ーー本石選手が得点を量産できる体制になってきたが、チームにフィットした感覚ですか?

そうですね。信じて走り込めばとか、いいところでマークを外しておけばボールが来るとか、練習からずっとやってることなんですけど、最近は本当にそこが試合で出始めて、いいボールが来て、それを本当に決めるだけっていう。パスとか、動き出しとか、本当に仲間に感謝するゴールが多いんで、やっぱそこは一番ですね。

ーー移籍してきてシーズン当初は、なかなか難しいところもありましたか?

移籍してきて、オーシャンカップのときはケガをしていて、ちょっと出遅れちゃって、インプレー中にどこにパスがほしいとか、どこで受けたいとか(要求したり)、仲間のプレーもわからないところもあって、なかなかうまくいかずに、点も取れない時期もあったんですけど。最近はみんなのプレーも理解してきて、この選手はドリブルがあるからちょっと空けた方がいいよねとか、そういうお互にリスペクトして、お互いのプレーが良くなるように、練習中から常々コミュニケーションをとっているので、そういうのが今、結果につながっているのかなと思います。

ーー代表候補のキャンプには呼ばれましたが、代表への思いは?

そっちの方に食い込んでいかないといけないなって思ってるんで、悔しさもありつつ、見返してやるっていう、そこに入ってやろうっていう気持ちで、今日はずっと試合前の練習からやってました。

ーーちなみに今日は木暮監督も見に来ていましたけど、4得点して「見たか」みたいな気持ちはありましたか?

見たかっていう気持ちはないですけど(笑)、こうやって本当にもうひたむきに、真摯に取り組んで結果を出すことで、何も言わずとも選ばれていくっていうところを目指してるので。日本にもいいピヴォの選手がたくさんいるので、僕もそこに名を連ねていけるようにやらないとダメかなと思うので、そういうことは意識していますね。

ーー印象的にはフィジカルを活かしたプレーが得意に見えるが、今日はポジショニングやこぼれ玉をワンタッチで狙う得点が多かったが、結果的に今日の試合はそうだったのか、それとも常にそういったポジション取りを意識しているんですか?

北九州のスカウティングの映像から、マイナスが空いたりとか、ちょっとマークが甘い部分があるという話が監督からあったので、そういうところを突いていこうというのがありました。相手にはいいフィクソ、パカット選手がいるんで、ちょっと4枚になって、落ちてきてミスマッチを作って前に出て行ったりとか、そういうモビリティを出して、裏を狙ったりとか、こぼれ球もそうですけど、そういう隙を見つけたことが、ゴールにつながっているのかなと思います。

ーーパスの出し手としてどの選手が一番合うというのは、ありますか?

健太郎もそうですし、長坂選手、竜馬選手とかも。このチームは、パスがうまい選手もいますし、ドリブルができる選手もいますし、あんまり僕が全部背負ってこじ開けようとしなくても、崩してパスを出してくれるんで、あとはもう決めるだけっていうシーンが、本当に今シーズンは多いです。去年とかは、ちょっと自分でこじ開けようとしすぎてカウンター食らったりとか、そういう場面もあったんで、今は本当にラクに点が取れるというか。いいところに走ったらちゃんとボールが来るっていう、その信頼関係があるんでそこが一番ですね。

ーー長坂選手が得点をするとチームの調子の良さを感じますが、同じセットで何か感じることはありますか?

このチームには、点を取れる選手がいっぱいいて、特にファーストセットは、誰でも、本当に今まで点を取ってきた選手もいっぱいいます。僕が得点してそうやって言っていただけたらうれしいですけど(笑)、僕が点を取って浦安いいねって言われるぐらい活躍しないと、やっぱり代表とかにも絡んでいけないと思います。

このチームからもっと代表選手を増やさないといけないとは監督も常々言ってますけど、本当にいい選手が揃っていると思います。代表に呼ばれるべき選手が呼ばれるためには、チームを勝たせる選手がもっともっと増えないといけないなと思うので、もっと勝利に貪欲に戦って、上位に行って、1人だけじゃなくて5、6人くらい代表に呼ばれるように、増やして行けたらなと。そういういい循環が生まれたらいいのかなと思います。

ーー今日の固め取りで得点ランキングが2位に上がったことで、代表も見えてきたんじゃないですか?

やっぱり行けるところまで行きたいですね。日本人トップでゴールを取れたら、もっともっと代表にも近づくと思うし、やっぱりそこありきで代表を目指していかないと選手としては終わりだと思うので、選手である限り、狙っていきたいなと思います。

ボルクバレット北九州 試合後会見

ボルクバレット北九州試合後会見 中嶋孝行監督

ボルクバレット北九州 中嶋孝行監督

中嶋孝行監督

ーー試合の総括をお願いします

ホームで2連勝しまして、その前のYS(Y.S.C.C.横浜)さんからだと、3戦負けなしできていたので、チームでもここの浦安戦はすごく大事な試合と位置づけて戦いました。

その中で、ボールを持つことであるとか、相手の守備の特徴をちょっと理解しながら、最後は5-4をうまく使って、打開点を見出した、見出そうという準備のところは、できたのかなと思っています。

ただやっぱり本当にちょっとした部分で、失点につながる回数が多くて、そこで追わなきゃいけないという展開というのは、なかなか難しかったというところです。

やっぱりそういう部分というのを今からでも減らしていかないと、その後に追いつくにしても点差が広がっていくとゲーム上では、こうやって負けにつながるのかなというのも感じたゲームだったかなと思ってます。

ーー横浜に0対0で引き分けてから、短いが中断期間があって、中断明け後は負けなしという形できていますが、その間に何か取り組んだり、変えたりした部分というのはありましたか?

まずゲームの部分は、すごく大事にしようということで、結構ボールを持つことはできたんですけれども、ゴールっていうところがなかなか遠かった試合が多かったので、ボールを奪うというフェーズのトレーニングを作っていって、よりボールがゴールに向かえるような状況のトレーニングをちょっと多めにやりました。攻撃がシュートで終わる状況は増えたので、そういうところが一つ良かったのかなと思っています。

今日も結果的に点は取れているので、そういう意味ではリスタートの部分であるとか、ああいうのはやっぱりゴールを決めたいという現れだと思いますし、それ以降の2点目のところもやっぱりゴールに向かう姿勢が有利に出たのかなと思います。そういうところは中断以降積み重ねたところがゲームに出たんじゃないかなと思ってます。

ーー今給黎選手は完全にオフェンスという形での起用だったと思いますが、伊名野選手との使い分け、あるいはフィールドプレーヤー5人で戦うパワープレーとの使い分けについては?

ゲームの流れとか選手の疲労度とか、内側にある課題というか、材料に応じてやるというのもあるんですけど、逆に言うと浦安さんにボールを持たれると、今日はちょっと嫌だなという思いもあり、やっぱり僕らがボール持つことによって、相手も修正に時間を取ってたので、「あ、これはいけるな」と。で(宮崎)岳たちから、「5-4でやりましょう」というようなことがあったので、「じゃあもうこれで行こう」という感じで。それが結果的に、前半からやることによって、相手も出てくるからまた後半、それに対して対応できるっていうので。ゲームの主導権をちょっと、こっち側が握れるようにという形でアジャストして使ってる感じですね。

ーー今給黎選手の使い方がすごくおもしろかったですが、前半は彼をベンチから近い右に置いていて、後半も右サイドにおいていたが、その理由は?

彼を軸に置いて、彼は右利きのシューターで、結構パンチ力もあるので。あそこから右の対角線に飛ばして、何点目ですかね、結果的に入ったのがあるんですけど、やっぱり一発あれを見せると、どうしてもディフェンスは絞らなきゃいけなくて、(田村)龍太郎の縦が空く。それで出てきたら後ろ。浦安さんはフィクソがずっとスライドしていたので、もうこれをひたすらスライドさせて、寄せられたら1点目が入ったような逆の対角に飛ばすとか。こなかったら龍太郎に当てて真ん中で取るというのが狙いではあったので、そういう意味ではうまく機能はしてたのかなと思います。

ーーゴレイロとして、すぐに戻れるポジションというところで?

もちろん足も速いですし、やっぱり足元の技術も結構高いので、そういう意味では非常に良いかなと思って使っています。

ーーファーストセットが長い時間戦うことになったが、その辺りはどのように考えていますか?

相手によって、です。今のところでいうと、セットで当てています。こっちだとこっちのセット、相手のこれにはこれがいいかな、そっちのほうかなという感じでやっていて。もちろん最初のセットが5-4も含めて長い時間やるのはあるんですけど、そこも本人たちができるというのを汲んで、時間と相談して、本当に長くなったら交代してというところはありますが、基本的には本人たちが行ける時間をちゃんと管理しながらやっています。

安嶋健至選手

ボルクバレット北九州試合後会見 安嶋健至選手

ボルクバレット北九州 キャプテンの安嶋健至選手

ーー試合の総括をお願いします

全体的に振り返るとやっぱり浦安が試合巧者だったなっていう印象ですね。セットプレーの精度だったり、自分たちの流れが欲しいときに逆に離されてしまうという、効果的なポイントで得点を取られてしまって。効果的な試合運びが浦安さんは、やっぱりうまかったなっていう感じです。最後もパワープレーをやりたかったですけど、ボール保持がうまかったりとか。良さを消されたなっていう印象ですね。

でも、自分たちの収穫としては、今給黎選手を使った5-4だったりは、いい場面もあったんで、そこのところで2ゴール取れたのは、少し収穫だったのかなあとは思います。

ーー今給黎選手が入った形のパワープレーはこれまでもずっとやってきたものですか?

基本的にそうですね。今給黎に関しては、攻撃参加が得意なゴレイロで、ナチュラルなパワープレーもできるようにずっと練習はしています。

ーー彼は攻撃のスイッチを入れるような役割もあったように見えましたが?

そうですね、足元でパスを捌くのもできますし、キーパーだからって結構二度追いみたいな形で長い距離を追ってくるチームもありますけど、そこで彼は逆にスペースがあったら前に運べる、ドリブルもできるんで。今日の前半の最後のオウンゴールになったシーンも、彼が前に運んでシュートを打ってオウンゴールを誘発できたんで、そこは彼の運ぶスイッチ、特徴的だと思います。

ーー出場時間が長かったが、そのあたりはどうですか?

今日に関しては、追いかける展開でどちらかといえば僕たちのセットで今給黎選手を使ったパワープレーをちょっと長くやってたので。点を追いかけなきゃいけなかったっていう部分で、多分僕たちのセットの方が少し出場時間は長かったのかなっていう感じです。

ーー入りは北九州の方が良くて、圧もかけられていたと思うが、そこから徐々に主導権を握られた印象だが、その辺が浦安のうまさですか?

そうですね。前半の最初の失点は伊名野を前に上げたところでパスカットされてしまった1失点、そこからセットプレーの失点、あとはフリーキックと。割とこうスタンダードにやられたところではなくて、逆に特殊局面、セットプレーの守備、あるいはキーパーを上げたところのミスを効果的に使われたのは、やっぱり浦安のスカウティンがしっかりしていて、対策はかなり立てていたんじゃないかなという感じはしました。

逆に自分たちは、今おっしゃってくれた通り、少し前に行けてる、相手コートでプレーする時間帯も立ち上がりはあったかなと。あそこの1失点目が余計だったかなという感じです。ああいうミスはチームの士気も少なからず落ちてしまう、もったいないでしょうみたいな感じになっちゃうんで。練習している分、やるプレーは自信を持ってやってたんですけど、やっぱりああいうミスを減らす、逆に相手はそこを突くのがフットサルというスポーツだと思うんで、ミスが一発で命とりになるんで、浦安が上回ったなっていう感じです。

ーー中断明け負けなしで臨んだ今日の試合でしたが?

3試合負けなしで来て、自信がありつつも厳しい順位にいることは間違いないので。それで3試合負けてない、2連勝した、その自信が過信になってたら、こういうゲームなっちゃうなっていう。上との差は確かに詰まっているかもしれないけど、自分たちは今も厳しい順位にいる。それが2連勝したからって、じゃあ俺らって強いの? って全くそうじゃなくて、今まで何敗してきてるの? というところ。相手にどれだけ脅威を与えらるチームかといったら、そうじゃない。2連勝した、じゃあ強いんだと思ってやってる選手はいないと思うけど、どこかで「俺たち行けるっしょ」みたいな感じの気持ちもあったのかなという気はします。いい準備はできたとは思っているんですけど。

ーー1週間空いたのは影響がありましたか?

1週間で行ければ良かったのかもしれないし、もうそこはどこのチームも一緒なんで。しっかり2週間、準備できるものがあるんで。浦安はしっかり準備してきたと思うんですよ、しっかり。僕らへの対策も、伊名野に対する対策と、今給黎に対する守備が違ったと思うんで。

ーーそれは感じたんですか?

感じましたね。伊名野に来たらもうすぐプレスに来てましたし、今給黎に関しては、ちょっと見ながら、しっかり1-2-1で守るスタイルとってたと思うんで、やっぱそこはこの2週間で良い準備してきたのかなっていう感じはしますよね。

ーーここから巻き返すには、この中断期間をうまく利用するのが大切だと思いますが、今後については?

ここで巻き返せなかったら、本当に下に行くだけなんで。逆に上がるしかないというか、本当にそういう順位なんで。でも、最下位争いをしているなかで、じゃあ最下位争いを脱出できればいいかといったら、やっぱりそれだけではきつくなる。少しでも上の順位に行くんだ、せめて6位以上に行くんだというふうになってかないと、なかなか先は見えてこないと思います。

だからこの次も何週間か空きますけど、やっぱり2連勝して、自信を持つことも大事だと思うんですけど、自分たちがやらなきゃいけないことや、セットとしてやらなきゃいけないことにもう1回立ち返って、もう1回意思統一したり、コミュニケーションをとって、次の試合に臨みたいなと思っています。

ーー北九州からサポーターも来ていて、その心強さみたいなものもあったと思うが、最後まで気持ちを落とさず、得点を狙う姿勢は見せられたと思いますが?

自分たちは最後まで自分たちらしさを忘れずに戦う、それはシーズン通してやらなきゃいけないことだなと思ってます。特に良いとき、自分たちが勝っていたり、集中しているときは誰でも良い声が出ると思いますが、ああやって6失点、3点差離れたときに、じゃあそこで何ができるのかということ。点数的には確かに厳しいかもしれないけど、その悪いときに、自分が何ができるか、チームのために何ができるかというのがすごく今、自分たちは大事にしているところなんで。出ない選手も出場時間が短い選手も声を出す、最後までベンチで声を出す、メンバー外の選手も戦う、そこはもうシーズンを通して、ボルクというチームにいる限り、それは絶対やらなきゃいけないことだと僕も伝えてますし、監督も伝えています。

最後まで戦う姿勢は見せられたんじゃないかとおっしゃってくれたのは、良かったかなと思いますが、でもそれは最低限ですね、最後までやる姿勢というのは、僕たちはやらなきゃいけないし、サポーターに対してもそれを見せる。やっぱりそれが、自分たちの使命だと思っています。

▶Text by 小西 尚美
▶Photo by 小西 尚美
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