~フウガドールすみだ VS ペスカドーラ町田~
7月1日(金)、墨田区総合体育館では、フウガドールすみだが同じ東京にホームタウンを持つペスカドーラ町田を迎えて、Fリーグディヴィジョン1第3節が開催された。金曜夜の開催とあって、会社帰り、学校帰りの様子のファン・サポーターが多く足を運んだ。もちろん町田のサポーターも多数来場。声を出すことは禁止されているが、拍手などで東京ダービーらしい盛り上がった応援が繰り広げられた。
今シーズンからプレーオフが復活したFリーグ。多くのチームが、まずはリーグ3位までに入ることを目標にしている。本気度の高いチームであれば当然、3節といえど勝点の積み上げを意識する。ここまでホームのすみだは1勝1敗、町田は2敗、どちらも必死で勝利を狙う試合となった。
負けたくない2チームの対戦は、2時間を超える消耗戦に。プレーイングタイムで時計が進むフットサルは、20分ハーフでも倍の時間がかかるのが通常だが、この試合は前後半それぞれ約1時間ほど。勝利への執念からか、相手の攻撃を阻み、ファウルも嵩んでアウトオブプレーとなる時間が長くなった。
結果は、アウェイチーム町田の勝利。逆転で今季初の勝利をもぎ取った。
先制したのは、ホームのすみだ。お互いに得点を狙いながらも失点したくないという緊張感の中で進んだ試合、町田のラストパスをペナルティーエリア内で奪った川﨑柊音選手がカウンターでそのまま持ち上がり、フリーでシュート。町田は川崎選手からの攻撃の展開を警戒してか、中途半端な対応となり、開幕から続く悪い流れが断ち切れない印象の序盤となった。しかし、次のチャンスは町田に。右サイドを抜け出した原田快選手からヴィニシウス選手へ。ゴール前で粘って打ったシュートは相手守備に阻まれたものの、こぼれ球を阿部瑠依選手が拾ってシュート。同点とした。
その約2分後に決めたのはすみだ。町田のミスからボールを奪い、ゴール前で中田秀人選手が町田のゴレイロ・土岡優晟選手に阻まれながらも中央にラストパスを送り、清水和也選手が決めて再びリード。さらにすみだは、残り約3分で第2PKを獲得し、3点目のチャンスを得る。しかし、これをゴレイロ・土岡選手がセーブする。すると残り2分、町田の荒川勇気選手がコースの甘いパスをインターセプト、そのままシュートに持ち込んで得点し、再び同点とした。
町田は、前半早い時間帯に5ファウルとなり一度は第2PKも与えたが、土岡選手の好判断で追加点を許さず耐えたところから流れを引き寄せていった。2ndピリオドも一進一退ながら、徐々に自分たちのリズムを掴み、28分にはコーナーキックからのサインプレーの流れで倉科亮佑選手が勝ち越しゴールを決める。すみだも自陣で奪ったボールから右サイドを突破し、逆サイドへのパスを清水誠也選手が決めて一度は追いつくものの、攻勢を強める町田の勢いが勝り、ペナルティーエリア内ですみだの選手のファウルを誘ってPKを得る。これを毛利元亮選手が決めて再び逆転した。約4分を残したところですみだはパワープレーに移行し、最後の最後、ぎりぎりのところまで攻め込むものの、町田が守備に体を張って得点を許さず、タイムアップとなった。
両チーム合わせて7得点の試合は、失点したくないという思いが強かったのか、パスが繋がらず、ミスに乗じての得点も多かった。結果、3節を終えて、両チームとも1勝2敗。反省の多い序盤戦となっているが、今シーズンを戦い抜くためにも、ここでの経験をこの先につなげていくことを期待したい。
試合後会見
フウガドールすみだ 荻窪孝監督
ーー試合の総括をお願いします
荻窪「まず自分たちが想定した内容で序盤は進めていけていたと思っていたんですけど、失点も自分たちのミスからですし、ゲームをコントロールして勝利に導くことができなかったことは残念です。結果はもう出てしまったので、受け入れるしかないので、切り替えて、次の準備をしっかりすることが大事だと思っています」
栗本博生選手
栗本「非常に悔しいというのが正直な感想です。この3試合、会見の際にずっと言っていますが、この3試合が非常に大事になってくると思っています。対戦相手も上位に進出するようなチームですし、プレーオフ進出争いをする相手だと思うので、最低でも2勝で終わりたかったというのが本音です。去年は、1点2点しか取れなかった得点が、今年は3点入るようになっているのに、逆に4失点してしまっているところが今の僕らの課題だったり、弱さでもあると思います。ここでシーズンが終わったわけじゃないので、ここから這い上がっていくために、監督も言っていたゲームマネージメントのところを修正して、プレーオフを目指して引き続き頑張っていきたいと思います」
ーー次節への抱負をお願いします
荻窪「先ほども言いましたが、結果を受け入れて切り替えるということが大事だと思います。今日の試合の教訓、学んだこともあるので、そういうところを次に生かして、しっかりと(ボアルース)長野戦に向かって進んでいきたいと思います」
栗本「本当に崖っぷちだと思っているので、毎試合毎試合、相手がどこだろうと、猛進して、今日も負けはしましたけど、チーム一体となれてはいたので、気持ちを持って、泥臭く、戦いたいなと思います」
ペスカドーラ町田 甲斐修侍監督
ーー試合の総括をお願いします
甲斐「お疲れ様です。これまでの2試合も同等に難しい試合でしたが、今日も本当に簡単ではありませんでした。しかし、選手たちがしっかり、今週練習でやってきたこともそうですし、今日の試合で掲げたゲームプラン、意識すべきところをしっかり最後まで遂行できたというのは、ここ2戦は敗戦していたので、非常に自信になったのではないかと思います。ただ、勝ちましたけど、ちょっともったいないというか。前半のところは、決してこう、有耶無耶にできる状況ではないので、これはしっかり修正が必要です。より安定した試合運びができるように、次のゲームに向けて修正していきたいと思います」
伊藤圭汰選手
伊藤「お疲れ様です。ここ2試合苦しい試合というか、自分たちが思うようにいかない試合が続いていて、今日もすごく難しい試合になりましたけど、最後のところで今日は点が取れて、守り切ることができて、本当によかったです。課題はまだまだあるので、また頑張りたいと思います」
ーー次節への抱負をお願いします
甲斐「次は湘南(ベルマーレ)戦ですが、トレーニングマッチでもやりましたし、毎回湘南とは、引き分けとか、1点を争うゲームになるので、この3試合と同様に、本当に難しい試合になると思います。しかし、逆にこの3試合でうまくいかなかったことを、選手たちも経験値と捉えて、湘南戦ではさらに改善できるようなゲームになるように、また1週間しっかり取り組んでいきたいと思います」
伊藤「次節も難しい試合になると思いますけど、最後のところで勝ち切りたいと思います」