第4節 マッチレポート
〜フウガドールすみだ VS 湘南ベルマーレ〜
Fリーグディビジョン1は、6月16日(金)・17日(土)・18日(日)の3日間で第4節を開催。週末のスタートとなるフライデーナイトには、フウガドールすみだがホームの墨田区総合体育館に湘南ベルマーレを迎えた。19時キックオフの試合には、湘南のホームタウンからもサポーターが多数参戦。両チームのサポーターが熱のこもった応援を繰り広げた。
ホームのすみだは、今シーズンから北隅智宙監督が就任。メンバーも下部組織から昇格した選手が増え、チームも若返っている。その戦いぶりは、ここまで1勝1敗1分。前節は5失点して敗れたものの、開幕からの2試合は相手を無得点に抑えている。改めて守備を見直し、ホームでの勝利につなげたいところ。一方の湘南は、2021-2022シーズンの途中から指揮を執る伊久間洋輔監督が今シーズンも継続。昨シーズンまで中心選手として活躍したロドリゴ選手が移籍した穴をどうカバーするかに注目が集まっている。とはいえ、ここまで2勝1分と負けなし。どの試合も複数得点を挙げていて、ロドリゴ選手の不在を感じさせない攻撃力を見せている。
主導権を争う序盤、お互いに高い位置からプレスを仕掛け、ボールを奪っては相手陣内へ攻め込んでいく。両チームとも積極的な姿勢でゲームを進めるなか、先制したのは湘南。ゴレイロのフィウーザ選手が攻撃に加わった展開から左サイドの山﨑歩夢選手がゴールに向かって早いパスを送ると逆サイドから詰めていた堀内迪弥選手が触ってゴールイン。アウェイチームがリードを奪った。
この早い時間帯の得点は、すみだの攻撃への意識を触発し、前への意識を高めるものもとなったようで、清水誠也選手が起点となって甘利斗亜選手がシュートを打ったり、フィウーザ選手がすみだ陣内まで攻め込んだところでゴレイロの岸将太選手がャッチしたボールをパントキックでゴールを狙うなど、ゴールへの意欲を見せる。しかし、スコアを動かせないまま時間が経過すると、得点を奪ったのは再び湘南。キックインからのサインプレーで萩原真夏選手が正面からミドルシュートを決めてリードを広げた。
2ndピリオド、すみだはゴレイロの岸選手が攻撃に加わり、数的優位を作りながら相手陣内へ攻め込む回数を増やして得点を狙っていく。受けて立つ湘南は、フィジカル面も含めてディフェンスの強度が高く、いい形でのシュートを許さない。ゴール前でシュートを放っても最後はフィウーザ選手が立ちはだかる。前にかかるすみだ、しっかり守って奪った瞬間にカウンターへ移行する湘南の構図で時間が経過すると、残り時間が4分を切ったところですみだは、フィールドプレーヤーの栗本博生選手がゴレイロのユニフォームを着て本格的にパワープレーをスタートする。何度かシュートまで持ち込むものの、ゴールを決めたのは湘南。すみだの自陣からのビルドアップに高い位置からプレスを仕掛けて萩原選手がボールを奪い、ゴール前に位置を取った堀内選手へパス、堀内選手がしっかり決めてリードを広げた。さらにすみだのゴール前へのパスをさらったフィウーザ選手がパワープレー返しのシュートを決める。すみだは2ndピリオド、22本のシュートを放ったが無得点のままタイムアップとなった。
すみだはこれで2連敗。次節は現在唯一開幕から連勝を続ける名古屋オーシャンズにアウェイで挑む。勝った湘南は、無敗をキープし、首位を独走する名古屋を一番手で追う。次節はホームに戻ってバルドラール浦安を迎える。
フウガドールすみだ試合後会見
ーー試合の総括
北隅智宙監督 想定していた通り、湘南は非常にいいチームでしたし、運動量の多いタフなゲームになるというのは想像していました。前半、自分たちが先に失点してしまって、メンタル的にそんなに悪い感じではなかったんですけども、ハーフタイムに帰ってきたときにみんな顔が暗くて、それは前節よりもう一個、自分たちがやらなきゃいけないという、そういう顔をしていたので、一つ檄を飛ばしました。1試合を通してゴールに迫っていく姿勢を継続していけないと、自分たちはこういうゲームを上回ってはいけないのかなと思います。ただ、前節からの大きな変化は、ゴールへ向かう姿勢だったりというのを一人ひとりから感じましたし、ビハインドになってからプレッシングも非常にタフなプレスをかけてくれていました。キーパーを使った攻撃も前回よりもクオリティの高いものを示せたので、その部分の成長はあったのかなと感じます。
ただ、F1のカテゴリーにいて、成長とか育成とか、そういうものはないと思っているので、若い選手を使っている側としても、自分の決断を周りの選手だったり、ベテラン選手が今は何も言わずに信用してくれていますけど、若い選手はその機会を生かさないといけないと思います。ただ、若い選手には経験がなく、その経験を補うにはピッチに立つ以外にないと思っているので、それを補っていくベテランや中堅の選手が同じく仕事をしないということに、自分は目を向けなきゃいけないなと思っています。誰がというより自分たち一人ひとりがチームの結果を変えるために、また次の名古屋(オーシャンズ)戦に向けて努力していく、ただそれだけだと思います。
結果は残念でしたけど、前節よりも姿勢を見せられたということに関しては、一つの成長があったと感じているので、それをさらに成長させて、粘り強いゲームになると思いますけど、名古屋戦は今、連勝中なので、次のゲームに(ボルクバレット)北九州と名古屋があります(6月17日開催)けど、それをしっかり分析して、自分たちがどう振る舞うべきなのかというところで大きな成果をあげられるように準備したいと思っています。以上です。
畠山勇気選手 まずキャプテンとして、キャプテンという立場でチームを引っ張っていかなきゃいけないなかで、前節の(ペスカドーラ)町田戦もそうですし、今日の湘南戦でも自分が失点に絡んで、自分のエラーから失点が生まれているというところで、ハーフタイムのみんなのテンションの下がり方というのも一つ、自分の責任だと思っています。選手は気持ちを出していないわけじゃないんですけど、自分も含めてスイッチの入れ方をもう一個変えていかなきゃいけないのかなという思いもあります。ハーフタイムに智さんがすごい檄を飛ばしたことで、後半はああいう形で運動量も増えましたけど、それでは本当にダメだと思うので、何か一つ変えていかなきゃいけないなと自分たちですごく感じています。自分たちがいいときの雰囲気を意図的に作っていかなきゃいけないと思いますし、それをどうやって作るのかというのは、今はまだ自分のなかで見えていないので、考えながら、とにかく気持ちだとは思うんですけど、そこをうまくメンタルコントロールしてやっていくことが今は必要なのかなと思っています。自分たちがうまくいっているときというのは、本当にそれこそ上位のチームに劣らないくらい、それ以上のパフォーマンスを出せていると思いますし、それを自分たちで意図的に作り出していけたらいいのかなと感じました。前節から今日の湘南戦の2試合を通してそういったことを感じたというのが今日の感想です。
ーーF1のカテゴリーで育成とか成長というものはないと話していましたが、大切なのは結果というところだと思いますが、そこは北隅監督ご自身が今シーズン就任されて、マインドを変えたところということですか?
北隅智宙監督 いえ、女子をやっていたときも、サテライトをやっていたときも、ファルコンズ、高校生を指導していたときもそうです。自分が考えているのは監督としてすべてのゲームにただ勝ちたいだけなので、トップリーグだから、女子だからとカテゴリーが違っても、競技である以上自分たちは勝たなきゃいけないと思っています。そういうメンタルのもと、若い選手を経験させていく。前提はやっぱりF1だというところ、そこはやっぱり結果を求められていますし、チケット代に対する対価が必要だと思っています。それがうまくいって育成という言葉が、自分の決断に合っていくのかどうかというところ。今日のようなゲームになると、なかなか育成という言葉が、じゃあ例えば砂原を使ったとか、彼にパワープレーをまかせたところが成長に、というのは、(得点が)入っていれば賞賛されますし、入ってなければそういうことだと思っているので、彼が今日のゲームで何かを学んで大きな一歩を踏み出してくれるというところは、負けであっても育成であったり、成長につながります。ただ、これをずっと続けていたらその価値はないと思うので、その部分を大きく、大枠で考えたときにそういう考え方もありますけど、F1だから自分は結果は求められるべきだと思いますし、そういう土俵に立ってすみだのエンブレムを背負うということは頂点にいる自覚を持たないといけないと思っているので、そういった表現をしました。
ーーなかなか勝てずに流れがよくないですが、次節、名古屋に勝てば雰囲気も変わると思います。今シーズンの名古屋をどう見ていますか?
畠山勇気選手 名古屋は、素晴らしいチームですけど、昨シーズン自分たちは名古屋に勝って、そこから負けなしで(全日本)選手権に入って優勝したというのもあるので、勝てない相手じゃないと思います。それこそ名古屋戦は、みんなのスイッチも一つ変わって入ると思いますし、前回の名古屋との試合は、先制点を取れて、すぐに2-0になったんですけど、やっぱり先制点というところを意識していきたいと思います。難しい試合だとは思いますけど、勝てない相手ではないというのは昨シーズンに自分たちで証明しているので。
少し話は変わるんですけど、さっき(試合後)もファンの方と少し触れ合う機会があって、負けたにもかかわらず、あたたかく受け入れてくれて、すごく悔しかったんですけど、次に切り替えてやらなきゃいけないんだなというのも思いました。ファンの方々の笑顔を見たいというのもありましたし、自分たちも勝って笑いたいというのもありますし、今日はすごく悔しかったんですけど、次に切り替えてやっていこうという気持ちになりました。
ーー理想のキャプテン象とキャプテンをやる上で心がけていることは?
畠山勇気選手 理想のキャプテン象…、自分はチームの選手一人ひとりが自分のプレーというか、思い切ってプレーをできる環境というのがチームにとって一番いいと思っています。それが今できているかと言われたらわからないですけど、やりづらそうにプレーしている選手というのは、正直いないと思いますし、コミュニケーションというところで、自分がやりたいプレーをまだ言えてない選手もなかにはいるかもしれないですけど、以前にも少し話したんですけど、今のベテラン選手は、本当に若い選手にも気を配ってくれる人が多いので、自分ももう少し何かをやらなければいけないですけど、頼もしい仲間がいるので、自分が特別になにかをやらなきゃいけないなというのは、今はそこまでは思っていないです。何かを思っている選手もいるかもしれないですけど、いたら多分言ってくると思いますし、特にキャプテンだからこれをやらなきゃいけないというのは、自分としてはそこまで思ってないかなというところです。ただ、今日みたいなつまらないミスは、やっちゃいけないと思っています。
ーーリードされている状況で、キャプテンとしてピッチの中で声をかけたりなどは?
畠山勇気選手 自分は、キャプテンじゃないときでも声を出さない選手ではないですし、気持ちの方の声かけをするタイプなので、それこそ下を向いている選手がいたら、切り替えようとか、そこに関しては日頃からやってます。そういう声だけではなく、戦術的なことをもっと話さなければいけないんですけど、正直自分はまだ、試合全体が見えている選手ではないと思ってますので、もちろん話すこともありますけど、相手を分析して、ここがいけるんじゃないかとか、このセットプレーがいいんじゃないかとか、という声がけをもっとできるようになればいいのかなというのはありますね。気持ちの方、盛り上げる方は前からやっていたことなので、あまり意識はしてないです。
ーーここまでは中田選手から攻撃が始まることが多かったが、今日は湘南が強度高く前からプレスをかけてきて、中田選手が封じられていたように見えました。これからこういうチームは増えると思うが、今後の打開策はどのように考えていますか?
北隅智宙監督 一つは、自分たちがそのプレスを日常から行うことで、日常に変化があれば問題なく解決できると思ってます。あの強度を自分たちが出すことですね。今日後半に関しては、畠山のセットもピヴォを置いた攻撃に変えたので、スペースと時間の作り方を変えただけで十分機能していたと思います。自分は元々ピヴォを使うよりもクワトロと呼ばれる4人でボールを保持していく方が好きなのですが、今いる選手だったり、ゲームの構造で使い分けないといけないと思ってます。ただ、クワトロのセットが少し攻撃的にいくために30番の砂原を入れたんですけど、やっぱり相手のプレスの手前でプレーすることが多かったので、どうしても受け身になっているようなイメージはあったのかなと思いました。
話を最初に戻しますけど、プレスについては、自分たちで日常的に強度を上げていくことで、そこの部分を解決する方法として一つ持ってなきゃいけない。今後、自分たちがそうなったときにやり方を変えることはできますけど、ただ変えてるだけだったら成長はないですから。ゲームではシステムを変えて対抗することはいくらでもできますが、元々の話で言えば、そういうプレスが日常にないことが自分たちの課題だと思うので、そこを改善していくことで湘南だったり、町田だったり、一列目にハードワークできる選手がいたときに、そのプレスを掻い潜っていけるようになる。次の名古屋はまさにそうですよね、吉川(智貴)選手は日本で一番プレスが上手い選手だと思いますし、守備で言えばアンドレシート選手も非常に頭がいい選手なので、どういうふうにボール奪うかということも知ってます。逆にダルランだったり、ブラジル系の選手は少しサボりながらも、いいところでいいポジションを取ることが日常的にできるので、そういうものにも適応していかなければいけない。それを日常で作っていくことであったり、あるリソースを最大限活用することが、毎日練習をしているので、変化させる一番の方法かなと思ってます。
ーー星選手など、ミドルシュートが期待できる選手があまり起用されていなかったように思います。星選手はメンバー入りしているにもかかわらず出ていなかった理由についても言える範囲で教えてください
北隅智宙監督 星選手ですか? 次節は出ます。彼も36歳で、故障を抱えながらプレーをしているので。彼の負担が年間を通して多くなってくると、昨シーズンもそうでしたけど、どうしても故障だったりっていうのは、出てきます。ただ、自分がゲームを作っていくうえで、どのゲームに彼が必要か、いつのゲームでこの選手が成長したらいいと思うのか、そういったところをバランスを見ながらチームを作っています。今日でいえば北村がカードをもらわずに済んだので、今日もらっていたら名古屋戦はいなかったので、星の負担が相当大きかったんですけど、彼も1枚もらったら危ないというのを学んで、プレーをコントロールしていましたし、その中でも彼のタレントは出ていたと思います。
ミドルシュートの話に関しては、今日出ていた砂原は、非常にミドルレンジのシュートが強い選手なので、北村もそうですね、守備に追われて攻撃でパワーを発揮することが難しくなって、どうしてもミドルのシュートが少なくなってくるところは、一つは田口元気だったり、クワトロのセットでは砂原を入れて解決していくといったところは実際にゲームでは行っていた。ミドルが少ないというより、そもそもシュート数が少ないんですね、うちは。ゲームの前にもみんなに言いましたけど、前節の立川(アスレティックFC)と(シュライカー)大阪のゲームは20本と12本ですが、勝ったのは大阪です、2-0で。僕らはシュートはうまくないのでたくさん打つべきだと思うんですけど、打ったから勝てるかといったら、そうでもない。今日彼らはたくさんシュートを打ちました、ただ0ですね。何を解決するかというのはなかなか難しいと感じているので、もしそういうところを解決することができる人がいるとしたら、それはタレントですよね。今あげた星や清水和也は、日本でもトップレベルのタレントだと思っていますので、自分たちがそのタレントを持っていたら解決の方法としては間違いなく正しい方法だと思いますけど、そうじゃなかったらまずはその回数を増やしていく、どの距離であってもゴールに向かっていく、その姿勢を示すっていうことが、今日のゲームでは町田戦よりも遥かにゴールに向かってくれたので、そこが1個大きな成長だと思っています。それが1本入れば2本目も入ったかもしれませんし、1本目しか入らないで1-4だったかもしれません。それはゲームなのでなんともいえませんけど、心の中では畠山も強いシュートを打てるので、打って欲しいという思いはありますけど、彼もいろんなことを考えながらプレーしてくれているので、だからといって打てよとは思いません。ただ、打ったら何か起こるというのを今日のゲームで体感してくれましたし、最後に浮いたボールをヘディングで詰めたけど、ああいうのがいいところに転がって入っていれば、流れだったり、選手のメンタルだったり、いろんなものが解決されていくと思います。まず今日の一歩としてはゴールに向かう姿勢を示していくということで、自分は選手たちは十分よくやってくれたと思います。
湘南ベルマーレ試合後会見
ーー試合の総括
伊久間洋輔監督 アウェイにもかかわらず、本日もうちのサポーターの方が多いんじゃないかというくらい来ていただいて、まずは感謝したいと思います。
試合については、ここの体育館にはあまりいい思い出はないんですけど、今年もやるべきことをみんなでやっていこうというところで、先週のゲームからキーパーを使った攻撃が非常に増えていたので、そこに対して一生懸命にトレーニングした結果、全体として守備が良かったなというところです。早い段階で得点を決められたことがすべてだと思いますが、そこから相手にゴールを割らせなかったところが良かったと思いますし、後半もあの苦しい、本当に苦しい時間で追加点を、ゴールを取ったということが勝因だと思います。最後にフィウーザも決めてくれて、うれしかったです。以上です。
フィウーザ選手 みなさん、こんばんは。今日、試合、めっちゃ難しいね。4点差あるけど、めっちゃ難しい。フウガドールすみだ、選手うまい。試合めっちゃ難しい。チャンスいっぱいある、ベルマーレとフウガ、だけど今日、決めた。それめっちゃ大事。前半、ベルマーレ、ディフェンス素晴らしい、みんな頑張った。フウガドール、ゴールできない。今日もゴール決めたね、俺。めっちゃうれしいです。けど、今日は終わり、今、考えるのは来週(対戦する)、(バルドラール)浦安。以上です。
ーーロドリゴが抜けて、得点力が課題になりましたが、ここまで得点は取れています。監督はどう見ていますか?
伊久間洋輔監督 毎試合、この質問はいただいて、僕も不安でしたという話をしています。ただ、うちにいる選手たちの特徴を出すことにまずはフォーカスしているというところですね。それが積み重なって得点になるのかならないのかということだと思うので、もちろん得点を取る選手、外国人選手がいれば、もっと得点が取れるのかもしれないですけども、ただ、昨シーズンから若手選手や出場機会が少なかった選手が、今年は主力として、さらに結果を残している。これはクラブとしても非常にいいことだと思いますし、得点に関しては、ロドリゴは一気にゲームを決めてしまということもあるんですけど、今年は全員で、全員が隣の選手のいいところを出しながら、それがうまく結果につながっていってるのかなというのがあるので、これだけ得点を取れていることを不思議だとは思ってはいないというところです。
ーー終盤の勝っているときのゲームコントロール、今日もパワープレーを受けているときのゲーム運びが落ち着いていたが、何かチームで共有していることはありますか?
伊久間洋輔監督 たくさんあります。僕が一昨年バトンをもらってから、2位になったシーズンでしたけど、シーズンを戦いながら分析をして。昨シーズンも例えば、今おっしゃったような最後のところ、どう時間を使うのか、負けているときはどうするべきなのかを明確に、僕のなか、もしくはスタッフ陣と共有して。それは分析のなかで例えば時間帯だったり、相手の一番強い時間帯はどこなのか、そういうことも含めて相手を研究し、そして自分たちを研究して、より勝利に結びつけられるようにやっています。それでも最後のところはやっぱりバタバタしてしまう。相手のパワープレーがいい場合はさらにバタバタしてしまうので、では、どういうメンタルでやるのかというところ、まず守るというよりは相手のゴールを奪うんだということを全員で共有していることと、マイボールになったときはどうするのかということをしっかり共有して、みんなも不安にならずにそれを信じてやる。今日はそれが非常に良かったと。去年からやっているんですけど、去年は選手権でフウガに負けましたけど、あのときは本当に反省しました。ああいうところなんですよね、ああいうところを勝ちに持っていけるかというのは、そういう部分だと思っているので、交代の仕方とか、そういうところを共有をしていっている。まだまだだと思いますけど、今日もね、危ない交代をしたときがあったので、ああいうところをきっちりやっていけるとさらに良くなるのかなと思っています。
ーーあくまで攻めの姿勢っていうことですか?
伊久間洋輔監督 そうですね、我々の湘南スタイルというところは、明確になっているので。守るのではなく荒波のように相手のゴールに迫るというのがうちのモットーなので。
ーー先ほど、フウガに攻められたと話していたが、あえて引いているのかと感じたが?
伊久間洋輔監督 先週の町田さんとのゲームを見て、同じような展開だったんですよね。その中でゴールキーパー攻撃で町田さんは得点を取られていて、ではどうしていくのかということを考えて。あえて引いたかどうかというのは、勝っていたので、プレスをかけられればかける、かけられなければしっかり組織するということを明確にしていたために、たぶんああいう無理をしないということが、僕の指示というよりピッチの中で、こういうときはこうと決まってますけど、おそらくみんながそっちに自信を持ったから、引いてもいけるということだったんじゃないかなと思っています。
ーー靏谷選手や牧野選手など、若手の活躍が目立ちますが、監督はどうみていますか?
伊久間洋輔監督 そうですね、非常に頼もしいですね。もはや俺のチームだみたいな感じでやっている(笑)感はあるので。でもそこはおそらくベテラン選手が若手の話を聞き、よくベテラン選手に言われて若手が萎縮してしまうようなことがあると思いますが、うちはそういうことはほとんどなく、逆にどうしたんだということをベテラン選手が会話をすることによって、じゃあどうしたいと、じゃあやれよという感じでやれている。それがね、失敗するときもありますけど、好転していったときに彼らは、靏谷とか、真夏もそうですけど、テクニックはありますし、いいものを持っているので、それを発揮させることが多分チームにとっていいことだということを全員が認識しているので活躍できているんじゃないかなと思っています。
ーー次節に向けての抱負を
伊久間洋輔監督 相手の分析もあるんですけど、1試合1試合、しっかり自分たちのストロングポイントを出しながら、改善しなければいけないところを改善していく。やっぱり1試合1試合結果を残していくということにフォーカスしながら来週も試合をしたいと思います。ぜひ応援をお願いします。
フィウーザ選手 今日サポーター、ありがとうございました。来週も応援よろしくお願いします。
ミックスゾーンにて
※ミックスゾーンでの取材のため、写真はありません
堀内迪弥選手
ーー試合を振り返って
とにかく勝てて良かったです。
ーー自分のプレーの評価は?
1点目も2点目もいい時間帯に取れたゴールでした。
ーー1点目は練習している形ですか?それぞれの得点を振り返ってください。
1点目はセグンドです。味方選手がシュートする際に必ずセグンドに詰めることを意識しているので、それが点に繋がりました。山崎選手はいつも良いパスをくれるのでボールが来ると信じていました。
2点目は前プレからボールを奪ってのゴールでした。先週チームで練習していたこと、守備がゴールに繋がりました。
ーーここまで負けなしできていますが、現在感じているチームの成長と課題をそれぞれ教えてください
チーム全体がかなり成長してると思います。課題は特殊局面だと感じています。そこはまだ経験も浅いので試合を通して改善していければと思います。
ーー今シーズンの個人的な目標と課題にしていることなどがあれば教えてください
課題は個人の力、能力ですね。
萩原真夏選手
ーー試合を振り返って
苦手としていた関東チームとのアウェイゲームを勝利で終われたことは、すごくチームとして成長していると感じます。チームとしての課題はまだありますが、クリーンシートで試合を終えられたので良かったと思います。
ーー自分のプレーの評価は?
まずゴールできて良かった。アラポジションでの仕掛けもできたので良かったと思います。ですが、もったいないミスも目立ったので、そういった部分を減らしていかないといけないと思います。
ーーセットプレーから、萩原選手のパワーを感じる得点でしたが、振り返ってください。
普段シューターになることはないのですが、堀内選手にシューターに行かせて欲しいと頼んだら、快くいいよと言ってくれたので、気持ちよくシュートを打てた感じです。上にふかさないようにとにかく下に打つことを意識しました。
ーー高い位置でのプレスから生まれた堀内選手の2点目のアシストについて、振り返ってください
堀内選手がしっかりとプレスを掛けてくれたのでパスコースが限定されていたのでチャンスだと思い、思い切ってプレスに行きました。0-2と逆転されやすい点差だったのでプレスからのショートカウンターで得点を奪えたのは良かったです。
ーーここまで負けなしできていますが、現在感じているチームの成長と課題をそれぞれ教えてください
去年までは、得点されてどんどんと相手のペースに飲まれてしまう展開が多かったですが、今年は点を取られてもみんな焦ることなく自分のやるべきことをやって得点を奪えている感覚はあります。チームのみんなが点を取っているので、そこも去年とは違い、成長している部分だと感じます。
ーー今シーズンの個人的な目標と課題にしていることなどがあれば教えてください
個人的な目標としては二桁得点を狙っていきたいと思います。それと去年はケガをして離脱していたのでケガをしないことです。初タイトルを獲得できるように頑張ります。