Fリーグ2023-2024シーズン 第10節 マッチレポート ペスカドーラ町田 VS 名古屋オーシャンズ

試合

開始6秒とラスト4秒に得点、ここぞの強さで名古屋が首位に返り咲く

Fリーグ2023-2024シーズン 第10節
〜ペスカドーラ町田 VS 名古屋オーシャンズ〜

7月最後の週末、Fリーグディビジョン1は、第10節を開催。ペスカドーラ町田は、30日(日)にホームの町田市立総合体育館に名古屋オーシャンズを迎えた。

リーグの折り返しが近い今節、最大の注目カードとなった、この一戦。名古屋は定位置の首位の座を町田に明け渡しての3位で、その町田に挑むこととなった。勝点差はわずかに2。2位のY.S.C.C.横浜は、28日(金)に10節を戦い、その結果を反映した勝点で名古屋と並び、得失点差でかわす格好となっている。つまり名古屋は、この試合に勝てば再び首位に返り咲く。

この試合は、名古屋から駆けつけたサポーターも含めて、今季のF1リーグ最高の2077人の観客が見守った。

名古屋のキックオフでスタートした試合は、開始6秒でゴールに帰結する。町田の選手にボールを触らせることなく大きな展開で前線へ運び、吉川智貴からのパスを逆サイドに構えたダルランが流し込んだ。名古屋はその後も攻撃の手を緩めることなくゴール前のシーンを作り出すが、町田のゴレイロ、ジオヴァンニがそれ以上の得点は許さないとばかりに、最後の砦となって立ちはだかった。

町田は追う展開のなか、徐々に自分たちのリズムを取り戻していく。8分を過ぎた頃、中盤の奪い合いからゴール前にボールを運ぶと、左サイドから右へ展開して最後は伊藤圭汰が左足を振り抜いて同点に。その2分後にはジオヴァンニからのロングスローを前線で収めた荒川勇気が強引に前を向いてシュートを放って得点、逆転に成功する。

その後名古屋は、5ファウルから第2PKを獲得するが、アンドレシートが外し、同点のチャンスを逃してしまう。

2ndピリオドもまた、お互いに一歩も引かない気持ちが見える構図。攻守にアグレッシブな姿勢を見せる。シュートを放っても身体を張った守備と、ゴレイロが最後は守るという展開のなか、一瞬のスキをついたのが名古屋。町田のコーナーキックを守りきったゴレイロの篠田龍馬が前線に走り出した甲斐稜人へパス。守備の一歩前を取った甲斐が左足でシュートを放ち、同点とした。

その後、スコアが動かない時間が長く続くなか、3分を切ったところで名古屋がパワープレーをスタートする。得点できないまま1分を切ると名古屋がタイムアウトを取得。その後、15秒を残したタイミングで町田がタイムアウトを取得。町田はこのリスタートから前線にボールを送るがこれがうまく収まらず名古屋ボールに。このチャンスに名古屋は、早いパス回しからゴール前にボールを送って、このパスを鬼塚祥慶が身体に当てて得点、4秒を残して勝ち越しを決めた。

この結果、首位は名古屋に。町田は2位へと後退。とはいえ勝点差はわずかに1。今後の戦いもますます見逃せない状況となっている。

ペスカドーラ町田 試合後会見

試合後会見に出席したペスカドーラ町田の甲斐修侍監督とキャプテンの伊藤圭汰選手

試合後会見に出席したペスカドーラ町田の甲斐修侍監督とキャプテンの伊藤圭汰選手

ーー試合の総括をお願いします

甲斐修侍監督 勝点差はありましたけど、名古屋が例年通り、ちゃんと強いのはわかっていたので、そういう意味では自分たちが勝点で上回っていることは一切考えませんでした。また、名古屋は今日のゲームに対して、多分今シーズンで一番いい状態で来ると思っていましたが、入りから本当にそういう印象のスタートでした。ただ、我々も8連勝を重ねていくうえで、チームしての強度であったり、クオリティであったり、選手たちのメンタリティも含めて、これまでにない安定感を保っている状態でもあったので、いきなりあの失点からスタートしましたけれども、そこはあわてることなく修正してゲームに入れたかなと思います。選手たちは本当に名古屋の選手たちのクオリティに食らいついて、負けない戦いを長い時間してくれたと思います。僕は、勝負事は常に勝ち負けがつくと思っていますし、結果的に負けてしまいましたけど、今日、戦ううえで、そこに向けてやるべき準備と自分たちの出せるものをしっかり出すという意味では、選手たちは本当に十分によく戦ってくれたかなと思ってます。

最後に負けた、パワープレーのワンシーンについては僕の指示で対応したなかで失点してしまったので、そこは完全に僕のミスでした。選手たちは与えられた時間、与えられた対応を本当によく頑張ってやってくれたなと思います。

あとひとつ、レフェリーのジャッジについて、本来はこういうところでごちゃごちゃ言うべきではないと思うんですけど、言わない限り変わらないとも思うので、あえて声を大にして言いたいと思います。人間がやることなのでね、マイボールだ、マイボールじゃない、ファウルだ、ファウルじゃないという、そういうミスは当然あると思いますけど、勝敗が決まる、得点が動くといったところでのミスジャッジが、ここ最近、我々の試合だけじゃなくて、先日のバサジィ大分の試合もそうですけども、あまりに起きすぎて、その結果、引き分けたり負けたりということが起きるということをレフェリーの方たちには自覚していただきたいと思います。リーグを盛り上げるために、チームが勝つために、僕ら自身もチームとして努力しています。これだけたくさんのお客様が来ているなかで、名古屋という大きなクラブと戦う貴重なゲームにおいて、レフェリーのジャッジで勝敗が決まるようなことだけは、二度と起きてほしくない。選手たちは本当に日々努力してこの日を迎えているので、そういうことが起きたということに対して目をつぶるのではなくて、ちゃんと僕らが発信して改善に向かっていきたいと思いますし、審判の方たちにもしっかり反省してほしいなと思います。

伊藤圭汰選手 最高の雰囲気と最高の状況で名古屋と試合ができたことは本当によかったなと思いますけど、結果を見れば負けてしまっているので、最後のところを守りきれなかったことが本当に悔しいです。勝ち越すチャンスもたくさんあったので。でも、リーグ戦なのでもう1回リベンジのチャンスがありますし、それ以外の試合でも勝利し続けて、また同じような雰囲気を作っていきたいなと思います。ありがとうございました。

ーー今日は今季F1リーグ最多の2000人を超える観客を迎えての名古屋戦でした。いろいろな取り組みの成果が出ていると思いますが、サポーターへの思いと、今後に活かしたいことなどあれば教えてください

甲斐修侍監督 前回の記者会見でもお話した話ですけど、本当に足を運んでくださるお客様のおかげで、まだまだアマチュアなチームですけど、見られる、応援される、足を運んでもらえるということに対しての選手の意識だったり、準備だったりというところは、すごく大きな刺激をもらっています。選手たちも、1000人以上のお客様が入って、応援していただけるということについて、そこに責任を感じながら日々の練習も含めて、過ごせていますし、それは選手にとってもクラブにとっても、ありがたいことです。そういう意味で今日のゲームというのは、勝ち負けがつくものとはいえ、なんとしても勝ちたかったですし、最低でも引き分けで1位をキープしたかったです。そんななかでも、僕がいつも言ってるのは、勝っても負けてもまた応援したいと思えるようなクラブになること、選手になること、チームになることが目標なので、そこは敗戦して、満足することは絶対ないんですけど、ただ選手たちは本当に出しきってくれたゲームができたので、また応援に来ていただけるのではないかと思います。

伊藤圭汰選手 毎回思うんですけど、僕は本当に日本一のホームアリーナだと思ってますし、最高の雰囲気をいつも作ってくれて、本当に僕らの力になってくれてます。だから今日みたいな試合で勝てなかったことは、やっぱりすごく悔しいですけど、選手を含め、フロントスタッフを含め、さまざまな取り組みをしていて、こうやって素晴らしい会場ができていることに感謝しています。自分たちはピッチの中で表現したり、それ以外のところで、伝えていければなと思います。ただ、こういう試合を勝てなかったことが本当に悔しいです。次、勝てるように頑張りたいと思います。

ーー名古屋と比較してもフィジカル面がすごく上がっていて、若い選手も対等に戦えていたと思いますが、今シーズンのフィジカル面の強化について教えてください

甲斐修侍監督 フィジカル面については、去年から積み上げてきたものに加えて、今シーズンから新たに、サイクルと内容を変えました。それは、準備期間からも含めて。まずはケガをしないということが大前提ですけれども、僕らのチームは今、若い子たちが多いですけど、今このFリーグのどのチームと対戦してもというよりは、海外の、例えばアジアのフィジカルが強い相手だったり、ヨーロッパやブラジルといった、世界的な相手と対戦するような機会があったときに戦えないと。日本だけでいいプレー、いい選手ということではないと思うので、そういうのも含めて、準備期間から、割ときつめな、内容の詳細はちょっと言えませんけど、去年の1.5倍増しぐらいのフィジカルの取り組みはやっています。1戦目(開幕)を5-1で負けたので「ん?」と思いましたけど、手応えはありましたし、選手たちがまだまだやってくれるという思いがあったなかで8連勝できたというところからいくと、フィジカルの取り組みについては一定の成果が出てるのかなと思います。

ーー相手チームのことで恐縮ですが、右サイドから、甲斐稜人選手が得点したことについて一言いただけたらと思います

甲斐修侍監督 まぐれが決まってしまったので、ちょっと痛かったです(笑)。それは冗談ですが。

ちゃんと分析しないといけないですけど、あの時間帯で長い距離を走られるということも、あのスペースを与えてしまったというところは、チームとしても、あの局面に対して、ちゃんとまた目を向けないといけない。特に後半、疲れている時間にそういうエラーというのが起こりやすいので、そこも含めて今後そういう点では起きないように修正していきたいと思います。

ーー先ほど、パワープレーの守備に対しての指示という話がありましたが、残り15秒でタイムアウトを取得していますけど、このときは守る指示か、ワンチャンス得点を狙った攻撃の指示か、出したのはどちらの方向の指示ですか?

甲斐修侍監督 パワープレーは、ワンチャンス、点を取りに行こうか、正直迷いました。点を取りに行こうと思ってはいたけど、残念ながら自陣からのキックインのスタートだったので。ハーフライン付近であれば最後の10秒、15秒残っているという意味では、本当に7~8秒でフィニッシュまでできる形をイメージしてたんですけど、自陣からのキックインではなかなか達成が難しいというところだったので。そこでチャレンジするよりは、リーグ戦ということで僕らは引き分けでも1位のままなので。僕の個人的な思いは、勝ちにいきたかったですけど、ただ冷静にならないといけないなということで、そのチャレンジを止めて、ディフェンスのメンバーで残り時間を過ごすようなイメージでした。それで、僕のやろうとしたディフェンスのスタイルというところが、はまらなかったというのは、吉川(智貴)選手とダルラン選手の距離の想定が僕がイメージしたものとちょっと違ったので、そこで対応が遅れて、最後のラストバスの前のバスにつながってしまったということですね。

ーーパワープレーを町田が先に仕掛けるという選択肢については?

甲斐修侍監督 それも、あの時間に入る前に話をしてたんですけど、ちょっと最後のほうで足をつってる選手が2人ぐらいいたり、それがパワープレーのオフェンスメンバーだったりしたので、今日のパワープレーを長くやれるコンディションとしては、ちょっと難しかったかなという判断をして、長い時間やることは選ばなかったです。ただ、さっきも話した通り1分とか、50秒とか、30秒とか、そういうワンチャンスのところでやろうと準備をしてたんですけど、いい位置でマイボールにならなかったので。とはいえそこはホームですし、僕は勝ちにいきたかったので、そのチャンスはずっと狙ってました。

ーー名古屋と対戦するときには、いろいろな考え方があると思うが、そのなかで自分たちのスタイルを貫く選択をしたことについて、そこに対する思いを教えてください

甲斐修侍監督 名古屋とは、準備期間から2試合やらせてもらってます。それで、自分たちがどれぐらい戦えるか、どういうものに気をつけないといけないかということをある程度、今シーズンの試合もすべて見ながらイメージはしていたので。それに、ただ勝つためにずっと守るというよりは、今うちのチームの特徴としては積極的なディフェンスというところを、シーズンを通してやってきているので、名古屋に対しても相手の経験値であったり、タレントがいるから下がるというつもりはまったくなくて。ただ、技術があったり、スピードがあったり、アイデアがあったり、精度があることをわかりながらも、自分たちのディフェンスのスタイルというのは、必ず通用すると思って取り組んできたので、変えなかったというところが今日のゲームですね。

5ファウルを取られたあとは、本来はハーフまで下がるということが考え方としてありますし、選手たちからも「ハーフまで下がりますか?」という声もあったんですけど、僕は基本待つディフェンスが好きじゃないので、基本的には自分達からアプローチして、相手の選択肢を消すということを、ファウルをしないレベルで、うちの選手たちは必ずできると思ったので、継続して同じ戦い方をした、ということです。

ーー今シーズンの躍進にジオヴァンニ選手の活躍があると思うが、信頼感と評価をお願いします。

甲斐修侍監督 今年が特別というよりも、去年からだいぶ助けられてますし、今日のゲームもそうですけど、名古屋の攻撃はなかなか多彩で脅威なので、危ないシーンはおのずと生まれてくるところがありましたけど、ディフェンスのハードワークに加えてジオヴァンニの最後の守備というのは、本当に勝つためには、絶対必要なことです。ほかのチームと戦っても同じことが言えますけど、そういう意味で失点の可能性を消すところも、攻撃のスイッチを入れるきっかけになるところも含めて、彼の経験が今の成績を生んでくれていることは我々も十分理解しています。

伊藤圭汰選手 本当に信頼できるゴレイロですし、失点していてもおかしくないようなシーンでも、足を出したり、顔を出したり、手を出したりして止めてくれるので、本当に信頼しているキーパーです。足元もすごくうまいですし、ハーフを超えてからも精度の高いパスが来るので、本当に信頼しているキーパーです。

ーーチームの平均年齢が若い中、今日のような出鼻をくじかれるような試合だと、以前は士気が下がってしまうこともありましたが、今日は気落ちすることなく戦えて、伊藤選手自身はゴールも決めています。今シーズンのチームの成長はどのように捉えていますか?

伊藤圭汰選手 若い選手が本当に多くて、自分も上から数えたほうが早いくらいのチームなんですけど、去年とか、その前の年から試合に出て自信を持った選手がたくさんいます。そういうメンバーでも気落ちすることはありますけど、今はみんな自信を持ってプレーできているので、本当にいいチームだと思います。自分もまだ課題もありますし、若い選手ももちろん課題はありますけど、みんながいい方向に向かっていけるようにサポートしていきながら、自分も結果を出すところにフォーカスして頑張っていきたいなと思います。

ーー今シーズン、町田がリーグの優勝争いに絡んでいることについて、どういうふうに感じていますか?

伊藤圭汰選手 自分たちのフットサルをすれば、名古屋相手にもそうですし、どの相手にも勝てるっていう自信を持って、僕もやってますし、チームとしてもやっているところだと思います。そういう面でこうやって勝てているというのは、すごく気持ちの面でもみんなポジティブになりますし、いい雰囲気でやれてるのかなって思います。

ーー連勝して、首位を意識するようになると、よく1戦1戦勝利目指してという言葉を聞きますけど、そういう気持ちか、それとも優勝を目指しているのか、実際はどちらの意識ですか?

伊藤圭汰選手 いや、もちろん優勝を目指しています。

ーー自分たちのスタイルを貫いて名古屋と対戦して、ピッチの中ではどのような手応えを感じましたか?

伊藤圭汰選手 さっきも言ったんですけど、自分たちのスタイルというか、それを出せば名古屋の長所も消せると思いますし、Fリーグのどこのチームでも、相手の長所を消すことができると思ってます。攻撃面では少し課題はありますけど、手応えというのは常にいい感触でやれています。

名古屋オーシャンズ 試合後会見

試合後会見に出席した名古屋オーシャンズのフエンテス監督とキャプテンの篠田龍馬選手。通訳は鬼塚祥慶選手が担当

試合後会見に出席した名古屋オーシャンズのフエンテス監督とキャプテンの篠田龍馬選手。通訳は鬼塚祥慶選手が担当

ーー試合の総括をお願いします

フエンテス監督
(通訳:鬼塚祥慶選手)
首位の町田とアウェイで対戦するということで、すごく難しい試合になりました。町田は、素晴らしいシーズンを過ごしていると思います。ですが、自分たちも、いい形で試合に入ることができて、すぐにゴールを決めて、しっかり戦えたと思います。試合開始早々から自分たちがやるべきフットサルを示せました。この試合に向けて1週間、勝つというメンタリティで素晴らしいトレーニングを積んできたことで、前半は素晴らしい試合ができていたと思います。前半7回チャンスがありましたけど、そこを決め切ることができず、自分たちが思っていたスコアにはできませんでした。町田は、少ないチャンスを決めたと思います。

後半は、前半とはまったく違うゲームになったと思います。自分たちは焦らずに、試合をより構築しながらプレーすることを意識しました。前半は少し焦りがあったので、そこを修正し、フィニッシュのところでもより落ち着いてプレーすることが大事ですし、試合のなかで成長していかなければいけないと思います。残り少ない時間で、パワープレーで人数をかけて、得点することができました。

篠田龍馬選手 今、監督が言ったように、相手の町田はすごくいいシーズンを過ごしていると思います。試合に入る前に町田については、全員がハードワークして、最後のところは素晴らしいキーパーがいて、そこで勝ってきているチームというイメージを持っていましたが、対戦してみてそのイメージ通りのチームで、イメージとまったく同じ展開の試合になったと思います。

僕たちは前半はよかったですけど、相手に与えた少ないチャンスで得点を許してしまって、その失点は僕にも責任があります。昔からこういう展開になってしまうと難しい試合になってしまうので、その点は反省があります。ハーフタイムに監督が修正をかけたという話をしていましたけど、スコアに執着しすぎるなというところで、前に急ぎすぎずに自分たちのリズムでボールを回してやっていこうという話をされて、それで後半はすごくいいリズムで、焦らずに相手の攻撃を見極めながら攻撃ができたと思います。少し相手に疲れが見えていたので、そこをしっかり突けて、良かったと思いますし、最後は本当にみんなを信じて、信じた結果があのゴールに繋がったと思います。本当に苦しい試合でしたけど、勝てて良かったと思います。

ーー追う立場で首位のチームに挑むということはあまりない経験だったと思いますが、どのような準備をされましたか?

フエンテス監督 名古屋の歴史として、1位じゃないというのは慣れない部分ではあります。でもそのシチュエーションというのは、今がちょうどそうだったということです。自分たちは3位でしたけど、リーグ戦を毎週戦う中で、最低限の勝点は取れていたので、そこに焦りはありませんでした。

町田と(Y.S.C.C.)横浜、この2チームは素晴らしいシーズンを過ごしていると思うので、そこで1位と2位、自分たちが3位という形になったと思います。そこは自分たちのコントロールできる部分ではないですが、こういう勝たなければいけない試合で勝っていくことが大事だったと思うので、このスコアで勝ててよかったと思います。自分たちは3位でしたけど、リーグ戦は長いので上位に食い込むためには、首位が望ましいですけど、離れずにいることが大事だと思います。

今日の試合は、より自然に自分たちがプレーできるようにということを心がけました。今シーズンは去年と全然違いますし、また違ったシーズンになることは理解していました。選手の入れ替えもありましたし、ベテラン選手の引退などもありました。そういう入れ替わりのあるなかで、成長には少し時間がかかることもあると思います。それでも自分たちは高いパフォーマンスでプレーをできていると思いますし、またここから成長していくだけです。

篠田龍馬選手 監督と同じようですけど、僕たちが3位だから悪いというわけではなくて、本当に町田や横浜は、ここまで素晴らしい試合を継続しているので、僕たちがっていうよりかは、ほかの2チームに良さがあるからこの順位にいるということ。ただ、今日の試合は大きな分岐点になるなと思っていたので、しっかり結果を出せてよかったです。選手たちは、何も言わなくても今日の試合が大一番だということ、今シーズンのなかでも一番大事な試合だというのは、全員が理解していましたし、それを体現できたと思います。こういうときの名古屋の強さを見せられたと思います。

ーー残り3分くらいでパワープレーを選択した理由と、残り55秒くらいでタイムアウトを取りましたが、そこでの指示を教えてください

フエンテス監督 5ファウルが溜まっていましたが、勝つためには、リスクをかけて何か違うことをしないといけないということでパワープレーを選択しました。

タイムアウトを取ったのは、自分たちが練習してきている内容のところになるんですけど、いろんなシステムがある中で、相手がどういう選択をするか、どういうシステムでやっているかという話をしました。

ーー決勝点を決めた(通訳の)鬼塚選手についてコメントを

フエンテス監督 すごくいい選手で、成長してきている選手です。身長はこれ以上成長できないですが、選手として成長していると思います。毎シーズンよくなっているので、これからも継続してやっていって欲しいと思います。また、大事な時間でプレーしているので、そこの責任感という部分も、成長につながっていると思います。どんなシチュエーションでも、嫌な顔をせず、チームを鼓舞しながらプレーしてくれている選手だと思います。通訳も兼ねているので、すごく難しいところではありますけど、よくやってくれています。今日は10点満点中10点のプレーをしてくれました。

ーー甲斐選手は古巣戦でしたが、試合前に声をかけた言葉はありますか? また、今日のプレーについての評価は?

フエンテス監督 まず、試合前は話していません。金澤空が立川(アスレティックFC)戦で試合に出たときも特に話すことはしていません。なぜなら、より自然にプレーができるようにという思いがあるからです。

稜人に関しては、少しナーバスになりながら試合に入って、ファウルを2つしてしまいました。でも、後半ゴールを決めて、そこで落ち着いて、よりいいプレーが増えてきたと思います。前半では、交代のときに、少し落ち着けということを伝えました。そこで自分自身、試合をコントロールできるようにプレーができていたと思います。すごくいいプレーをしていたと思います。

ーー今日の会場の蒸し暑さと、完全アウェイの雰囲気は、プレーにどのくらいの影響を与えましたか?

篠田龍馬選手 会場が暑いというのは事前に聞いてたんで、僕らも暑い環境で練習をして、まずは暑さに慣れることで対策はしました。試合会場は34度ぐらいあるって聞いていたんですけど、実際は思ったより暑くなかったです。ロッカーとか、アップのサブアリーナとかは結構暑かったんですけど、それよりは体感的には良かったので、まだやりやすかったなと思います。

アウェイという点では、町田はもう毎回、お客さんの力も使って、苦しい戦いになりますし、それは立川も同じイメージですけど、ホームの圧を感じます。でも、アウェイにしろ、ホームにしろ、お客さんがたくさんいるこういう環境でゲームができるのは、選手としては幸せなことですし、モチベーションにも大きく影響してきます。そういう意味でも本当に大一番だった思うので、それを勝ち取れたのは本当に良かったと思います。

ーー2点目は、篠田選手の見事なスローからのゴールでしたし、今日の試合はライナー制のスローが効果的だったと思いますが、狙いは?

篠田龍馬選手 町田は前からプレスに来るってわかっていたので、うちにはいいピヴォがいますし、ゴールクリアランスなど、プレス回避のところはピヴォに当てられたら全部当てるっていう狙いがありました。

2点目に関しては、稜人だったり、祥慶だったり、空だったり、若い選手は結構走ってくれるので、練習でも結構あそこは狙っています。稜人も考えてプレーをするプレーヤーじゃなく、感覚でやるタイプだと思うんですけど、あそこに走るのが好きだし、その特徴もわかっていたのと、通せるなとも思ったので出しました。でも、決めてくれないと何もないので、本当に稜人を褒めてあげて欲しいです。

ーー今日は節目の試合ということですが、長いキャリアのなかで大きなケガもなく、今日も高いパフォーマンを見せていましたが、それができている要因と原動力となっているものを教えてください

篠田龍馬選手 今日が300試合というのは、先々週ですかね、ホームゲームでグッズを作るからというので知ったんですけど、あんまり数字というのは気にしてなくて。僕のデビューは2009年で、今年は2023年ですよね、そう考えると2009年にデビューしてから300試合に到達するまでだいぶ時間がかかっていると思います。でも、いろんな苦しい経験をしてきましたが、今、ここにいられるというのは、大きなことです。「自分が」というよりかは、「このチームのために何ができるか」を考えて行動してますし、それが結局自分の成長にもつながると思います。この年齢になってベテランの域に入っているなかで、やることも増えて、若い選手も増えて、プレーだけじゃなくて、姿勢でチームにいい影響を与えられるように意識しています。このチームのために結果を出して、貢献していきたいという思いで、毎日を過ごしています。

▶Text by 小西 尚美
▶Photo by 小西 尚美
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