~湘南ベルマーレ VS バルドラール浦安~
7月末の6節終了後、約3週間の期間を経て、再開したFリーグ。湘南ベルマーレは、8月20日(土)、ホーム小田原アリーナにバルドラール浦安を迎えた。浦安は、若干変則的な日程で8月7日(日)にフウガドールすみだと第6節の対戦を行い、余裕のある日程で一足早くリーグを再開している。
7節前の順位は、湘南が4位、浦安が2位の上位対決。湘南が勝って勝点3を積めば、2位へ浮上となる。とはいえ浦安にとっても1位を走る名古屋オーシャンズとの差を広げたくないところ。どちらにとっても負けられない試合となっていた。
序盤は、お互い譲らない展開。ファーストシュートは湘南が放ったものの、浦安は湘南の攻撃の出どころを抑える戦いを見せ、攻勢を強めていく。先制点は浦安。フリーキックからの大きな展開のサインプレーで最後はガリンシャ選手が決めた。先制の勢いに乗ったのか、さらに浦安が追加点を決める。東出脩椰選手が技ありのシュートを決めてリードを広げた。
2ndピリオド、ホームで負けられない湘南がスタートから積極的な姿勢を見せる。しかし、流れは浦安。湘南陣内へ攻め込んだところで得たキックインからの流れで加藤竜馬選手が鋭いミドルシュートを決め、3点差とする。湘南もチャンスを作ってシュートまで持ち込み、攻める姿勢を見せるが得点までは至らない時間が続く。それでもカウンターからのチャンスを堀内迪弥選手が決めて、1点を返す。さらに湘南は、5分以上の時間を残したタイミングでパワープレーを開始。しかし、攻守に粘り強く戦った浦安が最後まで守り切ってタイムアップとなった。
今シーズンは、上位3チームによるプレーオフが予定されている。タイトルを取るためには、まずは3位以内が目標となる。そういう点でも湘南は、ホームで痛い敗戦となった。しかし、次節もホームで戦えるのは心強いところ。次節の戦いに期待したい。
湘南ベルマーレ 試合後会見
伊久間洋輔監督
ーー試合の総括をお願いします
伊久間「今日もたくさんの方に応援に来ていただいて、下部組織のみんなが設営してくれて、こういう試合ができる環境を整えていただいたということは非常にありがたいと思います。
試合に関しては、浦安さん、上位のチームとの対戦で、僕も今後のリーグを占う上で非常に重要な試合だと思っていました。結果は、残念だったんですけど、前半の最初に関してはうちのペースで試合を運べましたし、ゴールを脅かすことができたんですけど、それ以降、前半10分以降、相手のペースに持っていかれてしまって、そこから浦安さんのペースの中で失点を重ねたことが敗因だったと思います。後半は、それを立て直すべき話をしながら、あとはディフェンスの強度、前半の最初のところでできていたことを後半はもっとやろうということで、そこの部分はみんなも持ち直してやれたのかなと思います。負けた理由としては、やはりゴールが、イゴール選手の好セーブもありましたし、浦安さんが良かったということなのかなと思います。また来週に向けてトレーニングして、次は勝利を届けられるように頑張りたいと思います」
フィウーザ選手
フィウーザ「こんにちは。今日の試合はとても大事だったし、みんな頑張ったけど、負けましたね。前半の1点目と2点目は、早い時間だったので試合が難しくなりました。来週の試合で頑張ります」
ーー浦安は対策を講じてきて、そこを越えられなかった印象だったが?
伊久間「昨シーズンが2位で、今シーズンも苦しみながら負けなしで来ていますので、研究されているというのは、どの試合もそうだろうなと思いながらやってます。我々も、上位にいることによって、負けずに最低でも引き分けていたいというメンタルになるのは、そういう経験が少ないこともありますし、対策されてもなお自分たちが勝たなければいけないというメンタル面については、成長すべきところだと思います。
浦安さんの対策については、セットが違ったりした部分で先手を取られたというふうに思います。浦安さんは今シーズン、調子が良くて、そこも含めて今日は素晴らしかったと思いますし、ガリンシャ選手やディドゥダ選手以外の選手も、非常に良かったと思います」
林田フェリペ良孝選手
ーー今日の試合の振り返りをお願いします
林田「印象は、結果的に負けてしまったんですけど、前半最初の方はうちのリズムも良くて、いい中で早くに2失点してしまったので、そこで崩れてしまったのかなと思いますね」
ーー湘南は研究されているという印象を持ったが、ピッチの中ではどのように感じましたか?
林田「僕の武器であるワンツーがさせてもらえなくて、そこを多分対策されていたのかなと思いますね。自分以外のところは、堀内選手のところでピヴォ当てをさせないディフェンス、特にディドゥダ選手が前でカットすることが多かったので、そこらへんも対策されたかなと思います」
ーー対策への対応はどのように考えたのでしょうか?
林田「ハーフタイムに話して、僕のワンツーが対策されていたので、ワンツーじゃなくて逆に振って、そうするとピヴォが空いて簡単に当てられるとか、そういった話をしました。それで後半は少しうまくいったと思います」
ーーただ、なかなかゴールまでは決まらなかったという印象ですか?
林田「そうですね、チャンスはいっぱいあったんですけど、最後のところで決めきれなかったという感じですね」
ーー決めきれないというのは、全体的な流れの悪さなども原因でしょうか?
林田「それもありますし、あとは状況判断、パスを出せばいいところをシュート打ったり、シュートを打てばいいところをパスを出しちゃったりという状況判断も、今日は裏目に出てしまっていたのかなと思います」
ーー次節もホーム開催ですので、次節に向けて、意気込みをお願いします
林田「来週は、ホームで(フウガドール)すみだと対戦しますが、すみだも好調なので、本当に難しい試合になることは間違いないと思います。今日よくなかったところを反省して、また試合に向けて練習からやって、次節は絶対に勝ちたいと思います」
バルドラール浦安 試合後会見
小宮山友祐監督
ーー試合の総括をお願いします
小宮山「お疲れ様です。完全アウェイの雰囲気の中で、1対1が強い湘南さん相手に、自分たちがどれだけ粘り強く戦えるかというところが、この試合の大きなポイントだったと感じています。ロドリゴ選手を始め、1対1が強い選手がいる中で、本当にうちの選手が最後の最後まで体を張って、湘南さんの強みを上手に消してくれたなと思っています。こういう雰囲気の中で勝つことができて、選手たちの成長した姿を目にすることができて、まだまだリーグは続きますし、この試合で何かを掴んだわけではありませんけれども、自分たちが今シーズン目標にしているタイトルというところに向かって、また一つ階段を登れたのではないかなと思っています。次のホーム、(バサジィ)大分戦が中断前最後の試合になりますので、そこに向けてまた月曜日からしっかり競争をして、いい試合をできるように。ホームで勝って、中断期間を迎えたいと思います。今日はありがとうございました。以上です」
石田健太郎選手
石田「今日の試合は、去年いた選手は、ここで1対9と大敗しているので、その悔しさを持って今日の試合を迎えたと思うので、そういう気持ちがすごく出ていた試合かなと思います。また新しく入った選手たちもチームのためにすごく頑張って走っていたので、こうやってチームが一つになっていけばどんな相手にも負けないと思います。今日の試合は、チーム全員の勝利だと思っています」
ーー湘南のやり方を踏まえて戦っていたように見えたが、対策などは?
小宮山「例年ですと、内村(俊太)選手やロドリゴ選手、そういった選手たちが中心選手として長い時間プレーしていましたけども、湘南さんをスカウティングしたときに、今シーズンは新しく加入した堀内(迪弥)選手というのがすごく好調で、攻撃の中心だったので、彼のところをどう消すかというところ、そして基本的に湘南さんはディフェンスがマンツーマンなので、自分たちがマンツーマンディフェンスに対してどう打開していくかというところを考えました。湘南さんは、オフェンスにおいてすごく優位性がある選手が多いんですけど、私の中ではディフェンスにおいて若干こう、足が止まると言いますか、背後を取られる選手が何人か見受けられたので、そこに対してしっかり走っていこうと、その分、選手たちはいつも以上にハードワークしなければならないので、苦しい部分はあったと思うんですけど、本当に見事に選手たちはやり切ってくれたと思います。マンツーマンディフェンスと、個の強さというものを自分たちのポゼッションで、相手に攻撃させる時間を減らして、そして堀内選手にはディドゥダをつけて、最後は石田も頑張ってついてくれましたし、そうやって湘南さんの良さを消すことができたんじゃないかなと感じています」
ーー対策がハマったというところでしょうか?
小宮山「結果論だと思います、うまく行く行かないというのは。私は外から戦術を考え、作戦を考え、システムを考えて選手たちに与えますけども、実行できるかどうかというのは選手たちの力量だと思うんですよね。今日はそういった意味では本当に選手たちが40分間集中力を切らさず、すべての面においてハードワークしてくれたので、自分たちの選手を頼もしく思いましたし、作戦がうまくいったというよりは選手たちの能力で補ってくれたんじゃないかなと思います。いつもそうですけど、私は勝ったら選手たちのおかげだと思ってますし、負けたら自分の責任だと思っています。そういった意味では選手たちが最初から最後まで戦ってくれたのが、さっき石田も言ってましたけど、私も去年ここで、大敗したことはすごく鮮明に覚えていますし、この小田原アリーナは、Fリーグの中でも屈指のアウェイ感を感じられる場所で、私は自分が現役時代からこの雰囲気がすごく大好きで、そういったところで自分たちの力をどれだけ出せるかっていうのが、フットサル選手として、浦安の選手として求められているところだと思うので、そういった意味でも選手たちがこの雰囲気にびびらず勇敢に戦ってくれたことが本当に誇らしく、うれしく思っています」
ーー若い選手たちが自信を持って戦っているように見えたが、指導での手応えなどは?
小宮山「彼らには、若いからチャンスを与えているのではなくて、君たちの力があるからここにいるんだよとよく言っています。若いからとか、ディドゥダやイゴールも含めてそうですけど、年齢を重ねているからとかではなくて、ピッチに立ったら年齢は関係なく、ある程度のことはやってくれと。そういった意味で今、うちの若い選手たちは、U-19を経験して、すごく自信を深めてきています。もっと長い時間使ってあげたかったですけども、やはりまだまだ個の部分で湘南さんに対しては足らない、もう本当にやられてしまうんじゃないかというところは正直あったので。でも使わないと成長もしないので、本当にそこのバランスは難しいですけども、彼らが出ている時間、ピンチはありましたけど、失点することなく進めてくれたので良かったです。宇野(伊織)、柴山(圭吾)、外林(綾吾)、やはりこの3人には私は期待していますし、これからの日本を背負って立つ存在だと思ってます。その前に隣にいる石田が、もっともっと代表の中心選手として活躍してくれることを願っているので、もっともっと全員で高めていきたいなと思います」
ーー選手たちも自信を持って戦っているように見えたが、選手として実感はありますか?
石田「そうですね、去年より勝ちが増えて、自分たちのフットサルに自信を持っているというのが一番大きいと思います。練習から監督も常に言っているんですけど、勝負にこだわるというのを意識してやっています。チーム内でも競争が激しいと思うので、そこは相手どうこうじゃなくて、自分たちのフットサルに本当に自信を持っているというのが一番大きいと思います」