試合

ホーム町田でラストマッチ、毛利・原田両選手のスペイン移籍を勝利で後押し

~ペスカドーラ町田 VS ボルクバレット北九州~

短い中断を挟み、再開されたFリーグ。8月12日(金)には、ディビジョン1第7節最初の試合となるペスカドーラ町田 VS ボルクバレット北九州の対戦が、町田のホームアリーナ、町田市立総合体育館で行われた。

この試合の2日前に町田の公式サイトから発表されたのが毛利元亮選手と原田快選手のスペイン移籍。ホームでプレーする姿が見られる最後の試合となることから、1,662人のサポーターが集まった。チームメイトも勝って二人を送り出そうと、モチベーションも高く試合に臨んだ。北九州は、今季から中嶋孝行監督が就任。新たなチームづくりに挑んでいる。現状、黒星が先行しているが、前節はホームで立川アスレティックFC相手に最後の1分で逆転劇を披露し、勢いづいている。

試合は北九州の勢いがそのまま出たか、コーナーキックからのサインプレーで宮崎岳選手がミドルシュートを放ち、先制に成功。しかし、1分もたたない間に、毛利選手が左サイドを突破、ゴレイロが出てきたところを技ありのループシュートを決めて同点とする。また終盤には、中盤での奪い合いの中でボールを持ったヴィニシウス選手が相手選手をうまく押さえ込みながらシュートに持ち込み、逆転のゴールを決めた。

2ndピリオドは、攻撃に重心を置く町田に、粘り強く守る北九州の構図。ゴール前の攻防の中、町田の選手が放ったシュートを北九州の選手がスライディングで守った際、ボールが手に当たったという判定から町田にPKが与えられた。これを原田選手が決めてリードを広げる。このまま負けるわけにはいかない北九州は、ゴレイロを上原拓也選手に代えて攻撃のシフトをチェンジ。ゴレイロを加えて数的優位を作る攻撃を仕掛けていく。何度か町田ディフェンスを崩し切るシーンを作るが、得点できずに7分強を残したところでパワープレーをスタート。1点を返すが、最後は意地を見せた町田が守り切ってタイムアップを迎えた。

試合後には、毛利・原田両選手の移籍セレモニーを実施。「世界一の選手になる」と原田選手、「世界で一番点が取れる選手になる。将来は町田に戻ってアジアの頂点に立つ」と毛利選手が、それぞれ抱負を語った。

また、試合に先立って、主審を務める小崎知広審判員の担当200試合のセレモニーも行われ、記念のオーナメントが贈られた。

ペスカドーラ町田 試合後会見


甲斐修侍監督
ーー試合の総括をお願いします
甲斐
お疲れ様です。今日は、北九州の前回の立川(アスレティックFC)戦を見て非常に勢いのある状態のチームだと認識していましたので、非常に難しいゲームになると思いましたけど、選手たちの(原田)快と(毛利)元亮を勝って送り出すというところで、今まで以上にチーム内の雰囲気もいい状態で試合に臨めたので、最後まで難しくなりましたけど、勝つことができてよかったと思います

伊藤圭汰選手
伊藤
「お疲れ様です。難しい試合を勝つことができてホッとしています。あとはやっぱり元亮と快を勝って送り出したいという気持ちが僕も強くありましたし、みんなも多分強く思っていたので、それが結果につながって本当に良かったなと思います」

ーー後半のスタートのメンバーの狙いを教えてください
甲斐「そうですね、セット分けというのは特に固定をするスタイルではないので、ある程度の噛み合わせといいますか、練習の中でもいくつか試しながらやってるんですけど、その中でももともと噛み合う選手たちと、何かプラスを生み出す可能性のある組み合わせだったりというのを模索しながらやっています。前半はそういう意味合いでいうと、3セット目のところはちょっとバタバタしてしまったんですけど、後半のスタートのメンバーはもともとけっこう長くやっていた4人だったので、ちょっと入りのところはそれなりに安定させたいという思いもあったので、あの4人を選びました」

ーー毛利選手と原田選手に対してメッセージなどあれば教えてください
甲斐
「元亮に関しては、ペスカドーラとして下部組織をスタートさせた1年目のジュニアユース、中学3年生で入団してくれた選手なんですけど、その当時から7年経ちますけど、僕も下部組織を見始めて、本当に毎回成長のスピードだったり、その成長を一番感じさせてくれる選手でした。これから海外に挑戦するということで、もちろん今のチームの状態としては非常に痛いんですけど、それ以上に元亮がもっとでかくなって、たくさんのことを学んで、また将来、ペスカドーラ町田に還元してくれると思っています。とにかく元亮については、高いレベルに行くことを、ユース年代からずっと一つ上のカテゴリーだったり、トップだったりということを経験しながら、そこにちゃんとアジャストできる能力を持っていたので、スペインに行ってそれがまたこれまでと同様に全部すんなり行くとは本人も思ってないと思いますけど、障害にぶち当たったとしてもそれを必ず乗り越えて、いい選手になってくれると僕も信じているので、チームは違いますけど、元亮の活躍というのは、うちに所属している選手と同じように注目していきたいなと思っています。

快は、2年と短いんですけど、もともと快のお父さんとは、昔からフットサルで一緒に過ごしてきた仲間で、快をお願いされたときに、快が少しでも成長できる環境づくりであったり、考え方であったり、そういうものを短い期間ですけど、考えてきました。快自身の成長もすごく見られて、僕も指導者冥利に尽きます。若い選手たちの成長スピード、成長していく姿というのを一番見せてくれた二人なのかなと思います。快はまだ18歳ですし、今も代表に呼ばれるほどの選手ですけど、まだまだこれから成長できる選手だと思います。本人が言っていた通り世界一の選手になるという目標を必ず成し遂げてくれると思うので、元亮同様将来的にペスカドーラでプレーしてくれる日を楽しみに、応援したいなと思います」

ーー7月負けなしですが、好調の要因をどう分析していますか?
甲斐
「そうですね、スタートの2試合を負けたことが本当にこう、シーズン前の準備とチームの状態からして、そんなに不安に感じる状態じゃなかったので、正直その2敗についてネガティブな捉え方は全くしてませんでした。なので、その2戦負けた以降のところで、選手たちが本来持っているパフォーマンスをしてくれたその経緯とか、そういうものが僕の中でサプライズではなくて、本来彼らができるプレーの精度だったり、パフォーマンスだったりというのは、これくらいは必ずできるであろうというところですし、そこは正直もっとできると思ってます。スコアのコントロールだったり、試合の中で起こるチャンスだったり、そういうところはもっともっと精度を上げていかなければいけないですし、今日の試合だけじゃないですけど、ここ最近の試合でも決め切れるシーンを決め切れないというところが続いていて、最後の残り1分、30秒まで勝ち負けが確定しないというゲームを、ここ何試合もやってますので、そこは今のチームにとっての課題かなと思っています」

伊藤「開幕してから先制される試合がすごく多かったんですけど、そこで今失点しても落ち着いていられるというか、僕たちが最終的に勝てるという自信を持ってプレーしているので、先制点を取られることは良いことではないですけど、みんなが少しずつ落ち着いてプレーできるのが今の勝てている要因かなと思います。まだチャンスはありますし、もっと決め切って、もっと楽な試合にしたいですけど、勝てているのが本当にいいことなので、これを続けていきたいです」

ボルクバレット北九州 試合後会見


中嶋孝行監督
ーー試合の総括をお願いします
中嶋
お疲れ様です。今日は、けっこう暑かったんですけれども、選手たちが持ち味であるプレスから基準を作りながら、(ペスカドーラ)町田さんの質の高い選手相手に、守りながらどうやってリズムを作れるかという意味では、立ち上がりからすごく良かったんじゃないかなと思っています。それでも町田さんの質の高い選手たちの個の部分で崩されて得点され、追わなければいけないという状況の中で、最後はパワープレーも試みましたが、その前に決定的が2回ほどあって、ああいうところを決めていければゲームの流れは変わったかなと思います。ただ、選手のみんなが最後まで自分たちらしさを出し切れたことに関しては、監督としては良かったなと思っています。以上です」

安嶋健至選手
安嶋「お疲れ様です。ゲーム全体として見たときに、常にちょっとバタついていたかなと思います。落ち着かない時間帯が多くて、こぼれたボールで決定機を作られたり、カウンターがらみのところで決定機を作られたりというシーンがすごく多かったという印象です。それと、ピッチコンディションとか熱気とかで、攻撃のときにあまり体力が残ってなかったのかなという、ピッチコンディションは相手も同じですが、そこのところでフィニッシュの精度を欠いたのかなと思います。チャンスは、決定機を2、3個作ったんですけど、枠に入れられない。町田と対戦するときは、いつもそういう構図になる印象ですね。相手は少ないチャンスをしっかり決めてきたし、自分たちはそこで外してしまった、そこの差かなという印象です」

ーーゴールキーパーを上原拓也選手に変えたタイミングと、その狙いを教えてください
中嶋
「1つは、パワープレーの前に、僕らは5-4という言葉でやってるんですけど、キーパーが押し上げながら数的優位の基準を作ることと、上原選手はスピードもシュートのパンチもあるので、相手と違う狙いを持ちながら攻撃をしたいと思っていました。特に相手が攻めたあとの、いわゆるトランジションの守備に相手がなろうとするときに、上原選手が持ち出して上がるところにチャンスがあったので、ああいうところでキーパーを使ったカウンターアタックというところも練習してきたので、追わなきゃいけない状況の中で、パワープレー前に一旦基準としてやろうという話で送り出しました」

ーー今シーズンから監督に就任されましたが、チームづくりのコンセプトなどを教えてください
中嶋「馬場前監督が積み上げたもの、弾丸プレスであるとか、守備の強度とかはうまく繋ぎながらも、少しずつ自分の色が出てくればいいなというふうに思って指導しています。ボールを持つところであるとか、例えば仕掛け方であるとか、フットサル全体の見方であるとか、そういうところが徐々にですけど、色づいてきたのかなと思っています。ただ僕は、選手の幅、監督が『こうしなさいだから』『こう』じゃなくて、監督が『こうしなさい』、でも『この幅がある』というところを大事にしたいと思っています。その時々で決断するのは選手なので、選手のプレーのところは選手を尊重しながら。そうすると僕が持っている幅と選手が持っている幅がうまく広がっていくなぁっていうふうに思ってやっています。特に1年目なので、そういうところがうまくチームに浸透していけばいいなと思ってやっています」

ーースパンを長く見ながら浸透させていくということですか?
中嶋
「長いスパンというよりは、フットサル全体を考えたときに、僕は見る方が多かったので、やっぱり見る側としてどういうゲームがいいのか。例えばゴールに向かう回数が多かったりですとか、ここ最近でいうと、私たちのパワープレーで最後逆転したりだとか、追いついたりとか、やっぱり最後まで諦めない姿勢を戦術的にも、プレー的にも、ピッチで見せていくことが、ボルクだけではなく、Fリーグ、フットサルの1つの魅力として出てくるんじゃないかなと思っています。

だからそこはいきなりじゃなくて、そういう幅がどんどんどんどん広がって、僕もびっくりするようなことであるとか、そうなったらいいなと思っていますし、長期的には絶対になると思います。短期的には、ゲーム自体が難しいものが多いので、ただその目指すべき先というのはしっかり見据えて、選手たち、チームにアプローチしていきたいなと思ってやっています」

ーーパワープレーの精度は高いと思うが、パワープレーをしなくてもいい試合運び、自分たちがリードするための試合運びにしていくためには、チームにどんなものが必要と考えますか?
中嶋
「そうですね。今、継続的にトレーニングをしているのは、本当にシンプルな、例えば3-1のカウンターのトレーニングであるとか、育成年代がやるようなことに少し時間を割いてルーティン化して練習しています。今日の最後のところも、キャプテンの安嶋選手も言ったように、ちょっと体力的な部分で最後、セグンドを決めきれないところもあったと思うんですけど、やはりそういう細かいところを継続してやっていくこと、今日のゲームで言ってもそういうところの差が、相手は簡単なシュートを入れてきた、僕らはそういうところを決めきれないというところに繋がると思う。ですから、そういう部分というのを一つ、大事にしながらやっていきたいなと思っています。それで結果的に、パワープレーをしなくていいような状況というのも、生まれてくるんじゃないかなと捉えています」

ーー中断前最後の試合となるホームのボアルース長野戦に向けて、意気込みをお願いします。監督は特に対戦相手に息子さんがいるので、そこを踏まえてお願いします
安嶋
「中断期間前、町田戦と長野戦と2連勝したかったというのが自分たちの目標でした。今日は負けてしまいましたが、次はホームなので是が非でもまずは勝利して、北九州の皆さんに勝利を届けたいです。長野さんは、ボルクの元選手も結構多いですし、向こうも気合が入ってくると思うので、まずそこの気持ちの部分だったり、マインドをまずしっかりセットして、自分たちのやること、特にプレスですね、そこは徹底してやれれば。負けてはいますけど悪くないゲームは続いていると思いますし、自信は失ってないので、最後に勝って、北九州の皆さんに勝利を届けたいと思います。それともう一つ、北九州に旦過市場というところがあるんですけど、4月に火事が起きて、また火事になってしまったんです。監督が今週はすごく言っていたんですけど、そういった思い、自分たちがどれだけ北九州を盛り上げられるか、勇気付けられるかというゲームになると思うので、自分たちは北九州を代表して必ず勝利して、そういう人たちにも勇気を与えたいなと思います」

中嶋「今シーズンの僕らのスローガンは、想いを繋ぐなんですけど、SNSを見ると、ボルクの試合が終わった後に『仕事、頑張れます』とか、『次の試合まで頑張ります』とかいう方が結構いらっしゃいます。僕も見る方が多かったので、何が一番大事かというと、フットサルを見て『すごいな』とか『頑張ろう』とか、フットサルでどれだけの人を支えられるかだと思います。

それと今、キャプテンから話があったように旦過市場というところが、ちょうど僕が北九州に来たくらいのタイミングで火災になって、またつい先日火災が起きました。ニュースを見ると、せっかく頑張ろうと思ったところに、『またか』みたいな気持ちは、すごくあると思うんですね。私たちは、北九州の皆さんにものすごく支えられているので、やっぱりフットサルで、僕たちの力をしっかりアリーナとか、ABEMAさんで見ていただきながら、『よし頑張ろう』と思う気持ちになってくれたらいいなと思っています。

それから僕は九州の人間なので、僕もだし、息子もだし、もともとボルクに多くいた九州出身の選手がボアルースさんにいらっしゃるというというところで、そういう意味でも九州のフットサルというのが一つ盛り上がる試合になればいいなと思います。同時に、息子には絶対に負けられないので、是が非でも絶対に勝つというのは大事にしていきたいし、そういう姿をいろんな方に見ていただいて、フットサルいいな、Fリーグいいな、ボルクいいなと思ってもらえたらすごく幸せだなと思います。負けません、はい」

▶Text by 小西 尚美
▶Photo by 小西 尚美
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