オーシャンカップ決勝 アダアストリアみとアリーナ

試合

新生チームでも強さは変わらず。名古屋が10回目の優勝で5連覇を達成

Fリーグオーシャンカップ2023決勝
名古屋オーシャンズ VS バルドラール浦安

新しいシーズンが始まって最初のタイトル争いとなるオーシャンカップ。Fリーグのディビジョン1、ディビジョン2に所属する21チームに加え、特別枠としてU-19フットサル日本選抜、第23回FUTSAL地域チャンピオンズリーグ 優勝チームのO-PA、LUXPERIOR CUP 地域大学フットサルチャンピオンズリーグ2022-2023 優勝チームの立命館大学All.1、第12回日本フットサル施設連盟選手権 優勝チームのZOTT WASEDAの計25チームが参加して5月15日(月)から21日(日)の日程で開催された。

決勝で顔を合わせたのは、名古屋オーシャンズとバルドラール浦安。昨シーズンのリーグ戦でプレーオフに進んだ3チームが順当に勝ち進むなか、前日の準決勝で立川アスレティックFCとの激戦を制した浦安が決勝へ駒を進める格好となった。

名古屋は、今オフに日本代表でもあるアルトゥール選手のほか、実力ある外国籍選手が海外のチームへ移籍。とはいえ、フウガドールすみだから清水和也選手、立川から金澤空選手を獲得。昨シーズン終盤にペスカドーラ町田から加入した甲斐稜人選手と合わせて若い選手が増えたなかでもタレントの充実ぶりは一線を画している。

一方の浦安も主力であり、チームの得点源だったガリンシャ選手が移籍。同じポジションの選手として、バサジィ大分から本石猛裕選手を獲得しているが、合流が遅れ、今大会は出場していない。チーム全体としては、下部組織からの昇格した選手も多く、さらに若返った印象だ。

1週間の短期決戦で行われた大会の決勝は、緊張や硬さといったものは全く見られず、どちらのチームも勝利へ向かう気持ちがそのままプレーとして表れた入り。開始7秒で名古屋の清水選手が最初のシュートを放ち、優勝への執念を見せる。それに対し浦安も運動量を豊富に保って丁寧な守備を行い、最後はゴレイロのイゴール選手が立ちはだかって得点を許さない。ボールを持つ時間は名古屋が長いものの、浦安も流れの中で攻撃を組み立てつつ、セットプレーにも工夫を凝らして得点を狙っていく。

お互いに決定機はあっても得点できないまま時間が進んだ前半終盤、名古屋の攻撃が実る。裏を取った清水選手からラストパスを受けた安藤良平選手が決めて先制に成功。名古屋がリードしてハーフタイムを迎えた。

後半開始早々名古屋は、フエンテス監督がハーフタイムで修正を加えたと語ったコーナーキックを獲得。その言葉通りにアンドレシート選手がゴールを決めて2-0とリードを広げた。

気持ちを切らさず攻守に粘り強く戦う浦安は、セット交代直後の攻撃でイゴール選手が起点となって右サイドの空涼介選手にパス、空選手がワンタッチの技ありゴールを決めて1点差に迫った。しかしその約2分後、名古屋はコーナーキックから再び得点。ゴール前の激しいポジション争いの中、こぼれ球を拾った清水選手が移籍後初ゴールを決めた。

リードを広げた名古屋は、さらにギアを上げていく。要所要所で起用される金澤選手がゴール前に入ったところへ、鬼塚祥慶選手からパスが出て、シュート。金澤選手の移籍後初ゴールは、試合の行方を決定づける得点となった。

浦安は、5分強を残したところでタイムアウトを取得。パワープレーを開始するが名古屋の守備は固く、シュートを打っても得点までには至らない。逆に名古屋は、シュートチャンスを伺う浦安からゴール前で安藤選手がボールを奪って、そのままロングシュート。ボールは無人のゴールに転がり込み、名古屋はパワープレー返しで5点目を決めた。

浦安は最後まで得点を狙う姿勢を見せたものの、追加点を取ることができないままタイムアップ。シーズン最初のカップ戦は、名古屋がタイトルを獲得することとなった。

 

◇ ◇ ◇ ◇

オーシャンカップの1次ラウンドはエスフォルタアリーナ八王子を舞台に、5月15日(月)~5月18日(木)の日程で実施。1回戦から3回戦までがノックアウト方式で行われ、4チームが決勝ラウンドへ。昨シーズンのリーグ戦プレーオフに進出した3チームはシードとなり、3位の浦安は2回戦から、優勝した名古屋、準優勝の立川は3回戦からの登場となった。

準決勝に進んだのは、名古屋、立川、浦安、シュライカー大阪の4チーム。決勝ラウンドは、5月20日(土)、21日(日)の日程でアダストリアみとアリーナで実施。20日(土)に行われた準決勝では、名古屋と大阪、浦安と立川が対戦した。21日は、決勝に先立って3位決定戦が行われ、立川が5対3で大阪を下し、3位となっている。

名古屋オーシャンズ 試合後会見

Fリーグオーシャンカップ2023 名古屋オーシャンズ 試合後会見 フエンテス監督 篠田龍馬

ーー試合の総括
フエンテス監督 決勝らしい試合だったと思います。お互いに戦っていて、難しい試合でした。私たちは、相手のチャンスを潰しながら、自分達はなるべくエラーをしないように、基準を持って試合を進めました。時間が経つにつれてよくなっていき、前半1点を決めて、リードして後半を迎えられたのは、自分達にとってアドバンテージになったと思います。また、その中でも修正しなければならない部分があったのでハーフタイムに修正し、そこを後半にしっかり出せて、自分達はすごくいい状態でプレーができたので、相手は苦しんだのではないかと思います。後半残り10分で、相手がよりリスクをかけないといけない状況になったのは、試合のポイントになりましたし、そこで私たちはいいプレーができたと思っています。パワープレーの守備もしっかりできましたし、それ以外の守備、プラス攻撃のときもしっかりボールを動かして、自分達はいいプレーができたと思います。課題や修正点もありますが、それでも優勝できたことはすごくうれしいです。

篠田龍馬選手 昨日も言ったように、決勝は優勝するための舞台なので、しっかりチーム一丸となって結果を残せたことで、チームが一段階も二段階も成長できると思います。これをリーグ戦につなげることで、自信を持ったいい状態で開幕を迎えることができるので、結果が出てよかったです。

ーー前半どういったところがうまくいってなかったのか、ハーフタイムの修正点について言える範囲で教えてください
フエンテス監督 守備のところで相手に回避プラスチャンスを作られたところがあったので、そういったところの修正と、コーナーの攻撃のところで相手の守備に対してどうするかという話をしたので、そこで2点目3点目が決められたのかなと思います。

ーー選手が入れ替わった中、新チームが始動してまだ期間が短いですが、この短時間でチームをまとめるために、どのような指導をされていますか?
フエンテス監督 短い期間で、こういったチームになるというのは選手たちのおかげだと思っています。この大会が始まる前にも言いましたが、選手たちの頑張りが結果につながっていると思います。新しい選手が入ってきて4週間、そのうちの1週間は代表招集でいない選手もいましたし、その中には新加入選手もいたので、そういった難しさはありました。それでも私たちのメンバーは、タレントがあるので、トレーニングを進めることに難しさを感じる部分は少なかったと思います。今日はすごくうれしいですけど、明日からはしっかり地に足つけて次の目的に向けてやっていかなければいけないと感じています。

ーー常に勝つことが期待される中で試合に臨んでいるが、メンタル面で気をつけていることはありますか?
篠田龍馬選手
 
僕や長く在籍している選手は、それに慣れているので、特に何かしているかといったら別にそういうものはありません。ですが、今年は長く在籍していた選手が抜けて、若い選手も入ってきた中で、そういうところは伝えていかないといけないなと思っていました。ベンチにいるときの振る舞いであったり、試合中の振る舞いというのは特に気をつけていました。新加入の3選手は、そういうプレッシャーがある中でプレーすることに多分慣れてないですし、慣れている選手たちが押し上げていくというか、そういう気持ちで、気を抜かずに本当に一体感を持ってできたと思います。

ーー新加入の選手たちや若い選手たちに具体的にアドバイスしたことはありますか?
篠田龍馬選手 特にはないです。ないですけど、空気感でしっかりこっちに入ってこれるようにはしました。それから、今日出場機会がなかった(甲斐)稜人に関しては、リスペクトしたうえで、名古屋じゃないとこういう経験はできないということは彼本人に言いました。彼の立ち位置的に、町田にいたら優勝して悔しい思いをすることはないと思うので、それを今日経験できたというのは、彼にとって財産だと思いますし、タレントのある選手なので、これから必ずこの経験が活きるよという話は試合が終わった後にしました。

ーー優勝を喜ぶ円陣の中で川上(翼)選手が踊っていましたが、篠田選手と田淵(広史)選手、川上選手のキーパーチームの雰囲気や競争意識などについて教えてください
篠田龍馬選手 田淵にしても、翼にしても、僕にしても練習から競い合って、常に3人とも危機感を持ちながら、練習からプレーしてます。この大会は、前後半で(田淵選手と)交代するという形でしたけど、僕も田淵に関しても、自分達の仕事をしたと思ってますし、その結果だと思います。翼に関しては、結構みんなにイジられて、ああいう感じでもう「お前、行け」ってやらしたんですけど(笑)。いい空気感を持っている選手なので、この短期決戦の中で彼の存在もやっぱりプラスになったんじゃないかなと思います。

ミックスゾーンにて
※ミックスゾーンでの取材のため、写真はありません

宮川泰生選手
ーー優勝おめでとうございます。まずは優勝の感想をお願いします
ありがとうございます。去年もオーシャンズが優勝したんですけど、去年は(自分自身は)予選ラウンドしか出場機会がなくて、うれしさもありつつ悔しさもあるという感じでした。今年は、悔しいプレーとか、課題が残るプレーもあったんですけど、出場時間ももらえて、チームに貢献できたかなと思います。

ーー試合に出場してチームに貢献した実感のある優勝と、その実感のない優勝との違いを感じているところですか?
もちろんチームが第一なので優勝はすごくうれしいんですけど、自分も選手としてのキャリアがあるので、タイトルに関わる場面で出場することはすごく大事だと思うので、(去年は)そういう悔しさもありという感じでした。

ーー改めて試合を振り返っての感想をお願いします
浦安は昨年もリーグ3位の強豪チームですし、攻撃のパターンがすごく多彩で、とにかく素早く流動的に動くチームなので、まず守備からというところを意識して入りました。決勝なので、とにかく我慢して守備をして、チャンスがあれば点を取りに行くという狙いだったので、そういう面では我慢して前半の終盤の方で点が取れて、プラン通りというか、いい形で先制点が取れたんじゃないかなと思います。

ーープラン通りでしたか?
そうですね、はい。決勝なので、気持ちが昂っちゃって、前へ前へという気持ちもあると思うんですけど、とにかく失点しないことが一番大事だと思っていたので、僕とは違うセットでしたけど、いい形で点を決めることができたと思います。

ーー名古屋の選手でも決勝で気持ちが昂りすぎることがあるのですか?
僕はまだそういう舞台での経験が少し浅いので、気持ち的には昂ってしまうところがあります。ベテランの選手達は慣れてるので、そういう面での気持ちのコントロールだったりは、ベテラン選手の力が大きいかなと思います。

ーー今シーズンは、メンバーも入れ替わって若手選手にもチャンスがありそうですが、その辺りはどう感じていますか?
メンバーが大きく変わって、新しく入ってきた選手達も若いので、その中でも競争していって、ポジションを勝ち取れればいいなと思います。

ーー宮川選手は移籍したアルトゥール選手と同じフィクソですが、アルトゥール選手がいなくなったところでどう存在感を示したいと考えていますか?
アルトゥールは、日本国内だけで見ても偉大な選手ですし、世界的に見ても特別な選手だと思うので、その選手の代わりになることは難しいと思います。ですが、アルトゥールは本当にすごい選手ですけど、また違った形で名古屋のフィクソ像を担える、また違ったタイプのフィクソになれたらいいなと思っています。

ーーこの大会を通して感じた課題はありますか?
ピヴォとの1対1など守備に関しては、自分は結構自信を持ってやれていますが、攻撃の面では、得点に絡めるチャンスもあまりなかったですし、自分がボールを奪われてピンチという場面も結構いっぱいあったので、そういう面で課題を感じました。浦安の(石田)健太郎選手とかは、お手本になる選手なので、そういうところを盗みながら来週からのリーグ戦につなげていけたらいいと思っています。

ーーフィクソの攻撃という面で石田選手を参考にしているんですか?
そうですね、(シュライカー)大阪の齋藤日向選手とか。2人ともサッカーの強い高校でやってきて、すごく上手な選手なので、位置取りとか、ボールの動かし方というのはすごく手本にしています。

ーーフィクソでも得点を取ることが大事ということですか?
そうですね、守備に関しては結構自分に自信を持っているので、もう少し攻撃も力になれれば怖いフィクソになれるのかなと思います。アルトゥールがまさにそうなんですけど、そういうところも期待されていると思うので、頑張りたいです。

ーーリーグ戦に向けて意気込みをお願いします
チャンピオンという目標は、毎年変わらないですし、チームとしても結果にはこだわってやっていきたいです。個人的にはアルトゥールがいなくなって、オーシャンズを見る周りの目が少し変わると思うんですけど、そういうのも吹き飛ばせるくらい、失点しないし、得点がたくさん取れるチームに、自分が絡んでいけるように頑張っていきたいと思います。

ーー個人の目標はありますか?
とにかくコンスタントに出場機会を得られるように。1シーズン通してずっと(試合に)出ることはもちろん目標ですし、去年は3点しか取れなかったので、もっと取れるように頑張りたいと思います。

バルドラール浦安 試合後会見

バルドラール浦安 試合後会見 小宮山友祐監督 石田健太郎

ーー試合の総括
小宮山友祐監督 お疲れ様でした。約1週間のオーシャンカップ、皆さんのお力もあって、我々にとっては非常にいい大会になったと思います。優勝を狙っていただけに、優勝できなかったことは非常に残念ですけれど、選手たちは本当に勇敢に戦ってくれて、前半から激しくプレスをかけて、決定機もありましたし、浦安らしいフットサルが見せられたんじゃないかなと思います。あともう少しだったのかなというところと、まだまだ足らなかった部分というところは、どうしてもあるのかなというところです。ただ、シーズンが始まってすぐのオーシャンカップという大会において、このようなパフォーマンスを発揮できたことは監督として非常にうれしく思います。ですが、先ほども言った通り、タイトルをとるということを大きな目標にしていた我々にとっては、非常に悔しい結果ではあります。

石田健太郎選手 今日の決勝戦は自分達にとって本当に大事な試合で、決勝戦を初めて戦う選手も多くいる中で、試合の入りはいい形で入れたかなと思います。毎試合そうですけど、決めるところを決めていれば、また違う試合になったと思いますが、後半の2失点目、3失点目がもったいなかったなという部分があります。昨日の立川(アスレティックFC)との試合もそうですけど、自分達の攻撃がうまくいかない中で、守備に回る時間が多いときに押し返す力というのがまだ少し足りないので、そこはリーグが始まるうえで、もっと強化していかなきゃいけない部分かなと感じました。

ーー名古屋は準決勝同様、後半にギアを上げてきたが、後半の立ち上がりですぐに失点してしまったところで、昨日話していたメンタル面での課題について、今日も選手たちから感じられましたか?
小宮山友祐監督 今日に関しては、あの失点はコーナーキックからの失点でしたけど、単純に、なんて言ったらいいんですかね、アンドレシートがデカかった、よく足を伸ばしたなっていうところだと思います。圧力でやられたとか、すごく崩されたというよりは、石田も言っていましたけど、本当に我々にとってもったいなかった。ただ、あれができるのが名古屋の強みなのかなと思いました。今日に関しては、1点取られてもベンチは全然変わらなかったし、選手たちの勇敢さ、激しくプレスをかける、ライン間にボールを入れる、二人組のコンビネーションからスペースにアタックすることは、最後の最後までやってくれました。石田はパワープレーも含めて30分以上出場していると思うので、めちゃめちゃキツかったと思うんですけど、彼のワンプレーワンプレーがチームをすごく奮い立たせてくれましたし、本当に全員が勇敢に戦ってくれたなと思うので、昨日私がここで申し上げた勝者のメンタリティっていうところ、今日に関してはチャレンジャー精神というところは、最初から最後まで存分に発揮できたと思います。それでも名古屋という壁は高かったなというところが私の印象ですね。

ーー2017年のオーシャンカップ決勝を経験している選手が加藤竜馬選手とディドゥダ選手だけという中、若い選手もものおじすることなく勇敢に戦っていたと思うが、この決勝で何を学び、リーグ戦に活かして欲しいと思いますか?
小宮山友祐監督 自分達が目指しているリーグタイトルは、名古屋オーシャンズというクラブを超えないと取れないということで、本当に今日やったところですよね。先ほど石田が言ったように、決勝戦を初めて戦う選手もいれば、名古屋のトップとやるのが初めての選手もいる中で、彼らが何を感じてくれたか。フィジカルもメンタルも技術も、もちろん戦術もですけど、1個のボールコントロール、ボールを置く位置、身体の使い方、ディフェンスのときの手の出し方、単純なアスリートとしてのスピード、アジリティというのがやっぱり全ての選手においてレベルが高かったなと。でもじゃあ自分達はどこで戦えなかったといったところに関してはずっと思っていることがあるので、そのほかはほとんど互角だったかなと。なので、足らないところをこれからどう伸ばしていくかというところがポイントになってくるのかなと思います。5-1と差はつきましたけど、セットプレー2失点、パワープレー返し1点、私としては監督の責任だなと思ってますので、本当に悲観することはなく、選手たちにはよくやったと。タイトルは取れなかったのでね、石田の顔をご覧になってもらえれば、全然納得いってないのがわかると思いますけど、シーズンのスタートのところでよくやってくれたなと思っています。

ーーディドゥダ選手は今日の試合がシーズンの初出場でしたが、コンディション的に問題などは?
小宮山友祐監督 正直、合流が遅れていて、このチーム状況を考えたときに、ディドゥダがいなくても準決勝までいいフットサルしていたので、今日は出さなくてもいいのかなというのもありましたけど、来週には開幕するので、彼自身にもFリーグの強度というものを感じてもらいたかったことと、当然のことながら我々にとってはブラジル人助っ人ですので、相手のダルランだったり、アンドレシートだったり、清水和也選手はしっかり押さえて欲しいというところはありました。石田と田中晃輝のフィクソもよくやってくれましたけど、名古屋には背中を使える選手が何人もいて、石田と田中がピヴォについたときに、他に背中を使える選手を誰が見るんだというところで。今日だったらスタートは清水和也に対してディドゥダをつけて、アンドレシートに対して石田をつけて、やはり3枚必要かなというところで、そういう意味で今日は回しましたし。私にとっては勝ちに行くつもりだったので、迷いはなかったです。惜しいシュートもありましたし、彼のそういうところは必要なピースだったかなと感じています。

ーー得点を取るという部分では、本石猛裕と吉田圭吾が戻ってくればというのは、ありますか?
小宮山友祐監督 単純にそういうと、本石、吉田、ディドゥダがほとんど参加しない大会でここまできたというのはチームにとって非常に大きかったと思います。もちろん彼らは素晴らしい選手なので、彼らの力は必要になってくると思うんですけど、今日戦った選手、今日メンバー外の選手たちにも、まだ力があるので、そういう力を引き出したいなと思います。

ーー総括で話した、もう少しだったところとまだまだだったところを具体的に教えてください
小宮山友祐監督 まだまだのところは明らかに身体のサイズですよね。やっぱり大きいし、分厚いし、伸びてくるリーチの長さは、やっぱりほかのクラブの選手と違う。ライン間へのパスにしてもあのサイズ感があると間も狭くなりますし。2失点目3失点目がそうだと思うんですけど、やっぱりフィジカルでインサイドで強くガンガンとポジション争いしてうちが負けて、インサイドから決められたっていう。やっぱりああいうところの強さは。うちも選手たちにフィジカルは高いものを求めてますし、筋トレもしてますけど、短期間でつくものではないので。名古屋の選手たちの下半身の腰の周りの筋肉の部分だったり、体幹の強さだったりというところは、我々ももっとやらなければいけない部分かなと。コンタクトしたときに吹っ飛ばされるのはうちの選手であるという。でも、互角かそれ以上かというところもあって、それはボールに対するプレスだったり、ステッピングはうちも速かったなというところ。撤退のスピードだったり。逆にうちの方が優れている部分というのは、トランジションになったときに飛び出すスピードだったり、そういったところは、彼らよりも勝っていたんじゃないかなと思うんですよ。でも、ただ走ればいいというスポーツではないので、ボールと一緒にどこに走る、ボールと一緒にゴールを奪うというところがこのスポーツの楽しみな部分だと思うので、そこがまだリンクしていかないかなというところかなと。スピードだけだったら多分通用すると思うんですけど、ボールと一緒に、というところが、彼らは長年フットサルをやっている中で、適材適所にボールを配給できる。そこでのプレー、今は失わないところ、今は勝負するところ、今はゴールを決めるところという部分は、やっぱり我々と一番大きな差なのかなと感じています。

ーー名古屋を越えるために自分自身でレベルアップしたいところなどはありますか?
石田健太郎選手 いっぱいあるんですけど、名古屋には代表で一緒にやっている選手も多いなかで、そのときに味方として感じる部分と、敵として感じる部分はやっぱり違いがあります。僕1人でやるスポーツじゃないので、名古屋には代表クラスの選手がたくさんいますけど、浦安の選手もみんな戦えますし、うまい選手がたくさんいるので、味方の良さを引き出せるような選手にもっとならないといけないですし、僕が試合を決められるような選手にならないといけないと思います。ゴールだったり、ディフェンスだったり、まだまだ足りないと思いますけど、一番と言われたらゴールを決めるところだと思うので、そこが一番伸ばしていかないといけない部分かなと思います。

ーー金澤選手、清水選手が今シーズンから名古屋に移籍しましたが、何か変化を感じた部分とか、名古屋に入ったことでより驚異に感じたことはありますか?
石田健太郎選手 いや、ないです。元々すごい選手たちなので。すごい選手しか名古屋にはいないと思うので、その中の一員になっているのはすごいと思います。でも僕たちも負けないようにやらないといけないと思うし、勝つためにやらないといけないと思うので、すごい選手ですし、代表だったらチームメイトですけど、リーグ戦を戦う上では絶対に負けたくない。浦安にもいい選手はたくさんいるので、みんなに見て欲しいです。

ーーダルラン選手に入れ替わられる場面がありましたが、連戦の疲れですか?
石田健太郎選手 いや、普通に身体が強かったので。負けないようにしたいと思います。

ミックスゾーンにて
※ミックスゾーンでの取材のため、写真はありません

東出脩椰選手
ーー試合を振り返っての感想をお願いします
監督とチームで共有していた試合プランとしては、前半0で終えたいというのがありました。名古屋との直近3試合くらいの対戦では、(自分達は)無得点で、結構点差をつけられて大敗していたので、やっぱり前半は0失点で終わるのがいいと思っていました。去年のリーグ戦で名古屋が負けた試合は、対戦相手が先制していたことが多かったので、先制点を取りたい気持ちも強かった。前半はギリギリまで耐えていたと思いますし、何本か決定機もあったんですけど、それを決めきれずに決められたっていうのが反省点でもあります。後半、セットプレー、コーナーキックから2本失点したという時点で、試合が決まっちゃったのかなというのがあったので、そこはもう1回見つめ直さないといけないと思いました。

ーーセットプレーの攻撃などは工夫もされていたが?
名古屋相手だとコーナーキックを取るのも難しい。最低でもシュートで終わらなきゃいけないので、コーナーキックというチャンスを決めるためにいくつもセットプレーがあるんで、そこで決め切りたかったんですが。狙いどころがあったんですけど、その狙いどころにボールを何本か通せればよかったんですけど、狙い通りのプレーというのは多分一つも出せなかったので、リーグに向けてみんなで共通認識を持ってやっていかないといけないと思いました。

ーーこのタイミングでタイトルを狙う本気の名古屋と対戦するというのは、どういった経験になりましたか?
本気の名古屋という言い方もありますけど、昨シーズンは、名古屋とプレーオフを戦う前に、立川に負けてしまって。終盤の残り2節くらいまで2位で進んできた中で、自分達のミスで最後に立川に抜かれて、プレーオフ準決勝でも立川に負けて。その試合で僕は退場してしまって、すごく悔しい思いをしました。ずっと名古屋と戦いたいと思っていたけど、全日本選手権でも途中で負けて名古屋と戦えなかった。そういうなかで監督は今シーズンも取れるタイトルは全部取るという目標で、決勝まで進んで名古屋と対戦して、ここ直近では多分一番いい試合ができたと思います。だけど、名古屋の圧力というか、押し込まれる時間帯が長くて、そこを経験できたのは大きかったと思いますけでど、やっぱり名古屋に勝たないと優勝はできないので、名古屋にも負けないという気持ちで戦わないといけないなと思っています。

ーー名古屋の方が1試合少ない状況でしたが、疲れなどはありましたか?
僕は、リーグ戦や選手権だと長い時はプレータイムが20分くらいあるんですけど、昨日の試合も相手との兼ね合いもあり、クワトロセット、4-0のセットがメインで出ていましたし、僕がいつもやってる3-1セットはあまり出る時間がなくて、今日も序盤はずっと出てなかったので、僕自身は疲れはありませんでした。でも、昨日も結構激戦で、今日も難しい試合だったので、ちょっと疲れはあったんですけど、それよりもみんな優勝したいという気持ちで戦えていたので、そこはあんまり関係ないかと思います。

ーー準優勝を経験できたことについては?
去年、1シーズン目の選手権のとき(2022年3月開催)に名古屋と準決勝で対戦してベスト4、僕ら浦安は2枚退場して3位でした。プレーオフも3位。だからオーシャンカップで決勝の舞台に立てたのは、このチームは僕も含めて若いですし、プロリーグの大会で決勝の舞台に立った選手は、ほとんどいなかったので、それが経験になったのかなと思いますし、そういう舞台でも自分達のフットサルができるような心がけというか、気持ちが経験できたのは大きかったです。プレーオフのときは、もう本当にみんな舞いあがっちゃって、興奮して緊張してできなかったので、その経験は大きかったと思います。

ーー今シーズンは背番号が変わりましたが、何か理由はあるんですか?
昨シーズンまでは41番だったんですけど、41番も自分で選んだわけじゃなくて、いただいた形です。入ったときに、(長坂)拓海くんが最初に41番を付けて得点王をとっていたので、出世する番号だと言われていて。僕もデビューの年に新人賞を取ったので、早く41番を置いて次へ、みたいな話があったので。ちょうど一桁の番号が空いていたので8番にして、なんていうのかな、頑張ろうとも思いましたし、僕の浦安の印象としては加藤竜馬くんも一個前に8番を付けていて、駒沢で活躍していたので、僕も活躍できたらいいなと思いながら、背番号変えました。

▶Text by 小西 尚美
▶Photo by 小西 尚美
小西 尚美の記

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