~ペスカドーラ町田 VS Y.S.C.C.横浜~
6月19日(土)、町田市立総合体育館でFリーグディビジョン1第3節ペスカドーラ町田 対 Y.S.C.C.横浜が開催された。入場制限はあるものの、近場の2チームの対決ということもあり、アウェイチームのサポーターも足を運び、702人が試合の行方を見守った。
この試合の注目ポイントの一つは、両チームともに選手が若いこと。試合後の会見で両監督ともに自チームの若さに触れるコメントがあった。平均年齢で町田が24.1歳、横浜が24.8歳、横浜は20代前半の選手を中心に構成、町田は10代の選手も多く名を連ねた。
試合は、主導権を奪い合う序盤に、町田がキックインからのセットプレーで毛利元亮選手が決めて先制。意表を突くサインプレーに、アリーナの温度が一気に上昇した。その後も町田が優位にゲームを進めるも、ゴールまでは至らず。横浜は流れを引き寄せられないまま1stピリオドが終了した。
2ndピリオドも序盤は町田の流れ。しかし、横浜も徐々に自分たちのスタイルを取り戻し、攻撃を活性化。お互いに自分たちの時間帯を作り、得点のチャンスを演出する。ところが、ここが若さなのか、お互いに得点を決めきることがでないまま時計の針が進んでいく。横浜は、終盤パワープレーで挑んだものの、得点を奪えず。町田が序盤に上げた1点を守り切って、今季ホーム初勝利を飾った。
ペスカドーラ町田 毛利元亮選手が決めたキックインからの先制ゴール。デザインされたセットプレーは、フットサルならではの見どころ。
https://twitter.com/abema_f/status/1407262082731552771
試合後会見
Y.S.C.C.横浜 前田佳宏監督
ーー試合の総括について
前田「両チームの平均年齢の通り、若い2チームの戦いだったので、すごくアグレッシブな展開になって、見ている人たちにとってはおもしろいゲームになったのではないかと思います。
僕たちの方でいいますと、フリーキックの回数でいうと、圧倒的に僕らの方が多い中、チャンス、要はゴールまでは迫れていたと思うんですけど、一回を沈められて、僕たちは沈められなかったというのが今日のゲームの大きなところだと思います。昨シーズンの僕たちのチームの状況を理解したうえで、たくさんの人に「よくなったね」と言われるんですけど、僕は最近それが悔しい。良くなったところで、結局勝ち点を取れないと、先に進んでいかないのがこのリーグ戦だと思います。僕らは勝つためにこのリーグを戦っているので、ゴール前の局面というのは、今一度、練習をしていくしかないと思います。練習の回数で、そこは乗り切っていって、僕らのチームは若いので一つ入れば流れはまたぐっと来ると思います。ですから、ここで気を落とさずですね、継続していくことが大事になってくると思うので、また質の高い練習ができるように頑張っていきます。以上です」
キャプテン 宿本諒太選手
宿本「前節の振り返りでも同じことを言ったんですけど、決めるべきところを決められて、守るべきところを守られたっていう、素直にそういった印象を持った試合です。
試合の流れでいうと、あそこまで引いてくるのはちょっと想定していなくて、そこに対して僕らは攻撃をどう構築していくかというところを、アジャストとというか、そういうのが遅くなってしまって、前半なんだかモヤモヤする感じで終わってしまった。振り返ると、あの時間はもったいなかったと思います。反面後半は、特に終盤にかけてメンバーも入れ替えながら、狙うべきところをはっきりさせて、迫力ある攻撃が、終盤ということもありますけど、できたのかなというのはあります。次、ああいうふうに守られたら、こうしようっていうのが、僕らの経験値にはなったので、あんまりネガティブに考えすぎずに、一個一個成長して、次は絶対に勝てるようにしていきたいと思っています」
ーーここまでの戦い方を見ていて、もう少しプレスをかけると思ったが、何かうまくいかない要素があったのか?
前田「ベンチでも、もっとプレスをかけようと言っていたんですけど、正直、うまくいかない時間帯が少しありました。終盤は明確に少し戦術を変更して、よりマンツーマンにして、つかせたという形ですね。もともとやっている今のディフェンスからももう一つプレスをかけたかったんですけど、どうしてもピヴォに当てられてしまったりだとか、背後への長いボールを気にするがあまり、ですね。本当に一歩二歩の部分だと思うんですけど、そこをもう一つ、思い切ってという表現になるのか、もっと野心的な、取ってやるぞじゃないですけど、そういう思いがプレーに乗せられればよかったと思います」
ーーセットの使い方や選手の組み合わせを変更するなど、もう一つ工夫があってもよかったと思うが?
前田「後半の最後は、少しそういう形で2セットに持っていった。それで、ちょっとアグレッシブにいくためにスピードのある選手を出したり、あとは後ろでボールのカット力の高い選手を出して、特にフリーキックが多かった時間帯は、まさしく狙い通り運んでいたんですけど、正直そこで仕留められなかったっていうところです」
ーー相手にファウルが多かったので通常通りの攻撃を継続してもよかったと思うが、パワープレーを選択した理由は?
前田「そこはパワープレーに自信を持っていたというところです。押し込む時間が長かったので、パワープレーもいくつかチャンスがあったと思うんですけど、そこも1つのチャンス、2つのチャンスで決めるという質の高さが今後は求められてくるんじゃないかなと思います」
ーー前半モヤモヤしたというが、ハーフタイムにどういう話をして2ndピリオドに臨んだのか?
宿本「具体的に戦術面になってしまいますが、ピヴォの置く位置を固定させて、シンプルにそっちを使っていこうと、使えなかったら逆サイドは1対1、もしくはワンツーパラレラで、右サイド攻略という指示があったので、そこでやることが定まったというのが大きかったかなと。シンプルな攻撃なんですけど、僕らにとってはそれが1つ決まったことが、後半の攻撃が良くなった一つの要因かなと思います」
ペスカドーラ町田 ルイス・ベルナット・モリーナ監督
ーー試合の総括について
ルイス「まず先週の試合と比較しますと、圧倒的にディフェンスの部分で選手個々のクオリティは高かったと思います。先週とはまったく違った形でディフェンスを重視できた、そういう意味でいうと、チームとしての目的は達成できたかなと思います。
ゲームでは、チャンスがいくつかあった中で決めきれなかったことに関しては課題だなと思うところと、ディフェンスでファウルが多かったので、ファウルを減らしていかないといけないと思います。ファウルは、必要な場面と、してはいけない場面があって、その使い分けを勉強していかないといけないことを感じています。以上です」
キャプテン 金山友紀選手
金山「先週の(ホーム)開幕戦で、リードしながら勝ちきれなかった試合を修正することだけを考えて、今日もリードする展開から、監督も言っていましたが追加点こそ取れなかったですけど、しっかりイゴールを中心にディフェンスのところで守りきれた、抑えきれたというのは本当にポジティブな点だと思います。
ただ、まだ若い選手が多い分、感情の部分でピッチの中で起伏があって、そこをしっかりコントロールしていくのは、試合を戦いながら、もっともっと、ベンチもそうだし、出ている中でも、そういう雰囲気作りというか、そういう空間を作っていく必要があるなと思います。勝ちながらしっかり修正していくことが大事だと思うので、来週に向けて、アンダー世代の合宿があってチーム全体で練習できない部分もあるんですけど、そういった部分を少ない時間でも練習する中で、やっていければなと思います」
ーー今日はかなり守備が引いていたが横浜対策か?
モリーナ「おっしゃる通り、この横浜戦に向けて、今週はディフェンスのことはずっと言ってきました。横浜は、去年より良くなっていると思いますし、ピヴォに当ててそこを起点として攻撃していくということがスカウティングをする中で出てきていたので、できるだけ狭いエリアでコンパクトにディフェンスをすることを今週いっぱいやってきたつもりです」
ーー町田がやりやすい展開だったと思うが、プレスに来させないなど工夫があったのか?
モリーナ「うちの攻撃の形が、アラをあまり上げないという形で、ピヴォを前において、そこにできるだけボールを入れていくというところでの、プレッシャーをかけさせないという対策は、この週でやってきた。そこの効果で、相手にとってはうちの攻撃の仕方がプレッシャーをかけにくい状態にはなっていたんじゃないかと思います」
ーー監督として3年目を迎えて集大成として優勝を目指す中、チームが上を目指すには安定感が必要だと思うが、前節7失点、今節は無失点と不安定なところがある点について、どう考えているか?
モリーナ「もちろんあれだけ失点して、今回は0に抑えられたこと、そこはポジティブだと思いますけど、まだ修正すべき点というか、まだまだ成長していかなきゃいけなかったり、例えば友紀(金山選手)が今言った、メンタル的な起伏だったりというところもあります。チームとして優勝を目指すというところはもちろんあるんですけど、今のチーム、今の若い選手たちに求めることは、やっぱりまず目の前の試合、例えば今日終わりました、じゃあ来週の試合をどう戦っていくのか、ということをとにかく精一杯やっていく。その積み重ねが結果的に優勝争いになっていたとか、結果的に優勝できたというところに繋がればいいと思っています。今はやっぱり目の前の試合をできるだけ、前節のように7点取られて今日は0というような大きな差ではなくて、安定的な試合運びをできるように、その週その週を一生懸命やっていきたいと思っています。そこが今、我々が挑むべき課題だと思います」
ーー試合前から若い選手への気遣いが見えたが、模範になろうなど、心がけていることはあるか?
金山「模範になるとかいうことはないですけど(笑)、僕も若い時に感情的になることは大いにありましたし、そういう時間を過ごして、今があると思うので、今は自分は選手として試合に出て、自分の背中で見せていく部分と、プラスαでベンチで過ごす時間が多い中で、そこでできること、選手だからできることということがあると思っているので、そういう部分でチームが、北海道戦もそうなんですけど、コントロールが効かなくなることがないように、しっかりとベンチのところからいい雰囲気を作っていくようにっていうのは考えてます。別に模範になってということではなく、それぞれに役割があると思うので、自分の役割をしっかり出していけたらなと思っています」