~町田 VS 湘南の公開トレーニングマッチレポート~
5月15日(日)、ペスカドーラ町田のホームアリーナ「町田市総合体育館」で境川を挟んだライバルである湘南ベルマーレと対戦、ファン・サポーターを迎えての公開トレーニングマッチが開催された。ホーム町田のサポーターはもちろん、湘南からもサポーターが足を運び、リーグ開幕に向けての前哨戦を楽しんだ。試合前後に、両チームの監督と選手1名ずつを取材し、開幕に向けての意気込みを聞いた。
両チームとも4月下旬から始動。5月の初めには、すでにFリーグのチームを相手に練習試合も行っていて、公式戦に向けて着々と準備を整えている。
ホーム町田は、昨年までの3年間、チームを指揮したルイス ベルナット前監督が退任し、ルイス前監督をコーチとして支えた甲斐修侍監督が就任。新たなスタートを切ることになった。選手の動向としては、絶対的な守護神であったピレス イゴール選手がバルドラール浦安へ移籍し、下部組織から石井遥斗選手が昇格したこともあり、新守護神争いが気になるところ。
フィールドプレーヤーは下部組織から阿部瑠依選手、中村心之佑選手、遠藤颯選手の3選手が昇格し、原辰介選手、荒川勇気選手、野村啓介選手の3名が移籍加入している。
一方の湘南は、昨年途中から監督に就任した伊久間洋輔監督が今季も継続して指揮を執る。選手は入れ替わりがあり、2シーズンキャプテンを務めたゴレイロの上原拓也選手がボルクバレット北九州へ移籍し、下部組織から中澤航選手が昇格している。また、フィールドプレーヤーは津田京一郎選手と堀内迪弥選手の2名が移籍加入。これまで前線に張って攻撃の起点となるピヴォがいなかった湘南にとって堀内選手の加入は、新しい武器となりそうだ。
試合は、開始早々町田が得点。新加入の野村選手が存在をアピールした。展開は、町田と湘南の試合らしく、強度の高いプレスとアグレッシブな攻撃への移行で攻守が目まぐるしく行き来。コンビネーションなどは、まだこれからといった印象ながら、どちらのチームも新戦力が躍動し、これから迎えるシーズンへの期待を抱かせた。1stピリオドは、14分に湘南の本田真琉虎洲選手、20分に内村俊太選手が得点し、湘南が1点リードして折り返した。
2ndピリオド、先制したのは再び町田。アスピランチから昇格した阿部選手がセットプレーからゴールを決めた。しかし徐々に、湘南のピヴォを使った攻撃がより形に。攻撃のバリエーションを見せて行く。また、ゴレイロが飛び出たところをすかさず高橋広大選手がロングシュートを決めるなど、個人技も冴えた。特に後半は、お互い攻撃に重心をかけた展開となり、33分には町田の原選手が、36分には湘南の林田フェリペ良孝選手が、37分には再び町田の遠藤選手が得点し、引き分けでタイムアップとなった。
ちなみにゴレイロは、両チームとも前後半で交代。1stピリオドは、町田は石井選手、湘南はフィウーザ選手、2ndピリオドは町田は土岡優晟選手、湘南は中澤選手を起用した。また、町田の得点は、すべて新加入選手が挙げたもの。湘南はピヴォを使った戦術も使い、お互いに新しい顔を披露するトレーニングマッチとなった。
試合後取材
ペスカドーラ町田 甲斐修侍監督
(5月23日にオンラインでお話を伺いました)
ーー今シーズン、監督に就任したことについての思いを教えてください
甲斐「ルイス監督が指揮を執ってくれて、チームが若返るきっかけになった3年間を過ごしましたが、さらに今シーズンも下部組織から昇格して若い選手が増えました。今、うちの登録選手の19名のうちの9名が下部組織出身で、僕がユース時代などに指導していた子達です。引き続きFリーグの舞台で、若い選手が自信を持ってプレーできるようなシーズンにしていきたいという思いでいます」
ーールイス監督からチームを引き継ぐことについては、どんな思いがありましたか?
甲斐「そうですね、ルイスとはチームの方向性だったり、どういうふうに選手をよくしていくかだったりという話はずっと密にしていたので、考え方などは共有してきました。ルイスがやってきてくれたいいものは引き継ぎながら、あとは選手たちの特性をさらに活かしていければなと思っています」
ーールイス監督のもとでコーチをされていて、監督から学んだことは?
甲斐「今までいろんな監督を見てきましたけど、ルイスはいろんなものが特別でした。僕らがフットサルというのは、こういうものだと勝手に解釈していた部分が、ルイスと一緒に仕事をすることで、いろんな新しい発見があったり、学びがあったりということがたくさんありました。そういう意味でもルイスから得られた、指導に関しての内容というのは大きいものがありましたね」
ーー具体的に言えるところは?
甲斐「選手に対してのアプローチの仕方とかですね。あとは試合の中で、ポジションを問わずにパフォーマンスをよくするために選手たちが優先すべきことであったり。自分たちが思っていたものとはまた違う、アプローチがあったりということです」
ーー去年は3位だったので、今シーズンはそれ以上を期待されると思うが、目標は?
甲斐「そうですね、去年が何位だったから今年がっていうのは、戦力的な違いもありますし、去年と同じように行くとは思ってはいないんですけど。そこら辺は勝負事なので、とにかく我々が試合を迎える上では、1試合1試合を勝ちにいくということと、勝ちにいくことが積み重なっていった上で、順位を上げていく作業をして行く中で優勝が見えてくるのか、そうじゃないのかっていうところになるとは思うので、今のところは何か明確になことを言える時期ではないと思います」
ーー開幕に向けて練習を積んできて、現在どのような手応えを感じていますか?
甲斐「若い選手たちも増えた中でなおかつ、この2試合、名古屋(オーシャンズ)とのこの前の試合も合わせると3試合ですけど、全選手ほぼ均等に、セットも特に決めずに、ある程度、同じような強度を与える目的としてやった中で、どの選手が出ているセットであっても、時間帯であっても、大きく崩れることなく、どの選手も高いパフォーマンスを発揮してくれたというのは、想定以上でした。試合の際にメンバーを12人に絞るというというところが今の段階では、まだ何も決められないと思えるくらいの選手たちのモチベーションだったり、状態を感じることができているというのは嬉しい誤算だなと思っています」
ーートレーニングマッチで対戦した湘南の印象は?
甲斐「湘南はトレーニングマッチも合わせるとどのチームよりも数多く試合をしている相手ですし、もともと存在としても本当に近いチームなので、他のどのチームよりも親近感のあるチームです。去年も成績としては2位を収めて、攻守のバランスもあって得点力も高くて、ハードワークができて一人一人の個人技もあってっていう、プレマッチとして対戦するには、名古屋もそうですけど、ふさわしい相手だと思っていたので、プレマッチでチャンピオンチームと、準優勝チームと、対戦できたというところと、湘南に関してはそういう特徴のある、なおかつ勢いもあるし、攻撃力もあるチームだったので、そこをシーズン前に体感できたというのは、すごくよかったと思います。自分たちがそう思いながら対戦をした中で、変わらずやっぱりこう、ここぞというところの攻撃力だったり、得点力の高さだったりというところは相変わらずだなと思いましたね」
ーーオーシャンカップとシーズンに向けての意気込みをお願いします
甲斐「とりあえずはリーグ開幕までにチームとしてできる準備をできる限りして、選手一人一人のコンディションもしっかりあげていきたいなというところと、カップ戦については、リーグ開幕までの難しいタイミングでの試合で、なおかつ連戦なので、まずはケガをせずに、大会を終えたいと思いますね」
金山友紀選手
(トレーニングマッチ直後にお話を伺いました)
ーー今日の手応えはどうでしたか?
金山「まず代表組がいない中で、全員がほぼ均等に出場時間をもらった中で、もうそれぞれに、新加入の選手がしっかりアピールに成功して、いい競争がここから生まれるんじゃないかなという感想です」
ーー今シーズンから監督が変わって、変化を感じるところはありますか?
金山「今までスペイン人のルイス監督が3年やっていたところから、このチームを一番よく知る甲斐さんが監督になることで、ルイス監督もいい監督だったんですけど、言葉の壁というか、言葉のやり取りの難しさを感じた3年でもありました。そこのコミュニケーションのところで、これから楽しみ。今(取材日の5月15日現在)、2試合、先週名古屋(オーシャンズ)と、今週ベルマーレとやった中では、このチームに何年もいる自分の立場としては、そういう感じを受けています」
ーー今シーズンの目標は?
金山「今まで積み重ねてきたところから、順位を上げていくというところだと思います。去年が3位、一昨年も3位というところでその部分を上げられると思います。頂点を目指していくということはもう変わりないですねす」
ーー代表選手もたくさん出るクラブに成長したと思うが、金山選手はどう感じていますか?
金山「それはすごく感じてますね。ユースやサテライトチームから底上げしてきて、いい形で世代交代もできていると思うので、これをしっかりと結果に繋げていくことがまた自信にもつながっていくと思う。本当にいい循環というか、いい流れになっているんじゃないかなと思います」
ーー代表選手の多いチームとしては、チームとしての結果もやはり求められると思いますが、そのあたりはどう思いますか?
金山「代表の木暮監督は、いい状態にあるチームから選手を呼ぶという形をとっていると思うんで、とにかくまずはチームでしっかり競争して、チームで結果を出すことがそういう代表にもつながると思うし、代表の強化にもつながっていくと思います。そういう意味では、うちから代表選手を何人も輩出できるように、まずはチームの結果、チームのパフォーマンスに目を向けてやっていく必要があると思います。今回は代表に入ってない選手も、そういう意識でいると思うし、今はまだ呼ばれてないけど、いつ呼ばれてもおかしくない選手も、今日の練習試合にたくさんいたと思うので、そこはチームでしっかり競争に打ち勝って、しっかり結果を残していくことが代表に繋がると思う。代表がすべてではないと思いますけど、選手でやっている以上、そこは意識しながら自分を高めていく必要は必ずあると思う。うちは若い選手が多いので、そういうメンタリティというか、気持ちの部分もしっかり伝えていけたらいいなと思っています」
ーーホームでの有観客の試合は、いかがでしたか?
金山「サテライトチームの選手たちは、会場設営の準備をしたり、その後は客席から見たりすることが多いんですけど、そういう選手が今日、ピッチに立って得点を取った。彼らにとってここは、今まで客席から見ていた場所だと思うんで、そういうところで自分がピッチに出てプレーをしたので気持ちも入ってましたし、細かい荒さというか、そういう部分はまだあるんですけど、その影響でチーム全体として気持ちの乗ったプレーができていたんじゃないかなと思います。お客さんも結構見にきてくれていて、その中で新加入の選手が頼もしい活躍をしてくれたので、自分たち、他のメンバーもわき立っているところだと思います」
ーーフレッシュな印象でした
金山「みんな知らない選手が点を取って誰だろう? と思ったと思います。代表選手だけが頑張っているわけでもないし、1年を通してこのメンバーで戦って行くので、今日、覚えた選手もいると思いますが、全員で長いシーズンを競争しながら、切磋琢磨しながらリーグを戦っていく必要があるので、そういう部分ではホームで、プレマッチで、いいスタートが切れたんじゃないかなと思います」
ーー対戦した湘南の印象はどう感じましたか?
金山「湘南も新加入の選手が、ピヴォの堀内選手とかが入って、そこに今までのロドリゴ、ジャッピーニャ(本田真琉虎洲)、フィウーザというところを中心に、また違った形、戦い方が出てるなというのは感じました。
今日は、あくまでもプレマッチのテストマッチだと思うので、監督も、お互いまだ試しているところだと思います。ここからリーグ戦に向かって本当に厳選されていくと思う。その中で、可能性としていろいろな戦い方ができれば長いリーグを戦う上で、相手によって戦術を変えたりということにも繋がっていくと思うので、選手たちもそういう引き出しを増やして、監督の選手選考を悩ませることに繋げられればいいと思う。それは湘南も同じだと思うんですけど、そういう部分をリーグまでに、オーシャンカップとか、このあとまだプレマッチがあるんで、そういうところでも出していけたらなと思います」
ーーオーシャンカップへの意気込みをお願いします
金山「短期間で行われる、しかもチームを作っている段階の戦いになると思うので、試合を重ねながら成熟度を少しずつでも高めていくことが必要だと思います。今の自分たちの状態を見ながらしっかりと戦うことが結果にも繋がっていくと思うので、挑戦する戦いができたらいいなと思います」
湘南ベルマーレ 伊久間洋輔監督
(トレーニングマッチ前の5月13日にオンラインでお話を伺いました)
ーー前監督から途中からバトンを引き継いだ昨シーズンを振り返ってください
伊久間「4節からバトンを受け取り、代行で4試合、7月の終わりまでやりましたが、メソッド的なものは前監督と共有していたので、そこまで戸惑うこともなく、選手も下部組織から一緒にやってきた選手が多かったので、選手たちにとっても突然知らない人が来たわけでもなく、混乱なく行けたのかなというのがまず最初のところでした。下部組織にいた選手たちは、その頃より相当成長していたので、僕自身もワクワクしながらできましたし、いつも以上に自分のチームを分析できたかなと思います。
最初にバトンを受け取ったときは、相手チームの分析を結構したんですけど、それよりも自分のチームをもっと分析した方がいいのかなと思って分析したんですが、そうしたら何試合か勝ったときに、なぜ勝っているのかなんとなくわかりました。その経験から自チームの分析を継続したことで、うまく勝ち星を重ねられたことと、名古屋(オーシャンズ)が足踏みをしたことで接戦になったと思います。2回目の対戦では名古屋に勝ちましたが、ただ1位と2位の差は結構あるなというのは、正直思いました。
それは、シーズンを通して同じ力を発揮することの難しさがすべてです。名古屋は負けるときはあっても、その戦力は落ちない。怪我人を出しても戦力は落ちないし、苦しい試合が続いても、大幅にダウンすることがない。ここがおそらく1位と2位の差なんじゃないかなと思います。今は、そこを踏まえて開幕に向けているところ。去年を振り返るとそういうところです」
ーー自チーム分析して勝っている理由がわかったとおっしゃったが、言える範囲でその理由を教えてください
伊久間「どこのチームも同じなのかもしれないですけど、しっかりハードワークしている、というところだと思いますね。戦術などは当然ですが、それ以上に走るべきところでおしみなく走る。それをやってないときは、やっぱり苦しいというのが数値にも出ているというところなので、簡単にいうと、ハードワークを続けられるかというところですね」
ーーシーズン終盤に勝てなくなったが、それはシーズンを通して力を発揮するという部分と関係していますか?
伊久間「毎年そうだと思うんですよ、毎年11月とか12月に勝てなくなるという印象はずっと昔からある。最初は結構いい調子で来てるけど、その局面で落ちていく。で、最後にまたちょっと頑張れるときもあれば、というところ。それは多分ケガ人とか、主力選手の消耗とか、というところがだいぶあるんじゃないかなと思います。
名古屋の選手は、フィジカル面もそうですけど、テクニックがしっかりしているので、テクニックによってフィジカル面も、コンディション面もカバーできる面もあるように思います。うちももう少しテクニカルな部分が備わってくると、もう少し戦えるのかなと思います」
ーーそういったところを踏まえての今シーズンとなりますが、目標は?
伊久間「昨シーズン2位になって、次は優勝だといろいろな人からも言われます。当然そこは狙いますが、さらなる上を目指す目標を立てた方がいいというところがあって、5年後にアジアNo.1を取りにいくという長期的な目標を立てています。今年に関しては、まずプレーオフに出るというところ、もちろん優勝を狙いますが、長期的な視点を持ちながら、そうすることにより下部組織を含めた選手の育成とか、トップの選手の力を伸ばしていくところに重点を置きたいと思っています」
ーー優勝を目指しつつ、5年後にアジアNo.1になるための準備の1年目ということろですね?
伊久間「そうです。そのためには、今いる既存の選手たちを含めて、アジアNo.1になったときの選手はどのような選手かというのを描き、そのためには今、何をしなければいけないのかということをやっています。選手一人ひとりを分析して、何を伸ばすのかというところに視点を置きながら、当然それをゲームで発揮するまで、結果に結びつけるまでを描いていく、というところですね」
ーーアジアNo.1になるときのチームは、どのように描いていますか?
伊久間「当然、代表選手が数人いないと無理だと思いますし、フィジカル面やテクニカル面においても、例えばイランの選手と戦ったときのフィジカルを想定したり、あとはタイプ、速い選手もいれば大きい選手もいる、うまい選手、左利きとか、そういった選手がバランス良くチームにいる、というのが理想ですね。そういう選手のリクルートを含めて。リクルートに関しては僕は一監督なので、今年の結果を求めますけど、アジアNo.1になるときには多分そういう選手がいると思うので、そこを目指した指導をするということになります」
ーー上位のチームには代表選手がいて当然だと思いますが、現状、湘南にはいません。その理由はどう考えていますか?
伊久間「代表に選ばれている選手を見るとそれなりに特徴を持っていて、チームではやっぱりそれなりの違いを見せている選手が呼ばれていると思います。今、代表に呼ばれている選手と、同じポジションのうちの選手が、その選手と比べて勝っているかと言われると、どうかなって思いますから。劣っているとは思いませんけど」
ーーとって代わる個性が少し足りないかなという感じですか?
伊久間「個性があっても、そこが結果として結びついているのか、脅威を与えているのかというところかなと思います。代表に選ばれている選手は脅威を与えていると思いますし、対戦したときにやっぱりイヤだと思いますし、やはりそういう選手じゃないと呼ばれない。それはもう、そのまんまだと思う。そういう部分を掘り出すというか、呼び起こすというか。可能性のある選手はいると思うので、そこがまだ伸び代があるところなんじゃないかと思います」
ーー今年は選手が入れ替わって、チームのカラーがだいぶ変わりそうですが?
伊久間「求めることは特に変わらないです。でも、ピヴォの選手とフィクソの選手を獲得しているのは、将来を見据えて求めるタイプを揃えていくというところのテコ入れだと思うので、そういう違いはちょっと出ると思います」
ーーペスカドーラ町田とのトレーニングマッチでは、どういったところを見たいと考えていますか?
伊久間「前回、Y.S.C.C.横浜と練習試合をしたんですが、そのときも今年の感じを掴んでいく、Fリーグの選手のプレー強度に対してどうかというところを見たいと思いました。この間の試合は、みんな動けるねという確認ができたので、あとはコンビネーション、どのコンビネーションがいいのかとか。例えば2人のコンビネーションであれば、2人両方の特徴が最大限に出るコンビネーションが一番いいわけで、そういう見極めをしていきたいというところですね」
ーーシーズン最初の公式戦となるオーシャンカップについて、意気込みをお願いします
伊久間「もちろんオーシャンカップも優勝を狙っていきたいと思っています。トーナメントの連続の試合になるし、しかもうちは初戦がバサジィ大分で、勝ったら立川アスレティックFCだと思いますので、そこが非常に鍵になる。そこに向けて戦えるようにというのは、一つ目標にしています」
ーー指導するにあたって大切にしていることはなんですか?
伊久間「いつも思うのは、その選手の力が出ているのかということ。それが重要で、自分の戦術をやるかやらないかは次の話。選手が特徴を出せていなかったら全く意味がないというところです。選手ですから指示された戦術はやらなきゃいけないんですけど、その選手の特徴が出せていなかったらその選手の力は出せていないということなんで、それはチームとしてはマイナスになります。選手個々、いつもそれを見て指導しています。個が集まってチームなので、もちろんチームプレーをしなくていいということではないですが、より本人に特化して欲しいと思って指導しています」
高橋広大選手
(トレーニングマッチ後にオンラインでお話を伺いました)
ーー昨シーズン2位だったということでチームの目標は優勝を狙うところかと思いますが、高橋選手自身はどう考えていますか?
高橋「去年より上の順位はもちろん目指してますけど今シーズンはプレーオフがあるので、まずは3位以内でフィニッシュするというところですね。プレーオフはまた別の戦いだと思うので、そこからまた上の順位を目指していければいいかなと思っています」
ーープレーオフは、難しいですか?
高橋「戦ったことないですけど、まだ(笑)。観戦はしたことがあって、まったく別物だなというふうには感じてますね」
ーー今、クラブは大きな目標を掲げてクラウドファンディングを実施していますが、そこについて選手としてはどう考えていますか?
高橋「次のフェーズというのを掲げているんですけど、やっぱりより良い環境でプレーしたいと選手みんなも思っていますし、100%だとは思いませんが、環境が比例するので、土台の部分を皆さんにサポートしていただければという思いがクラブのあのクラウドファンディングという行動につながっていると思っています」
ーー大きな目標を掲げるクラブにいる選手として高橋選手自身は、どう考えていますか?
高橋「僕自身はまだ代表に1回も呼ばれたことがないんですけど、3年後のW杯に出場するという目標があるので、常にそこは狙っています。だから、いち早く日本一になって、それは今年であってもいいし、その結果として代表に入れればと思うので、その目標を持ちながら常にプレーしています」
ーー代表を意識しているんですね?
高橋「昨シーズン2位で終わって、名古屋との差とか、町田もすごくいいチームですし、そういったチームに勝ち切れなかった理由として、出場時間の長い僕がもっと結果を出さなければいけなかったと思いましたし、逆にそこで結果を出して、そういう試合を落とさず勝てていれば、自分も代表というところに入っていけるのかなと思っているので、そこは今シーズンの目標の一つにしています」
ーー代表に呼ばれてないというところで、自分で足りないと思うところはどういった部分ですか?
高橋「フィジカルベースの部分がまず一つと、あとはやっぱり決め切る力、あとは仲間に決めさせる力が足りないというふうに昨シーズン思いました。今シーズンは、そこはもう改善している部分には入っているので、試合でバンバン出して行けたらなと思っています」
ーーここまで練習してきての手応えは?
高橋「フィジカルベースはもうだいぶ、昨シーズンより上がっていて、練習試合もこなしていて、いい感触ですし、得点にも絡んでいけているので、仕上がりはまだ7割8割くらいですけど、シーズンが始まる頃にはすごくいい状態で臨めるかなと思っています」
ーー町田との練習試合はどうでしたか?
高橋「結果から言うと4対4で、まだシーズン始まっているわけじゃないですけど、勝ち切らないといけなかった試合かなと思っています。スコアはめちゃ、おもしろい試合でしたので、お客さんには楽しんでもらえたかなと思いますけど」
ーー今年の湘南は、ピヴォの選手を獲得したりして、戦術的にも幅が広がっていると思いますが、そのあたりはどう感じていますか?
高橋「去年はクワトロだけだったのが、堀内(迪弥)選手が入ることでレパートリーが一つ増えたので、チームとしてすごくいい刺激になっています」
ーー高橋選手自身は、クワトロと3-1で得意不得意はあるんですか?
高橋「3-1は、これまでやったことがなくて、初めてだったんですけど、町田戦でも2人でいい関係があって、シュートにいけたりしていたんで、そこからの得点も生まれるかなと思っています」
ーー3-1は初めてというところでは、難しさなどはありましたか?
高橋「最初はまったくわからない状態でやったので、ピヴォとパスのタイミングを合わせるところがズレまくっていたんですけど、迪弥くんと話してだいぶ改善されました。詳しくは言えないですけど(笑)、今はだいぶおもしろいです」
ーー今年の町田の印象はどう感じましたか?
高橋「守備が、去年から比べてもっと良くなっている印象ですかね。ボールホルダーに対する寄せも早いし、対人が強いんで、やっていて楽しいですね」
ーー対戦してどういうところで楽しいと感じるんですか?
高橋「あの強度のプレスでくるFリーグのチームは、名古屋と浦安くらいで、あんまりないので。逆に、その駆け引きが楽しいですね」
ーー高橋選手の技術がより生きる相手ということですか?
高橋「はい」
ーー今シーズンの個人的な目標は?
高橋「去年が5ゴール7アシストくらい、10点ちょっとに絡んだので、今年は倍以上に絡んで、早々に代表に呼ばれたい。AFC(フットサルアジアカップクウェート2022)が終わると1回、結構期間が開くと思うんですけど、その間にしっかりアピールして、次の機会では呼ばれるようにしたい。そのときにはチームの順位も1位2位3位以内にいられるように、活躍したいと思っています」
ーーオーシャンカップに向けて意気込みを聞かせてください
高橋「去オーシャンカップが開催する頃には、100%の仕上がりで、個人もチームとしても、準備してきているので、もちろん優勝というところは目標にやっています」