1月31日(日)、町田市総合体育館では関東の3クラブがホームゲームを共同で開催。入場制限付きではあるが有観客で実施され、合わせて6チームのサポーターが入れ替わり試合を見守った。
14時30分キックオフの2試合目は、湘南ベルマーレがシュライカー大阪を迎えての戦い。大阪は、11月に新型コロナウイルス感染症対策の一環で、トップチームの活動を一時停止し、11月14日にホームで開催予定だった前回対戦を12月25日に延期。自宅待機によるコンディションに配慮した戦いを選択し、2対4で敗戦している。1カ月ほどの短い期間内での再戦は、そのリベンジの気持ちを熱いままに保って臨む結果となった。
試合開始後、積極的なプレスで主導権争いを優位に進めようと仕掛けたのは大阪。自陣の深い位置でのボール回しから一瞬の隙を狙って浮き球のパスで裏へ。抜け出した計盛良太選手がゴール前まで運び、逆サイドを走り込んだ加藤翼選手へ。湘南のゴレイロ・フィウーザ選手の広い守備範囲をものともせずに、肩越しにゴールネットを揺らした。その後も大坂優位で試合は進むものの、得点には至らず1stピリオドが終了した。
2ndピリオドは、湘南も立て直し、戦いはより拮抗した展開に。両チームとも積極的に攻めてシュートまで持ち込むが、ゴレイロがビッグセーブを連発し、0対1のスコアが続く。終盤、1点が欲しい湘南はパワープレーを仕掛けるが得点まで至らずにタイムアップ。フィールドプレーヤーの躍動ぶりもさることながら、お互いのゴレイロの手堅い守備が光る試合となった。
大阪は、活動停止明け直後はコンディションの問題から引いて守る戦術を選択していたが、コンディションが整ってきた年明けからは本来のハイプレスと攻守に運動量の多いフットサルを展開。湘南は、戦い方の違いに翻弄される結果となった。
チャンスはたくさん作れたが、決め切れなかったことが課題
シュライカー大阪 永井義文監督
ーー今日の試合を振り返って
永井「選手たちは、本当によく頑張ったなと思います。難しいゲーム展開でしたけど、これをモノにできるグループになってきたと思うし、そういうグループになっていった選手たちを誇りに思います。
戦術的な話で言えば、自分たちは1ライン目を崩したなかで1点目を取ることができて、立ち上がりから、その形からチャンスを何回も作っていたなかで決めきれなかったところ、フィウーザ選手のセーブに苦労したところは正直ありますけども、相手の1ライン目を崩すというところのまず自分たちの攻撃のモデルを体現することができて、チャンスをたくさん作れたと思います。ただ決めきれなかったというのは、自分たちの課題が残るゲームでした。
一方ディフェンスは、もちろんエラーもありましたけど、そのなかで解決する能力っていうのが彼らについてきていると思います。ただ相手のコートですね、アタッキングゾーンで複数のラインを引きながらボールを奪うところに関しては、今回そのシーンが少なかったので、そこには決定力と前線でのヨン・ゼロに対するディフェンス、ラインの引き方には課題が残ったゲームかなと思ってます」
キャプテン 田村友貴選手
田村「1戦目の湘南(ベルマーレ)との対戦では、自分たちはハーフに引いて守備っていうところでうまくいかずに負けてしまった。今回はコンディションも上がってきて前からプレッシャーをかけてやっていこうというところで、自分たちの形がうまく、前半は特にハマったんで、そこはよかったです。しかし、後半のゲームの運び方であったり、プレス回避のところはもう少し練習でやっていかないといけないなと感じました」
ーー延期分も含めて2月はスケジュールがタイトだが、どんな戦い方をしていくか?
永井「先ほど友貴(田村選手)が話したように、前回の湘南戦も同じようなレギュレーションのなかだったんです。ただ、やはり昨日の(フウガドール)すみだを観てもらってもわかるように、やはり2週間家にいて、そこから1週間で試合となると、アタッキングゾーンからプレス、いわゆる前プレですよね、それは現実的じゃないです。ただ、コンディションが整わずハーフで引いた前回の湘南戦のときとは違い、今我々はタイトなスケジュールであっても前から行って相手コートでプレーする、そのなかで複数ラインを引いてボールを奪う、つまり前プレをするっていうことですよね、それができます。
なので、スケジュールはタイトですけど、自分たちのフットサル、相手コートでプレーをするという、それをしっかり体現する、それはディフェンスもオフェンスもです。例え、2試合連日行う厳しいスケジュールであっても、そのプレーは体現していくつもりです。今日やった、(ペスカドーラ)町田戦(1月10日開催)でやった、年が開けてやった4試合の形を、スケジュールがタイトでも体現していきます」
田村「昨日の時点で名古屋(オーシャンズ)の優勝が決まってしまったんですけど、他のチームは残留争いであったり、3位から2位に上げるために頑張っていたり、いろんな目標設定があると思います。自分たちも残りの4試合をただ単に消化試合にするわけじゃなくて、しっかり目標を自分たちで決めて、そこに向かって、来シーズンや全日本選手権につながるようにやっていけたらいいなと思っています」
ーー後半うまくいかなかったというコメントがあったが、その理由は?
田村「そうですね、相手の前プレが早くなったのもあったんですけど、自分たちが底辺のところで自信を持ってパスを繋げるところを横に簡単に出してしまったりとか、裏に蹴ってしまったりというところで、相手のプレスに対して自分たちが前を向いて仕掛けることができなかったというところがうまくいかなかった理由かなと思います。相手のプレスが早くなって、自分たちがそれに慌ててしまったということです」
求めるものは勝利、得点を遠ざけたのは精神的な焦り
湘南ベルマーレ 奥村敬人監督
ーー今日の試合を振り返って
奥村「お疲れ様です。久しぶりの有観客試合で試合ができて、すごく気持ち良かったです。サポーターの方々がヒサ(久光重貴選手)の横断幕を出してくれたり、開始5分に拍手をしてくれて、5番という数字を讃えるという、ともに戦ってますよっていう意思表示をしてくれたり。本当にたくさんの方々の尽力のなか、試合ができたことは非常にうれしく思っています。
内容的にも選手たちは本当に戦ってくれたと思います。ただ点を取るスポーツなんで、そこでゴールを奪えなかったという部分は、しっかり分析しなきゃいけないのかなと思います。技術的な部分ももちろんあると思いますし、精神的な部分で、やはり早い段階で点を取れないと精神的に焦ってきてしまって、大事に点を取りにいって打てるところをパスにしてしまったりとか、もちろん(シュライカー)大阪さんのディフェンスも素晴らしかったと思いますが、ちょっとしたメンタル的な部分、テクニカルな部分でゴールを奪えなかったというところが課題だと思います。
逆に自分たちのミス1本で相手に1点を与えてしまったというところ、こういう0対0の均衡した試合で先に失点してしまい、精神的な部分でどうしても今日は優位に立てなかったのかなと感じました。
あとは組み合わせの部分だとか、相手との噛み合わせの部分、自分たちが何をできたのかをしっかり検証しなければいけないと思いますが、自分たちがこういう順位にいるのは、こういう試合で最低でも引き分けに持っていけないというところが理由なのかなと思います。
ロッカールームで選手に話したんですけど、この状況下でもまだ5試合もできる、コロナの影響でどうなるかわからないところもありますけど、自分たちはまだ大好きなフットサルが5試合もできるということが本当にどれだけありがたいことなのかをみんなでもっともっと共有しながら、とにかく精一杯自分たちが頑張っている姿をたくさんの方々に見せて、勝利を届けたいなというふうに思っています。以上です。ありがとうございます」
キャプテン 上原拓也選手
上原「お疲れ様でした。12月末に(シュライカー)大阪さんと試合をして、1ヶ月経ってからまたこうして試合をして、前回大阪さんは負けているので、その借りを返すっていうきもちがすごく前面に出ていたように僕は見えました。
僕たちは、前回の(ペスカドーラ)町田戦(1月17日開催)で4対5っていう惜しい、最後あとちょっとというところで負けてしまったので、入りからとにかく集中しようということを一人ひとり意識したなかで、内容的にすごく良かったと思います。今、敬人さんも言った通り、相手にミスを突かれてしまった、先制点を相手に取られてしまったことが、今日は1番の敗因なのかなと思います。
今日は結果はついてこなかったんですけど、チームとして今、すごく良くなってきていると感じている、それはきっとチームのみんなも感じていると思います。周りからの見え方はわからないんですけど、だからこそ今日は結果が欲しかった。残り5試合あるなかで、もうひと段階皮を破るというか、成長しなきゃいけないと思うので、この5試合で何ができるか自分たちで考えながら、それをプレーで見せることをしっかりやっていきたいと思うし、こうして今日もお客さんが入ってくれて、僕たちに声援は送れないなかでも拍手をしてくれたりとか、僕たちの力になっているので、それを僕たちは結果で返せるようにしていきたいと思います。とにかく前を向いて、シーズンも最後の方に入ってきているので、自分たちのやることをしっかりとやっていきたいと思っています。ありがとうございました」
ーーシュライカー大阪が新型コロナウイルス感染症対応で活動休止になり、復帰直後の前回対戦では引いて守る戦い方だったが、今回の対戦で戦い方の違いややりづらさはあったか?
奥村「そうですね、大阪さんは活動休止までは2位につけていたチームでかなりアグレッシブなフットサルを展開していたと思うんですけど、実際に練習ができないなか、コンディションが悪いなかでの選択として引いて守るという戦い方をしていたと思うんですけど、今年に入ってからかなり状態はいいなっていうのをスカウティングで感じていましたので、前から来るのはもちろん想定してました。
前回は、前で収められることがほとんどなかったと思うので、相手の長いボールはほぼロストだったり、自分たちがカットしてカウンターっていう形が作れていたと思うんですけど、今日はかなり収められてしまって、そこからライン押し上げられて自分たちが戻らなきゃいけない展開になったところは、大きな違いだったのかなと思います。そのなかでも相手のピヴォに対応して、チャンスを作れていた部分はありますので、先ほど拓也(上原選手)が言いましたけど、大阪さんはホームで負けていて、今回絶対リベンジしてやろうという気持ちはすごく強かったのかなと、プレーの端々に、そういう負けたくないっていう気持ち、体を張ったプレーだったりでもそうですし、駆け引きもそうですし、そういった部分で大阪さんの気持ちはすごかったのかなと。自分たちも負けているつもりはなかったですけど、1点差というところでいうと、そこでちょっと押し込まれた部分があったのかなと思います。
勝たせるかというところは監督の力量だと思いますので、そこに関しては自分が未熟なのかなと思ってます。そこに関しては選手たちをどれだけ引き出してあげて、なおかつ勝利に結びつけられるかっていうところは、日々考えながら取り組んでいきたいと思います。以上です」
上原「外から今日見ていてすごく感じたのは、ピヴォ当ての質とかすごく高くなっている気がしたことと、結構背負われるシーンも何回かあった。そういう意味で相手は、前回対戦と比べたらすごくレベルは上がっていたのかなと感じました。あとは守備面で、あんまり目立たなかったですけど、高見(政顕)選手のセーブとかがあった。流れを引き寄せるセーブがあったっていうのが相手の今日良かった要因なのかなと見ていて感じました」
次節試合情報
シュライカー大阪
VS:フウガドールすみだ
日時:2021年02月11日(水) 15時K.O
場所:岸和田市総合体育館
湘南ベルマーレ
VS:フウガドールすみだ
日時:2021年02月07日(日) 13時K.O
場所:墨田区総合体育館(リモートマッチ)