~湘南ベルマーレ VS ボアルース長野~
Fリーグディビジョン1第16節を締め括るのは、湘南ベルマーレがボアルース長野を迎えた一戦。舞台となる秦野市総合体育館は、湘南のホームアリーナの一つで、年に一度開催される。小田原アリーナに比べてコンパクトだが、そのおかげで一体感もいっそう感じられる造り。長野からもたくさんの横断幕を持ってサポーターが訪れ、それぞれのチームの選手を後押しした。
ホームの湘南は、前節3位の町田に手痛い敗戦を喫し、15節終了時点で7位に後退。プレーオフ進出に向けてこれ以上負けられない状況。対戦する長野は、ここまで2勝して11位。最下位のバサジィ大分とは勝点差3でしのぎを削る残留争いの渦中にある。第2クールの直接対決を控え、ここでいい戦いをしてチームのモチベーションを上げたいところ。
目標は違っても目指すのは同じ勝利。キックオフ直後から高い位置からていねいなプレスをかける長野の守備に重きを置いた姿勢が際立つ。その狙いは、早々に得点として結実。30秒経たないうちに湘南のミスを拾った米村尚也選手がきっちり決めて先制した。
しかし、早い時間帯の失点だっただけに湘南はあわてることなくゲームを進めていく。長野は、セットの構成や個々の選手の起用にいろいろトライが見られたが、湘南はそこを見極めて自分たちのリズムを掴んでいく。堀内迪弥選手がペナルティエリア前で仕掛けたところからフリーキックを獲得すると、自身で直接決めて同点とした。
ボールを持つ時間は湘南が長いものの、長野も連動したプレスを継続してボールを奪えばゴール前に運び、積極的にシュートを狙っていく。両チームともに何度か大きなチャンスを作りながら決めきれないまま時間が経過する中、均衡を破ったのは湘南。内村俊太選手が自陣で奪ったボールを本田真琉虎洲選手が受け、時間を作って再度内村選手に出すと右サイドを突破してそのままシュート。角度のないところから決めて逆転に成功する。
さらに右サイドでロドリゴ選手がボール奪って中央へパス。林田 フェリペ 良孝選手が打たずに後ろに流すとフリーの鍛代元気選手が狙いすましてシュート。リードを広げた。終盤には、三度右サイドから靏谷春人選手が得意のドリブルで1対1を制し、飛び出したゴレイロとディフェンスの間にパスを通してゴール前で待ち構えた堀内選手へアシスト。4-1で折り返した。
2ndピリオドはお互いにより守備に注力してスタート。その中で先に大きなチャンスを迎えたのは長野。決め切れなかったものの、奪ってからゴール前に運ぶシーンも増え、攻撃のバリエーションも見せる。湘南も受け身に回らず攻撃を仕掛けるが、チャンスの数では長野の方が上回る。しかし両者決め切れないまま時間が経過。4分強を残したところで長野がパワープレーを開始するが、湘南の守備は固く、スコアレスのままタイムアップを迎えた。
この結果、湘南は5位に浮上。プレーオフ進出に向けて希望を残した。一方の長野も、2ndピリオドはスコアレスながら、シュート数で湘南を上回る結果に。敗れたとはいえ、次につながる戦いになったといえそうだ。
湘南ベルマーレ 試合後会見
伊久間洋輔監督
ーー試合の総括をお願いします
伊久間「ホームということで、非常にたくさんのお客さんに来ていただいて、勝利できたことが全てかなと思います。前半、スタートでミスから失点、これに関しては、それをしないためのセットだったのにもかかわらず失点したので非常に焦りましたが、その後みんながもう1回やり直すことができたことがプラスとして捉えられるかなと思います。フリーキックだったり、個の力を発揮した中での得点が出たことが良かったなと思いますし、最後の相手チームのパワープレーに対しても、ディフェンスもそうですし、マイボールになったときのセットに関しても、うまく時間を使えて最後を締められたかなと思います。欲を言えば、後半得点ができなかったことは非常に残念だとは思いますけど、みんながやるべきことをやってくれて、勝利ができたことは良かったと思います。また次に向けて頑張っていきたいと思います。ありがとうございました」
フィウーザ選手
フィウーザ「こんにちは。今日、僕たちは嬉しいですね。勝った。けど、長野、最初決めたね、それちょっと難しい。あと4点、素晴らしい。超大事、4点決めたら絶対勝つ。今日、選手たちいい試合、パスいい、シュートいい、それフットサルにとって大事。あと最後、パワープレーのディフェンス、みんな頑張ったね。今日、素晴らしいけど、今日は終わったね。来週の試合、超大事。まだまだプレーオフのチャンスあるね、7試合全部勝ったらプレーオフいけます。それ、頑張ります。以上です」
ーーここ数試合、勝ち点を積み上げられなかった中での今日の勝利ですが、その点についていかがですか?
伊久間「勝つか負けるかというのは、勝負なので絶対はないですし、いつもですけどそこにフォーカスはしていません。もちろん、悔しいとかうれしいとかはありますが。じゃあ内容はどうなのかというと、町田戦がよくなかったのかというと、そうでもないですし、立川戦はどうだったのかといったら、やるべきことをやれていた中で、シュートを決めることができない、課題に対してどう向き合うかということだと思っています。失点に関しては、リーグで名古屋に次いで少ないので、ということはデータ上は点を取れば勝てるわけで、どうそこまで持っていくか、入るか入らないかはなかなか難しいところがありますけど、そこにどう持っていくかというところに注力してトレーニングしています。今日の勝ちに関しては、プレーオフを占う中で、勝点3が取れた、これはもう内容にフォーカスしながらもやはり結果が出たときの、結果がさらにその内容を濃くすると思うので、そういう面では非常にうれしい勝ちだったと思います」
ーーセットをいじられたのは、狙いがあったということですね?
伊久間「そうですね(笑)、『ベテラン勢、失点するなよ』というところで、失点するという。うまくいかないなというところで。でも、本当にそういう狙いがあった中で、それが全部うまくいくとも限らないので、それを本当にみんなが立て直して、よく戦えたというところですかね」
ーーその狙いは相手が長野だからというのも理由ですか?
伊久間「そうですね、勝点が積み上がらない中でのスタート、先制されると勝てないというデータは今季すべての試合でそうなんですけど、前回の町田戦もそうですし。にもかかわらず、先制されるという、本当に『やばいな』と思うくらいだったんですけど。長野戦だからこそ、なんていうんですかね、抜かりなくいくぞという意味のセットでした」
ーー長野は今日はセットで交代するのではなく、一人ずつ代えたり、これまでとはやり方が違いましたが、そこで戸惑いなどありましたか?
伊久間「今回に関しては、相手ではなく、チーム、もちろん長野さんのやり方をスカウティングしていますが、ただ、我々が長野さんがやってくるという想定、戦術面もそうですけど、負けているチームがやることというのは、一体となって戦うこと、それを上回らなければやられてしまうという、そこにフォーカスしてみんなに声がけをしたりとかだったので。人数を絞ってるのはわかりましたけど、そこで何か戦術的な違いがあったかというと、そうでもなかったので、特には、という感じです」
ーー鍛代選手が失点後に巻き返せたのは、おそらくベンチも残り38分以上あるという落ち着いた雰囲気があったからと言っていたが、監督からご覧になってピッチ、ベンチ含めてどのような雰囲気でしたか?
伊久間「今年課題としているのは、うちはすごく勢いを保ちながら戦うスタイルですけど、今、W杯でも言われてますけど、やはり頂点までは勢いでは勝てないんですよ。やっぱりそこにフォーカスしなければいけないので、失点をしようが、得点をしようが、しっかりとそのゲームを進めていくというメンタルをみんなと共有しています。ですから、今日もそうですし、先週も先に失点しましたけど、じゃあそこであわてて何かをやったかというとそうでもないですし、今はしっかりゲームを進めていくことをやっていると。もちろん勢いは、あったほうがいいので、それプラス本当に勢いがあるものを出していければ、もっともっと力を発揮できると思っています」
ーー靏谷春人選手の成長が目立ちますが、監督はどう見ていますか?
伊久間「いや、すごく成長していると思います。昨シーズン途中から僕がやりましたけど、アジアチャンピオンを目指すという(クラブの目標がある)中で、いかに個人を出していくか、全員の個を発揮させること、それが上位に行ける条件だと思います。そういう意味では、今いるメンバー全員の能力を引き出せているかといえばまだまだだと思いますし、ただベテラン勢もそうですけど、若手選手もいいものを持っていて、(試合に)出たときにその個を発揮させることが大切です。春人に関しては、やり続けて、挑戦し続けて、そこが徐々にここ最近の、彼はもう自信を持ってプレーしていますが、そこにつながっていると思いますし、おそらく皆さんも見ていて、彼が自信を持ってプレーしていると見えているんじゃないかなと思います。
やっぱりアジアチャンピオンになるためには代表選手が4〜5人いないとだめだと思っているんで、春人だけじゃないですけど、本当に代表に入るためには個がなければ代表には入れないですし、代表選手がいなければ、優勝とかアジアチャンピオンは難しいので、そういう面で逆算すると春人を含めた彼らが個を発揮するべきだと思います。春人はそういう面でも、チームの中でも本当に成長している選手の一人だと思います」
鍛代元気選手
ーーここ数試合、勝点が積み上げられていない状況での今日の試合、そこでの勝利を振り返っていかがですか?
鍛代「単純に勝点という意味でいくと、やっぱり勝点3が取れて、すごく良かったと思っています。僕は試合も結果がすべてとは思っていません。結果の中にも内容があって、その内容が次の勝点3に繋がると思っているので、そういう意味でいくと、今日の単純な勝点3以上に価値のある勝点3だったのかなと思ってます」
ーー残り7試合のなかに、名古屋や浦安など、上位チームとの対戦が残っていますが、どういった戦い方をしていきたいですか?
鍛代「勝負なので、やってみないとわからないんですけど、うちは『上の順位だから』とか、『下の順だから』というのはなくて、どの相手でもぶつかっていきます。だから、上の順位だから勝点を取るのが難しいという勝点計算は、あまりうちには通用しないと思っていて、むしろ名古屋(オーシャンズ)でも勝点3を取れると思って挑みますし、(バルドラール)浦安さんも今、すごくいいフットサルをしていますけど、『ちょっと難しいよね』じゃなくて、浦安さんでも勝点3取るつもりでいます。なので、単純な勝点計算でいくと、残り試合全部勝てると思ってやってるので、悲観はあんまりしてないというか。だけどその中で先ほど言いましたけど、勝ったからいいとか、負けたからダメではなくて、その勝ちがを次の勝点に、負けを次の勝ちにちゃんとつなげて、7試合を戦いたいなと思っています」
ーー今日の試合が次につながると言っていたが、どのあたりが次につながると感じましたか?
鍛代「僕も、それをいつも考えているんですけど、今日だけでいうと先に失点をして、僕のミスで失点してるんですけど、失点したあと、個人でいくと『そのときのメンタリティ、どうなんだ?』とか、今日そこで僕自身、学びがあって。チームとして、先制点を取られた試合、しかも早い段階で取られてという1個の学びがあって、その中でもひっくり返せたっていう結果的に自信にもなるし、『じゃあなぜひっくり返せたのか』という要素も、なるべく細かく細分化して、解像度高くして抽出できれば、次の試合に先制点を取られても、『いや、こうだったから次に返せるよね』という具体的なプレーにもつながるし、メンタル的な安心にもつながると思っているので、そういう意味で次につながる試合だったかなと思ってます」
ーーなぜひっくり返せたかという話もしていましたが?
鍛代「これ、まだ解像度高く分析できてないんですけど、1個要因として、まだ『そうかな?』の段階なんですけど、ベンチとしても『ああ』という感じはなくて。良くも悪くも早い段階で失点したので、言ってしまえば『あと38分くらい残っている』と、雰囲気としてですけど、チーム全体が考えていたのかと思います。チームとして『大丈夫』『まだ負けてない』、そういう雰囲気があったから、『じゃあ1点取りに行こうよ』と。失点したからだから『失点しちゃいけないよね』というメンタリティでプレーするのではなく、『点を取りに行こう』というメンタリティでプレーできたのかなと思ってます。僕自身も最初『やった』って思ったんですけど、そこで落ち込んでいてもしょうがないので、『じゃあどうする?』というメンタリティを頑張って作ろうとしたんですけど、やっぱりミスが起こるとミスしたくなくなるから、そうするとチャレンジの確率が減る、チャレンジのパス、チャレンジのドリブル、チャレンジのプレーが減っていくと思うんですよ。減っていくと結果的に相手にとって脅威じゃなくなるので、そうすると勝ちから遠ざかるプレーになってしまう、負けないプレーになってしまう。でも、結果1-0で負けていたら、そのまま終わっちゃうので、それをなんとかチャレンジして、ミスを恐れずというプレーができるような、ベンチを含めた雰囲気だったんじゃないかなと思います。それもやっぱりこれだけたくさんの人が来てくれて、太鼓もあって、声は出しちゃいけないですけど、出ちゃう声というか、というのも僕らの背中を押してくれたのかなと思ってます」
ーー引退を表明されてのシーズン、プレーオフも狙える順位にいて、全日本選手権もタイトルを目指すと思いますが、今はどういった思いで試合に臨まれていますか?
鍛代「僕、もっと感傷的になるかと思っていたんですけど、意外と今までとそんなに変わらず、目の前の試合に向けて準備をしてきて、試合が終わった今はもう次の試合に向けての準備が始まっているというい、いつものサイクルでやっているなと、振り返っても思います。ただ、今日も対戦相手に、エンガワ(山口友輔)とか、友也(田口)とか、一緒にやっていた選手がいたりとかする試合は、単純に試合前が楽しみになるし。今までも対戦相手にチームメイトがいた試合はありましたけど、あんまりなかったんですよ、特別に何かを思ったり、楽しみにするというのは。だけど、今シーズンはそれをすごく感じます。振り返っちゃうんですけど、開幕戦の(ボルクバレット)北九州戦も、長いこと一緒にやっていた選手が、アウェイで対戦相手としているという試合がすごく楽しみでしたし、ホームの(バサジィ)大分戦も、すごく楽しみだったし、アウェイの大分戦もすごく楽しみにしているし、とか。今までよりも楽しみにする、始まる前の楽しみの感情が増えているなとは思います」
ーー選手としてタイトルを取るとしたら、引退前の今シーズンしかないので、そこに向けての思いを教えてください
鍛代「そうですね、何かがポンと変わるとか、何かが急にできるようになるとかというのは難しいとは思っていて、ただ毎日毎日成長するチャンスはあるなと思っています。僕は今、引退ってなってますけど、それでも終わるまでは毎日成長していたいし、それがグループの成長、チームの成長にもつながると思ってます。これは個人の話なんで、他の選手がどう思うかはまた別の話ですけど、結果に捕われちゃうといいサイクルが生まれないなと思っています。
今日、自分自身ができたかなと思っているんですけど、うまくいかない結果を出しちゃったときに、それを次の成長に、次のプレーにつなげられるようになっていけば、必然的にミスがミスじゃなくなると思います。ミスしたことでミスを学べる、次にそのミスをしなくなるというのも成長だと思っているので、成長したい、成長していこう、というマインドで過ごしていくことが結果的にチーム力向上につながって、タイトルに近づいていくんじゃないかと思います。
それが正しいかはわからないし、チームがそれをやるかどうかはまた別の話ですが、僕はそう思ってトレーニングとか、オフですらそういうメンタルで過ごしてますし、これからも、残り何カ月かになっちゃいますけど、過ごしていきたいなと思っています」
ーー次節に向けて、声出し応援に対して期待することは?
鍛代「できるだけ多くの人に来てもらいたい。ただ、声が出せるのは一部の席なので、いわゆる『あの頃』には、ちゃんとは戻れないとは思います。数字上、例えば2,000人入っても、声を出していいエリアは限られているので、一概に来た人数イコール声の大きさにはならないと思いますが、でも、拍手の量とか、熱量というのはやっぱり音響からでは出てこないと僕は感じているので、できるだけ多くの方に会場に来ていただいて、もし可能であれば声出しエリアにたくさん来ていただいて、『湘南のサポーター、ここにあり』を見たい。見せて欲しいじゃなくて、僕が見たい。あの声、やっぱりすごいんだなと感じたい。鳥肌、立つんですよ、やっぱり。(現在の)音響(演出)もすごいですけど、盛り上がるし、気持ちも上がるんですけど、鳥肌は立たないんですよ。ちょっと違うなって、僕は感じていて。あの声で背中を押されると、ブワーッと昂まる、鳥肌が立つ、あの瞬間をもう1回味わいたいなと思ってます」
ボアルース長野 試合後会見
柄沢健監督
ーー試合の総括をお願いします
柄沢「今日は皆さん、ありがとうございました。また、素晴らしい会場で、多くのサポーター、ファンの皆さんの前で試合ができたことを心から感謝したい。本当にありがとうございました。
まず私たちは、湘南さんに対して勝点を目標に挑みました。山蔦(一弘)コーチが不在になる試合でなんとかより大きな勝点を取りたいと、山元(優典)コーチ、私、山蔦と、3人で話し合いながら1週間練習をしてきました。結果、負けましたけど、来週に控えるバサジィ大分との残留争いに向けた一番重要な試合に対して、まず横にいる米村(尚也)を中心に、第2ピリオドは0-0で抑え、次につながる試合ができたなと思っています。特に今までと違うところは、点を取られても、今日は本当に米村がいい声を出してくれて、常に選手が前を向く言葉や振る舞いをしてくれて、それはいつもなんですけど、今日はよりそれが伝わってきて、全然出られなかった選手や、もしくはちょっとだけしか出られなかった選手が、役割を明確にして、自分から交代の合図を出したりして、その前向きな気持ちが第2ピリオドに見られました。今日のこの負けを必ず来週の大分戦に、もう1個改善点を見つけて、しっかり整理して臨みたいなと思っています。いずれにしても本当に素晴らしい会場、運営、サポーターの皆さんの前で試合ができたことを本当に感謝したいと思います。ありがとうございました」
米村尚也選手
米村「柄沢監督とあわせて、たくさんのファン・サポーターの前で試合を行える素晴らしい環境を作っていただき、本当にありがとうございます。選手としては、たくさんのファン・サポーターの前で試合ができることはすごく幸せなので、本当に今日も素晴らしい雰囲気の中で試合を行うことができました。
試合内容としては、前節、前々節と、大敗と言われるような試合で、内容自体も、言い方を選ばずにいうと、お金を払って自分たちの試合を見に来てくださる方に申し訳ないような試合をしてしまったというところで、自分として重く受け止めていました。今日の試合は、山蔦ヘッドコーチが不在というのと、第2クールで一番大事な大分戦の前の試合だったので、選手の起用だったり、戦い方自体もチームとして変えながら行いましたが、先制点を取れたことに関しては、すごく良かったです。そこから失点を重ねてしまって、チームとしてチャンスはありながらも、そこを決め切ることができませんでしたが、後半に関しては0-0でしたので、悔しい敗戦でしたが、フウガ(ドールすみだ)戦、(バルドラール)浦安戦と比べて、見ていただいている方々に本当に気持ちを込めて戦っていることを伝えられるような試合であったかなと思います。
あとは勝点を持って帰るというところがチームとしては目標だったんですが、今は1週間後の大分戦に向けてやるしかないので、そこに向けていいところは伸ばしつつ、修正しなければいけないところは1週間で修正して、本当に勝つしかないところまできているので、ここからは切り替えて前を向いてやっていくしかないかなと思います。以上です」
ーー守備から入った印象ですが、試合の展開はオープンになりましたが、狙いとしてはどうでしたか?
柄沢「先ほど米村からも話があった通り、今節で初めてセットを変えて、なおかつ米村がフィクソのところをピヴォにしたりだとか、いろんな意味で変えた中で、それ自体がまず守備から入れよということでした。見ている方に、身体がガチガチに動かなくて固いというよりは、本当に守備から入る固さというのが伝わっていてくれたら、私たちからするとうれしいなと思います」
ーー守備から入っているのは伝わったが、展開がオープンになったのは、よしとしていますか?
柄沢「米村がいい形から先制点、前からのプレスから先制点が取れたという形は、私たちが望んでいた守備からショートカウンターというものでした。ただそのあと、フリーキックは除いたとしても、インプレー中のカバーリングとか、もう一歩身体を張るとか、ゴール前の攻防というところは、今週テーマにしてきたところですが、まだまだ改善しないといけないと思っています」
ーー選手の組み合わせがいろいろ変わったが、選手に迷いなどは生じないですか?
柄沢「迷ってなかったというとウソだなと思いますけど、今現在守備から入って、しっかりカウンターを狙える、その選手がまずピッチに立つ。その中で、状況、もしくは相手のセットに応じて、1人代えたり、2人代えたりというところは、今の私たちボアルースからすると、全員が同じ経験、実績があってということではまったくないので、相手のセット、私たちのセット、点差、いろんな状況を含めた中で、選手を起用しています。
今日は実戦の中で、特に第2ピリオドは0-0で抑えられたところは良かったですが、最後はやっぱりカウンター、もしくはゴール前の攻防のところですね、キーパーと1対1になったり、数的優位を作るとか、(相手の)脅威になるところに(ボールを)入れるとか、そこはまだまだ、このプレッシャーの中で改善していかなければいけない一番のことかなと思っています」
ーーパワープレーの時間が短かったが、もう少し早く始める選択肢はなかったですか?
柄沢「ドキッとする質問ですね。パワープレーは、何点というのは言えませんが、大分さんとの得失点が、今現在少なからず関わってくるので、それはもうチームの中で、この点からとか、ここまで行ったらっていうことは共有しています。ただ逆に、見ながら見ながら一発で仕留めるというところは、本当に次につながるものは間違いなくあったなと思っています」
ーー起用方法のところ、差し支えなければですが、今後を見据えての変更だったのか、もしくは湘南戦に対してのものだったのか、教えてください
柄沢「今後を見据えた中ということは間違いないなと思っています。ただ、今日の湘南さんに対してのセットは1つ本当に基準になってくるかなと思いますが、選手はやっぱり生物ですから、この1週間で選手のマインドや戦術の理解などが変わってくれば、それは私たちはうれしいことですし、逆に言うと変わる可能性もあると思っています。全体像としては、やはり守備から入る、当たり前に球際、セカンドボール、戦う、それがまず一番かなと思っています」
ーー以前に、ハードワークや泥臭くというところをもっと出していかないといけないという話をされていたが、今日はそういうところが見られました。失点もあったが先制して、後半は無失点で抑えて、前半出場機会がなかった選手も後半ある程度の時間出場したり、いい影響が与えられたのかなと思いましたが、そのあたりはいかがですか?
柄沢「そう言ってもらえると光栄です。米村のセットが、1stピリオドの10分のところでまず失点をなんとかしないように、非常に集中してゲームに入ってくれたところがまず一番良かったなと思います。代わった選手が個の部分でとか、逆にそこがまだ弱さが見られる分、カバーリングの選手が行くのか行かないのか、その辺に迷いがやっぱりまだあると思いました。私たちの中で、一定の点差で、『この選手、行くよ』ということがありましたが、その点をもっと自分たちでこう、0-1とか1-0でも、『俺が行くんだ』というくらいになってこないと、負けている状態で吹っ切れて行くのと、ギリギリの状態で自分が行くと決めて行くのはまったく違うと思うので、この負けを大分戦に対して、もしくは自分たちの次の未来に対してどう活かすか、どれだけの選手が思えるかが一番大事だと思います。今いただいたことを選手に伝えながら、ケツ叩きながら大分戦に向けて頑張っていこうと思っています」
ーー守備のカバーリング、岡島選手が一人チェックしていたら逆に振られてとか、そこに誰かが行くとか、そこに誰が対応するとかというのが不明確だったところが失点につながったように見ていましたが、次節守備面で気をつけて行きたいところを教えてください
米村「そうですね、チームとして決まりごとはあるんですけど、ある意味個人戦術、例えば1人目を抜かれたあとに、カバーリングに出られるかというところは、その選手の特徴の一つにもなってきますし、そこで潰せる、例えば名古屋のアルトゥール選手のように、守備範囲の広さというところも関わってくると思います。ですが、チームとして1人目がカバーに出たら、そこを次の選手が埋めるという決まりごと自体はあるので、そこを試合の中で全員が同じ基準にできるようにならないといけないと思います。やはりそこでの基準の差は、現状あるので、まずは1対1で負けないとか、対人で抜かれない、3失点目に関しては対人で抜かれてそこから崩れた失点だったりとか、フリーキック以外は自分たちのミスで奪われてディフェンスの崩れたところを狙われてという、湘南さんがうまかったというのはありますけど、そこに関してはやっぱり全員が助けるというか、あくまでも一人一人で戦うわけじゃなくてチーム全員で助け合って戦っていかなければいけないと思っています。
タレントが揃っていればもちろん1対1、負けなければいいよねってそれだけで済むと思うんですけど、自分たちは現状そういうチームではないので、1人が抜かれたのであれば、そこに関して1人がカバーリングに入る、空いたスペースをまた埋めていくということをやっていかなければいけないと思います。逆に自分たちも1点目に関しては、前線のプレスからこぼれたところを最終的に自分がフィニッシュしたんですけど、他にもカウンターのシーンはたくさんあったのに、最終的にフィニッシュを決められるような位置にいないとか、そういう細かいところの差が、点差ほどはなかったとは思います。やっぱり最終的に点を取れる位置にいるとか、相手が怖い位置にいるとかというところを自分たちはもっと意識していかないといけないと思います。攻守ともにカウンターというところは今シーズンテーマになっていますし、大分戦に関しても攻撃、守備ともにキーになってくると思うので、ここ1週間で立て直すじゃないですけど、修正していかないといけないところだと思います」