試合

中断前最終節、自分たちのフットサルに自信を持ち始めた北九州が勝利

~立川・府中アスレティックFC VS ボルクバレット北九州~

7月16日(金)、4回目の緊急事態宣言が発出される中、駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場でFリーグディビジョン1第7節 立川・府中アスレティックFC vs ボルクバレット北九州の試合がリモートマッチで開催された。ホームの立川・府中は、上位進出を狙うものの、前節までに3連敗を喫し、結果が喉から手が出るほど欲しい状況。一方の北九州は、F2から昇格して2シーズン目、黒星先行ながら自分たちのスタイルに手応えを感じる戦いぶりを披露している。

そんな両者の試合は、入りからお互いが自分たちのリズムを作ろうと譲らない展開。特に立川・府中はシュートがポストを叩くなど、惜しいシーンを演出する。そんな中、4分に北九州のチャオ パルメイロ クリスチャン選手が、今季初先発した立川・府中のゴレイロ、西滉太選手のファンブルを逃さず、こぼれ球を拾って先制点を決める。さらに7分には、自陣から浮き球のパスを2本つなぎ、最終ラインからゴール前まで走り込んだ前鈍内 マティアス エルナン選手がフィニッシュ!

2得点目を挙げた。立川・府中は終盤に第2PKのチャンスを得たものの、ジョー選手がポストに当て得点ならず、無得点のままハーフタイムを迎えた。

2ndピリオドもまた、立川・府中が得点への執念を見せて攻撃を展開。しかし、北九州はゴレイロの小島義瑛選手が当たっていて、枠内に飛ぶシュートはことごとく防ぎ、立川・府中の焦りを誘う。また終盤に向けて、全員が守備の意識を高めてゴールを守るシーンが数多く見受けられた。最終的に立川・府中は2ndピリオドだけで19本のシュートを放ったが強引なシュートも目立ち、体を張った守りが光った北九州が勝利を手にした。

第7節をもってF1は、W杯終了後まで中断期間に入る。長い中断は、ここまでの戦いを踏まえてチームを修正していく時間となる。中断明けにどんな成長ぶりを見せてくれるのか、期待したい。

試合後会見


ボルクバレット北九州 馬場源徳監督
ーー試合の総括をお願いします
馬場
「相手の攻撃に関しては、予想の範囲内ということで攻略ができたと思っています。自分たちがボールを持つ時間を前半は多少確保したんですけども、後半は自分たちが勝点を取れてないということからの焦り、そしてクアトロというシステムに慣れてないというところから、なかなかボールを持てない時間がありました。その中でも全員が体を張って守り、相手のベストセット、パワープレーを凌ぎ、勝ち点を取れたのは良かったと思います。選手たちを褒めたいと思います」

キャプテン代理 前鈍内 マティアス エルナン選手
前鈍内「相手もなかなか勝てない試合が続いていて、それは僕たちも一緒で、難しい試合になると思っていました。自分たちにとってはすごく大事な勝点3だったので、本当にチームでしっかり勝ち取れて、うれしく思っています」

ーーここで一旦中断ということで、前半戦の総括を
馬場
「はい、まず2つありまして、プレシーズンが短かったということで、言い訳ではないんですけど、調整試合が3試合のみということで、自分たちのセット、ストレスがかかった状況での戦術・戦略の駆使というものを試せていない状態で試合に入りました。その中で2試合目の(バサジィ)大分までは自分たちの流れの時間が作れたんですけど、3試合目の(フウガドール)すみだ戦で自分たちがリズムを崩した時にセットの修正、またそこから自分たちがメンタル的にどう立て直すかということが問題になりました。それに対する時間との戦いということで、少しずつ(シュライカー)大阪、湘南(ベルマーレ)、(ペスカドーラ)町田というふうに自分たちの中でゲームを立て直す力というのは得たと思います。今日はそういう意味では最後に勝てたというのは良かったと思いますし、後半戦につながると思っています」

前鈍内「僕は、今シーズンからボルクバレット北九州に入団しましたが、なかなか結果が出ない試合が続いていたんですけど、チームの雰囲気も良く、練習でやってきたこともすごくいいと思っていました。僕は選手として、これまでやってきていることを信じて続けていれば、結果は出てくるんじゃないかなと思っていたので、練習でやってきたことが、今回の試合だけではなく、町田戦、湘南戦にも出ているので、これからの後半戦にもつながると思います。これからも今まで通りやればいいと思っています」

ーー先制点は、相手のゴレイロのミスをついたもので、チャオ パルメイロ クリスチャン選手の反応が早かったがチームとして狙っていたのか?
馬場
「そうですね、最初の入りとしてキーパーのライン、2列目があまり強くない守備のチームなので、そこはしっかりと狙っていきながら、こぼれ球でも落とせば必ずチャンスは来るという話はしてましたし、そういう意味では本当に自分たちの意図、願いが叶ったゴールと言ったらすごく失礼なんですけど、相手のミスなんですけども、自分たちが意図していたところからの得点だったと思います。湘南戦の1点目、こぼれ球を清水(誠也)が決めた得点もそうなんですけども、自分たちが狙った形の中から何かを引き起こすことはできたのかなと思っています」

ーー美しいゴールでしたが、あのゴールの振り返りを
前鈍内
「監督が僕たちに言っているように、後ろの選手、フィクソの選手でもしっかりシュートまで行けるようにと練習から言われているので、僕は後ろでプレーしていたんですけど、いいボールが入って、そのまま抜ければシュートの可能性も出てくるので、それを信じて走ったらクリスチャンからすごくいいパスが来たので、あとはもう決めるだけでした」

ーー今シーズンは新加入の選手が多くて、どれだけフィットするかが後半戦に向けての鍵だと思うが、手応えは?
前鈍内
「チームにとって足りないところを自分でしっかり考えて、自分の役をしっかり考えて、活躍できるように頑張ります」

立川・府中アスレティックFC 比嘉リカルド監督
ーー試合の総括をお願いします
比嘉
「4連敗となって、すごく苦しいです。中断に入り、これから時間があるのでチームを立て直すよう、僕の課題なので、しっかり振り返って、反省して、勝てるチームになれるように頑張っていきたいです」

キャプテン 上村充哉選手
上村「4連敗で、非常に悔しいです。シーズンが始まった時に自分たちが描いていた結果ではないんですけど、それも今の自分たちの実力なので、この中断期間で切り替えて、また一から頑張りたいと思います」

ーー先週の試合後、内容よりも結果が欲しいという話をしていたが、今週1週間どのようなことを選手に伝えてきたか?
比嘉「正直、先週も今週も悪い試合はしていないと思っています。シュートのチャンスも作れているし、数も打てている。戦うところですね、もうちょっと戦うところを高い気持ちでやらないと勝てない。攻撃もできているし、ディフェンスもできているし、戦う気持ちのところ、連敗を断ち切るように、勝点3を取れるように、相手より勝つ気持ちを強く持とうと伝えた1週間でした」

ーー若い西滉太選手を初起用した狙いと評価を
比嘉「若い第3キーパーですね、特別指定選手として登録しています。今、チームの流れがあまり良くないので、練習ですごく頑張っているから、チームの空気を変えるように、チャレンジしました」

ーー選手としてはこの1週間どのような話をして練習に取り組んだか
上村「今週というか毎週なんですけど、練習でも自分たちはいい練習ができていると思っていますし、毎試合毎試合勝てると思って臨んでいるんですけど、試合の中でうまく行ってないこともあるし、逆にうまく行っていることもある。今はちょっと苦しいですね」

ーー中断期間が長くあるが、具体的にどういったところを改善していきたいか?
比嘉「チャンスは作れているが決めきれていないというところは、メンタルにも負担がかかっていると思います。敗戦が続いて、シュートを打ったら入るかな、入らないかなと少し自信を失っている。そういうメンタルを乗り越えられるように。そういう面では、少し長い時間、試合がないのは正直プラスだと思います。あとはもう一つ、戦うところを、運動量を増やして、もうちょっと走るチームを作っていきたいですね、もっと戦うチーム、走るチームを作りたいと思います」

ーー森岡薫選手が加入して4試合目、徐々にフィットしてきていると思うが、どんな感触か?
比嘉「彼は、闘志があるんですよね。42歳なので、パワーは以前より落ちてきているところはあるんですけど、フットサル選手としてはより細かい技術などがすごくうまくなっているかなと思います。練習から100%出してくれているし、自分のプレーを味方のプレーに合わせるように、他の選手のキャラもちょっとずつ理解して、練習の中で慣れてきている。これから中断期間で練習も長くなるので、中断明けにはもっともっといいプレーができるんじゃないかなと思っています」

ーーチーム内に代表候補が非常に多いが、ブルーノ監督に推したい選手はいるか?
比嘉「僕は監督として、言えないですよ(笑)。ブルーノさんの仕事を信じて応援するしかないです。候補に選ばれていない選手には、ドアが閉まるまで精一杯やるしかないとメッセージを送ります」

Text by 小西 尚美
Illustration by まるまる / PIXTA(ピクスタ)
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