~湘南ベルマーレ VS 立川・府中アスレティックFC~
7月10日(土)、湘南ベルマーレのホーム小田原アリーナを舞台に、同じ神奈川のチームであるY.S.C.C.横浜との共同開催でFリーグディビジョン1第6節の試合が行われた。湘南の相手は立川・府中アスレティックFC。1試合目に、今季ここまで全勝の名古屋オーシャンズを相手に、残り時間2秒のタイミングでY.S.C.C.横浜が勝ち越しゴールを決めるという驚きのシーンを目撃し、アリーナのボルテージは上昇。その余韻の中でキックオフを迎えた。
熱い空気感の中で始まった試合は、どちらのチームも相手の出方をうかがうよりも自分たちのやりたいことを貫こうと、開始早々から攻撃的な姿勢を見せる展開に。その思いを先に実らせたのは湘南。開始55秒で復帰した内村俊太選手が積極的にシュートを放ち、オウンゴールを誘った。とはいえ2連敗中の立川・府中も、ここで放されるわけにはいかないと、さらに重心を攻撃に傾ける。3分に、相手陣内に攻めこんだ際のキックインを素早く行い、湘南の隙をついたサインプレーで森岡薫選手の立川・府中加入後初ゴールで同点に追いついた。その後は、お互い譲らない姿勢を見せるものの、湘南が好機を確実にものにする。9分にロドリゴ選手が技ありのミドルシュートを、11分にはカウンターで内村選手が3点目を流し込み、2点差をつけて1stピリオドを終えた。
2ndピリオドも先制したのは湘南。22分に高溝黎磨選手のプレスからこぼれたボールを内村選手が拾い、ゴール前に持ち込んで4点目を決めた。点差は広がるものの、立川・府中も防戦一方ということはなく、何度もいい形を作り、湘南ゴールに迫る。29分に自陣で奪ったボールを素早く運び、ゴール前のジョー選手へ。これをジョー選手がゴール前に陣取るディフェンスをかわして決め、2点差に迫った。しかし、この日の湘南は失点しても相手にペースを渡さない強さを見せる。33分には、フィウーザ選手からの長いパスを相手ゴール前で受けた高溝選手がループシュートを放ち、突き放す。その後、5分以上の時間が残る中、パワープレーを挑んだ立川・府中は1点を返したものの、根気強い守備を崩せず、タイムアップとなった。
902人のサポーターが集った小田原アリーナは、感染症対策で応援に制限はあったものの、拍手や手拍子などで気持ちを選手たちに届け、熱い雰囲気に。場内のボルテージと選手のプレーが連動し、2試合ともに、サポーターとチームの一体感を感じる内容となった
試合後会見
立川・府中アスレティックFC 比嘉リカルド監督
ーー試合の総括をお願いします
比嘉「最初から最後まで点を取りに行こうという攻撃のリズムは良かったんですけど、点が取れそうな時にマイボールからボールを取られてカウンターで失点したりしてリズムを崩して、40分間最後までそういった流れになってしまったかなと思っています。3連敗しましたが、アスレチックは勝たなきゃいけないチームなので、もっと頑張るしかない。走るしかないですね」
キャプテン 上村充哉選手
上村「うちはこういう結果に、こういう順位にいるチームじゃないと思っています。だからこそ今は苦しい試合が続いています。次、頑張ります、次、頑張りますと言っている間に、もう正直優勝争いからはだいぶ遠のいているし、本当になんとかしないといけないという印象です。とはいえまた次の試合が来るので、勝って自信を取り戻さないと、後戻りできない状況になってしまう。うちは上を目指してやっているチームなので、そこは忘れずに、みんなで助け合ってまた頑張りたいと思います」
ーー中断前最後の試合、来週の金曜日ですが、意気込みを
比嘉「どうにかして勝点3を取るしかないです。本当に良い試合しても悪い試合しても関係ない。勝点3だけを目標にしています」
上村「僕も監督と同じ意見で、本当に内容じゃないし、勝点3を取るしかないんで、頑張ります」
湘南ベルマーレ 伊久間洋輔監督代行
ーー試合の総括をお願いします
伊久間「本日もたくさんの応援をいただいて、ありがとうございました。それから熱海の豪雨で被災された方にお見舞いを申し上げたいと思います。フットサルができることは本当に当然じゃないという中で、今日のゲームができたことも当たり前ではないと感じています。
ゲーム内容に関しては、立川・府中(アスレティックFC)さんは、良い選手がたくさんいて、今季はなかなか調子が上がっていないですが、やはり噛み合うとすごい力が出るなというところで、チームでその辺をなんとか頑張っていこうとやってきました。皆さんにご心配をおかけした内村(俊太)が復帰をして、良いプレーができて、皆さんに良い姿を見せられたかなと思います。若い選手たちも、相手のベテラン勢になんとか食らいついていこうという姿勢を見せることができたかなと思います。前半戦残り1試合、なんとか頑張っていきたいなと思います。以上です」
キャプテン 上原拓也選手
上原「お疲れ様でした。今日も最高の雰囲気で試合ができて、本当にうれしく思っています。結果も勝利ということで、中断前のホーム3試合を全部勝利で終われたことはベルマーレファミリーとしてすごくいいものだったのかなと思うので、本当にうれしく思っています。
復帰した(内村)俊太くんが点を取ってくれたり、ロドリゴが点を取ってくれたり、本当にベテランの選手が今すごく結果を出している中で、中堅・若手がそこに食らいついていかないと、チームとして厚みが出ないと思うので、そこに僕らはしっかり食らいついていけるように、結果を出せるように、また練習から頑張っていきたいと思います。本当にフットサルがこうしてできていることは、当たり前じゃないですし、本当にその当たり前じゃないことに感謝を持ちながら、しっかり、中断前ラスト1試合あるので、そこを勝ち切って、いい状態で次に進めるように、頑張りたいと思います。ありがとうございました」
ーー今シーズン加入した選手が戦力となっているが手応えは?
伊久間「そうですね、彼らの力が最大化された時に、うちのチームが次の段階に行けるんじゃないかなと思っています。とはいえ、彼らの力はまだまだ出てないなというところはあります。その中でも徐々に結果を出す選手が出てきているかなと思うので、そこはしっかり見守りながらというところです」
ーーまだ力が出ていないというのは、どのあたりか?
伊久間「技術とかそういうものはみんな良いものがあるので、ここは勝負して欲しいな、自信を持って行って欲しいなというところ、もっと個を出すというところなのかなと。例えばロドリゴや俊太は、常に出していると思います。ああいうふうに、若手とか中堅という言い方よりは、本当に一選手として、自分の持っているものを毎試合出しているのかっていうところだと思う。そこが足りないということなんじゃないかなと思います。例えば靏谷春人とか、もっと行って左足のシュートを打って欲しいなとか。例えばですけど、そういうのがもっともっと出てくればいいんじゃないかなと思います」
ーー相手も圧力をかけて良いシーンを作っていたが、一歩上回れた要因は?
上原「やっぱり最後のところまで走り切るところだったり、そこは普段のトレーニングから積んでる結果だと思うし、今日はピヴォ当てされた時とか何回も数的優位のシーンを作られたと思うんですけど、そこをしっかり守備をしたりとか、あとは最後のところで滑ったり、走ってくれたりした結果がフィウーザのビッグセーブだったり、浦上(浩生)選手に当たったりというシーンにつながったと思うので、そこが要因の一つかなと思います。あとはフウガ(フウガドールすみだ)戦もそうでしたけど、早い段階で点を決められたり、失点したすぐ後に得点が決められたりしたところも相手を上回れた結果なのかなと思います」
ーー代行を務めて3試合目、2勝1分と崩れることなく結果を残しているが、そこは下部組織を含めてメソッドやフィロソフィーが確立されていることの影響がある?
伊久間「うちは、下部組織から上がる選手が多いので、僕も気づいたら、今トップにいる選手たちのほとんどとサテライトの時とか、ユースの時に一緒に戦ってきたので、全員特徴もわかります。もちろんその時よりもかなり成長している面が見えますが、そこは奥村監督がスタートからしっかり作ってくれているので、特に何かを変えたりするこもとないですし、それだけのことなのかなと思います」