Fリーグ2023-2024シーズン 第4節 マッチレポート 立川アスレティックFC VS しながわシティ アリーナ立川立飛

試合

攻撃力が爆発! 7得点を挙げた立川が待望の今季ホーム初勝利

第4節 マッチレポート
〜立川アスレティックFC VS しながわシティ〜

Fリーグディビジョン1は、6月16日(金)・17日(土)・18日(日)の3日間で第4節を開催。立川アスレティックFCは、17日にホームアリーナ立川立飛に、同じ東京にホームタウンを持つしながわシティを迎えた。

立川は、今季ここまで1勝1敗1分。シーズン序盤の現在、悪くはない戦績だが、ホームで戦った開幕戦と前節は得点できずに引き分けと敗戦となっている。熱心なサポーターの多いチームだけに、ホームでの得点と勝利にはこだわりがある。今日こその思いを強くして試合に臨んだ。

対するしながわは、今季F1に昇格したニューカマー。とはいえ、F2では昇格を決めた昨シーズンを含めて前身のトルエーラ柏時代から3シーズンを負け知らずで戦い抜いてきた。Fリーグに所属するチームが参加するカップ戦では、F1チームと並んで上位に駒を進めることも多く、昇格組とはいえ侮れない。ここまで1勝2敗の戦績も、敗戦は開幕戦が名古屋オーシャンズ、2節がシュライカー大阪と、現在上位を走るチームとの対戦によるもの。いずれも1点差という点でも地力があることがわかる。前節挙げたF1リーグ初勝利を上昇のきっかけとしたい。

試合序盤、いいリズムを掴んだのはアウェイのしながわ。キックオフから相手陣内にボールを運び、シュートまで持ち込んだ。その後も流動的なパスワークから攻撃を展開し、ボールを保持する時間も長い。立川もボールを奪ってシュートまで持ち込むシーンはあるものの、相手が握ったリズムがわずかなズレを作り出し、得点への道を阻む。それでも守備からリズムを作る立川は、ゴレイロの檜山昇吾選手を中心に得点は許さず時間を進めていく。

探り合いの時間が過ぎたところで、しながわが仕掛けたカウンターに立川の上村充哉選手が反応、選手を倒してフリーキックを与えてしまう。これをダニエル ホザ選手が直接決めて、先制に成功する。ところが1分もたたないうちに立川の中村充選手がキックインからのサインプレーで正面からシュートを放って得点し、同点に。失点後にすぐに追いついた立川は、ここから流れを取り戻し、相手陣内でプレーする時間が長くなっていく。立川逆転の得点は、コーナーキックから。しながわのオウンゴールを誘発した。

攻勢を強めた立川に対して守備に回る時間が多くなったしながわ。今度は、ペナルティエリア内に入った中村選手を倒してPKを与えてしまう。これを新井裕生選手がきっちり決めて3-1に。立川がリードを広げてハーフタイムに突入する。

2ndピリオドも主導権を握ったのは立川。守備がいい形で機能することで、攻撃に転じたときも際どいシーンにつながっていく。しながわは、守備の時間が長くなるとともに、マイボールのときも相手陣内へなかなか進入できない状況に。こうなると立川の重心は、いっそう前へ。ゴレイロの檜山選手が攻撃に加わったところからの展開で右サイドから上村充哉選手が得点。さらに前線からのプレスでボールを奪うと再び上村選手が得点し、5-1とリードを広げた。

得点差が開いたことからしながわは、8分を残したところでパワープレーをスタートする。しかし、立川は落ち着いた守備で対応、ミドルシュートはゴレイロの檜山選手が止めて得点を許さない。ゴール前にパスを入れたいしながわと、そのパスを狙う立川という構図から、中村選手がそのパスを奪ってパワープレー返しを決める。

その後、しながわはダニエル ホザ選手が一矢を報いて1点を返すが、ラスト1分を切ったところで立川の上村選手がハットトリックとなる得点を決めて7-2に。大量得点にアリーナのボルテージは上昇。上村選手の初めてのハットトリックも、今季ホーム初勝利の喜びをより大きいものとした。

立川アスレティックFC試合後会見

立川アスレティックFC 試合後会見 比嘉リカルド 上村充哉

ーー試合の総括
比嘉リカルド監督 立ち上がりからしながわの攻撃に困った時間があって、ちょっとリズムが掴めなかったところもあったんですけど、少しずつディフェンスから相手のタイミングをうまく潰して、攻撃もいけるようになりました。それからは自分たちのペースになって、ディフェンスからボールを奪ったり、ゴール前でちゃんと点を取ったり、パワープレーも最後までちゃんと守ることができました。開幕と前回の試合(いずれもホームゲーム)は、ゴール前でうまく点を取れなかったですけど、今日は点が取れていい勝負でした。よかったです。

上村充哉選手 今日の試合は、どんな内容でも、こっちが良くてもこっちが悪くても絶対勝点3を取るという強い気持ちで臨んだので勝てて良かったと思います。7-2と点差は開いたんですけど、そこまで点差が開くほどうちの内容が良かったとも思わないです。また気を引き締めて次のアウェイ、(バサジィ)大分戦に臨みたいと思います。

ーープレスやフィジカルも活用した守備で相手のパスミスを誘ったり、意図的な選手同士の連携が見られたと思いますが、監督はどう見ていましたか?
比嘉リカルド監督 ディフェンス、最初はちょっと困ったんですけど、ちょっとずつ相手のやり方、相手のタイミング、みんなでコミュニケーションを取りながら。守備は同時にアクションしないといけないので。それからパッシブよりアクティブなディフェンスをやっていて、そういうディフェンスはうまくできることで自信をつけていけます。マイボールのときにリズムを作れたし。フットサルは、リミットはあるんですけど、コンタクトがあるゲームです。レフェリーの基準で、ファウルを取ったり取らなかったりありますけど、監督として僕たちのチームの今日のディフェンスはすごい良かったと思います。

ーー2人でアタックしてボールを奪うんですね?
比嘉リカルド監督 そうですね、フィールドプレーヤーは4対4です。相手をフリーにしてもボールにアタックして奪えれば、相手のゴール前でチャンスになります。でも、ダメだったところもあったんですよ、3対2を作られたり。狭いところを活かして、ストロングサイドができたらボール、人間じゃないね、ボールを狙う。そういうところで失敗もあったんですけど、いいところも多かった。相手もリスクを取らないようにボールを蹴ったりすることも多かったから、ディフェンスがすごく良かったということです。

ーー前節の試合後、ホームゲームでサポーターに勝っている姿を見せられていないと言っていたが、今日は7得点でお祭りのようになって、どう感じましたか?
上村充哉選手 決めるところが決まったというだけだと思います。前回は、決めるところを決めきれなかったし、今週はゴール前の精度を高められるように取り組んできたので、そこが、気持ち的にもいいムードでできたのかなと思います。が、それでもまだゴール前で決められるところはあったので。ダイレクトで打てるところを打たなかったりとか。そういうところは修正して、コンスタントに点が取れるようなチームになれるよう修正して、やっていきたいと思います。

ーー7点取っても反省が出てくるんですね?
上村充哉選手 そうですね。毎試合、点を取れるようにしないと、上には行けないので。そこは自分に厳しく頑張りたいと思います。

ーーちなみにハットトリックでしたが?
上村充哉選手 初めてです。どの得点もチームのみんながパスを繋いでくれたり、身体を張って守ってくれた結果なので、そこはすごい感謝しています。

ーー去年も聞かれていたと思いますが、パワープレー返しのゴール、上手いなと思いましたが自信はありますか?
上村充哉選手 いや、去年の始めはパワープレー返しでは、全然点を決めてないですよね、ずっと外していたんで。途中で自主練で取り組んで、そこのいい感覚が掴めているのかなと思います。あそこで勝負を決められるように、頑張っていきたいです。

比嘉リカルド監督 (パワープレー返しの得点チャンスが)4回あったんですね、3回ポストに当たって。スコアが離れていたから良かったけど、今まで、2-1、3-1で勝っていても、ボールを奪って点を取らないまま、3-3になるような試合を多く見ているんですよ。だから自分たちもそういう意識を持って、チャンスのときにちゃんと決めないとダメですね。

ーーチームとしてパワープレー返しの練習はするんですか?
比嘉リカルド監督 1週間のトレーニングのなかで上げたり落としたり、そのプライオリティがあるんです。パワープレーは特別なところなので、時間があるときに。例えば3日間上げて、1日落とす、そのあともう1回試合前に上げるんです。だから強度が低いトレーニングのときにセットプレーやパワープレーを練習したり。そのときは、いっぱい走らせない。パワープレーのときに奪ったらどうするのか、打つのかパスを出すのか。早くプレーするために。ボールを長い間持つと絶対にボールにプレッシャーがかかってくるから取られる可能性もある。冷静に蹴るのか、パスを繋ぐのか、相手のゴールに背中を向けてターンをするより、目の前の選手に渡したりとか。いいシーンにできるように、点を取れるような練習はしてます。でも毎週じゃないです。

ーー今日は得点もたくさん決めて違いを見せられたと思うが、代表への思いを聞かせてください
上村充哉選手 僕は小学校からフットサルを始めているんですけど、そのときからずっとW杯で日本を勝たせるという個人的な目標があるので、そこを達成できるように。今、直近の遠征は外れているんですけど、その悔しさをバネにというか、自分のいいところは伸ばして、ウイークなポイントは改善して、最後はW杯で日本を勝たせるためにやっていきたいです。

ーー具体的に代表に定着するために伸ばすべきところはどこだと感じていますか?
上村充哉選手 僕は爆発的なプレーができるタイプじゃないので、総合的にもう1ランク2ランク3ランクって上げていかないといけないと思います。ゲームを読んだりとかは、常日頃から監督にも言われているので、ゲームを読んで、そのときに合ったプレーができるようにしていかなきゃいけないと思います。

ーー先週の敗戦から今週の試合に向けて、どういった修正をしたのか、意識して練習に取り組んだのはどういったところか教えてください
比嘉リカルド監督 去年からプレーオフまで、ホームゲームは強かったんですね、いい試合していて、勝てて当然と選手たちは感じていたかもしれない。でも、自分が努力して勝てるもの。ただのものは誰もくれないです。先週は、悪い試合はしてない。ただあの失点の仕方、負け方が。去年もそうだったから、今シーズンも大丈夫、それは違う。相手も頑張っているから、自分もやらなければ、意識高くやらなければならない。

練習の流れは変わってない。選手たちがミスに対して意識を高くするように、責任感を感じるように、それを意識してきました。練習の内容は変わってない。直さないといけないのは技術より気持ちじゃないのかと、厳しくやってきました。選手も人間なのでプライドがあるじゃないですか。監督としていつも言っているんですよね、すごく良くやってくれるから監督としてありがたい。ただ、怒らないといけないときがあるんですね、でも、みんなすごい理解してくれた。みんな同じ方向に向かっているなと思いました。困ってるときや負けてる試合では、怒ったりケンカになったり、バラバラになる可能性があります。それでもみんなまとめて、もう1回行こうというところ。そうすると強くなるんじゃないですか。自分のマネージメントは選手たちを意識高くできるように、戦えるようなメンタルにするところです。

ーーそこと関係があるのかはわからないが、前半は上村選手がいるセットからスタートして、後半はいつものファーストセットからスタートしたが、そこの狙いは?
比嘉リカルド監督 それは、戦術。だからゲームの最初、合わなかった。相手のセット、僕らのセット、リズムが悪かったのは合わなかったから。相手のクワトロにとって、(新井)裕生、テツ(完山徹一)、(酒井)遼太郎、(南雲)颯太、合わなかった。3-1のセット、反対にしたら、たまたまだったかもしれないね、セットプレーで点を取って、リズム作れたのは。ただ相手のクワトロ、全然押し込めなかったんです。相手も頑張ってるので、自分たちはそういうふうに仕掛けました。

上村充哉選手 あと1回か2回、品川と当たるので、あまり言いすぎちゃうと(笑)。

比嘉リカルド監督 駆け引きね。でも相手の情報を知って、自分も違うことを考えないといけない。相手も知ってるぞって、自分の作戦も。自分も伸びないといけないところがあるんで。皆さんも一生懸命試合を見て、フットサルを応援してもらっている、だから自分も正直なところ言わないといけない。でも、たまに言いすぎるから(笑)。

ーー今日は新加入のゴレイロが好プレーを見せていたが、監督はどう見ていますか?
比嘉リカルド監督 そうですね、檜山選手、(シュライカー)大阪で一緒にやっていたんですよ、2年。プレーオフ決勝まで行ったときに。そういう信頼があります。

相手がパワープレー攻撃をしてきたとき、フィールドプレーヤーは4対5のディフェンスをしないといけない。だからミドルシュートは、キーパーが守らないといけないです。プレーオフの上の方に行きたいチームなら、キーパーも遠目のシュートを許しちゃダメ。ゴールは絶対に許さない。そういう気持ちでやってもらっているから。自分が守るよっていうフィールドプレーヤーへメッセージもあって、そういう自信もつけてるし。うれしいですね、頑張っている、ありがたいです。

ミックスゾーンにて
※ミックスゾーンでの取材のため、写真はありません

湯浅拓斗選手

ーー試合の振り返りをお願いします
前半はちょっと押し込まれて、あんまり流れが良くない時間帯も多かったんですけど、そこをしっかり守り切れて、セットプレーで点を取って、うちらしい戦い方だなって思いました。守備から入って、やっぱりセットプレーとかカウンターとかで点を重ねて行けたのがよかったですね。

ーー流れが悪いときは、どういったことを考えがならプレーしていましたか?
相手が勢いを持って仕掛けてきていたので、どちらかと言えばこっちがしっかり守備ブロックを引いて守り切って、で、変なミスをせずに。そういうときは相手の流れだと思うし、そういう時間は絶対あるのでそこをしっかり耐えてから、やっぱり相手が疲れてきたりしたときに、カウンターとかセットプレー一発で流れを変える。そういうのを狙っていたりしてますね。

ーーしながわは、F2から上がってきて、カップ戦では対戦しているがリーグ戦で戦うのはまた違うかなと思いますが、どうですか?
僕は、F2のデウソン神戸に在籍していたときによくしながわと対戦していたんで、あんまり特別な苦手意識みたいなものは。初めて対戦した感じはないんで。でも、対戦したらやっぱりなんか独特な感じはしますね。ほかのチームとは、またちょっと違うのかなと思ったんですけど。今回はこっちがしっかり組織的に戦って勝ったかなという気がします。やっぱり強かったですけど。

ーーしながわはF2からは負けなしで上がってきてますが?
でもF1になるとやっぱりこの差というのは、F2ほどはないんじゃないかなと僕は思ってます。

ーー湯浅選手自身がF2からF1に移籍してきたとき、F1をどう感じましたか?
そのときはすごく強度が違うなというのは、やっぱり…細かいところのディフェンスのことですとか、攻撃のパスを右足左足のどっちに出すとか、本当に細かいところの技術の差とか、やっぱりディフェンスの強度の高さとか、走りこむとかやっぱりそういうところが全然違うなと思います。

ーーそれはどうやって慣れていったんですか?
練習から日々、強度の高い練習してるので、そこでひたすら慣れていくっていうか。それをひたすらやってたって感じですかね。

ーーとはいえ、移籍当初から活躍していましたが?
言い方はおかしいかもしれないですけど、チームが僕を活躍させてくれるような環境にしてくれたっていうか。なんかみんなが助けてくれたというか。僕がついていけないところでも、ほかの選手が走ってくれて、守備してくれて、結構楽はさせてくれていたので。僕も走ってはいたんですけど(笑)。そういうみんなの助けがあって、去年は結構点も取れましたし。

ーー今日はなかなか得点まではいけなかったですが?
今日は前線で収めることはできたんですけど、ゴール前で点を取るという仕事ができなかったんで、ちょっとそこが課題かなと思いますね。

ーーシーズンごとに課題は変わりますか?
結構変わると思います。例えば去年ですと、あんまり収めることできなかったので、そういうことにとフォーカスして。けど、そこはある程度課題として持ちながらゴールを取ることを結構意識したんですけれども、今年はより収めてからどうしようというふうに意識してる感じです。

ーー一つ成長したことによって、また違った課題が出てきたところですか?
そうですね。毎試合毎試合、どんどん課題が増えていく感じです。去年よりかは着実にレベルアップしてると思うんで。あとはゴールですかね、点を取ればそれが成長してる証になると思うので。

しながわシティ試合後会見

しながわシティ 試合後会見 岡山孝介 白方秀和

ーー試合の総括
岡山孝介監督 お疲れさまです。点差は、大きくついてしまったんですけど、ただ内容的にはそこまでの開きはないと思いますし、チームに対しての信頼はまったく揺らいではいません。ただ、チームが今季からまた新しくなって、いろんな組み合わせだったり、チームの約束事だったり、そういったところを今、確認しあっていると言ったらあれですけど、試合のなかで、試行錯誤しながら進んでいるところなんで、しばらくは苦しい試合が続くと思うんですけど、ただそんなに甘いリーグじゃないので、その環境をプラスに捉えて必ず今後巻き返していけるように準備していきたいと思います。

白方秀和選手 お疲れ様でした。相手との差というのは特にゴール前での、僕ら側の詰めが甘いというか、ゴールにつながりそうなところで、そこのマークがちょっとずれていたり、危機管理がうまくできてないというのが結果に直結したのかなというのは感じています。F1に上がって、もちろん甘くはないと思ってやってますが、そういうところの差というのが、数試合やってやっぱり多いなって感じるので、そういうところの差を早く埋めて、しっかり結果に反映できるように頑張っていかないといけないんだなと思いました。

ーーチームの約束事を今確認している最中という話でしたが、チームの完成度は現状どの程度ですか?
岡山孝介監督 今は本当に60%くらいの感覚ですね。本当は、プレシーズンに計画して、普段は大体6週間から7週間でチームを作ります。それがプレシーズンの期間なんですけど、その間にやらなきゃいけないことが、まだ、現在も終わってない状態です。先週も退場したシーンの、4対3の練習をしたんですけど、そういうのも本当はリーグが開幕するまでにはスタートしなきゃいけなかったんですけど、それもちょっと後手後手に回ってしまって。その辺は自分の指導の問題ではあると思うので、優先順位を考慮した上で、決めているんですけど、そういった部分も含めて、自分も足りない部分が多いかなと思っています。

ーー大塚選手がパワープレーも含めて重要な場面で出場していました。新加入選手がしながわのフットサルに順応するのはハードルが高いと思うが、監督から見ての評価は?
岡山孝介監督 本当にポテンシャルは素晴らしくて、非常に期待できる選手なんですけど、でもやっぱりパワープレーに関しても本当にちょっとした駆け引きっていうところがすごく重要な部分で、そこも今、そうですね、確認しているところです。彼はパワープレーをやったことがないままF1の舞台に立っているので、そこの駆け引きの難しさというのを感じていると思うんですけど、そういった部分を覚えていけば、これから楽しみかなと思っています。

ーー前半の中盤くらいまではしながわペースで進んでいるように見えたが、その後立川にペースを握られたことについて、どう見ていますか?また、徐々に攻撃の狙いが定まらないようになったように見えたが要因についてはどのように感じていますか?
岡山孝介監督 一つは、疲労はあると思います。ずっとアウェイが続いているので。今日も含めて4試合遠征続きだし、今日の体育館も暑かったので、疲れが出ているのは正直感じました。そういった疲労を感じたので、いろんな選手を試合に出しました。そうすると、多少はフレッシュになってプレスは行けていた思うんですよ。最後の方はちょっと支配されていたところもありましたが、基本的にプレスはまあまあ行けていたと思います。そこは我々が大事にしている部分ですし。ただ、いろんな選手が代わる代わる入ると、やっぱり試合の中で合わせていかなきゃいけなかったりだとか、試合に入れない選手が出てきたりすると、流れが途切れたりしてしまいます。どっちを優先するかなんですけど。序盤、良かった時間帯は、セットを代えないで出していました。その後は少しずつメンバーが代わって出ています。それは選手の責任じゃないですけど、今、タフな練習しているし、遠征も続いているし、みんなには見えない部分の疲労ですね、そういったところが見ていて感じ取れたので、フレッシュさを少し重視したら、少し回らないところも確かにありました。

ーー先ほども質問があった大塚選手ですが、180cm越えで、なおかつフットサル選手というよりはまだまだサッカー選手の体格で、そういう選手は、Fリーグには他にいないし、フィジカルはあってもトップリーグでうまく順応している選手は少ない印象があります。岡山監督は、どのように育てようと考えていますか?
岡山孝介監督 おっしゃる通りだと思います。フットサルは、多分、ぱっと見はよくわからないですけど、すごく難しいスポーツです。パスが動くごとにいろんな約束事を覚えていかないといけないので。守備でも攻撃でもそうですから、理解するには1か月2か月じゃ難しいと思います。本当に痛い目にあったりとか、何もできない試合とか、そういうことを経験して少しずつ成長していくものなんで。ポテンシャルはおっしゃる通り素晴らしいんですよ。でも、だからって、じゃあ急に今、発揮してくださいと言っても、それは簡単じゃないんですよね。そういうところを一個一個確認しながらやっていってるところなので。ポテンシャルあるのであれば、割り切って出し続ければそういうことも早くおぼめますが、うちはそういうチームではないので。今日もちょっとしたマークのズレとか、エラーとかがあったので、こういう上位のチーム相手にたくさん出すのは難しいところがありましたので、もうちょっと時間が必要かなと思います。

ーーここまでF1を戦って、ご自身はこのリーグをどう感じていますか?
白方秀和選手 まったく通用しないとは思ってないです。ただ、さっきも言ったような少しの差というのがやっぱり結果に反映されているので、その小さなところをチームとして、埋められれば全然やれる自信はあるので、今苦しいですけど、ここを乗り越えれば全然、まだまだリーグは長いですし、上位を狙えると思っています。

ーーチームの完成度が60%といったところで、どういったプランで試合に臨んだのかというところと、リードされてハーフタイムに入りまりましたが、その時の指示を教えてください
岡山孝介監督 そうですね、ちょっと抽象的ですけど、自分たちのウィークポイントを消しながら、また相手のストロングポイントを消しながら、自分たちのいいところを出す。うまくいかなかったですけど、守備はアグレッシブに行ける選手が多いので、そういったところをベースに守備で主導権を握って戦う。そこに関してはもうちょっと戦えるかなと思ったんですけど。ただ、前半も後半も早いうちにファールを重ねてしまって、それでなかなかアグレッシブに行くというところの難しさも出てしまって、その辺は、うまくいかなかったと思ってます。攻撃に関しても、細かくあげればいろいろあるんですけど。まだ試合は続くので、具体的なことはこれ以上は。

ーーハーフタイムの指示については?
岡山孝介監督 ハーフタイムにまず言っていたのは、失点をしないことという話をしてたんですけど。得点するより、負けているときはどうしても前がかりになってしまうので、だからまずは前がかりにならないでしっかり守備から入って失点をしないこと。いい守備をすればそこから奪ってトランジションもカウンターも狙えるんで、そういったところを出していこうと話をしていたんですけども、早々に失点してしまって。

そこでタイムアウトを取ることも考えたんですけど、うちの選手は大丈夫だなと思って、取らなかったんですけど、立て続けに失点してしまって。それでもパワープレーのこともあったのでそこでもタイムアウトは取らなかったんですけど。そういったところも含めて、やり方を考えていかなきゃいけないなと思ってます。

▶Text by 小西 尚美
▶Photo by 小西 尚美
小西 尚美の記事一覧

Fリーグ2023-2024シーズン 第4節 マッチレポート フウガドールすみだ VS 湘南ベルマーレ強度の高いプレスと攻撃がかみ合って4得点完封の湘南が完勝前のページ

上位を狙うチーム同士の戦いは、勝点1を分け合う結果に次のページFリーグ2023-2024シーズン 第5節 マッチレポート 湘南ベルマーレ VS バルドラール浦安

関連記事

  1. 試合

    念入りな準備が奏功して第1戦目は名古屋が勝利

    ~名古屋オーシャンズ VS 立川アスレティックFC~Fリーグデ…

  2. 試合

    東京ダービーは町田が勝利!

    ~ホーム最終戦で有終の美を飾る~1月31日(日)に町田市立総合…

  3. 試合

    好調チーム同士の対決は両者譲らず、勝点1を分け合う激闘に

    ~バルドラール浦安 VS 立川アスレティックFC~Fリーグディ…

  4. Fリーグ2023-2024シーズン 第19節マッチレポート 湘南ベルマーレ VS 名古屋オーシャンズ メイン写真

    試合

    修正力と勝負強さで名古屋が勝利を手繰り寄せる

    Fリーグ2023-2024シーズン 第19節〜湘南ベルマーレ VS…

  5. 試合

    アグレッシブな守備を継続した大阪が逃げ切る

    ~フウガドールすみだ VS シュライカー大阪~12月最後の週末…

最近の記事

  1. 試合後会見に臨んだ名古屋オーシャンズのフエンテス監督
  2. Fリーグ2023-2024 ディビジョン1・2入替戦 第2戦 マッチレポート エスポラーダ北海道 VS ヴォスクオーレ仙台
  3. ファイナルシーズン 隅田ラウンド 第27節 マッチレポート バサジィ大分 VS 立川アスレティックFC
  4. ファイナルシーズン 隅田ラウンド 第27節 マッチレポート 湘南ベルマーレ VS Y.S.C.C.横浜
PAGE TOP