試合

今シーズン2度目の境川決戦も町田に軍配!

~合わせて9ゴールのエキサイティングな試合展開~

今シーズン2巡目の境川決戦は、緊急事態宣言が発令されたことに伴い、リモートマッチに急遽変更され、ペスカドーラ町田のホーム、町田市立総合体育館を舞台に開催された。

サポーターは足を運べなくてもABEMAでライブ中継されることを理解している選手たちは、気合十分。負けられない境川決戦に向けて、大きな声を掛け合いながらウォーミングアップに取り組み、気持ちを高めていく。

選手入場の際、湘南ベルマーレの選手は全員、12月19日に逝去された久光重貴選手の背番号5のユニフォームをまとって入場。久光選手は、町田の前身であるカスカヴェウに在籍した縁もあり、両チームの選手が喪章をつけて試合に臨んだ。

この試合、境川決戦の年間MVP選手を選ぶサポーター投票を行うほか、3位の町田に対し、5位の湘南が勝つとひとつ順位を上げることができるため、上位を争う意味でも注目(試合の消化数に違いがあるため、順位は暫定)。また、町田には現在得点王争いに絡むクレパウジ ヴィニシウス選手と室田祐希選手がいることもあり、見所の多い試合となった。

試合は開始2分に町田が先制。得点王争いの上位を狙う室田選手がゴールを挙げた。すかさず湘南も本田真琉虎洲選手の得点で同点に追いつく。しかし、試合巧者の戦いぶりで町田が3分中村充選手、4分ヴィニシウス選手、9分再び室田選手と得点を重ねる。

4対1と差は開いたが、諦めないのが湘南。2試合連続で先発となったゴレイロ、上原拓也選手がアリーナに響き渡る声でチームを鼓舞し、15分に高溝黎磨選手、19分にロドリゴ選手のゴールを後押し。直後に町田、倉科亮佑選手のゴールで再び差を広げられるものの、5対3と逆転の余地が残る得点差で折り返した。

後半は、湘南がゴレイロをフィウーザ選手に交代。お互いにシュートまではいくものの、しぶといディフェンスでゴールを許さない展開に。痺れを切らした湘南がパワープレーで得点を狙い、本田選手がなんとか1点をねじ込んだところでタイムアップとなった。

5得点を挙げた町田は、ヴィニシス選手が1ゴールで得点王1位タイに、2ゴールを挙げた室田選手は3ゴール差で3位に付けている。また、境川決戦のサポーター投票は、MVPに湘南の久光選手、敢闘賞に町田の室田選手が選出された。毎回熱い戦いとなる境川決戦だが、湘南はホームでの借りを返すことができず、今季は町田が2勝となった。

課題を克服した試合、今日の勝利を活かすためにも次節で勝利を


ペスカドーラ町田 ルイス ベルナット モリーナ監督

ーー今日の試合を振り返って
ベルナット「こんばんは。前半は立ち上がりがすごく良く、試合のマネージメントという部分も選手一人ひとりができていたところが今日の試合ですごく良かったと思います。
ところどころ、ディフェンス面で集中力を欠いた部分があり、湘南にチャンスを与えてしまう時間も何度かありました。そういう苦しい時間を選手たちが乗り切れたということは、今日の試合のなかで一つのキーになったと思います。
後半に入ってもそういった部分は継続でき、ディフェンス面で強くいけた部分は非常に良かったんですが、後半に入って決定力、決めるところを決められないという時間がすごく多かったのかなと思います。
自分たちが決められない苦しい時間が続くことでパワープレーで攻められ、苦しい時間が長く続いてしまった。そのなかでも失点を最低限に抑えられたところは非常に頑張ったところです。
前節、大阪戦で負けてしまったが、その負けた試合をしっかり今回切り替えて、一つひとつ積み重ねてきたものをピッチのなかで選手たちがしっかり出せたというところで選手の成長を感じています。ありがとうございます」

キャプテン 金山友紀選手

ーー今日の試合を振り返って
金山「お疲れ様です。ここ数試合、前回のここの記者会見のときもあったんですけど、立ち上がりがよくない試合が多かったなかで、先週の大阪戦からそういった部分の課題について選手でも話をして、今日はそういった入りの部分、先週も入りは良かったんですけど得点が取れなかったのですが、今日は早い段階でゴールを取ることができました。
その後すぐ失点して、そういう部分の課題はあると思うんですけど、湘南との試合はいつも熱い戦いというか、負けられない気持ちのぶつかり合いで、こういった試合になることが多いんですけど、そういった試合をしっかり勝ち切ることができたのは、非常にチームにとってプラスなことだと思います。
ここからイレギュラー的に試合が続くので、そこをしっかり見据えて、この1週間で3試合あるっていうところに向けて、また頑張っていきたいと思います。ありがとうございます」


ーー短い期間でまた大阪との試合がありますが、そこに向けての意気込みは?
ベルナット「短いスパンで試合が続くなか、選手たちには今日の気持ちを切らさないように伝えたいなと思います。また今日の試合を勝ったからといって次の試合に負けてしまってはなんの意味もないので、そういったところを気持ちをひき締めて戦うという意思を固めたいと思っています。
前回は大阪に勝つことはできませんでした。そのなかでも気持ちを高く持って、次は絶対に勝つという選手たちのモチベーションも上がっていると思いますので、それを目標に次の試合を頑張っていきたいと思います」

金山「この間、負けたばっかりなので、その借りをすぐに返せるっていう試合があるので、そこは本当にしっかり勝ちきって、目の前にある試合にしっかり集中して、そこに尽きると思います。今、監督が言ったように今日の勝ちは今日で切り替えて、次に勝てるように、頑張っていきたいと思います。ありがとうございます」


ーーFリーグ設立前からの盟友である久光重貴選手への思いを聞かせてください
金山「彼とは、今のペスカドーラの前のカスカヴェウというチームで一緒にやっていました。Fリーグができる前の時代から、日本のトップリーグを作り上げるために一緒に切磋琢磨してやってきた仲間で、10月に湘南のホームで、うちのアウェイの試合のときに会って少し話をしました。そのときに彼に開幕戦の自分のゴールのことを言ってもらいました。
本当にいつも自分のことじゃなく、相手のことを気遣って、彼が気遣ってくれることで自分もパワーをもらってましたし、自分もプレーをしながら、彼に何か伝えられることがあればと常に思って、今日もそういう思いで試合に臨んだ部分はあります。
今年は特にコロナ禍で、なかなか試合が思うように進められないなか、こうやってフットサルが当たり前のようにできるというのは本当に考えさせられるというか、当たり前じゃないということを改めて感じています。彼のその思いも一緒に、僕の心のなかではいつも共に戦っている。今日も試合前に(心のなかで)話をして臨みましたし、これからも心のなかでずっと一緒に戦っていきたいと思っています。ありがとうございます」  

町田の強さをリスペクト、本気で勝つためにこの敗戦を糧にしたい

 

湘南ベルマーレ 奥村敬人監督

ーー今日の試合を振り返って
奥村「お疲れ様です。勝てば、順位が上がるという試合だったんですけど、負けてしまって非常い残念な気持ちでいっぱいです。ただ、自分が自信を持って送り出した選手達が、もちろんミスもありましたし、失点もありましたし、いろんな現象が試合のなかでありましたけど、本当に、ヒサ(久光選手)と共に戦うという思いを持ちながら最後の最後まで諦めず、自分たちのフットサルのモットーである最後の0秒まで全力で戦うというところを、どんな展開でも体現してくれたと思いますので、そこに関しては本当に選手たちに全く罪はなくて、自分の交代のタイミングだったり、選手の組み合わせだったりというところのミスなのかなというふうに思ってます。なので、悲観してないというか、今後に繋がるというか、負けてしまって言うのもなんなんですけど、今後まだまだ湘南は諦めずに戦えるチームなんだなっていうのは改めて感じた試合だったと思います。
そうですね、今、コロナで試合ができないとか、会場が使えないとか、そういう問題はどこのチームにもあると思うんですけど、条件は全て一緒だと思いますし、そのなかで自分たちがフットサルに対する思いだったりだとか、先ほども言いましたけど、久光に対する思いだったり、地域の方々に対する感謝だったりという思いをどれだけ意識を持ったなかで体現して、チームのために、自分のために、普段の練習から鍛錬して、その試合に対して取り組むことができるかというところがすべてだと思います。湘南ベルマーレは最後まで諦めないチームなので、そのマインドをしっかり持ちながら、残り6試合、とにかく最後まで全力で戦い切りたいと思います。
ペスカドーラ(町田)さんは、もう2年くらい勝ってないんですが、苦手という意識より、本当に強いチームだなと思います。一人ひとりがやることが明確で、技術もあり、自信を持ってプレーしているので、試合をしていて本当に楽しいですし、このチームに勝ちたいなと心の底から思います。そのために自分も含めて足りなかった部分を選手たちと一緒に、この負けを糧にして取り組んでいきたいなと思っています。以上です」

キャプテン 上原拓也選手

上原「お疲れ様です。今日は本当に勝ちたかった試合、勝てば順位が上がる試合だったなかで、負けてしまって、開始から相手に点を取られて、追いついて、そこで相手に点差を離されてしまったことがまず今日負けた敗因だと思います。そこで僕が何ができたかというのを、しっかり考えていきたいですし、逆に今日、あの点差が離れたなかで、仲間が点差を追いついてくれたことを本当に感謝したいです。1失点1失点が本当に今日は重かったと思うし、そこに対して今日は本当に悔しさが残る試合になりました。 境川決戦のMVPにサポーターの皆さんが投票してくれてヒサさんが選ばれましたが、この試合を勝ってヒサさんをMVPにしたかったので、そこは本当に悔しい気持ちでいっぱいです。
残りの試合は限られているので、今日僕が試合に出られたことはまず1個プラスになったと思うし、そこに対して、あの失点をどうしたら防げるか、チームとしてどうやったら防げるか、自分としたらどうやったら防げるか、しっかり考えて、試合はまだ残っているし、今コロナのなかですごく難しい状況ですけど、そこに順応していくのがプロだと思うので、そこにしっかりと順応していけるように残り6試合しっかり戦っていきたいと思います。ありがとうございました」

ーー前後半でゴレイロを交代した意図は?
奥村「それは前半の結果云々ではなく、試合前から決めていたことです。年末にフィウーザが少し手を怪我してしまっていて、そこで(上原)拓也が大阪戦、名古屋戦に勝って、そのあとに久光が亡くなってしまって、難しい状況のなか、拓也が大阪戦を勝ってくれたので、そこの拓也の力をリスペクトして、前半の20分間を拓也に託し、後半はフィウーザで締めるというプランがありました。前半の結果ではなく、始めから決めていたことでした」


ーー前節、試合の前日に延期が決まり、試合の間隔が空いてしまったがその難しさはあったか?
奥村「先週の土曜日は、試合勘を鈍らせないようにということでロンドリーナと紅白戦をやって、もちろん公式戦と紅白戦は全然違うと思うんですけど、選手自体はどうだったんですかね、僕自身は何も感じなかったんですけど。
もちろん3週間空いてしまったので、とにかく立ち上がりから100%でぶつかっていこうという話をしたなかで、実際に点が入るまではうちの方がチャンスを作ったと思うんですけど、そこで決めきれずに町田さんにしっかり決められたというのは、そこのフィニッシュの精度だったり、攻撃のパターン、ピヴォ当てからのパターンなんかもそうですし、警戒しているなかでもそこをやられてしまうというのは、そこは町田さんに上回られたのかなと思います。そこで1点でも食い止められればというところはありますけど、それが試合なので選手に聞いてみないとわからないですけど、少しは影響があったのかなと思いますけど。
ただ、試合なんで、そこはどんな状況でも常に戦うことができるかというところ、名古屋(オーシャンズ)さんはどんな状況でも勝つから首位にいるわけで、僕たちはそういう状況になった時に勝てないからこの順位にいるわけです。というところでいうと、もっともっとやらなきゃいけないことがあるのかなと思います」

上原「試合に入る前に、試合の間隔が空いていたっていうことで、もしかしたらそういう試合勘っていうていうことがあるかもしれないから、そこはすぐに試合に慣れようってチームで話していて。ただ今日は、試合勘というよりは、ずるずる行ってしまったところが敗因なのかな、敗因というか、試合勘というよりはそういうところなのかなと。相手のプレスも早かったですし、そこに早く順応するべきだったのかなと、僕たちもちょっと受け身になってしまったのかなというのがやってみた印象でした」

ーー第1ピリオドは点の取り合い、第2ピリオドは一転して硬い試合になったが、ハーフタイムにどのような言葉をかけたのか?
奥村「自陣でのロストが多かったので、そこの部分でまず繋ぐより裏をとっていこうということと、カウンターが何本か、決定的なカウンターというのがありましたので、焦らず落ち着いていけば、しっかりゴールは奪えるんじゃないかという話をしました。後半ロースコアだったのは、町田さんがリードしているので、おそらくゲームをコントロールして、ディフェンスのラインだったりもそうですし、ボール回しも無理しないでイゴール選手に下げて、イゴール選手からピヴォへという形があり、というところの老獪さというか、試合功者な部分がすごくあったのかなと思います。もう少し早く1点を返して、焦らせることができたらと思ったんですけど、もう一歩足りなかったですね、そこは」

次節試合情報


ペスカドーラ町田
VS:シュライカー大阪
日時:2021年01月20日(水) 16時30分K.O
場所:町田市立総合体育館

湘南ベルマーレ
VS:シュライカー大阪
日時:2021年01月31日(日) 14時30分K.O
場所:町田市立総合体育館
備考:1月23日のフウガドールすみだ戦は、新型コロナウイルス感染症の検査でフウガドールすみだの選⼿1名に陽性反応が確認され、保健所から他選⼿数名が濃厚接触者と判断された結果を受け、開催延期が決定されました

Text by 小西 尚美
Photo by PESCADOLA MACHIDA
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