試合

北九州はチャンスを決められず、粘り強く戦った長野が逃げ切る!

~ボルクバレット北九州 VS ボアルース長野~

8月27日、ボルクバレット北九州にとって約1ケ月ぶりとなるホームゲームが北九州市立総合体育館で行われた。対戦相手はボアルース長野。ここまでの勝ち点が北九州7、長野3と苦しい状況にある2チームの対戦。北九州としてはホームで勝って中断期間に入りたいところだ。

第1ピリオド、長野はまず田中智基選手がゴールを狙っていくが、枠を外れる。その後は全体的に北九州がボールを支配する時間も長く、13分には連続してシュートを放つ決定的な場面もあったが、山口友輔選手の粘り強いセーブにも阻まれ得点には至らず。両チームとも無得点のままゲームを折り返す。

試合が動いたのは第2ピリオド。北九州のファールによって得たPKを田村佳翔選手が確実に決め長野が先制。更に自陣ペナルティエリア手前でボールを奪った松永翔選手がドリブルで駆け上がり米村尚也選手に繋ぐと、その折り返しから松永選手がシュート。0-2とリードを広げた。

終盤パワープレーを仕掛けた北九州は、テンポ良いボール回しから田村龍太郎選手がシュートを流し込み1点を返す。追加点を狙って最後まで攻勢を緩めなかった北九州だが、1点差を守り切った長野が勝利を手にした。

長野の松永選手はこの試合でFリーグ通算100試合出場を達成。自らも得点を決め、チームの勝利にも貢献した。

この日の試合会場では、北九州市立大学の学生によるモルック体験や、旦過市場火災支援の募金、試合後のフットサルクリニックなどのイベントや地域貢献活動も開催された。クリニックには北九州の中島監督や宮崎岳選手も参加し、試合後にもかかわらず元気よく指導。親子連れの客を中心に、夏休み最後の週末を楽しむ姿も多く見られた。

ボルクバレット北九州試合後会見


中嶋孝行監督

ーー今日の試合の振り返りをお願いします
中嶋立ち上がりから結構プレスがかかっていて、前半決定機がありながらもなかなかそれが決められなかった。後半は同じテンポでやろうという話をして、そこに強みを生かしていこうとしていたんですが、先に失点。そこから追わなきゃいけないという展開になり、前がかりになったところをカウンターで決められてしまった。その後パワープレーで今回は1点を決め、そのパワープレーの時もチャンスはあったんですが、なかなか今日はアンラッキーだったかなという風に思います。前半に決め切れていれば流れがかわったかもしれないと思います」

ーーパワープレーの時に追加点が決まりそうにも思えました
中嶋「そうですね。前は崩れた状態であとは入れるだけ、みたいなシーンまでは作れたんですけど、ちょっと難しい試合になったかなと思いますね」

ーー今シーズンここまでの試合を振り返ってください
中嶋「決定機を作れないとか守れないとかだったらまだまだだな、となるんですが、そうではない。今日もあった決定機の部分が決まっていくと、先制してそこからという流れにもっていけるのですが、今日のように先制され焦ってしまったりで難しくなる。

大きな差ではなく、微の所の方が意外と調整が難しいじゃないですか。例えば1メートル単位のものを切るのは簡単だけど、じゃあ1ミリ単位で切ってと言われると難しかったりする。料理だと塩一杯分だったらすぐできるけど、少量パラパラっとという加減だと難しい。それをゲームとして考えたら、ボールコントロールの所とかシュートの質とかの細部の調整となって難しくなってくる。

選手は練習からハードワークして頑張ってくれているので、中断期間はいいリフレッシュをして、いい準備をしていきたいと思います」

安嶋健至選手
ーー今日の試合の振り返りをお願いします
安嶋「前半、ボルクが押していた時間帯にしっかり決め切っておきたかったです。後半の失点がたとえ不運な形だったとしても、本当に強いチームならそこから追いついて、逆転できるはず。それができなかったということは、自分たちはまだまだということ。オフの間もそれぞれが個を高める、チームとしてもしっかりと準備をして中断期間明けのゲームに挑みたいです」

ボアルース長野試合後会見

米村尚也選手
ーー今日の試合の振り返りをお願いします
米村「チームとしてはちょっと難しい中での横浜、北九州の2連戦で、みんな選手個人個人難しかったと思うんですけど、横浜戦ちょっと苦しい負け方をした上で、練習回数も少ない中でアウェーの北九州戦というところだったので、チームとしては必ず勝って中断期間を迎えようという意気込みを持っていました。チームとして惜しい負け方がすごく多かったので、勝ってる時間、点を取られた時間帯、取った時間帯というところでのチームの戦い方を重視しながら今回の試合を迎えました」

ーーチームのベンチワークからも最後まで一体感を感じましたが、日ごろから意識していますか?
米村「去年監督交代のタイミングから、ベンチでの戦い方だったりとか、常に出てる選手だけではなく、ベンチにいる選手も含めて全員で戦っていこうというコンセプトで今シーズンもやってきているので、そういった部分でもベンチワークで自分たちはFリーグで一番になろうという所も徹底しているので、そこは分かりやすく伝わっているかなというのはありますね」

ーー先制した所から流れがかわったように感じました
米村「最初の得点はある意味ラッキーなゴールだったというのもありますが、それも含めて試合だと思いますし、1点目を決めた後での失点というのがチームとして今までの試合でとても多いので、あの状態でしっかり我慢して2得点目をとれたことにチームとしての成長を感じますし、勝ち切れたのは収穫だったと思います。

昨シーズンからパワープレーをやられるよりやる方が多かったチームなので、なかなか守備という所に関しても難しいところはありましたが、今週の練習でも相手のパワープレーへの対策とかは柄沢監督、山蔦コーチ、山元コーチから重点的に指導してもらってきたので、失点はしましたけど、大きなピンチというのはなかったと思いますし、最後に関して言えば上手さもそうですけど、球際だったり全員の気持ちだったりとかは大事になってくるかなと思うので、先ほども言いましたけど出てる選手だけじゃなく、全員で勝ち取った結果だったと思います」

ーーキャプテンとして意識など変わったところはありますか?
米村「元々どちらかというと口で色々伝えるというのは得意な方ではないので、率先して自分が行動で見せることで回りが感じ取ってくれるということが多かったんですけど、今シーズンキャプテンを任されるようになって、自分が発する言葉などに関しては今まで以上に気を使っているところですし、点を取った後取られた後の声のかけかただったり、一つ一つの言葉選びに関してはすごく気を使ってやっているので、そこに関しては自分の成長に繋がっているのかなと思います。

今日も難しい時間帯だったり、どうしても相手に流れが行きがちな時間にこっちの気持ちが落ちしちゃうシーンがすごく多かったので、もちろんポジティブな声掛けをすることは大事ですが、叱咤激励じゃないですが、最後まで戦う所に関しては自分が要求していかないといけないですし、要求するためにはまず自分が率先して行動で示さないといけないので、そこに関しては意識していました」

ーー北九州総合体育館は久しぶりですね
米村「長野はこれまでのボルクとの対戦で北九州市立総合体育館でやったことがなかったので、チームとしても初めての北九州開催での試合でしたし、個人としてもなんだかすごく不思議な感じでした。昨シーズン久留米でやった試合もそうだったんですけど、ボルクを退団して以降来ていなかったし、練習でずっと使っていたところだったので。今日も知っている方々に応援してもらえてうれしかったです」

ーー再開後の意気込みなどをお願いします
米村「昨シーズンと比較してみると、8節目まで勝利なかったですし、今勝ち点6とれているのは成長だと思います。ただ、浦安戦に関しても3-0までいきながら逆転されてしまったり、横浜戦に関しても先制点を奪いながら結果的に負けてしまったりと、引き分けや勝ちにできる試合を落としていたりすることが多いので、そこは本当に意識しないと。昨シーズンの入れ替え戦もそうですが、落とした勝ち点がすごく響いてくるので、やっぱり着実に負けないというところをチームとして意識しないといけないかなと思います。練習から球際だったりとか、これからも意識してやっていかなければいけないと思います」

松永翔選手
ーー今日の試合の振り返りをお願いします
松永「前半ボール持たれる時間が長く、長野としては苦しい時間が続いて、北九州の方がゴール迫る回数が多かったんですが、そこで焦れずにというか、もちろんストレスかかる部分はありましたが、何とか耐えればカウンターとかチャンスは来るなと思っていたので、失点しないことと、チームとして体張ってゴールを割らせないところを意識して何とか前半折り返して。後半判定含めてラッキーな部分はありましたがPKから得点出来て、こっちがリードしたからより攻勢を強める中でカウンター1本というチームとして狙っていたいい形でに2点目とれたのは大きかったなと思います」

ーーご自身のゴールシーンを振り返ってみてください
松永「素直にめちゃくちゃ嬉しかったですし、昨シーズンからの課題になってるんですけど、カウンターチャンスがありながら僕たちはあまりゴールに繋がらなかったというところで、山蔦ヘッドコーチが指揮を執って練習とか戦術とかやってくれている。カウンターは今年から練習の時間を割いていて、練習してた形で点をとれたというのがチームとして大きいのかなと。ヨネ(米村選手)の折り返しが上手かったので。あれで勝負ありでしたね」

ーー長野でも長くなってきました。チームでの立ち位置などは変わりましたか?
松永「個人的にはあまり意識してなくて、そんなに言葉で引っ張って行ったりリーダーシップとっていくタイプではないんですけど、プレーで、試合で言えば体張って相手と戦うとか、1対1で負けないとかそういう姿勢を見せることでみんなにファイティングスピリッツを伝えられればいいなと思って、そこは意識しています。意外にもう30歳なんで(笑)でもあんまりベテランとかは意識しないようにしています。まだまだフットサルをトップリーグで続けている以上は、やめる日まで毎日成長していきたいと思います

ーーチーム内で意識しているとか、リスペクトしている存在はいますか?
松永「みんなのことをリスペクトしていて、もちろん最年長の田中智基選手とか高い技術を持っていて、本当にチームに欠かせない存在ですし、人間的にも素晴らしい方なのですごい尊敬してます。でもやっぱり同い年の田村佳翔だったり、年下ですけどヨネも今シーズンかなり点を取っていてチームをけん引してくれてて。なので年齢にかかわらず、若手もすごい頑張っていて、良い選手が長野にはいる。なので家族として、試合中は誰かがミスしたら絶対に自分がカバーしたいと思っています。

僕らにはたった一人で試合を決められるようなスター選手はいないと思っていて。よそのチームはそういう選手がもしかしたらいるのかもしれないですけど、長野はそういうチームではないと思っています。もちろんそういう選手になるために一人一人が努力しないといけないし、僕もそうなりたいとは思っていますけど、そんなに甘くない。僕らにはチーム一丸となって泥臭くというキーワードがあるんですけど、その通りで。今日の試合も決して内容的には満足とはいえないですし、きれいなフットサルでもないですけど、勝つために全員で戦うというのを意識しています」

ーー次戦に向けての意気込みを
松永「今日勝って勝ち点3積み上げて中断に入れたというのとそうならなかった場合とでは本当に天と地の差だと思いますし、ちょっとここで時間が出来るので、チームに足りない部分だったり個人的に改善、向上しないといけない部分に向き合って、次10月に向けて心も体もいい準備をしていきたいと思います」

渡辺大輔選手
ーー今日の試合の振り返りをお願いします
渡辺「個人としては守備の部分、プレスかけるとか対人負けないという所を売りに今プレーさせてもらっていて、そこに関してはチームの力になれていたと感じますし、それを含めてチーム全体で言ったら全員でハードワークしていた。全員が声出して走って、というのが出来ていたのでこの勝ち点につながったと思います」

ーーベンチでも率先して声を出していましたね
渡辺「そこに関しては広島で村上(哲哉)監督に学んだ部分で、北九州の時から成長したことのひとつかなと思います。声を出すという部分は誰がやっても良いと思うし、チームの中心だからとか関係なく、声って誰でも出せるし。でも出せる人は限られている。その中で自分はベンチでの声の部分でも、プレーでも力を発揮すればよりチームの力になれるっていう考えもある。心技体じゃないですけど、全体で、声も出して走って戦ってっていうのが大前提だと思ってるんで。チームの中の自分の役割としてやってるって感じですね。

ここ数試合は良い試合はしてるけど勝てないというのが続いていたので、そこに関してフォーカスした上で練習もやってきてるし、こないだの横浜戦もそうですが、自分たちで崩れなければ戦えるっていう自信を全員が持ってるし、負けるつもりも一切なく戦いに行ってますし、その中で今日勝ち切れたのはチームとして大きい。個人としても古巣に勝てたのは嬉しいです」

ーー古巣にと対戦することは意識していましたか?
渡辺「そうですね。特別な思いもありますし、Fリーグを初めて戦ったのも北九州ですし、そういう思い入れのあるチームとF1という舞台でやれたっていうのもすごい感慨深いですし、でもやっぱり負けたくないというのはアスリートとしてあるので、そこは勝ててすごい嬉しいですね」

ーー久しぶりの北九州市立総合体育館でしたがいかがですか?
渡辺「思い出すことも多いですけど、思い出したうえで勝ちたいなっていうのは強かったですね。知り合いもたくさんきてくれて、北九州の方も覚えて下さっててすごい嬉しいですね」

ーー経験も重ねて選手としての立ち位置の変化などは感じますか?
渡辺「ポジション的には全部やってるんで、与えられた時間全力を尽くすのは当然なんですけど、監督の要求しているところをしっかり遂行した上でプラスアルファ、自分の良さを出せるように常に考えています」

ーー中断期間を前に結果が出たのは大きいのでは?
渡辺「勝てたのはすごく大きいですし、ちょっとけが人やコロナの影響などもあって状態が上がらないままの2連戦だった部分もあるので、休息入れてしっかり休んで、リフレッシュしてそこからまた一ケ月後良いスタートを切れる。個人的にもまた積み上げていかないといけないなと思っています」

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Text by 東 恭子
Photo by 東恭子
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