試合

大量7得点でホームのすみだが快勝!

~フウガドールすみだ VS エスポラーダ北海道~

7月15日(金)、フウガドールすみだのホームアリーナ、墨田区総合体育館で開催されたFリーグディビジョン1第5節 フウガドールすみだVSエスポラーダ北海道。最寄りの錦糸町駅から徒歩2〜3分、錦糸公園内にある、足を運びやすい都心の立地を活かし、会社帰り、学校帰りに立ち寄れるフライデーナイトに行われたリーグ戦には、北海道から訪れたサポーターも含め、682人の観客が集まった。

ホームゲームで2連敗していたすみだと、3試合勝ち星なしの北海道の対戦は、ホームの後押しを受けて勢いに乗ったすみだが大量7得点を奪って勝利。北海道も最後まで諦めない姿勢を見せた。

試合開始直後、相手陣内に攻め込んだのは北海道。コーナーキックからファーストシュートを放っている。そこからはお互いに相手を見ながらゲームを進める展開となったが、ビルドアップからの1対1を制して先制したのがすみだ。諸江剣語選手が決めた。

北海道は、キャプテンの室田祐希選手を中心に攻撃を進めるものの、得点までは至らず。ボールを握る時間が長いすみだが攻撃のリズムを作って攻勢を強めていき、セットプレーで清水和也選手が直接、田口元気選手がサインプレーからゴールを決めて、前半は3点のリードで折り返した。

2ndピリオド、勢いに乗って主導権を握りたいすみだがアグレッシブに攻撃を仕掛けるものの、北海道も高い位置からプレスをかけて応戦する。しかし、徐々に圧を強めていったのはすみだ。高い位置でボールを奪い、ゴール前に入った栗本博生選手が決めてリードを4点に広げた。

点差が広がっても諦めずに戦うのは北海道のいいところ。すみだ陣内に攻め込んだところで本郷輝選手がゴール前にボールを送ると、ゴレイロが触ったもののオウンゴールとなり、1点を返す。しかし、この得点がすみだの選手に火をつけたようで、より攻撃的に。中田秀人選手、再び清水(和)選手が決めてリードを広げた。

7分を残したところで北海道はパワープレーに。水上玄太選手がゴレイロが弾いたこぼれを拾って押し込み、意地の得点。しかし、ホームチームの勢いは止まらず、キックインから田口選手が決めて大量7得点を奪って勝利した。

北海道は、ゴレイロの戸田貴英選手を中心に粘り強い守備も見せたが、ホームチームの圧力の前に屈することとなった。

すみだのホームゲームは、もう一つ、大型ビジョンの活躍が見逃せない。試合前は選手紹介などに使用されるのに加え、試合中は出場している選手を表示。試合中の交代が自由なフットサルは、交代シーンを見逃すと、誰が出場しているのかわからなくなることも多いが、そんなときもビジョンを見ればOK。選手のパネルには写真の横に名前とポジションが書かれているので、選手を覚えたり、プレーの意味を理解するのにも役に立つ。会場に足を運んだ際は、ぜひ注目してほしい。

フウガドールすみだ 試合後会見


荻窪孝監督
ーー試合の総括をお願いします
荻窪
まず金曜日の夜ということで、たくさんのサポーターの方にも応援に来ていただき、いい雰囲気の中でホームゲームができたので、とても良かったと思います。ホームで2連敗していたので、ここは絶対に負けられないということは選手も口に出していましたし、僕もそこはハッパかけながらやっていたので、勝ち切ることができて良かったと思っています

栗本博生選手
栗本
「会見ではずっとプレーオフという言葉を毎回出させていただいていて、最初の3試合で決まるというふうに言っていましたが、ここ5試合で3勝2分ということで、ギリギリ中断前に首の皮1枚繋がったと思っています。この中断明けは、上位陣との試合も控えていますので、この中断期間でさらにパワーアップしたいと思っています。今回のゲームも点は入りましたけど、簡単な試合ではなかったと思いますし、課題も見えたので、また頑張っていきたいと思っています」

ーー今日は攻撃がハマっていたが、どう改善されたのでしょうか?
荻窪
「改善というわけではないんですけど、(ボアルース)長野の試合も含めてそうですけど、自分たちのやりたいピヴォの攻撃ですとか、そういった回数はどんどん良くなっていると思っているので、そういったところはチームに勢いを与えたのかなと思います。セットプレーのところは、スカウティング通りというか、決め切ってくれたというのは非常に良かったと思います」

ーーゴレイロを岸将太選手から檜山昇吾選手に交代したところで、チームとしてやるべきことの変化はありますか?
荻窪
「やっていることを大幅に変えているつもりはないんですけど、岸の方が足元はあるので、しっかり繋いでいくということはチャレンジしながらやっています」

ーーコメントで課題が見えたとありましたが、どういったところが課題で、どのように取り組んでいきたいかを教えてください
栗本
「実際に得点が、前半セットプレーが2本、全体を通してセグンド、ショートカウンター1本というふうにあって、7点という形で終えましたが、前節もそうですけど、やっぱり今回も数的優位で3対1の場面とか、2対1の場面とかが多かったと思います。そこをきちんと決めていればもっと点が入ったと思いますし、前節も苦しい展開にはならなかったと思います。そういったカウンター攻撃の質をもっと高めたいし、今週も練習はしてきましたけど、中断期間でもっとそこの質は高めていきたいなというところと、うちには清水兄弟(清水和也、清水誠也)とか、岡村(康平)だとか、良いピヴォがたくさんいるので、ピヴォを使った攻撃から押し込んで得点を重ねるというところも、中断明けも見せていきたいと思っています。そういうところは今回も含めて改善点かなと思っています」

ーー最後、檜山選手を投入したタイミングはタイムアウト明けですか?そこの狙いと岸選手との違いはなんでしょうか?
荻窪
「今季は、檜山がパワープレーを受けるところがまだあまりなかったので、その辺を1回経験させたいというところです。それとバックアップとして岸のサポートですとか、練習の取り組みですとか、そういったところでも彼は他の選手のいい目標というか、普段からそういうことをやってくれているので、というところもあります」

ーー前半の早いタイミングで田口大雅選手を出したが、狙いは?
荻窪
「今まではアンダーの方の活動もあったので、なかなか練習に参加することができなかったりだとか、コンビネーションの部分とかまだまだだったんですけど、今週は反転からシュートを打ったりとか、積極的にゴールに向かっていくプレーが出ていたので。若い選手ですし、チャンスがあればどんどん出していきたいという思いはあるので投入しました」

ーー後半の点差が離れた段階で、というよりは、あのタイミングが良いということですか?
荻窪
「はい、後半パワープレーがあれほど早く始まらなければ、正直もう1回は出したかったんですけど、パワープレーになってしまったので、チャンスがなくなってしまいました」

ーー場内インタビューで、清水選手がもうちょっと観客にきてほしいと言っていたが、コロナの状況などあってできないことも多いと思うが、選手として何か盛り上げることを考えていますか?
栗本
「この前の(湘南)ベルマーレだったり、F2だったらアグレミーナ(浜松)が2,000人とか、そういう集客を行っている中で、今はSNSはどこのチームでもやってますし、当たり前のことなのかもわからないですけど、僕ら選手もそうですし、クラブ全体としてやり方を試行錯誤しています。正直どれが当たって、どれが外れるかはわからないんですけど、フロントも集客に関して結構いろいろやってくれたりしていて、僕らも地域にポスター配ったりとか、いろいろやっています。正直、どういったことをすれば集客できるかはわからないんですけど、とにかくクラブ全体で話して、いろんなことをやれたらと思っています。フウガは、ご存知の方もいるかもしれないんですけど、金川武司だったり、太見寿人とかの時代からおもしろいチームと言われているので、そういうところを前面に押し出しながら、少し薄れている部分もあるかもしれないですけど、僕らのスタイルでそこに共感してくれる方達が会場に足を運んでくれて元気になってもらえればなと思っています」

ーーやっぱりF2の試合で2,000人というのは、外から見ても驚きですか?
栗本
「素晴らしいと思いますね。やっぱり選手としてやっている以上、単純にプレーを多くの人に見てもらえるというのは、シンプルにうれしいですし。それに今、コロナで声出しがなかなかできないなかでも、点が入ったら思わず出る『おぉ』とか、そういう声はやっぱり力になりますし、責任感もありますよね、変なプレーしたら『あー』というため息とか。そういうのも感じるので、僕らもフウガらしく人を集めたいと思いますし、来てくださる方には楽しんでいただけたらと思います」

ーー次節に向けての抱負をお願いします
荻窪
「はい、栗本がSNSとかでおもしろい宣伝をして、次回の試合でたくさんお客さんを集める努力をしてくれると思うので、その方達に今日みたいな試合をお見せして、しっかり勝てるようにいい準備をしていきたいと思います(笑)」

栗本「何度も言いますけど、プレーオフに出場するというのが今季、一つの目標です。やっぱり昨年度8位というチームが3位を目指すというのは、相当な覚悟がないとできないと思っていますし、次節に直接こうするああするという話ではないんですけど、中断期間でどれだけレベルアップできるかが大事だと思っているので、次節はさらにパワーアップしたフウガを見せられるように、そしてプレーオフにふさわしいチームとして後半戦を戦っていけるように頑張っていきたいなと思っています」

エスポラーダ北海道 試合後会見


金井一哉監督
ーー試合の総括をお願いします
金井
本日もコロナ禍の中、たくさんのお客様に来ていただき、ありがとうございます。また、このゲームを開催するにあたり、ご尽力いただいたすべての方に感謝申し上げます。

ゲームは、本当に結果の通り、完敗だったなというところです。ここをどう受けとめて、チームとしてまた前に進んでいくかということが大事かなと思います。マイナスな部分、ネガティブな部分は多いですが、その中でもポジティブな部分をチームとしてしっかり見ながら一歩一歩進んでいければなと思います。本日はありがとうございました」

室田祐希選手
室田「前節と同じで、自分たちでゲームを壊してしまったので、悔やまれる試合になりました。来週は札幌開幕戦があるので、連敗をストップできるように、1から頑張りたいと思います。ありがとうございました」

ーー攻撃の負担が室田選手に集中していることでうまくいかないこともあるように見えるが、監督はどう捉えていますか?
金井
「少なからず相手に対応されることは多いと思うので、そこからどのようなバリエーションを増やしていけるかというのは、チームとしても課題かなと思っています」

ーー室田選手自身は、どう感じていますか?
室田「8番の木村(優太)だったりは僕がやりやすいように動いてくれるので、後半は流動的にセットで崩して、シュートまでいける場面もあったので、ああいう場面をもっと増やせれば、僕がもっと自由に仕掛けられるんじゃないかなと思います」

ーーコメントに自分たちで試合を壊してしまったとありましたが、要因についてはどのように考えていますか?
室田
「そうですね、前半のフリーキック2失点は、やはり僕らの経験のなさが現れたかなと思いますね」

ーー経験のなさが試合を壊してしまった要因ということですか?
室田
「一つありますけど、そうですね、ちょっと今すぐには。1回映像を見返さないとわからないです」

ーーパワープレーは、もっと長くも短くもできたと思いますが、タイミングの判断はどのようにしたのですか?
金井
「普段うちの試合を見ていたらわかると思うんですけど、今日は結構長くやっています。そこは、もちろん点差もありますし、ここでは言えないですけど準備してきたものもありますし、時間をかけるものもあったので、今回は長い時間というところを決断しました」

ーー北海道のいいところの1つとして、点差が離れていてもハードワークし続けるというのは伝統だと思いますが、敗戦が続いていることについて監督としてはどのように感じていますか?
金井
「自分たちがやるべき『北海道スタイル』というのは貫いてくれている、選手たちがやってくれていることは、本当に誇りに思える選手たちだと思っています」

ーー北海道スタイルを勝ちにつなげていくために次の1週間を含めて、これから何を積み上げていかなければいけないと思いますか?
室田
「そうですね、勝ちに貪欲になること、気持ちの部分だったり、ワンプレーワンプレー、目の前の相手に負けないとか、そういう根本的なことを見直したほうがいいのかなと思います」

ーーキャプテンとしてメンタル面、スピリットの部分で普段の練習からチームメイトに伝えている場面はあったりするんですか?
室田
「そうですね、僕はあんまりしゃべらないので、もうちょっと試合中の声がけだったりをしていったほうがいいのかなと、ここ最近は思っています」

ーー次節へ向けての抱負をお願いします
金井
「しっかり来週に向けて一つひとつ積み重ねていく、やっていくことが大事かなと思うので、目の前にたくさんの課題がありますけど、それに向けて真摯に全員で取り組んで、札幌開幕をしっかり勝利できるように頑張りたいと思います」

室田「今、監督が言ったのと同じ気持ちです」

▶Text by 小西 尚美
▶Photo by 小西 尚美
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