試合

湘南ホームの境川決戦は、ドローで決着

~湘南ベルマーレ VS ペスカドーラ町田~

7月9日(土)、湘南ベルマーレのホーム・小田原アリーナで開催されたのは、Fリーグディビジョン1第4節、ペスカドーラ町田を迎えての境川決戦。Fリーグ初年度から参入している2チームの戦いは、毎回熱い内容に注目が集まる。ホームタウンが近く、お互いにコアなサポーターがいることもあって、1,651人の観客が足を運んだ。

今シーズンの湘南は、試合中も盛り上げる仕掛けがいろいろ用意され、エンターテインメント性がアップ。アリーナ奥には大きなビジョンが置かれ、得点シーンなどがリプレイされる。得点時には、炎が上がる演出もあり、その喜びを倍増させる。今シーズン初の境川決戦でも、多くの得点が期待された。

試合はホームの後押しを受けた湘南が主導権を握ってスタート。早々にキックインから堀内迪弥選手が強烈なシュートを決めて先制する。しかし町田も、気持ちを落とさず戦う姿勢を見せて、自分たちのリズムを作っていく。攻守が目まぐるしく入れ替わる中、町田はシュートに持ち込み、そのこぼれを拾って山中翔斗選手が決めて同点に。その後湘南は、フリーキックを獲得し、ロドリゴ選手が直接決めて再度リードを広げた。

2ndピリオドはお互いに譲らない展開に。シュートまで持ち込むものの、お互いに強度の高い守備で得点は許さない。4分弱を残したところで町田がタイムアウトを取得し、パワープレーをスタート。ヴィニシウス選手が決めて再び同点に追いつく。その後は、湘南もパワープレーをスタートし、さらにお互いにマイボールになるとパワープレーを仕掛けて得点を狙うパワープレー合戦に。この後は、両者得点ならずタイムアップとなった。

お互いに譲れない境川決戦は、ロースコアのドロー決着となった。

湘南ベルマーレ 試合後会見


伊久間洋輔監督
ーー試合の総括をお願いします
伊久間
1,600人越えの観客の方に来ていただいて、非常に盛り上がりましたし、勝ちを届けたかったですけど、負けなかったんで、全体としては良かったかなと思います。

前半、先に2点を取って、うちが求めているセットプレーでの点を増やすというところに関しては、前半からできましたし、ピヴォ攻撃もある程度形になっていたと思いますし、そういう面では内容は決して悪くなかったと思います。失点のところに関しても、パワープレーのディフェンスと、もう一つはミスですけど、カウンターのカウンターになってしまった。うちが3点目を奪いに行って、その跳ねっ返りでそうなってしまったのは、そんなに悲観するものでもないなと思ってます。ただ、追加点を取れないと苦しくなるというのは、そのままなので、いかに得点のパターンを増やしていくか、というところかなと思います

フィウーザ選手
フィウーザ
「最後にパワープレーを決められて、残念です。ベルマーレと町田の試合は、いつも難しいと思います。いい試合をしたけど、今日も引き分けでした。次は、勝ちましょう。頑張ります」

ーー町田の甲斐監督にも同じ質問をしましたが、一戦一戦が大事な試合というのは大前提として、2007年からFリーグに参入している湘南と町田の境川決戦というところで、期するものはありますか。また次の境川決戦に向けての思いがあれば教えてください
伊久間
「リーグを戦っていく上で勝ち点を取っていかないといけないですし、そういう面ではイゴール(バルドラール浦安)もいないですし、勝たなければいけない試合かなと思ってます。ただ、町田さんとはいつもこういうゲームになるとわかっていたことというか、これをどう好転させるかだと思うんですけど。甲斐さんとも昔から一緒にやってますし、本当に昔を思い出す形、自分たちは今はプレーはしてないですけど、受け継がれてるものがあるんじゃないかなと思います。そういう面では本当に境川決戦は重要なものだと思いますし、興行としても非常に楽しいものだと思いますし、本音を言うと、本当に、『勝てねぇなぁ』と(笑)。という感じですけど、町田さんとはもう1試合ありますし、これを勝ち越せばいいと思って、また次に望みたいと思います」

フィウーザ「次、勝ちましょうね」

ーー得点のパターンを増やすというのは、ピヴォ攻撃で得点したいということですか?
伊久間
「そうですね、セットプレーで取れて、ピヴォ攻撃で取れて、カウンターで取れれば単純ですけど、多分4対2で勝ってるんじゃないかなと。去年はカウンターの点数が多かったですし、ピヴォ攻撃はなかったので、もうちょっと出せるようになればと思います。

先週、攻撃は50%くらいという話をしましたが、そういう面で言うとまだまだうちのいいものを常に出しながら、去年取っていた得点プラス、積み上げとしてセットプレーとピヴォ攻撃で取るというところがまだまだだなと思います。そこでもっとチャンスを作り続けていく、そういうタイプの選手がいるので、そこでもうちょい取れるといいなというところですね」

ーー強度は高くてもファウルは少なく、ロースコアになりましたが?
伊久間
「ロースコアというか、もつれる。何点入ってももつれる(笑)。なんか大差にはらない。町田さんとは、いつも荒れるんですよね。僕の目論見では、荒れると町田さんのペースになるんじゃないかと思っていたんで、そこはみんなにも言いました。ただ、もっと激しく行っても良かったなとも思うので、そこが非常に難しい。もっと激しくいった中でというところが、多分次に町田さんとやるときの改善点かなと思います」

ーー上位対下位という対決だったんですけど、町田は遜色なかったと思いますが、どのように感じていますか?
伊久間
「町田さんの試合を3試合見ましたけど、決して悪くないですし、若い選手が多いというところで、もうちょっと調整が必要なところがあるのかなと思いますけど、町田さんは若い選手を含めて自信を持ってプレーしている。誰が主力なのかまだわからないという感じもありますけど、全員が躍動してくるので、そこは本当に強みだと思います。開幕から2連敗して、(フウガドール)すみださんに勝ったんですけど、そこを見ていても別に負けるような内容の試合でもない。本当に一瞬のところ、そこは彼らが経験を積めば、もっと怖いなという感じ。決して下位とは思ってないですね」

堀内迪弥選手
ーー試合を振り返って、チームとして良かった点と反省点は?
堀内「良かった点は、やろうとしていた事が出来ていたこと。反省点は最後の局面の精度」

ーー個人としては?
堀内「良かった点はセットプレーから先制点を取れたこと。反省点は、後半は相手に脅威を与えられなかった」

ーー得点を振り返ってください
堀内「練習していた形からだったので、良かったです。高橋(広大)が良いタイミングで良いボールを出してくれて、牧野(謙心)と林田(フェリペ 良孝)がうまくマークを引きつけてくれました」

ーーチームには馴染みましたか?
堀内「チームには馴染んでいると思ってます。見ている人に馴染んでると思ってもらえるように頑張ります」

ーー自分の役割と今後の課題は?
堀内「自分はピヴォとして前線で攻撃の起点となり攻撃の幅を増やすことや、前線から積極的にディフェンスすることが役割だと思っています。課題は後半のプレー質(攻守共に)を上げること。フィジカル的なところや連携のところで、もったいないを起こさないようにしたいです」

ペスカドーラ町田 試合後会見


甲斐修侍監督
ーー試合の総括をお願いします
甲斐
お疲れ様です。湘南は、ここ数試合を見させていただいて、相当いい状態で、チームとしての精度も、一人一人のタレントも高い選手が多いので、そういう準備はしてきたつもりだったんですけど、前半はそういう印象が強くて、圧力を感じる時間帯が多かったです。途中からうちの選手たちも慣れる時間帯ができてきたので、ゲームとしてはある程度落ち着いたと思います。セットプレーのところで失点が2点もありましたが、我々のキーパーはまだ若くて経験値もないので、そこの修正は必要だなと感じています。

後半については、前半の問題を選手たちがすごく高いレベルで修正をしてくれて、前半以上の強度を保ってゲームの主導権を握る時間が多かったと思います。ただ、湘南の選手たちのタレントも局面局面で脅威になるところが多いので、そこに気をつけながら、いいバランスで長い時間過ごせたと思うんですけど、なかなか1点が取れないという時間が長かったです。改めて湘南の状態の良さを感じるゲームだったなと思います」

伊藤圭汰選手
伊藤「お疲れ様です。監督も言ったように、すごく状態の良い湘南を相手に、引き分けまで持ち込めたことは良かったなと思いますけど、やっぱり失点のところだったり、こういう難しい試合を勝てるようにしていきたいなというのはあります。また練習から頑張りたいと思います」

ーーパワープレーのゴールは素晴らしかったが、狙い通りですか?
甲斐
「そんなに長く時間を割いてパワープレーの練習をしているわけではないんですけど、状況によってちゃんと判断を変えられる選手たちがパワープレーをやっているので、それも含めて。今日は、練習でやっている形と違う形を突然やったんですけど、それもすぐに対応してくれて、1点目に繋がったのは良かったと思います」

ーー後半、選手たちが修正できたとおっしゃったが、どういう指示を出したのか?
甲斐
「内容としては、湘南さんが長いボールを多用されて、深い位置に起点を作るということを前半からされていたんですけど、そこに対してのマークのつき方だったり、対応の仕方に相当エラーが多かったので、そこはオーソドックスですけど原理原則をもとに修正をしました。後半はそういう局面は少なかった、いくつかはありましたけど、失点をしそうな状況までにはなっていなかったので、そこの修正と強度のところですね、そこで前半を上回るパフォーマンスをしてくれたのは非常に満足しています」

ーーシュートの意識が高くなっているように見えますが?
伊藤「何かあったわけではないんですけど、やっぱり勝ちたいという思いが、最近はキャプテンとして(の思い)もここ数試合強くなったというのはあります。シュートは打たないと入らないというのはあるので、最近はすごく意識してますけど、まだ点は取れてないので、精度だったりそういうところをもう少し上げていきたいなと思います」

ーー一戦一戦が大事な試合というのは大前提ですが、2007年からFリーグに参入している町田と湘南の境川決戦というところで、期するものはありますか。また次の境川決戦に向けての思いがあれば教えてください
甲斐
「湘南さんとは、ロンドリーナ時代、我々がカスカヴェウ時代からのお付き合いなので、ちょっと他のどのチームにもない感情を持たせていただいてます。試合をするというのは、選手の頃からもそうでしたし、監督になっても特別な感覚というか、そういう感覚はあります。やるべきことを変えるとかそういうことではないんですけど、そういう心情ではありますね。伊久間監督とは、お互いのいいところも悪いところも話しますし、今日のゲームの前にも話したり、普段から情報交換はしているので、勝っても負けても試合をしたときの充実感というのは特別なものが、選手時代も、監督になってからもあるなと思います。

次の境川決戦については、今日は勝ちきれなかったので、次の機会までに我々がどういう状態になっているかはわかりませんけど、しっかり勝負にこだわって、僕自身もそうですけど、選手たちが全力で本当にん勝ちにいく、そういうゲームをして、観にきていただいたお客様に響くような試合にしたいなと思います」

ーー一今日は試合前の段階では、上位の湘南、下位の町田という状況だったんですけ度、試合はむしろ圧倒していたくらいに見えましたが、ご自身はどう感じていたましたか?
伊藤
「僕らは今、なかなか勝ててなくて、順位は低いですし、湘南さんはすごく勝ってますけど、僕らはもっと上にいけるチームだと、去年も、ここ最近もずっと思っているので、順位はそんなに気にしてないです。僕らはできると思っているので、そこは変えずにこれからもやっていきたいと思います」

▶Text by 小西 尚美
▶Photo by 小西 尚美
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