試合

念入りな準備が奏功して第1戦目は名古屋が勝利

~名古屋オーシャンズ VS 立川アスレティックFC~

Fリーグディビジョン1の優勝を決めるため、3年ぶりに開催されたプレーオフ。決勝を戦うのは、リーグ1位の名古屋オーシャンズと、リーグ3位のバルドラール浦安を準決勝で破ったリーグ2位の立川アスレティックFC。最大5試合が行われ、先に3勝したチームが優勝となる。第1戦と第2戦の舞台は駒沢オリンピック公園総合運動場体育館。その後は名古屋のホーム、パロマ瑞穂アリーナに場所を移して行われる。

名古屋のリーグ戦績は、19勝2敗1分。得点90、失点32と攻守ともに抜きん出ている。しかし、2敗のうちの1つが立川との対戦によるもの。名古屋としても、ここで勝ってこの悔しい記憶を塗り替えたいところ。一方の立川は、リーグ戦における総得点はリーグ4位の65だが、失点数は名古屋に次いで少ない41。プレーオフ準決勝を含めて15試合負けなしの勢いで名古屋に挑む。

初戦の入り、立ち上がりから積極的だったのは名古屋。開始早々からゴール前のシーンを作り、強烈なシュートも放っていく。とはいえそこには、立川のゴレイロ、黒本ギレルメ選手が立ちはだかる。緊張感ある序盤は、高い位置からプレスをかけて守備からリズムを作ることを目指す立川と、多くの時間ボールを保持する名古屋という構図。徐々に立川も相手陣内へ侵入する回数を増やしていくが、お互いに最後のところは守り切って、時間が経過していく。

均衡を破ったのは、名古屋の平田 ネト アントニオ マサノリ選手。16分に、アルトゥール選手からの縦パスを右サイドで受け、ディフェンスについた皆本晃選手を左手で押さえながら右足を振り抜いて先制に成功する。立川も中村充選手や金澤空選手が惜しいシュートを放つシーンがあったが、ゴールを割ることはできず、ハーフタイムを迎えた。

2ndピリオド、追いつきたい立川が守備からリズムを作り出す。しかし名古屋の守備への意識は高く得点までは至らない。膠着した状況を破ったのは再び名古屋。前への意識が強くなった立川の攻撃を自陣で奪った八木聖人選手が、そのまま自分で運んでシュートに持ち込む。カウンターを決めてリードを広げた。

その後、立川も湯浅拓斗選手がゴール前でチャンスを迎えるが、ゴレイロの田淵広史選手が守り、ゴールを許さない。6分を切ったところで2点を追う立川がパワープレーを開始。すぐに新井裕生選手が決めて、1点差に迫った。

しかし、反撃ムードの立川の気持ちを折る得点を名古屋の吉川智貴選手が早々に決める。ボールを持ち上がって攻撃の起点となった黒本選手が出したパスをカットし、黒本選手が戻りきれないところを見定めてシュートを流し込んだ。

その後、立川もいくつかチャンスを作るものの、追加点を決められず、逆にパワープレー返しをアルトゥール選手に決められ3点差に。さらに名古屋は高い位置からプレスをかけて平田選手がボールを奪うと、逆サイドでフリーになった吉川選手へパス。吉川選手が落ち着いて決めて5-1に。立川は、最後までパワープレーで得点を狙うが、そのままタイムアップとなった。

試合後フエンテス監督は、「たくさん準備をして、この試合に臨んだ」と語った。リーグ戦での敗戦を、第1戦目の勝利につなげたというわけだ。

名古屋オーシャンズ 試合後会見


フエンテス監督
ーー試合の総括をお願いします
フエンテス
「2チームともに勝利を目指して、決勝にふさわしい試合だったと思います。最初はプレッシャーだったり、緊張感だったりがあって、自分たちがやりたいこととエラーをしないようにというバランスを探しながらの試合になりました。そこの意味合いでは自分たちはうまくやれたかなと思います。そこで時間が経つにつれて、後半8分を過ぎたあたりから、より自分たちがやりやすいようになっていったかなと思います。試合の中で起こったシチュエーションに対して、自分たちがいい反応ができて、いい対応ができたかなと思います。勝ったことはすごくうれしいですし、選手たちが頑張ってくれたことがうれしいです」

篠田龍馬選手
ーー第2戦に向けて意気込みをお願いします
篠田「まず、今日のゲームはいい試合をしたと思います。お互いにリスクをかけないような立ち上がりで、先制点を取れたことが勝利に大きくつながったかなと思います。ただ大事な1戦に勝ったことは、すごく大きなことなんですけど、まだ何も決まってないので、今日と変わらず、主導権を握って、いい戦いができるように、いい準備をしていきたいです。僕を含めて今日出ていない選手がいますけど、僕たちの役割がすごく大事だなというふうに思っているので、チームのために行動して、ピッチで戦う選手はチームのためにプレーして、それが一番大事だと思うので、個人がというよりもチームが勝つためにそれぞれの役割をこなして、明日も戦うだけです」

ーー今日、ゴレイロは田淵選手を先発に使った理由を教えてください
フエンテス「特に理由というのはなくて、チームがベストで戦うための選択だったということです」

ーー篠田選手から見て、田淵選手のプレーはどうでしたか?
篠田「田淵に関してはいいパフォーマンスしていたと思いますし、プレーオフの舞台は初めてだったのにもかかわらず、すごくいいパフォーマンスだったと外から見ても思いました」

ーーリーグ戦最終節からプレーオフ決勝まで、間が2週間くらい空きましたが、チームに何か影響はありましたか?
フエンテス「1位を決められたというのは、プレーオフ決勝に向けて準備する、いい時間ができたかなと思います。試合の中で修正しなければいけない部分というのがあった中で、それを練習できたので、そこで今日の試合でそういった部分が見てもらえたかなと思います」

篠田「選手の立場からと、プレーオフを今まで戦ってきた経験からすると、初戦は本当に苦しい戦いが、今まで今日を含めて2試合くらいしか勝ってないかなと思うんですけど、試合が空くことによって、試合の入りだったり、リズムの部分というのは、間違いなく失ってしまうところはあると思います。その中で先制点を含めて今日勝てたということは、すごく大きいですし、チームにとっても成長なんじゃないかなと、僕の立場からは思います」

ーーリーグ戦で数少ない敗戦を喫した相手とプレーオフで対戦するということで、気をつけたことなどがあれば教えてください
フエンテス「相手がすごく強いというのは敗戦したこともあり、理解しています。その中でたくさん準備しないといけないことがあって、そこで一つでも集中が欠けてしまうと、自分たちがやられてしまうというシチュエーションになると思うので、たくさん準備して、この試合に臨んだという形です」

吉川智貴選手(ミックスゾーンでの取材のため、写真はありません)
ーー会見で篠田選手がかなり固い試合だったと言ってましたが、ピッチにいた選手としてはどうでしたか?
吉川
「得点を重ねることが一番難しい試合になるのは、試合前からわかっていたし、前半はなかなか点が入らなかったですけど、自分たちにしては、プレーオフにもかかわらず、いい形で入れた前半だったので、そういった中でああやって1点目が入ったということは、チームとしてめちゃくちゃ大きかったですし、いい流れに持って行けた1点だったのかなと思いますね」

ーーディフェンス自体の手応えはどうでしたか?
吉川
「こういう大事な試合は、攻撃よりもよりディフェンスが大事になってくるので、そういった意味で上手く相手を抑えるところは、大事だったと思います。エラーは少なかった、いくつかありましたけど、それは試合なので起こりうることだし、仕方ないことなので、まあまあ1試合を通していいディフェンスをし続けることができたのかなと思っていますね」

ーー吉川選手のゴールも、時間帯も含めてかなり効果的だったと思うが?
吉川
「まあまあ、そうですね、チームとしては楽になる1点だったのかなと思います。入って良かったなっていう感じですね」

ーーパスカットから決めたシュートは、黒本選手はパスを裏へは出さないだろうという予測がありましたか?
吉川
「前半からクロがああやって上がってくるところに対して、横パスが多かったんで、どこかで狙えるところがあったら狙おうかなと思っていて。あのときはパスをつけるなって瞬間的にわかったので、先読みまではいかないですけど、読んで取りに行ったというところですね」

ーーシュートコースも黒本選手が手が届かないところに流し込んだ感じですが?
吉川
「戻りながらだったので、多分ニアの方に行くんだろうなって思ったので、ファーの方に蹴ったら入るかなと思って蹴ったら入りましたね」

ーー2点目は平田選手がだいぶディフェンスを引きつけてからパスをくれたようですが?
吉川
「そうですね、2点目はほぼマサ(平田 ネト アントニオ マサノリ)のゴールなんで。自分は何もしてないです」

ーーダイレクトで打ちましたが?
吉川
「ダイレ以外はないと思ってたので、決められて良かったです。こういう試合はゴール云々とかじゃないですし、チームが勝つことが本当に大事なので、チームの1点かなと。自分が取った1点というよりは、チームが取った1点だと思います」

八木聖人選手(ミックスゾーンでの取材のため、写真はありません)
ーー試合全体を振り返っての感想をお願いします
八木
「立川にはリーグ戦で負けていて、なかなか攻略するのが難しかったというのがこの前の試合の印象で、それを繰り返さないためにすごく準備をしてきました。試合自体は、すごくいい入りができて、先制点も取れて、いいディフェンスができていて、でも2点目がなかなか取れなかった中で、自分が取れてすごくうれしいです。失点したあともすぐに3点目が入って、その取れた時間も良かったですし、その後も相手がパワープレーを仕掛けてきたんですけど、それもしっかり対応して得点を重ねられたので、全体的に良かったかなと思います」

ーー立川の印象はリーグ戦との違いや変化はありましたか?
八木
「変化は特に感じてなくて、やっぱりいい守備をしてくるなという印象で、速い選手が多いと思います」

ーーそういう意味では、自分たちがいい戦い方ができたということで相手を凌駕できたというところですか?
八木
「プレーオフ1位が決まったときから僕たちは、すごく準備をしてきたので、今日はそれが出たかなと思います。だけど、今日出ただけで明日はどうなるか、全然わからないので、また今日の試合をしっかり分析して、明日に臨みたいです」

ーー立川か浦安のどちらがくるかわからなかった時間も長かったですが、その期間はどちらがきてもいい準備をして、立川に決まってからは立川戦に向けて練習したというところですか?
八木
「完全に、自分たちの練習というよりも、立川相手にという。今週1週間は、あんまり強度も高い練習はしてなくて、この試合をどうやって戦っていくかという練習がほとんどですね」

ーーそれがほぼ完璧に出せたというところですか?
八木
「そうですね。でも点をとった形は用意してきたものじゃない形からの方が多かったです。立川は引いてからちょっと違うディフェンスしてくるんですけど、今日点を取ったのはマサの個人のところと、パワープレー返しとかカウンターだったので、なので明日もまた難しいなという印象はあります」

ーー守備が安定していましたが?
八木
「名古屋が攻めて、立川がいい守備をしてというイメージが皆さんあると思うんですけど、一番大事なのは僕たちの守備、僕たちがしっかり守備から入るということ。今日もパワープレーの1失点だけだったし、一番大事なのは守備ですね」

ーー立川の攻撃はどう見ていますか?
八木
「速い選手が多い。若い選手が多くて速いので、そこはやっぱり注意しないといけない。それとピヴォが左利きだったり、他のチームにあんまりない特徴があるので、そこだったり。あとは奪われてからのカウンターですね」

ーー金澤選手へのカバーリングに行っていたと思いますが?
八木
「そうですね、基本的に僕と吉川さんがつくという話をして、で、カバーもしっかりついてくれるんで、今日は自信を持って対応できましたけど、明日はどうなるか分からないので」

ーー得点シーンを振り返ってもらえますか?
八木
「多分自陣の、第2PKよりちょっと前くらいですかね、奪って、僕が運んで行ったんですけど、鮮明には覚えてないんですけど、相手が前に2枚いて、味方が追い越しいく時間はないなと思ったので、そこで止まって時間を作るよりもそのままシュートに行っちゃったほうがいいかなという感じで行ったら、うまく入ったという感じです」

ーー先制してから膠着していたので、いい時間帯に追加点を取れたと思いましたが?
八木
「2点目3点目が決まらないと雰囲気もどんどんどんどん、勝ってるのに、なんかどっちが勝ってるの? みたいな状況にはなってきちゃうので、2点目3点目が、僕の2点目もそうですけど、2-1になってからの3点目は大きかったと思います」

ーー今日は西谷選手や水谷選手が控えに回りましたが、八木選手も出場できなかった時期もあって、今は調子を上げてきているところですか?
八木
「僕もプレーオフでベンチに入っていたのに1秒も出なかった年もあったので、だけど常に準備ができているのが名古屋だし、誰が出ても、今日は(水谷)颯真とかは出てないですけど、多分出ていてもそんなに変わらない戦いはできてたと思います。そこはもう監督から与えられた状況で、全員がその日の100%を出すというか。颯真も、あまり声を出すタイプじゃないですけど、今日はめちゃめちゃ声を出していましたし。(試合に出てないことは)めちゃめちゃ悔しいと思うんですよ、僕もその立場になったことあるし、すごくわかるので。それでもチームに徹してたんで、ピッチに立っている人は責任がより問われるし。そういうのは大きいですね」

ーー篠田選手が会見で自分はピッチに立ってないし、そういう選手が今日はたくさんいるけど、今後の戦いではそういう選手が重要になると言っていましたが、そういう思いを持っていながらもチームに徹しているというのが名古屋の強さでもありますか?
八木
「そうですね、出てないときはやっぱり僕も悔しいです。でもそこで不貞腐れるのか、チームに徹するのかというので、やっぱりチームの雰囲気が全然変わってくるので。特にプレーオフとかは、チーム一丸じゃないと、雰囲気に飲まれてやられちゃうと思うので。でも昔から、そういう立場の人は、不貞腐れたりしないし、今日も試合に出てない選手も試合が終わった後に、すごい走ってたじゃないですか。あれはフィジカルコーチに言われたわけでもなく、自らやってるんで。そういうのはチームに伝染するし、明日も試合に出る選手は責任があるなと思います」

ーー明日の2戦目の難しさというのは、どういったところにあると考えますか?
八木
「相手もより気合を入れてくると思うし、いろいろ疲労とかも。それは相手もありますけど、こっちもありますので、総力戦になると思うので。今日は出ていない選手もたくさんいますし、もうここからは総力戦になるかなという感じですね」

立川アスレティックFC 試合後会見


比嘉リカルド監督
ーー試合の総括をお願いします
比嘉
「強い名古屋に負けるのは、普通の結果だと思っていますけど、負け方ね、失点の仕方は、決勝をやっているような気持ちは、ちょっと伝わってこないと思うんです。失点の仕方は直さないといけない。悪いディフェンスはしてない、ボールを持ってから取られてる。そこはもっと責任を持って。気持ちを切り替えないと、明日は厳しい戦いになります。相手は強い、いつも言っているんですけど、このレベルのゲームは大人のゲームですね。大事な試合、だからそういうところに責任感を持たないといけない。時間がないから落ち込む暇はないし、しっかり切り替えて、アスレのフットサルの気持ち、明日は出せるように、切り替えていきたいです」

上村充哉選手
ーー試合の総括をお願いします
上村
「15試合負けなしで来ていて、勢いあると見られていただろうし、そこで出鼻挫かれた感はありますけど、明日は全然違うゲームになると思うし、しないといけない。今日はいい内容ではなかったので、修正して、明日勝ちたいと思います」

ーー1月に勝利しての名古屋戦でしたが、対戦して対策されているなとか、相手がやり方を変えてきたなど、実感はありましたか?
比嘉「フットサルにとって1シーズン、4月から練習をして、試合で戦ってきたことを、変更することはない。名古屋も変更しないですよ。ただ、メンタルのところは、大事な試合に慣れてないところもあります。フットサルでは、自分たちの戦術とか、攻撃の仕方は、変えられない。名古屋も変えてないと思います。ただ、1個ずつの球際のところで、決勝に勝ちたいという気持ちが足りなかった。もちろん名古屋が頑張ってないわけないけど、まずは自分のチーム、決勝に臨む気持ちでやらないといけないですね」

ーー決勝に向かうメンタリティという部分は、キャプテンとしてチーム全体を俯瞰して、どう感じましたか?
上村「ちょっと固く入り過ぎた、気持ち的に受け身になってしまったというのはあるかなと思います。アップの感じから見ていて、ちょっと受け身になっちゃってるかなっていうのは、あったかもしれないです。僕らはあくまでもチャレンジャーなんで、明日はアスレらしさを出して、頑張りたいと思います」

ーー開始30秒でセットを代えた理由は?
比嘉「30秒で代えたのは、どんな強度で試合をやっているかというのがピッチに立っている選手が、理解できなかったから。流れを変えないといけないから、早く代えました」

ーーパワープレーの金澤選手の位置が今回、真ん中のところだったのは?
比嘉「(中村)充がケガした間、空はずっとあそこの練習をしてるから。試合では使ってなかったけど、2人ともあそこで練習している。長野戦で空を使って、成長できたので、今日のオプションとして、自分は空から使いました。2人とも練習してます」

ーー皆本選手の位置は途中から中に入れていましたが?
比嘉「作戦があるんですよ。普通のピラミッドか4-1とか。相手のディフェンスのバランスを崩せるように、攻撃で狙っていくっていうところはあるけど、相手のディフェンスの読みを、うまくできなかったところがあるね。本当に、元気がなかった」

ーー最大5試合を戦うということで、コンディションの調整とメンタル面のマネジメントについて教えてください
比嘉「5試合なんですけど、1試合1試合ずつ戦いましょう、最後まで、5試合と思わず、1試合ずつに勝っていこう。あとはもう一つ、勝っても喜び過ぎない、負けても落ち込まない。コントロール、とりあえず今週ね、今日と明日、それを伝えてます。あとは、決勝は、みんな来たかった、他のチームも出たかった試合。僕ら頑張って来たところ、簡単に流さないように。あとは難しいことをやってきた自分たちの努力、やってきたことに自信を持って、決勝戦に、プレーオフに、決勝のファイナルに出しましょうと、話しているんですね。足りなかったかもしれないです。しっかり修正して、明日戦いたいです」

金澤空選手(ミックスゾーンでの取材のため、写真はありません)
ーー今日の試合の感想をお願いします
金澤
「相手も質の高いチームなので、自分たちがそれを上回るプレーをしないと、名古屋には簡単には勝てないなと改めて感じましたし、本当に切り替えるしかない。駒沢ラウンドで連敗したら厳しくなるので、明日、何がなんでも勝つために、ここから回復であったり、今日の試合の振り返りだったり含め、いい準備をしたいなと思います」

ーーチームの固さは感じましたか?
金澤
「入りはよくはなかったと思うんですけど、そこは我慢して修正できたと思います。失点したあとに、浦安戦のようにしっかり返せれば理想だったんですけど、そこはうまくいかなかったかなという感じです」

ーー金澤選手自身は、だいぶ封じられている印象でしたが実際どう感じましたか?
金澤
「自分のところのカバーが縦にも中にもいるというのは、やりながらわかったことです。ここからの試合も名古屋は同じように守ってくると思うので、どこが空いているかというのを、今日の試合を振り返って確認したいと思います。あとは同じセットの(新井)裕生とかと話し合いながら、自分のドリブル以外でどこを攻略していけばいいかというのを分析したいなと思います」

ーー縦はないなという感じでした?
金澤
「一発目仕掛けたときにめちゃくちゃ速くカバーが来たので、これはかなりそういう準備をされてるなって思いました。もうちょっと裕生をうまく使ったり、あとは自分が中に運んだときに逆の(酒井)遼太郎まで、速く飛ばせたりしたらもっと良かったかなと思います。今日の映像を見て、もうちょっとどこが空いているかを見ながら、という感じですね」

ーーパワープレーで返した直後の失点は、チームにとってもショックだったでしょうか?
金澤
「そうですね、あの3失点目は痛かったですけど、もう終わったことなんで切り替えて。多分誰ももう、そのミスに関して気にしている人はいないと思うので、切り替えるしかないかなと思います」

ーー1月の名古屋戦ほどの気迫を感じなかったですが、選手としてはどう感じていましたか?
金澤
「やっぱりやっていて、チームの中の固さは正直感じました。1試合終わったので、次は最初からいけると思います。逆にそこはもうやらないと勝てない相手なので。もっとチームで入りのところとか、戦うところを見せていかないと、勝てないかなと思います」

ーー後半は、セット構成を変えたり、変化が見えましたが?
金澤
「ボラが自分たちのセットに入るというのは練習もしていたし、想定もしていたので。ボラが入ると自分は縦・縦の関係でやりやすくなる。そこで一つゴールまで繋げられれば最高だったかなと思います。多少リスクはあると思うんですけど、点を取らないといけない状況になれば監督は選択すると思うので、やることははっきりするかなと思います」

ーー名古屋はまだ控えにもいい選手がいて、ここで3試合勝ち上がるというのは大変だと思いますけど、どう感じてますか?
金澤
「名古屋相手には、1個のチャンスを決めないと勝てないですし、自分も今日前半に1回、ラファ(田淵広史)との1対1があったので、ああいうのを決めないと絶対に勝てない。チームを勝たせるためにも自分が点を取りたいと思います」

上村充哉選手(ミックスゾーンでの取材のため、写真はありません)
ーー今日、入場したときの気持ちを教えてください
上村
「今日、決勝でしたけど、なるべくいつもと変わらないようにやろうとしてました」

ーー変わらないようにやろうということは、ちょっと意識してるというところですか?
上村
「思ったより落ち着いていたかなと思います」

ーーハーフタイムに湯浅選手と話していましたが、どんな話を?
上村
「攻撃の確認だけ。そんな新しいことをやろうとはしてないです。いつもやってることの確認をしてました」

ーーらしくないミスがありましたが?
上村
「そうですね、ちょっと判断が遅いところがあったので」

ーーうまく行ってない感覚もあるのかなと思いましたが?
上村
「うまく行ってない感覚は、ないです。いつも通り、いつも全部が全部はうまくいってないので、うまく行ってない感覚はあまりないですね。そこに目を向けると、どんどん落ちていく気がするので。うまく行ってないということはないと思います」

ーー15勝負けなしできて、今日は久々の敗戦でしたが?
上村
「15試合負けなしできていて、出鼻挫かれた感はありますけど、チームとしてはそんなことはないです。明日勝てばチャラになるので、切り替えてやるだけです。多分周りから見たらアスレの勢いがなくなったとか、折られたと思われると思いますけど、明日からが本当の勝負だと思います」

ーー以前、立川は相手の良さを消すのが上手いと言っていたが、今日できたこと、課題だったことは?
上村
「攻撃も守備も練習している形が出たところはありますし、逆に相手の良さが出たところもあったと思います。相手の良さが多く出たから、負けただけなんで、明日は自分たちの良さを出せるように頑張りたいと思います」

ーー浦安にいい勝ち方をして、今週はどんな雰囲気で過ごしたんですか?
上村
「正直、僕は、前回いい勝ち方をしたとは思ってないので。うちは内容で圧倒したという試合ではなかったと思うので、いつも通り固い試合を勝ったなという。逆に今日は、始め固い試合だったと思いますけど、それを落としたなっていうだけだと思います」

ーー冷静に?
上村
「この前の勝ちを喜び過ぎてもいないし、今日の負けに落ち込み過ぎてもないです」

ーー最大5試合を同じ相手と戦うということはどう感じますか?
上村
「それはなんとも言えないかな。そういうレギュレーションだったら、それをやる。多いとか少ないとかは、ないです」

ーー同じ相手と戦い続ける難しさみたいなものは?
上村
「目の前の相手に1戦1戦勝つことだけしか考えてないので、そこはあんまりないかなと思います」

▶Text by 小西 尚美
▶Photo by 小西 尚美
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