試合

ボルクらしさ全開!北九州がすみだに勝利

~ボルクバレット北九州 VS フウガドールすみだ~

11月5日、ボルクバレット北九州 対 フウガドールすみだの試合が福岡市のアクシオン福岡で行われた。ホームの北九州は現在4連敗中。いずれも1点差での敗戦で、なかなか良い流れを作れず10位に留まっている北九州に対し、すみだは着実に勝ち点を積み上げ2連勝中の4位。

試合開始後6分、清水和也選手が北九州の守備が戻る前に左サイドから距離のあるシュートを豪快に決め、すみだが先制。しかし4分後にはゴール前で守備に阻まれながらも前鈍内マティアス・エルナン選手が巧くボールを流し込んで北九州は同点に。その後のすみだの攻勢を小嶋義瑛選手の好セーブなどでしのいだ北九州は、第1ピリオド終了間際にジュニーニョ選手のゴールで逆転。2-1で試合を折り返した。

第2ピリオド、7分過ぎにこの日の2得点目を前鈍内選手が挙げ北九州が2点差にリードを広げたが、8分に中田秀人選手、10分には再び清水和也選手が立て続けにゴールを決めたすみだが一気に3-3に同点に追いつく。北九州としては悪い流れに飲まれそうになるところだったが、残り時間が5分を切ったところで安嶋健至選手が守備の隙をついてシュート。再びリードすることに成功した。すみだはパワープレーを仕掛けるも追加点をとることができない中、残り時間約30秒という所でファールを取られてしまう。北九州は与えられた第2PKをジョーが確実に決め5-3に。最後はすみだの攻撃を粘り強くしのぎ切った北九州が、久々に「ボルクらしさ」を感じさせる勝利を手にした。すみだの連勝は2でストップしたが、AFCフットサルアジアカップクウェート2022の決勝で先制点を挙げた清水和也選手が2得点。随所で攻撃力の高さを見せ存在感を示した。

ボルクバレット北九州 試合後会見


中嶋孝行監督

ーー今日の試合の振り返りをお願いします
中嶋ハーフタイムタイムにリードした形で折り返して、今回僕らの定位置守備、4-4の守備の所で、相手のスーパーな、フィジカルも強いピヴォが2人いてというのを分析していて。僕はこないだの試合(浦安戦)終わった後に、すみだ対Y.S.C.C横浜の試合も見に行っていました。斜めとか対角線のボールに結構刺してきていたんですよね。そこが相手の攻撃のスイッチが入る軸なんじゃないかなというところで、じゃあ対角線を上手く消していこうという、定位置の守備がひとつの勝負だよと。そこのところでまずある程度前半守れていたので、後半もしっかりやっていきましょうというのがまずひとつ。

相手も今度は定位置守備の時に僕らの陣地の縦方向のところに押し込んでくるというのがあったんですけど、その間をつけると意外とその後3対2とか、速攻とかそういうのが出来そうだというのがあったので、そこはトレーニングして、『ラインに入るな、前に行け』と指示していたと思うんですけど、そこで前向けたことでよりゴールに近づけるような局面もあったように思います。ただ、相手もそうは言っても代表選手もいますし、ポテンシャルの高い選手が多い中で、同点に追いつかれるとか、上手くいかない時こそが今日の僕らの試合の一番のカギで。戦術的にとか、そういうのがうまくいっているからこそ。うまくいかない時間にいかに耐えられるか。この前だと浦安戦もファールのカウントがたまってしまってしんどくなったとか、北海道戦もそういうのがあったりとか、もっと言えば長野戦もハンドとられるとかそういうのをコントロールできないところが多かった。後半そういう時間になった時まずは定位置守備をしっかり揃えよう、たとえば相手をどうやって崩そう、運ぼうというというのを2セットやったんですけど、それをちゃんと理解して最後まで徹底してやれたかなというのが一番の効果を感じているところです。

自分たちがやるべきことにみんながフォーカスして、自分の役割、局面の仕事をしっかりやってくれたのが勝利に繋がったのかなというのはありますね。もう一回自分たちのやるべきことを振り返って、自分たちの強みとは何なんだろうとか、よりメンタル的にもブレずに向き合った成果があったのかなという感じはしましたね。

最後にはまだまだここからだぞという話はしましたけれども、これで満足してああ良かったではなくて、自分たちのやるべきことにフォーカスしてブレずに、最後の最後までどんな結果であろうとボルクらしかったよね、最後まで走ったよね、頑張ったよねというのが見る人に伝わるので、それはちゃんとやろうと。今回は勝った状態でパワープレーを受けるシーンで粘ったとか、ああいう姿もボルクらしかったと思うし、よしここは守り切ろうというタフさというか強さというか、そういうところですよね。

チームスタッフも含めて、ようやくそれぞれの役割でうまく動くようになってきたというか。笑いをとる役目の人だったり、そういうチームのいいクッションになったりする人もいたり、ブラジル人たちも今まではどっちかっていうと自分のやりたいことをやるというようなスタンスな感じもあったんですけど、でもかなり自分がやらなきゃいけないことは何なのか?っていうところにもフォーカスしてきたし、みんな自分の『何をしなきゃ』っていうのが明確になってきて。なおかつ試合に勝てたって言うのは、こうやったら良かったんだっていうところを感じられたって言うのは勝ち点3以上に大きいのかなと思います。我慢する時間をしっかり我慢出来たり、自分たちの強みをどう生かすという所にフォーカスしたり、相手の弱みに対してどうやっていくかをしっかり向き合ったりとか、そこをそれぞれがしっかりと出せて良かったのかなと。

ダイエットしようと思ってずっとジムに通ってて、3㎏くらい落ちたらよし、頑張って続けようってなりますけど、そこに至るまで時間がかかるとめげそうになる。成果が出ればまた頑張ろうという意欲がわく。そういうものですよね」

ーー後半戦に向けて
中嶋「今までが1点差とかで勝てそうだけど勝てない、先制しても勝てない、追いつけそうなのにあと少しで追いつけない、そういう試合が多かったので、その先でようやく勝てたというのは大きい。フウガさんは強い。そういう相手に勝てた。代表選手も代表経験者もいるし、元々持っているフウガというブランドを受け継いだ選手もいるし、そういうチームに対して勝てたというのは選手にとって自信になるのかなと思います。

次はアウェーで湘南ですが、とにかく練習する時間がないですよね。木曜に移動して金曜試合なので。まずはけが人とか選手のコンディション見ながらやっていく。中断期間前までは僕も相手チームの事を割と気にしていたんですけど、相手より自分達だと思って。自分たちのやるべきことにフォーカスして、相手に合わせてどうでるではなく、自分たちはこうだから相手は変えてくるでしょくらいでいこうと。僕がコーヒー屋やってて、お隣がうどん屋さんやってて、お隣が繁盛してるから僕もうどん屋やろうじゃなくて、コーヒー屋ならコーヒー屋の持つ良さをもっと押していこうという。相手に合わせ過ぎずに自分たちの持っているもので相手に対していった方が今日も上手くいったというのがありますから。選手たちも自分たちの良さが結果に繋がらず葛藤があったと思いますけど、ようやく自信になったかなと思います。最後まで走る、最後まで体投げ出す、パワープレーの守備でも守り切る、一瞬一瞬集中して取り組む。僕らの持つべきマインドだと思うので。そういうところを見せていければと思います」

ジョー選手
ーー今日の試合の振り返りをお願いします
ジョー「いつも大変なんですけど、今日もまた大変な試合でした。これまでも大変な思いをしてもなかなか結果に表れなかったんですが、今日は結果に繋がったのが良かったなと思います」

ーー上位のすみだを相手に気を付けなければいけないところはありましたか?
ジョー「相手のあることですが、まずは普段と同じように、勝ち点を積み上げるということ。ずっと勝利から遠ざかっていたので、今日は色んなところがうまくはまり始めたという感じがあり、それが勝ち点3に繋がったと思います」

ーー最後PKを任されていました
ジョー「あの場面が生じた場合、自分がPKを任されるということを想定してずっと準備してきました。それは特に僕のポジションからしてもわかっていたことですし、絶対に自分が決めるんだと思って準備していました。何にしても試合の為に準備するということは大切です。この試合で何が起こるかということを想定して常に準備することが大事ですが、準備しているからといって必ずうまくいくとは限りません。何故なら相手のキーパーも準備し、練習しているからです。今日は勝利に貢献する結果になって良かったと思っています」

ーーチームは苦しんでいたが、ジョー選手自身は?
ジョー「こういう状況をあまり経験したことがありません。今まで所属してきたチームはトップを狙うようなチームで、僕のキャリアの中では、下位で争っているチームでやるのは初めてのことです。やはり大変だし、今回僕だけでなく、みんな背中に重いものを背負っていた。今日は勝利して、一旦色んなものを全て降ろしてまたすぐに次の試合に向けて準備し、勝ち点を積み上げていかなければいけない。

そろそろ僕らもやらないと、とみんな思っていました。最近はあと1点、もうちょっとというところまではいけていた。でも今日も3-1から3-3にされたところは反省しないといけない。今まで起きていた場面が蘇って来て、またかという風にもなったけれど、最後の最後まで諦めずにやるということが大事なので。(安嶋)健至にも言ってたんですけど、僕にボールが入ったら信じて走ってくれと。そして僕のことを信じて走ってくれました」

ーー次戦に向けて意気込みをお願いします
ジョー「本当に準備です。忘れてはいけないのは、今日の勝利が最初で最後じゃないということです。簡単な試合はひとつもありません。来週は湘南で、また大変な試合になるというのは分かっています。でも不可能はないと思っています。それに対してどれだけ準備できるかということ。いい試合をして、彼らが取ろうと思っている勝ち点を、逆に僕らが奪い取ってやろうということです」

前鈍内マティアス・エルナン選手
ーー2得点について
前鈍内「本当に今チームでけが人が多く、ピヴォ2人も怪我していて、ジョーしかいなかったので、監督からピヴォやって欲しいと言われていました。ピヴォというポジションは相手のゴールと一番近いポジションになるので、得点というシーンが増えるし、それを自分が決めないといけない役割になるので、これからそういう得点シーンをどんどん増やしく選手になりたいですし、そこを意識したいです」

ーー今日の勝利について
前鈍内「4連敗、1点差でなかなか勝てない試合が続いた中、一丸となって戦った試合だったし、ある意味自分たちにとってはいい試合だったので、このまま流れに乗っていきたいという気持ちがすごく強いです。

清水和也選手は日本代表というだけでなく、スペインでもすごく活躍していた選手だし、スペインでの試合もよく見ていたんですけど、スタメンで出ていたくらい若くてポテンシャルも高いすごい選手で、彼と対戦するのも楽しみでしたし、去年一緒にプレーした清水誠也選手と対戦するのも楽しみだったし、名古屋で一緒にやっていた星龍太選手とも対戦できた。色んな意味ですみだは素晴らしい選手が集まっているチーム。そこに対して自分たちがやらないといけないことをやって勝利するというのがあって、それが出来たのは良かったと思います。

3-1で勝っていたのに、3-2になって3-3になって追いつかれて、時間帯もそうだし、試合の流れで2点差から追いつかれるというのが自分にとって良くなかったです。追いつかれるというのは相手のペース、勢いにのまれてしまうというのもあるんですけど、そこでしっかりみんなでブレずにしっかりと3-3からの4-3にできたのは良かったですし、チームも成長できているのかなと思います」

ーー次戦に向けて意気込みをお願いします
前鈍内「今日の試合で前半の12試合終わったので、これから後半が始まるので、しっかりと自分たちのやらないといけないことをやっていくのもそうだし、結果にこだわって、今日みたいな試合が増えるように意識していきたいと思います。

今日の試合でチームとして結果を出せたので、最低限今日の試合のパフォーマンスを出せるよう、しっかりと練習から意識して今日以上の試合を目指して頑張りたいと思います」

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Text by 東 恭子
Photo by 東恭子
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