試合

関西王者・SWHが全日兵庫県大会で順調な船出

~関西大会出場チームが次々に決定~

右サイドを駆け上がったSWHフットサルクラブの高橋(5番)がファーポストを目掛けて低い弾道のパスを送った。走りこんだ佐々木(9番)が高速パスに反応してボレーで合わせると、ネットを揺らした。前半16分、微妙に狂った歯車がようやく噛み合った先制弾だった。

12月8日に開催された全日本フットサル選手権(全日)の兵庫県大会準々決勝。関西リーグ1部で首位を走るSWHが全日の初戦を迎えた。

昨年の兵庫県大会で10連覇を果たし、関西大会も勝ち進んで関西地域第1代表として全国大会に出場した関西の雄・SWH。シードのため、県大会準々決勝から登場し、兵庫県1部のDesafio Homme(以下、デサフィオ)と対戦した。

試合の序盤、SWHはピヴォを置く「3-1システム」を基本にしながら、FP4人で流動的にパスを回そうとするが、呼吸が合わず、パスミスが目立った。審判の微妙な判定にもイライラを募らせ、なかなかゴールを割れない中での先制点だった。前半18分にはコーナーキックからの攻撃で、前野(6番)が中央からトーキックで2-0にして前半を終えたが、久しぶりの公式戦でチームは本調子ではなかった。

しかし後半は修正し、人とボールがよく動く、いつもの美しいパス回しに戻ると、デサフィオを圧倒。後半3分、前半に好セーブを連発したデサフィオのゴレイロがシュートをはじいたが、こぼれ球をSWHの佐川(23番)が中央から決めて3-0にすると、後半9分までにさらに4点をたたき込む怒涛の攻撃だった。

サイド突破からのファー詰め、カットインからのミドルシュート、ロングボールからのヘディングシュートなど多様な得点シーンで会場を沸かせ、王者の貫禄を見せつけた。

一方で、デサフィオも球際で激しさをみせ、SWHに臆することなく立ち向かった。次々にシュートを浴びせたが、SWHのゴレイロ森田(11番)が冷静に対処する。

後半の中盤以降は、森田が退いたゴールに襲いかかる。後半11分に山本(15番)が巧みな反転から左サイドでボールを運び、左足を振り抜いて1点を返すと、さらに後半16分に大久保(10番)がゴレイロとの1対1を沈めて2点目を挙げ、見せ場を作った。

試合はSWHが7-2でデサフィオを下し、ベスト4に進出。準決勝では甲南大学(県1部)と対戦する。

ほかの準決勝はカンカンボーイズ(県1部)vs 神戸大学(関西2部)で、全日本フットサル選手権関西大会出場の3枠をかけ、12月14日に準決勝、決勝戦を行う。(文中、敬称略。記事は12月8日時点)

全日関西大会の出場チームまとめ


近畿2府4県での府県大会は兵庫県大会を除いて終了し、関西大会への出場チームがほぼ出そろった。

関西大会への出場枠は前年より拡大され、大阪4、兵庫3、滋賀3、京都2、奈良2、和歌山2の計16となっている。

大阪はジャグランカ(関西1部)が5-1で、パスドゥーロ田辺(関西2部)を下して悲願の初優勝を飾った。準優勝のパスドゥーロ田辺、ミキハウス(関西1部)、フエルテ大阪(関西1部)の4チームが駒を進める結果となり、関西リーグ所属のチームが独占した。

滋賀はMIOびわこ滋賀(関西1部)が4-2で立命館大学を下して優勝、立命館とともに、3位決定戦を制したびわこ成蹊スポーツ大学が出場権を獲得し、大学勢の活躍が目立った。

京都は決勝で6-6からのPK戦を制した同志社大学(関西1部)、惜しくも準優勝となったフゴウ京都(府1部)に決着した。関西1部のリンドバロッサとフュンフバイン京都が出場を逃すハイレベルな争いになった。

奈良は7-5で乱打戦を制したバディ(関西2部)が優勝し、準優勝のコンフィアンサ(県1部)とともに進出する。関西2部で首位を走るドントハフトゥはバディの壁を乗り越えられなかった。

和歌山はセットスター和歌山(関西2部)が5-5からPK戦を制して12連覇を達成し、セットスターを追い詰めた準優勝の大三元(県1部)とともに出場する。

前回はSWHとフエルテ大阪が手にしたわずか2枚の全国切符をかけた関西大会。1月4日は大阪・岸和田市総合体育館、5日は大阪・堺市原池公園体育館、19日は大阪・千島体育館で行われる。

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