試合

1点が遠かった湘南、境川決戦は町田が勝利

~ペスカドーラ町田 VS 湘南ベルマーレ~

12月4日(日)、ペスカドーラ町田と立川アスレティックFCは、町田のホームアリーナ、町田市立総合体育館でFリーグディビジョン1第15節を共同で開催。第1試合には町田が湘南ベルマーレを迎えて、境川決戦と銘打たれた、Fリーグ創成期から続く伝統のダービーマッチに臨んだ。アウェイ湘南から足を運んだサポーターを含め、訪れたファン・サポーターは、1,689名。町田のホーム動員記録を塗り替えた

現在リーグ3位の町田は、2位のバルドラール浦安と勝点5差。湘南は、3位町田を勝点3差で追っている。勝って3位をキープしたい町田と、勝点3を積み上げて町田に追いつきたい湘南のプレーオフ進出に向けての大事な一戦となっている。前節はお互い3位を争うグループを構成するチームに引き分けていることもあり、ここで勝って3位グループの集団を小さくしたい狙いもある。

アグレッシブな守備からの切り替えの速さや、惜しみなく走る運動量の多さは両チームの共通点。試合の滑り出しは、主導権を握るべく、ホーム町田が速いプレスで湘南の攻撃の意図を封じるところから始まった。中盤で攻守が激しく入れ替わる中、ボールを奪い切ってゴール前に持ち込んだのは、町田の遠藤颯選手。自身リーグ初ゴールを湘南のゴレイロ、フィウーザ選手が立ちはだかるのをものともせずに決めて先制した。

湘南のフィウーザ選手は、昨シーズンのベストファイブに選出されたゴレイロ。折り紙付きの実力の持ち主だ。一方の町田のゴレイロ、ジオヴァンニ選手も、中断期間中に加入したにもかかわらず、守備範囲が広く、攻撃の起点にもなることで町田の戦い方に変化を与えた選手として注目され、両チームのゴレイロもこの試合の見どころとなっている。

早々に失点した湘南もまずは同点に追いつこうと、立て直しを図るが、シュートを打ってもディフェンスが素速く戻るのと同時にゴレイロのジオヴァンニ選手が壁となり、得点を奪えない。1失点を喫した湘南も体を張った守備と最後はフィウーザ選手が守りきり、追加点を許さない展開。両チームともチャンスは作りながら得点として実らないまま、町田が1点をリードしてハーフタイムを迎えた。

2ndピリオドは湘南が修正を図って、攻撃のリズムに変化を加えてスタート。町田は変わらず高い位置からのプレスをかけて攻撃に結びつけていく。忙しく攻守が入れ替わる中、得点を奪ったのは再び町田の遠藤選手。今日2得点目を決めて、リードを広げた。チャンスを作りながらも得点に結びつかない湘南は、6分強を残したところでパワープレーをスタート。まもなくアグレッシブな町田のパワープレー守備を崩して堀内迪弥選手が得点し、1点差に迫った。その後も湘南が攻め続けるが、町田はタイムアウトを取得し、守備の連携を確認。その後は町田が1点のリードを守り切り、タイムアップを迎えた。

この結果、町田は3位をキープ、湘南は7位に。3位グループは、勝点29の町田を先頭に勝点23の湘南まで勝点差6の中に5チームがひしめく激戦状態。プレーオフ進出をかけて、一戦必勝の戦いは続いていく。

ペスカドーラ町田 試合後会見


甲斐修侍監督
ーー試合の総括をお願いします
甲斐
お疲れ様です。今日は、今シーズン調子のいい湘南との試合だったので、町田としてはアグレッシブに戦うということで、選手たちがスタートから本当にいいパフォーマンス、いい強度でゲームを進めてくれて、湘南の良さだったり、ゲーム前に話していた内容をかなり高いレベルでこなしてくれたので、本当に見ていて安心できるゲームでした。追加点がなかなか取れなかったので、ちょっと苦しい時間というかはありましたが、今後はそこら辺が課題かなと、もう少し決定力というところは、これまでもそうですけど、これからそういうところをしっかり上げていけたらなと思います。以上です」

伊藤圭汰選手
伊藤「お疲れ様です。難しい試合を勝つことができてよかったです。先週は引き分けてしまって、僕らがもっと上に行くためには、勝ち続けないといけないと思うので、これからもまたみんなで頑張って、また来週も難しい試合ですけど、勝てるように頑張ります」

ーーセット交代のタイミングがほぼ同じでしたけど、堀内選手に当てていくような意図ですか?
甲斐「そうですね、相手のタレントに合わせてうちの選手たちのセットを合わせるということは、スタートからやってました」

ーー試合前に話していた内容というのは、どういったことですか?
甲斐「まさに今言われた湘南さんのセットで、特徴的な選手に対して、いかに特徴を消すかというところで、そこが1試合通して高いレベルでこなすことができたのかなと思います」

ーープレーオフ進出にむけてライバルとなるチーム同士の直接対決でしたが、相手チームはロドリゴ選手という強烈な点取屋がいる中で、どうやって封じ込めるかを考えましたか?
甲斐「そうですね、今おっしゃられた通り、ロドリゴの特徴だったり、ストロングポイントを消すために、今回はうちの髙橋(裕大)が1試合を通して対応するということと、その他、特徴のある選手たちがいるので、そこら辺はその長所を出させないための対策と言いますか、想定でゲームを準備してきたんで、そこはある程度はこなせたかなと思います」

ーーディフェンスを固めながら、隙を見て攻撃を仕掛けていくように見えましたが、ディフェンスありきのスタイルでしょうか?
甲斐「僕らのスタイルは、まずアグレッシブなディフェンスから、相手の長所を消すというのが大前提にあって、攻撃というのはその先のことになります。まずはかなり高いレベルでディフェンス力というところをしっかりキープしながら、我慢のゲームというのをずっとこれまで続けてきましたし、今日もそういうゲームになるという話をしていました」

ーー難しい試合と言っていたが、終始主導権は握っていたように見えましたが?
伊藤「僕としてはそんなことはなくて、2点のリードはありましたけど、パワープレーで1点やられてしまったので、そこからのディフェンスの時間が長くなったり、相手の攻撃のいいところもたくさんあるんで、そういう部分で難しい試合でした。最後の方のフリーキックとかも決まってもおかしくないようなシーンだったので、そういう意味で難しい試合でした」

ーー今日の観客数はペスカドーラとしては1位という動員で、応援の空気感も盛り上がっていい雰囲気でしたが、選手としてはどのように感じましたか?
伊藤
「選手としてはやっぱりいろんな方に見てもらって、たくさんのお客さんの中でプレーすることは、改めて幸せだなと感じましたし、ホームでは負けたくないという気持ちが強くなるので、すごく幸せな時間でした」

ーー声出し応援が段階的ですが戻ってくることへの期待や思うことがあったら教えてください
伊藤
「声が出る方が、一つ一つのプレーに反応がありますし、ゴールを決めたときとかはやはり声があるのとないのでは、違う空間になると思うので、すごく楽しみです」

湘南ベルマーレ 試合後会見


伊久間洋輔監督
ーー試合の総括をお願いします
伊久間
境川決戦ということで、Twitter等でいろいろ盛り上げていただいた中、我々としては最初の失点が非常に痛かったです。全体的にはチャンスも作れていましたし、パワープレーで追い上げることもできたので、そういう試合もあるということで、そんなに悲観することではないですが、プレーオフ争いに関しては、ちょっと(勝点差を)開けられたとは思っていますので、ここから巻き返せるように、切り替えてやっていければと思います。以上です」

フィウーザ選手
フィウーザ
「今日の試合、難しい。負けたけど、いい試合。ベルマーレと町田、みんな頑張った。チャンスはあったけど、ゴール決めてない。前半、最初ちょっと間違えた。ポテンシャルはあるけど、今日の試合は終わった。次、頑張ります。今日、僕たちは寂しいけど、次、頑張ります」

ーー前半早い時間帯に失点して、前半は立て直せなかった印象でしたが、後半に向けてハーフタイムにどんな修正をしましたか?
伊久間
「立て直したつもりなんですけど、それがうまくいかないのが今日のゲームだったというところじゃないかなと思います。ただ、町田さんの勢い自体は、後半はおそらく消えていたんじゃないかなと思いますし、チャンスも作れたと思います。やはり町田さんのホームということで、彼らの勢いというのは非常にありました。ハーフタイムの指示は、ロングボールだけではなく、しっかりボールを動かして、マークのズレを起こさせようと。そこに関しては、いくつかチャンスが生まれていたし、後半に関しては(堀内)迪弥をうまく使って、ピヴォ攻撃もできたんじゃないかなと思います。スコアを動かせなかったことで修正できてないと取られるかもしれないですけど、内容的にはもう少しのところまでいけたんじゃないかと思います」

ーー順位が近いチーム同士、プレーオフ進出をかけての難しい試合でしたが、監督としてはまずどういうプランで臨まれましたか?
伊久間
「やはり先制点、いつも言っているんですけど、うちは先制点を取ると1試合も負けてないんですよ。だからまずは、相手の勢いというのは最初からくるだろうという想定のもと、そこでプレスがかかる状態があるかもしれないけれども、うまく裏を使ったり、最初はロングボールが多くなるかもしれないですけど、ゲームが落ち着くまではうまく立ち上がれるようにという話をして臨みました。その後、10分過ぎでうまくチャンスが作れていけば先制点を奪って、前半1-0とか、もしくは0-0でも、後半の前半を点が奪える1つのポイントとしていました。もしくは点を奪われることになれば、追う展開になりますし。そういった節目節目のところを注意しながらゲームを運ぼうと考えていました。当然、同点であれば点を取りに行って、勝点3を取りに行こうと思っていました。そこはお互いそうなんだろうなと思います。そういったプランでした」

ーー攻守の入れ替わりが激しく、リズムが速い展開の中で、ミスも起きやすい状況でしたが、落ち着かせるような修正はできなかったですか?
伊久間
「先ほども言いましたけど、ボールを後ろでしっかり回したり、ピヴォ攻撃をしっかりすることによって、時間をしっかり作れると、そういう指示はしていました。しかし、やっぱり町田のディフェンスは、プレスが速いんで、そういう展開になってもしょうがないかなというところだと思います」

ーーゴレイロがフィウーザ選手のように枠内にシュートが打てる選手の場合、パワープレーでフィールドプレーヤーを入れる意味があるのか、どういうふうに考えますか?
伊久間
「いろんな考えがあるんじゃないかなと思いますし、うちはパワープレーを始めて1点取れましたし。2点取って追いつけたら相手にプレッシャーがかかりますし、そういった展開になれば相手もパワープレーをするかもしれない、そこでうちは逆転できるかもしれないという想定のもと、パワープレーに関してうちが持っている戦術というのはそれなので。今後は、フィウーザ選手を使ってシュートを打たせるというのも、参考にさせていただきます(笑)」

ーー声出し応援の段階的導入がリーグから発表されて、運営検証試合に湘南が対象になっていますが、改めて声出し応援についてコメントをお願いします
伊久間
「スポーツというのは当然、競技者がいて、応援する人がいて。応援する方々というのは、おそらく勝ったり負けたり、点が入ったり、取られたり、それを見て、声を出したり。非日常を味わうために、見に来ていると思います。それは1つのエンターテインメントなので、やっぱり声出し応援が戻ってくることにより、我々も生の皆さんの声、鼓舞する声もあれば、ヤジが飛んでくるかもしれませんけれども、それがやっぱりスポーツのいいところですし、それが戻るというのは素晴らしいことだと思います。それを我々のクラブが最初に、日本は誰かがやらないとやらない国なのかなというのもありますし、そこで言えば我々が先頭に立ってできるということは、非常にうれしいです。うまく成功すれば、フットサルだけではなくて、他の室内競技にも波及するかもしれませんし。コロナ禍で沈むようなことも、そういうことを楽しみに変えていただくことができるんじゃないかなと思うので、我々も非常に楽しみにしています」

ーージオヴァンニ選手とは初めての対戦でしたが、同じブラジル出身ということで意識することはありましたか?
フィウーザ
「ジオヴァンニ、いい選手、いい人。今日、いっぱい止めた。いいキーパー」

鍛代元気選手
ーー試合全体を振り返っての印象をお願いします
鍛代
「お互いにやりたいことをやろうとした試合だったように感じました」

ーーその中で、よかったことは?
鍛代
「個人的には、相手のプレスに対してのパスラインをつくるサポートが機能したように思います。チームとしては、試合中に自分たちで課題を見つけ改善を図ろうとする会話があったこと。最近、出場時間が短い選手にも時間が与えられたこと」

ーー課題と感じたことは?
鍛代
「個人的には、プレス回避のサポートに回ることに意識を持っていかれるとゴール前でプレーする時間が短くなること。チームとしては、後ろが2枚で広がった状態で横パスをさせられることでプレスにかかりやすくなってしまうこと。また、ロングボールが多くなってしまうこと。ボールを前進させることに注力しすぎて、相手陣地で押し込んでプレー時間を増やすことに力を注げていないこと」

ーー前半は守備がはまらないのかなという印象があったが、ピッチの中で感じたことは?
鍛代
「守備がはまらなかったという印象はなかった。守備からの攻撃という意味ではチャンスはいくつか作れたが、前へ走り出す選手と後ろへ戻って落ち着かせたい選手とがいて、そこが噛み合ってなかったと思います。相手ピヴォへのパスを切りたいシーンはいくつかあったが、当たったところでうちのフィクソが対応できていたので問題はなかった。ただ、相手陣地ではもう少しプレスは連動したいと思います」

ーーピッチの中での修正など、選手同士で声がけなどはされましたか?
鍛代
「ピッチ内では、セットプレー時の配置の調整をしました。修正等はベンチに戻ってからしました。主には相手のプレスに対する回避について、ピヴォ(本田真琉虎洲)にボールが入ったときの関わり方についての2つです」

ーー町田のゴレイロが能力が高いというところで、ゴール前で少しナーバスになっているようにも見えましたが、実際はどうでしたか?
鍛代
「僕自身はシュートシーンを作れてませんのでゴール前で何か特に意識することはありませんでした。確かに質の高いキーパーでしたが、うちのゴール前での作り込みの質もあったかと思いますので、メンタル的な問題とは捉えていません」

ーーまずプレーオフ進出が目標になると思いますが、今後に向けて意気込みをお願いします
鍛代
「単純に勝点計算をするのであれば、残り試合全部勝つ!つもりでやります。そのためにも毎試合、毎セッションのトレーニングで個人が成長していくことが重要になると思っています。過ぎた結果にとらわれず日々成長していくマインドで望みたいと思っています」

ーーリーグが声出し応援の段階的導入について発表し、12月17日の小田原アリーナでの試合が運営検証試合となり、声出し応援が実施されます。選手として声出し応援に対する思いを教えてください
鍛代
「トレーニングマッチで試験的に開催しようとしてくれたこともうれしかったです。リーグ戦では、引退前に声出し応援は無理かなと思っていたので、かなりモチベーションになります。誰かがやろうとしないことには物事は進まないので、クラブのそのチャレンジングな姿勢はすごく良いと思います」

ーー声出し応援について、サポーターに期待することはどんなことですか?
鍛代
「スピーカーからの擬似的な声ではなく、できるだけ多くの本物の声の力で一緒に戦ってほしい。その試合ではゴールを決めるので元気チャントを歌ってもらいたいです」

▶Text by 小西 尚美
▶Photo by 小西 尚美
▶Photo by 湘南ベルマーレフットサルクラブ
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