試合

攻撃力を支える盤石の守備で名古屋が2連勝し、優勝へ王手

~名古屋オーシャンズ VS 立川アスレティックFC~

2月19日(日)、Fリーグディビジョン1の優勝を決めるプレーオフ決勝、第2戦が前日に引き続き、駒沢オリンピック公園総合運動場体育館で行われた。1戦目は、名古屋オーシャンズが5得点を挙げ、1点のみにとどまった立川アスレティックFCを下している。最大5試合が行われ、先に3勝した方が優勝となる。立川はここで勝利し、翌週末に予定されている3戦目以降をイーブンな状況で迎えたいところ。

第1戦ほどの固さは感じさせずに入った試合は、立川も序盤からシュートまで持ち込むシーンを作る。とはいえ名古屋は攻守にアグレッシブ。いい形で攻め込ませない守備を見せる。先制は、この試合も名古屋。最後尾の安藤良平選手が前線のダルラン選手へパス、ダルラン選手は中央へ走り込んだガブリエル ペネジオ選手へパスを送り、そのままゴールを奪う。その1分後、1点目の起点となった安藤選手がカウンターからゴールを決めて、リードを広げた。

追う展開となった立川もゴレイロの黒本ギレルメ選手がボールを持ち上がり、数的優位を作りながら得点を狙う。ゴール前にパスを送り、惜しいシーンも作るが得点できないまま時間が経過すると、再び名古屋が得点。14分に立川の金澤空選手がドリブルで仕掛けたところをアルトゥール選手が奪ってゴール前へ。このシュートは防がれたものの、こぼれたボールをアンドレシート選手が決めて3-0に、さらにその約2分後にペネジオ選手が再び得点し、合計4点を奪って前半を折り返した。

2ndピリオド、得点へより強い意欲を見せたのは立川。黒本選手が攻撃の起点になる形を何度か作る中、左サイドの金澤選手へパス。金澤選手が縦へ突破し、ゴール前にボールを送ってオウンゴールを誘い、1点を返す。その後、スコアレスの時間帯が続くと、6分を切ったところで立川がパワープレーを開始。あと一歩のところまで持ち込みながら得点できずにいると、逆に名古屋のゴレイロ、田淵広史選手がパワープレー返しで得点する。しかし、立川は諦めずにパワープレーを継続。残り33秒を残したところで皆本晃選手が得点し、一矢を報いる意地を見せた。

とはいえ立川の反撃もここまで。この結果、名古屋は優勝へ王手をかけ、立川は、崖っぷちに追い込まれることとなった。3戦目以降は、場所を移してリーグ1位の名古屋のホームで開催される。3戦目で優勝が決まるか、4戦目以降にもつれこむか、3戦目こそ見逃せない一戦となる

名古屋オーシャンズ 試合後会見


フエンテス監督
ーー試合の総括をお願いします
フエンテス
「コンプリートな試合だったと思います。試合の中で、昨日と似たようなところもあって、40分間細かいところを常に気をつけながらやっていかないと、やられてしまう可能性もあったんですけど、40分間しっかり戦えたところが勝利につながったかなと思います」

篠田龍馬選手
篠田「昨日に引き続き今日もいい試合ができて、チームの状態としてはすごくいい流れで次に行けることがすごくポジティブなことだと思います。ですが、立川の方もこの1週間で立て直してくると思いますし、次の第3戦目は相手は崖っぷちなので、また違った難しい展開になると思いますが、こちらもそれを跳ね返す準備をしっかり第3戦に向けてしていきたいと思います」

ーー相手に流れを渡さなかったのは、守備の固さがあったからだと思いますが、今季の手応えと、力を入れたところがあれば教えてください
フエンテス「相手は個人で質の高いチームですし、戦術的にもすごくいいトレーニングをしてきていると思います。相手の2セットは、似ていますが、すごくスピーディな攻撃をしてきます。自分たちはスペースをうまく消して相手の攻撃がうまくいかないように、相手が慣れていないようなシチュエーションでプレーさせる守備をしました。フィジカル面やメンタリティや戦術は、シーズンを通して全員が練習をしてきました。今日は1失点しましたが、昨日の試合から引き続き緊張感や疲労がある中でも、10点満点に近い守備ができたからこそ、失点を少なく、主導権を握れたのかなと思います」

ーー今日立川が実際にやり方を少し変えてきたと思いますが、その対応については?
フエンテス「相手が変えてきたところは、キーパーを上げてきた部分かなと思います。昨日の4対4のところであまりうまくいかなかったところがあったと思うので、そこでキーパーを上げて数的優位を作ってきたのかなと思います。そういう攻撃に対しても自分たちは準備をしてきましたし、試合の中でうまくいかなかった部分というのは試合の中で修正をかけて、そこに対してはいい守備ができたのかなと思います」

安藤良平選手(ミックスゾーンでの取材のため、写真はありません)
ーー試合全体を振り返ったところの感想を教えてください
安藤
「昨日の勝利があったので、立川側の気持ちとしては、イーブンにして来週を迎えたいなというのがあった中で、試合を壊しにくるじゃないですけど、そういう勢い、捨て身のディフェンスみたいなことをしてくるなという想定をした中で、そっちの勢いに掴まってしまった時間帯もあったと思うんですけど、それは想定内で、自分たちは自分対のプレーをしようという立ち上がりでプレーしてました」

ーーその勢いに掴まったというのは、立ち上がりで立川がシュートシーンまで行っていたところですか?
安藤
「でも嫌な形で打たれているイメージではなかったので、ある程度やらせて、自分たちは自分たちの時間がくるように、我慢強くやる、まずはディフェンスだと思っていたので。嫌な位置でシュートを打たれてないっていうところは、いいディフェンスができていたということだと思います」

ーー立川は、昨日よりゴレイロを上げるシーンが多かったですが?
安藤
「点差が広がってくるとキーパーを上げて、ラインを上げて。僕たちの陣地でプレーをしたいというのはきっとあったと思うので、そこでちょっとイレギュラーなシーンはあったかなと思うんですけど、試合の中で修正して、みんなが成長しながら戦えてたかなと思います」

ーー試合の中でも成長していくんですね?
安藤
「そうですね(笑)」

ーー得点もして、攻守に活躍されていましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか?
安藤「ゴールシーンは、カウンターの状況で僕もちょっと高い位置にいて、走り込んだいいタイミングでパスが出てきました。走っているときにディフェンスと並んでいたのでファーストタッチ前に運んだら、そのままゴールまで向かっていけるイメージがありました。いいトラップから右足で、印象として黒本は下の方が苦手かなというのがあるので、コースもうまく、ファーの下、サイドネットに入ったので、イメージ通りかなっていうのがあります。ああいうプレー、あんまりしないんですけど、入ってよかったです(笑)」

ーー守備の部分で何か意識したことはありますか?
安藤
「ポジション的にも、どっちかというと守備をメインに考えています。攻撃でキャラクターを出せる選手がたくさんいるので、守備を安定させることが僕の1番の仕事だと思っています。その中でこの2試合は、ある程度ピヴォに仕事をさせる時間帯はなかったのかなと思っているので、うまくコントロールできたかなと思います」

ーーフエンテス監督が会見で10点満点に近い守備と言っていましたが、普段は褒めることは少ないですよね?
安藤
「あんまり褒めないですね」

ーーこの2試合は、手応えを感じているのでは?
安藤
「連戦だと前からプレスをずっとというのはなかなか難しいので、ハーフコートに引いたときは、ある程度やらせるっていうイメージは持ちながら、相手が焦れたところで取ってカウンターというのでゴールも生まれてましたし、前からいく状況と引いてある程度やらせてっていうので、相手にシュートまで行かれてるのは印象としては良くないところではあると思うんですけど、そこも想定内というところです」

ーーゴレイロが難しいコースを止めている印象がないということは、ディフェンスがうまくいっているということですか?
安藤
「ペナに侵入してくるというよりは、相手が焦れて外から打ってきたイメージなので、そこはキーパーに任せるじゃないですけど、そういうディフェンスはできていたかなと思います」

ーー1月に立川に負けていますが、あの試合が参考になっていますか?
安藤
「ここに照準を置いていたので、もちろんその試合に負けたことは悔しいですけど、そこから活かした部分もありますし、僕たちは早い段階で1位を決めたことで、準備期間も長かった。もちろん1週間試合がないことで、試合勘という難しさはあるのかなと思ったんですけど、みんな思った以上に入りも良かった。いい準備した結果がこの2試合、両方勝てていることにつなげられたかなと思います」

ーー最後のパワープレーの守備で、昨日今日の試合で出番が少なかった選手と出ていましたが、守備を締める立場として、新しく入った選手を引っ張っていくような感覚ですか?
安藤
「短い時間でも、絶対に試合に出たいじゃないですか。だけどこういう舞台で、なかなか出られない。だけど、試合中にめちゃくちゃ戦ってくれてるんですよ、出れてない選手とか、スタッフもそうですし。そういう選手がいて、ピッチに立っている僕らがやらないわけにはいかない。試合の終盤、そういう選手たちが一緒にピッチに立ったので、思い切ってやってほしかった。なので、ポジティブな声かけとか雰囲気作りは意識してピッチに立ってました」

ーーどんな声をかけましたか?
安藤
「ありきたりですけど、全員に声をかけて。やってやろうぜみたいな感じで声をかけて、みんなに話しかけてました。思い切ってやってほしいし、与えられた時間を全力で楽しんでほしいなっていうふうに、思いますね。ああいう舞台に立つことで、短い時間ですけど、成長はできると思うので、いい捉え方をして欲しかったですね」

ーープレーオフで同じ相手と何試合も戦う難しさみたいなものはありますか?
安藤
「なかなかリーグ戦でそういうシチュエーションというのはないので、お互いの対応力がどれだけあるかっていうのがかなり求められるかなっていうのと、連戦になるとフィジカル面の部分で相手を上回れるかどうかというのは、非常に大事かなと思いますね」

ーーそういう意味では準備もしてきたし、慣れてるというのもある?
安藤
「独特な雰囲気があるのでね、それを知ってる僕たちはちょっと気持ちの面で、アドバンテージがあるのかなというのはあります。でも、初戦を落としてしまうことが結構あるので、僕も経験ありますし。そういう想定をした上での準備ができて、一人ひとりが危機感を持って、プレーオフ決勝という舞台を戦えていたかなと思います」

ーー次の試合、ここだけは気をつけたいということはありますか?
安藤
「やっぱり僕たちが油断しないことですね。まだ何も決まってないので、2勝はしてるけど、2勝していることは忘れて、金曜日の試合を100%で戦える準備をしていくことだと思います」

ーー今日も一切油断がありませんでした
安藤
「そうですね、本当に何も決まってないので。油断している姿勢を見せちゃうと、つけこまれます。そこは気にしながらプレーしてました」

ーー3戦目からは、ホームで戦いが始まります
安藤
「はい。そこでいい結果を、名古屋サポーターの皆さん、駒沢に来れなかった人たちも来てくれると思うので、最高の雰囲気の中で優勝を決めたいなと思います

立川アスレティックFC 試合後会見


比嘉リカルド監督
ーー試合の総括をお願いします
比嘉
「いろんな意味で、悔しいね、悔しい。名古屋は強かったけど。選手たちと一緒にやってきたことに感謝してる。素晴らしいことも多かったし、ダメなことも多かった。ただ、いいことは消えないから、信頼し続けて、気持ちを立て直して、名古屋(開催の試合)に向かって戦いたいです。以上です」

上村充哉選手
ーー第3戦に向けて、意気込みをお願いします
上村
「もうみんなわかっている通り、次に負けたら終わりなので。想定内と思う人もいるだろうし、アスレはこんなもんだって思う人もいると思うけど、僕たちの気持ちは折れることはないし、4日空くので、また整えて、3戦目に勝ちに行くだけです」

ーー第1戦目と変えたことはありますか?
比嘉「まず、態度は変えたね、戦った。昨日、戦術として難しかったところ、高いディフェンス、ピヴォにボールが入ったときに、走らないといけなくて、それがキツかったから、後ろに走らなくて済むように、簡単にピヴォを抑えるように。昨日よりも今日は、うまくできたね。相手は上手いからしょうがないボールもあったけど、相手陣内でボール回せるようなところも、昨日よりできたと思います」

ーーパワープレーを仕掛ける時間の判断は?
比嘉「0-4のままだったら、もう少し早く、12分くらいやろうと思ったんですけど、1点取ったので。チャンスを作れていたし、得点もできたので、それくらいでいいかなと思ったんですね。反対もある、早めに仕掛けて5点目を取られたら終わり。黒本(ギレルメ)を使って、ゴールもそこから生まれたし。勝負しないといけない、難しいところです。1-4になっても3点取らないといけない。でもコントロール、うまくできた。パワープレー返しは残念だけど、相手がうまかった、キーパーもうまかったし。しょうがない、勝負の世界です」

中村充選手(ミックスゾーンでの取材のため、写真はありません)
ーー今日の試合を振り返って感想をお願いします
中村
「いや、負けたなっていう感じですね。はい」

ーー入りは良かったと思いますが?
中村
「悪くはなかったんですけど、負けてるんで。何かしらが悪くて負けたんだろうなと思います」

ーーどの辺が悪かったと感じてますか?
中村「決めるところもそうですし、守備で嵌めるところを嵌められず、取りきるところを取りきれずというのがあったんで。映像で振り返ってないので、難しいですけど。負けるべくして負けたんだろうなとは思ってます」

ーー気持ち的なところはどうですか?
中村
「2戦とも同じようなスコアで負けてるんで、来る選手はメンタルに来ると思うんですけど、2連敗っていうのは、難しい部分はありますね、気持ち的に」

ーー中村選手には得点が期待されているし、いつもなら決められるようなシュートもあったが、自分自身のプレーについては?
中村「僕の決定力不足じゃないですかね」

ーーそれは名古屋の守備の良さでそうなったというところですか?
中村
「いや、そういうことじゃなくて僕が、自分の形で打てたり、当てるところの少しの違いだったりっていうところだけなんで。相手がどうこうじゃなくて、僕の実力の問題です」

ーーそういう意味では、第3戦までの時間で、どう修正しますか?
中村
「そこは僕の入り方だったりタイミングなので、今まで通りの、いつも入る入り方で持っていくだけです。何かをどうこうしようというより、今まで通りの入り方だったり、打ち方に戻していくというか、いつも通りにフィットさせていくだけなので、何かを変えるというのは特にないですね」

ーー次の試合に向けては?
中村「勝つしかないので、全員で貪欲に勝つっていうところに執着するだけです。全員でもう1回戦って勝ち取りたいなと思ってます」

皆本晃選手(ミックスゾーンでの取材のため、写真はありません)
ーー2試合戦って、率直な感想を
皆本
「望んでいた結果ではなかったですけど、起きてもおかしくない結果だったのかなと思ってます」

ーー15試合負けなしで2位まで駆け上ってきて、昨日負けて、1日経っての今日、若い選手も多いチームですが、切り替えについては?
皆本
「そこは全然、切り替えられなかったとは、僕は捉えてないです。ただただ実力として向こうのほうが上回っていたという感じです。プレーオフに関しては、勢いでどうにかなるという試合にはならないだろうと、全然別物かなと思っていたので、普通に力通りのスコアが出てしまったのかなと思っているところです」

ーー皆本選手としては、勢いを使わずに戦うイメージですか?
皆本「そうですね、いつも通りやった結果、こうなったかなというような感じはあります。変な話、この2試合を通して、弱者の戦い方をしたわけではないですし。名古屋をリスペクトしながらという試合をしたつもりはないので、それが故に逆に点差が開いたのかなというふうに思います」

ーー勝つためには違う方法もあったと?
皆本
それはあくまでも結果論なんで。もしかしたら始めからボールは捨てて、ディフェンスだけやっていた方が、全日本選手権のときの方が、勝つ確率は、もしかしたら高かったのかもしれないなとは。でもこれは、あくまでも戦った段階で言えることなので、この戦い方を1年間やってきた中で、ある程度自信を持って迎えた試合だったので、結果だけ見れば、そうしたほうが良かったのかなと思う部分もあります。

シュート数を見ても、全日本選手権のときは、僕たちは5本6本くらいで、向こうに49本とか打たれていて、ただ結果は勝った。でも今日も昨日もシュート数とかも含めてうちも増えてきてますし、チャンスの数も圧倒的に増えてます。ただ、結果的に見たら全日本選手権は勝ってるけど、今回は2戦とも負けているという。こういうものかなというふうには思ってます」

ーー勝てる確率ではなく、自分たちのやり方で戦ったということですか?
皆本
「それはある程度、自信を持っていたからだと思います。2連敗したから言えることと、その前の段階で言えることは別物だと思うので、結果的にみたらそうした方が良かったじゃんって誰でも思うと思いますけど、僕は決してそうは思わなかったので。いける自信があったからそうして、結果的に、というだけなので。そこまで悲観はしてないです」

ーー名古屋と対戦しての印象は? リーグ戦のときと違いは感じますか?
皆本「そうですね、8月に対戦したときはやっぱり強かったなと思いましたし、逆に1月に対戦したときは、はっきり言うとプレーオフの順位も決まっていたので、というのは僕たちもわかっていますし。試合に出る選手、出てない選手が、すごくはっきりとして。今日も出場時間がある選手とない選手がすごくはっきりしていたので、タイトルがかかったらそういう使い方になると思います。立川でやったときはそうではなかったというのは、僕たちもわかってはいるので。あのとき名古屋に勝ったからもう1回勝てるという思いはまったくなかったので、それは別物かなと思います」

ーー4-0で前半が終わって、ハーフタイムにロッカーではどんな話をしたんですか?
皆本
「4-0って、なかなか簡単にひっくり返せるスコアではないというのが間違いなくあるので、ただ自分たちがどういうプレーをしなきゃいけないかっていうのは、もう1回頭をリセットして、点差は気にせず、自分たちのやってきたことをやっていこうと。お客さんも来てますし、応援してくれる人もいる中で、自分たちが何をやるかというのを改めて整理した。そこで気持ちが切れている選手はいなかったと思うので」

ーー前半、早い段階で失点して、ショックがあったように見えましたが?
皆本「スポーツはそういうところ、試合の中でも流れとか浮き沈みがあるので。自分たちの流れが悪い時間帯があって、向こうがいい時間帯にポンポンと得点が入ってしまったので、そういう意味では、こっちとしてはよくなかったかなというふうには思います。特に3点目がちょっと難しくしちゃったかなとかね。2点目までであれば、問題ないというところではいたんですけど。3点目はちょっと厳しかったかなと思います」

ーー昨日の試合では開始30秒でセットを代えられて、比嘉監督がメンタル的にあまり良くなかったと言っていたがそこは?
皆本「僕たちはそういうメンタルだったとは思ってないですけど、ピッチ上で起きたことだけを見てもらえれば、いい入り方ができなかったというところは思っているので。そこは監督が判断して、逆に新しく入ってきたセットが仕事をして流れを作ってくれたので、そこは全然問題ないかなと思ってます」

ーー選手たち自身は、メンタル的な問題は感じていないということですか?
皆本
「入り方はよくはなかったと思います。ただ、相手も強いので。記録を伴うような個人スポーツであれば、自分たち次第というところですけど、残念ながら相手がいるスポーツなので。相手も最初、かなりラッシュをかけてきたし、それが強いチームなので、ある意味、致し方ない部分かなというふうに思ってます」

ーー昨日と今日で名古屋に違いみたいなものはありましたか?
皆本「そんなに感じてないですかね、名古屋はいつもそうですけど、そんなに変わらないイメージがあります。もちろんプレーオフが決まった後と、そうじゃないところはだいぶ変わるイメージですけど。出る選手も変わってくるので。いつも通りかなと思います」

ーー実際にプレーオフを戦ってみての気持ちはどうですか?
皆本「1つあるのは、今回5試合っていうことで、5試合戦うということを頭に入れながらやるのと、とはいえ目の前の試合に集中しなければいけない、そのバランスが非常に難しいなっていうのは、改めて感じています。2連戦と5連戦ではまったく話が違ってくるので、そこは。負けても次がある、次の次もあるとか、そういう長い戦いになってくるので。その辺の持っていき方というのは、なかなか難しい部分はあるなと改めて。とはいえこれからイエローカードの関係とかで、出場停止とかもきっと出てくるので、まだまだ全然わからないと僕は思っています」

ーー今日の試合、最後は皆本選手が決めましたけど、5-1で終わるのと、5-2で終わるのとでは違いはあると思っていましたか?
皆本「得失点があるわけでもないので、あそこで点を取ろうが取らなかろうが結果には何も関係はないですけど、やっぱりチームの雰囲気だったり、特に来てくれたお客さん、僕たちだけじゃなくてみんなで戦っているという意識があるので、その人たちが『最後、一矢報いてくれた』と思って、『じゃあ来週も頑張ろう』と思ってくれたら、それがクラブとしてはやっぱり勢いになってくるので、そこはやっぱり意識はしていた部分ではあります。この試合という意味では、あそこで取っても結果には影響はないんですけど、来週以降に必ずつながってくるところなので、しっかり取れるところは取りに行きたいなと思ってやってます」

ーーお客さんというところでいうと、今日は782人で、昨日が712人でしたが、そこはどう感じていますか?
皆本すごく寂しいは、寂しいですね。プレーオフのファイナルのために立川からここまで来てもらうというのは、やっぱり物理的に距離があるので、簡単じゃないんですよね。それでもあれだけ立川から来てくれたのは、青い服を着た人は増えていると思うので、そういう人をどんどん増やしていきたい。リーグ管轄の試合なので、僕たちにできることは少ないですけど、僕たちのファンだけで埋まるようにするというのが、自分たちにできること。とはいえプレーオフが、決勝が、みんなにとって憧れの舞台になってほしいというのはあるけど、そうではなかったと思うので。そこはどうしても雰囲気作りだとかがあると思うので、リーグもそうですし、僕たち自身も努力していかなきゃいけない部分だと思います」

ーー名古屋はプレーオフに照準を合わせて準備をしてきていますが、ピッチ上で想像を超えているとか感じることはありますか?
皆本「想像以上ということはないです。でも、想定の範囲内ではありますけど、基準値はかなり高いなという感覚はあります。あとはピッチ(スポーツコート)が、ちょっとうちには向いてないピッチだったかなと。やっぱりスピードが殺されちゃうので。球が走らないし、ドリブラーだったりは、どうしてもボールが止まっちゃうので、うちにとっては苦しかったかなと思います。名古屋も条件は一緒なんですけど。ただ、名古屋はスピードを生かした選手は少ないし、球が走らなかろうが全然問題ないという選手が多いのも、ちょっと向こうに有利に働いたかなとは感じてます。条件は一緒なので、言い訳にするつもりはないですけど」

ーー確かに金澤選手は、シューズの裏を何度もチェックしていました
皆本「球が走らないからドリブラーは死ぬピッチなので。パスを出す方もボールが走らないから、ちょっとスピーディな展開に持ち込めない。向こうはスピーディな展開より重さだったり、しっかりボールをキープしてというのが得意な選手が多いので、彼らの方に有利なピッチだったかなと。とはいえ滑るピッチになったら八木(聖人)とかがめちゃ輝いてくるかもしれないとか、吉川(智貴)がもっとキレ出してきたりとか、パススピードが上がってアルトゥールのパスがもっと走るようになるとか、逆に向こうにも有利なる可能性もあるので、それはもう一長一短なんで、なんともいえないですけど。まあ、うちには苦しいピッチだったかなと。先週も感じてはいたんですけど、先週は違う形で勝てたので、ちょっと苦しかったかなと感じています」

ーーこの2試合、カウンターを決められることが多いですけど、そのあたりは?
皆本「最初の話と一緒なんですけど、僕たちは今までカウンターを起こさせるほど攻めてなかったので。ポンポンと蹴って終わり、で、攻めてきてもらってカウンター、だったんですけど、この2試合は僕たちも取りに行った、それはディフェンスのときも行きましたけど、ボールを持ってるときもトライしに行ってるので、そこでうまいことカウンターに行かれて。難しいスポーツだなと思いました」

ーーここからどう戦っていきますか? 優勝には、3連勝が必要ですけど?
皆本「この1週間考えます(笑)。でも僕が考えることじゃないので、監督が決めて、しっかりそれを遂行するだけですね。でも金曜日に勝てばわからないと思うので、まずは最終戦までもつれ込むことを目標に。まずは金曜日に勝つことを目指します」

ーーチームが舞台慣れした感じはありますか?
皆本「ファイナルに対してというところについては、ストレスなくやれてます。みんなは『固かった』とかいろいろ言うかもしれないですけど、そんな感じは僕はしてないので、それは結果論だと思って。普通に向こうのほうが強かったというだけなんで、相手がいるスポーツなんで、相手がよかったらこっちがいくら良くても勝てない、相手が良くない日が来るのを待つのと、良くない日にできるようにするのも一つかなと思ってます」

ーー立川のサポーターは来てくれそうですか?
皆本「2連敗したので、来てくれるかわからないですけど、そこはちょっと申し訳ないなと思います。でも、ここから3連勝するとは誰も思ってないと思うし、誰1人期待はしてないと思いますけど、頑張ってやりたいなと思います。1日でも長引かせられるように頑張ります」

▶Text by 小西 尚美
▶Photo by 小西 尚美
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