試合

ホームの立川・府中が勝利して順位を5位に上げてフィニッシュ!

~立川・府中アスレティックFC VS Y.S.C.C.横浜~

1月の半ばに最終節を終えたF1リーグだが、新型コロナウイルス感染症対策によって延期となっていた試合を最終週に開催。1月29日(土)は、駒沢オリンピック公園総合運動場体育館で延期になっていた第20節立川・府中アスレティックFC VS Y.S.C.C.横浜の試合が行われた。

ホームの立川・府中は、この時点で7位だが、勝利して勝点3を積むと5位まで浮上する。今後行われる全日本選手権や来季のリーグ戦へ繋ぐためにも、1つでも順位を上げたいというモチベーションは高い。対する横浜は、タイトなスケジュールが気になるところ。延期分3試合に加え、1月26日にはキャンプ中の日本代表と練習試合を実施。1月24日に戦ったエスポラーダ北海道戦を皮切りに、中1日で代表戦、中2日で土日の連戦を迎えている。

この試合、登録メンバーが1つ注目点となった。立川・府中はキャプテンの上村充哉選手が累積で出場停止、日本代表キャンプに金澤空選手が招集されるなどのチーム事情によりゴレイロ2名を含めて11名の登録。フィールドプレーヤーは2セットで回すことになる。一方の横浜は、ゴレイロの控えはなし、13名のフィールドプレーヤーを登録し、3セットで試合を戦い抜く戦略をとった。

しかし、試合が始まってみると横浜が運動量でアドバンテージを握ることはなく、前線からプレスをかけるものの思うようにハマらない。むしろ効率よく裏を狙ったり、ピヴォを起点にした攻撃を組み立てるなど立川・府中のほうが狙いを明確にして試合を進めていく。先制したのは、立川・府中。自陣からの長いパスを裏に抜け出した酒井遼太郎選手がシュートに持ち込み、コーナーキックを獲得。デザインされたセットプレーの流れから再び酒井選手がシュートを放ち、ゴレイロがパンチングで逃れたこぼれ球をジョー選手が決めた。勢いに乗った立川・府中はその30数秒後、自陣からのパスを前線で受けたジョー選手がディフェンスをかわして技ありのシュートを決めて、リードを広げた。その後、横浜はタイムアウトを取得して巻き返しを図るが、自分たちのリズムに持ち込むことができずハーフタイムを迎えた。

2ndピリオドの立ち上がり、横浜がアグレッシブに攻撃に重心をかけていく。立川・府中は2点のリードを守りつつ、隙あらば追加点を狙っていこうという姿勢。とはいえリズムを横浜に完全に渡すことなく、ポイントポイントで攻撃を仕掛ける。しかし、終盤に入ると3セットで回す横浜に対し、立川・府中は守備面でやや後手を踏むようになる。横浜の攻撃の回数が重なる中、右サイドからシュート性のパスを蹴り込むと、樋口未樹也選手が中央で合わせてゴール。1点を返した。しかし残りは1分強。横浜は最後まで1点を狙って攻め込んだが、立川・府中が守り切ってタイムアップとなった。

試合後会見


立川・府中アスレティックFC 比嘉リカルド監督、酒井遼太郎選手
ーー試合の総括をお願いします
比嘉
「立ち上がりからすごくいいリズムでチャンスを作って、前半で2-0にできたことはすごく良かったです。後半は、相手が勝つためにアグレッシブな対応をしてきましたけど、しっかりしのいで勝ち切れて良かったです。この試合で勝って勝点3を積むと、順位が7位から5位に上がって終われるので、本当に良かったです

酒井「今回の試合は、シーズンを通して活躍していた内田(隼太)、上村(充哉)という選手を欠いた状態での試合だったので、いつも通りではなかったと思うんですが、今までアスレ(立川・府中アスレティックFC)が比嘉さんの元で構築してきた守備や攻撃というのを少しは体現できたんじゃないかなと思います。あとは結果として勝ったというところで7位と5位は大きな違いだと思うので、来シーズンに繋がる良い勝利だった思います」

ーー3セットで回す相手を2セットでうまく対応していたが、選手たちにはどういった指示やメッセージを送ったのでしょうか?
比嘉
「普通ですよ(笑)。1度に4人ずつしか出ないですし、選手にすれば逆に少ない人数の方がたくさん試合に出られると喜んでいましたから。もっと少ない人数で試合をした経験もありますし。さっき(酒井)遼太郎が言ってくれましたが、(内田)隼太も(上村)充哉も今日、出られなかったのは残念でしたが、チームのルールなどもあるので、少ない人数で戦っていくことを選択しました。

リードをしてから少しディフェンスのプレッシャーが緩くなってしまったところがありました。そこでファーストラインでダメだったら早く戻ってハーフラインで守りましょうという指示を出したのと、2分半で疲れを溜めないようにしました。あとは選手を褒めるしかない。戦って勝ち切ったことは素晴らしいと思います」

ーー1年を振り返って、成長ぶりや課題などの総括をお願いします
比嘉
「僕は、今年から監督になりましたが、(選手時代)アスレティック(立川・府中アスレティックFC)は対戦相手としてイヤな相手でした。勝ったり負けたりしていた、すごく尊敬していた相手です。だから監督になったら、絶対に1シーズンで強くできると思ったんです。でも、すごく悪いスタートになってしまったし、立ち直るのも難しかった。ちょうど、オリンピックとW杯で中断期間が3カ月あって、そこで練習がうまくできた。ケガなどもありましたけど、そういう中でもいい雰囲気を作って戦ってきたので、5位までこられたと思います。

その中でも、せっかく持っているものを試合で出せなかったりすることがあるので、そこはもうちょっと集中しないといけないと思う。そういうところがなくなればもうちょっと上に行けるんじゃないかなと思います。来シーズンに向けて、まだ全日本選手権があるけど、来シーズンに向けてそういうところをなくすようにすることが僕の課題です」

ーークワトロを中心にした戦い方だったと思いますが、手応えはどうだったのでしょうか?
比嘉
「僕はクワトロでスタートしても、ピヴォが居ても居なくても深さをとらないといけないと言っています。深さを取るのは相手のラインを引っ張るためで、1人前に走らないといけないんです。1人出たら、ピヴォを使っても使わなくても最終ラインの選手と最前線の選手の間を使えます。僕はクワトロ・ゼロから3-1のトランジションをよく使っていて、全部クワトロ・ゼロだけじゃないですし、全部3-1だけじゃないです。バリエーションを作らないと、相手のディフェンスがやりやすくなると思うので、だからずっとそれを狙ってチャンスを作りました。でも、今日は追いつかれなかったですけど、勝点3をしっかり自分たちのものにするためにも、もっと点を取らないといけないと思います」

酒井「私もそうですね、3点目4点目というところはかなりチャンスは多かったので、ロッカールームでも新井(裕生)が『決めたかったなー』って言っていたように、新井や皆本(晃)だったり、まだまだ得点チャンスはたくさんあったのかなと思うので、そこを決めきって、勝点3が必ず手に入るくらいの得点差になったら良かったかなという反省点はあります。

でも、さっきも言ったんですけど、比嘉さんの元で幅と奥を取っていくスタイルをクワトロでも3-1システムでも多く体現できた試合だったんじゃないかなと思います。個人的にも、相手がマンツーマンできてくれていたので、もらうふりしてフェイクして裏に走って、それで(ボールが)出なかったらまた戻ってきてっていうのが私の役割というか、得意な分野なので、それは続けていければいいなと思っていました。それで裏を取れたシーンもあったし、今日は簡単にラインを押し込めていたのかなと思うので、そこはかなりいい点だったかなと思います。皆本と完山(徹一)の精度の高いボールを供給してもらうためにも私がうまく走って…、あの精度が保てたのは私のランがあったからじゃないかと思います(笑)」

酒井「(監督を見て)ですよね?」

比嘉「良かったです」

酒井「ありがとうございます」

比嘉「ありがとね」

Y.S.C.C.横浜 前田佳宏監督、宿本諒太選手
ーー試合の総括をお願いします
前田
まず始めに今、こういうコロナ禍の大変な状況の中、昨年末に僕たちのクラブは陽性者が出てしまいましたが、今はなく、また立川・府中アスレティックFCさんも陽性者を出すことなく、お互いのクラブが協力して、こうやって公式戦をやれることに感謝したいと思います。

ゲームの中身のところは、今週Fリーグで3つ、代表とのトレーニングマッチが1つで4試合あり、まずは聞かれると思うので先に言うと、コンディションのところはそれはわかってます。わかった上で、この選手たちがどれだけポジティブにやれるかっていうところが大事だと思います。コンディショニングについては、週1回の試合より大変かと言われたら、それはまぁ大変です。大変ですけれど、それ以上にこれだけ公式戦を含めて試合ができるというところのモチベーションの方が、僕たちのグループは高いというところです。

今日は敗戦してしまったんですけど、明日の試合では、後半のようなテンポアップした攻撃だとか、(若い選手が多い)僕らのグループでしか起きえない、若さのパワーや勢いをスタートからしっかり見せるということが大事になると思います。そのためには今日の疲れをどれだけリカバリーして、明日試合に臨むかというところが僕たちグループの一つの勝負にもなってくると思います。選手的には良い経験だと思うので、明日またスタートから見ていただければなと思います」

宿本「監督も言いましたけど、選手の立場からもこういった場を提供してくれたリーグ関係者の皆様、お互いに陽性者を出さずに試合までやっていただいた立川・府中(アスレティックFC)の方々にもお礼を伝えたいと思います。

試合の方は、振り返ると前半の2失点が非常に痛かったなというところがあります。プレーヤー目線でも相手のフィールドの枚数であったり、スタイルだったり、年齢も含めて、僕らのスタイルと相手のスタイルを見たときに、僕らのコンディションが悪いとはいっても、スリーセットで回している僕らの方が勢いだったり、速さというところは分があるかなと思っていたんですけど、0-2になったことによって相手にとってやりやすい心理状況となり、戦い方が明確になって、最後まで粘れる状況を作り出してしまったことが結果的には痛かったなというのがあります。

戦術的な部分でいうと、相手が引いたときにどうやって崩していくかというところはずっと前からの課題ですし、今後やっていかなければなりませんが、リーグ戦は明日のボルクバレット北九州戦だけですし、今日とはまた別物の試合だと思うので、いい意味で今日の試合を考えすぎず、明日は明日で切り変えていこうと思っています」

ーー立川・府中のベテランのセットはクワトロで回すことが多かったですが、そこで上回られてしまったことが敗戦の要因でしょうか?
前田
「相手の攻撃に対する守備のところは、僕たちのチームはピヴォを置いて攻める形を取っているので、普段のトレーニングで対峙するのはどうしてもピヴォを置いた形になるので、相手がクワトロの形になると若干苦手な意識があるかもしれません。なおかつ府中のベテランのセットは、経験値が高く、やはりうまさもあるというところで、捕まえきれなかったなというところです。やはりここはもう一つトレーニングから積み上げていくしかないです。ただ後半は、(相手の攻撃を)抑えている部分もあったので、やっぱり意識の問題と、両方あるのかなと僕は思います。トレーニングで改善していかないといけない部分と、苦手意識を成功体験で消していくという2点かなと思います」

ーー北野(聖夜)選手がパワープレーの準備をしていましたが、結果的にパワープレーを選択しなかったのは、どういった判断だったのでしょうか?
前田
「途中、展開的に良くなければパワープレーをして、点数を巻き返しに行くという判断だったんですけれど、終盤の自分たちのテンポアップした攻撃に対して、相手はあからさまに嫌がっている感じがしましたし、ゴールまで迫る回数も多かったです。ですので、そこは、僕たちがパワープレーをする、相手がパワープレーのディフェンスをするという経験値のところと、スピーディな攻撃を繰り返して立川・府中さんの体力の部分を上回っていくというところで、普通のインプレーの方を選択したというところです。あとは、残り時間を使って明日へのメッセージ、明日はスタートからこういう展開のフットサルをやっていくんだよっていう意味合いも込めて、そちらをチョイスしたという形です」

ーー後半になって良くなったのは、どういったところが要因と考えていますか?
前田
「二つあるかなと思います。一つは、選手たちが巻き返さないといけないというマインドにしっかりとなったというのと、もう一つはシンプルに相手が戦略的に無理をしなくても良くなったのと、体力的に少し落ちてきたのかなというところです」

ーーリーグ戦を通じてのチームの成長や課題について総括をお願いします
前田
「1年の、というところになると、自分ごとですけど、リリースの通り、今シーズンで監督を退任します。今年クラブは、『圧倒的成長』というスローガンのもと取り組んでいるんですが、僕個人としてもチームにとっても、F2から始まり、優勝争いをして昇格して、昨シーズンは残留争いをして、今年はF1の中でしっかりと戦っていけるんだぞというところを見せつけるということがすごく課題でもあり、目標でもあり、チャレンジしたいところではありました。

そこは10位で何を言っているんだと言われてしまうかもしれないんですけど、1位の名古屋を倒したり、2位の湘南を倒したり、少なからず今年のYSは勢いに乗れば、上をやっつける、おもしろいじゃないかというのは、昨シーズンより少しはあったかなと思います。しかも日本代表に、今も堤(優太)が行ってますけど、数名呼ばれたり、そういうクラブに成長してきたかなと思います。

僕が退任をする一つの理由でも、これをより若い、うちはトップチームにセカンドチームもあって、ネクストチーム、さらに下のカテゴリーもあるんですけども、彼らにもっと力をつけさせて、もっと早い段階でこのFリーグ、トップリーグのピッチに送り込むような、そういう仕事がしたいという思いあり、退任をする形になります。今後ともうちのクラブに期待していただいて、こういう順位で言えるかどうかはわからないんですけど、日本1を目指してやっていきたいと思っています」

▶Text by 小西 尚美
▶Photo by 小西 尚美
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