~ペスカドーラ町田 VS Y.S.C.C.横浜~
Fリーグディビジョン1第17節、最後の試合は12月18日(日)、ペスカドーラ町田がホーム町田市立総合体育館にY.S.C.C.横浜を迎えて開催。プレーオフ進出を目指して争う、勝点の近いチーム同士の対決となった。
ホームの町田は、16節終了時点で勝点30を積んで3位。2位のバルドラール浦安とは勝点3差でさらに上位を狙える位置につけている。11月に入ってからの試合は負けなしで、安定感のある戦いぶりを見せている。対する横浜は、勝点25で6位。中断明け後は下位のチームに対して取りこぼすことなく勝利し、名古屋オーシャンズとも引き分けるなど、着実に勝点を積み上げてきたが、前節、プレーオフ進出に向けて直接のライバルである立川アスレティックFCに敗戦。これ以上は勝点を落とせない立ち位置となっている。
横浜のキックオフで始まった試合は、その流れから素早くゴール前にボールを運び、早々にペナルティーエリア付近でセットプレーを獲得。横浜が勝利への執念を見せる。応じる町田は、高い位置からプレスをかけ、連動した守備からボールを奪うと素早く攻撃に切り替えてゴール前までボールを運ぶ。主導権を争う中、町田がセットプレーを立て続けに獲得すると、右サイドのキックインから倉科亮佑選手が強いシュートを打つ。横浜ディフェンスが防いだところを再度倉科選手が拾って、今度は前に出たゴレイロの頭の上を浮かしたシュートを放って先制した。
リズムを掴んだ町田が自分たちのペースで試合を運ぶ中、ゴレイロのジオヴァンニ選手が起点となり、ヴィニシウス選手から山中翔斗選手に繋ぐと、相手ディフェンスとの1対1を制して左足を振り抜いてシュート。町田が2-0とリードを広げた。
横浜も高い位置からプレスをかけて、ボールを奪えば攻撃の形を作り、ペナルティーエリア内でシュートを放つものの、ジオヴァンニ選手のビッグセーブもあってゴールをこじ開けることができない。
1stピリオド終盤にも町田は、相手のクリアミスを拾った原辰介選手がゴール前に位置取った荒川勇気選手に繋ぎ、荒川選手がシュート。確実に決めて3-0とした。
2ndピリオドも強度の高いプレスからリズムを作る町田。奪われても帰陣が速く、横浜は思い通りに攻撃の形が作れないまま時間が経過する。そんな中、10分過ぎに横浜がビッグチャンスを迎えて笠篤史選手がシュートを放つが、ここもジオヴァンニ選手が立ちはだかり、得点を許さない。
ピンチの後にはチャンスがあるもので、自陣でヴィニシウス選手がボールを奪うと、前線の野村啓介選手へパス、野村選手は逆サイドを走り込んできた山中選手へワンタッチでパス、山中選手はそのままゴールに流し込んでリードを4点に広げた。
攻撃の形を作っても得点に結びつけられない横浜は、7分強を残したところでパワープレーをスタート。町田のディフェンスのバランスを崩したところでゴールを狙い続ける。ジオヴァンニ選手が多くを防ぐものの、とうとう右サイドからアダイウトン・ソウザ選手がゴールを決め、1点を返す。さらに町田のセットの交代の隙をついて、ボール奪い、最後はアダイウトン選手が2得点目を決める。しかし、反撃もここまで。横浜が最後まで攻め続けるものの、町田が守り切ってタイムアップとなった。
この結果、町田は3位をキープ。横浜も順位は6位のままとなっているが、勝点差が開き、プレーオフ進出争いからは一歩後退することとなった。
ペスカドーラ町田 試合後会見
甲斐修侍監督
ーー試合の総括をお願いします
甲斐「今日の横浜戦は、ここ数試合をスカウティングをさせてもらった中で、横浜が非常に調子が良く、どの相手にもいい試合をしていたので、本当に難しい試合になると思っていました。そんな中、うちの選手たちが本当によくハードワークしてくれて、試合がスタートしたところから最後まで、それを切らさずに体現してくれたので、勝利につながったのかなと思います」
伊藤圭汰選手
伊藤「勢いのある横浜に、僕たちの思い通りのようなゲームができたと思います。先制してから追加点を少しずつ取ることができて、4-0までリードできたのはすごくいいゲームだったなと思います。でもまだ課題はあるので、これからまた頑張りたいと思います」
ーー前回対戦から横浜のメンバーが変わっていますが、戦い方に変化などは感じましたか?
甲斐「基本的にうちの戦い方としては誰がでても同じコンセプトで試合をしているので、メンバーが少し入れ替わったりしても大きく変わることはないです」
ーー今日3セット使われてましたが、3セット使うつもりで準備されていたんですか?
甲斐「そうですね、練習から3セットとも、非常に高いレベルでプレーできていましたし、最近は、ほぼほぼ2セットで戦った試合もありましたけど、本当に残りの1セットも意識高くやっていたので。それと同時に早い段階で得点を取れたこともあって、迷いなく3セットでいける状態にあったと思います」
ーー3セットの使い分けは?
甲斐「当然相手側の出場選手のタレントにもよりますけど、そこを過剰に意識しないといけない試合もありますし、今日はあまり噛み合わせというところは、それほど1試合中気にしないでも、どのセットが出ても一定の戦い方ができるくらいみんな集中してくれていたので、そこは逆にあまりセットを引っ張りすぎないように、分散できるゲームになったと思います」
ーーファーストセットは長い時間出ていたときもあったと思いますが?
甲斐「その時間で起きている状況、ゲーム強度で、あまりにも疲労感がないのに時間が来たから代えるということはあまりやらないので。逆に何分と決めていても、ゲームの内容によって疲労度が高い場合は代えますし。特に長く出そうということを最初から決めているわけではないです」
ーーパワープレーで失点がありましたが、その辺りはどのように考えていますか?
甲斐「4点の差があったので、そこまでアグレッシブにボールを奪いにいく必要もなかったですし、ある程度は時間が進むことの方が優先だったので、1失点くらいは想定していたんですけど、ちょっと想定外のミスもあって、2失点してしまったところは正直想定してなかったところなので、そこら辺は。それでも問題視するほどの状況ではないと思います」
ーー町田の選手はゴール前ですごく落ち着いていますが、練習でどのように培っているのですか?
甲斐「逆に近々の試合もそうですけど、ゴール前で落ち着いていれば決められるシーンもたくさん、前回の大分戦もありました。これまでの試合でフィニッシュのゾーンに入ったときに、シュートを打たされるとか、決断をさせられてしまうということがあって、自分たちが主導権を握っているのに、最後のフィニッシュの状況判断が落ち着かないことでなかなか得点が上げられないというのは今シーズンの課題でもありました。そこは練習から最後の決断のところをどれだけ落ち着けるか、なおかつフィニッシャーに対してのプラス1を、どれだけハードワークして作れるかという話は、ミーティングからしています。そういう意味では今日のゲームは、その内容がフィニッシュのところですごく活きたんじゃないかなと思います」
ーー相手の攻撃でいい場面もあったが、ピッチの中ではどのように感じましたか?
伊藤「点差もあったので、そうですね、余裕を持ってプレーできたというか。相手にすごく特徴のあるピヴォの選手がいるんですけど、点差もあって、僕だけじゃなくて、みんなで少し余裕を持ってプレーをできたというのがすごく良かったところかなと思います」
ーーチームメイトのゴール前の落ち着きを見て、どう感じますか?
伊藤「監督から言われている部分で、ゴール前は、少し遊び心を持ってやってもいいというふうに言われているので、そこをみんなが少しずつ意識できて、落ち着いてプレーできてるっていうのがあると思います。僕もそういうところはもう少し考えてやらないといけないと思います。そうですね、少し遊び心を持ってやるっていうのは、監督の教えです(笑)」
Y.S.C.C.横浜 試合後会見
鳥丸太作監督
ーー試合の総括をお願いします
鳥丸「そうですね、いつも負けたときは言いますけど、まずはすごく大事な試合だったので、悔しいという気持ちが一番、その中で一度点差はついてしまいましたけど、選手たちが最後まで全力でプレーしてくれたというところにすごく価値があると思います。また、そこからパワープレーで得点ができたことは、これからの僕らの引き出しにもなるので、そこは収穫に思っています。ただ負けただけの試合ではなくて、収穫もあった試合だと思っています」
堤優太選手
堤「率直に、プレーオフがかかっている中で試合に負けるというのは、非常に悔しいと思っています。僕らの時間帯もありましたし、町田さんの時間帯もある中で、僕らがゴールを決められなかったというのが一番で、町田は得点につなげる決定力の高さを見せた。その2つかなと思います」
ーー町田は前回対戦したときからメンバーが少し代わってますが、印象の変化はありますか?
鳥丸「ジオヴァンニ選手ですかね。そこがやっぱり攻撃の起点になって、あとは単純にストップの能力も高かったなという印象です。あとは特に変化はないです」
ーー町田戦に向けてはどのようなプランで臨まれましたか?
鳥丸「まずは、その先ほど言っていたジオヴァンニ選手への対応です。結果的に少しうまくいかないところがあったんですけど、そこの対応策と、あとはもう自分たちのフットサルをやれば勝てると思っていたので、特に特別なことはしてないです」
ーー今日の収穫というのはどういったところですか?
鳥丸「先ほど言ったように、最後まで選手たちが全力で戦ってくれたこと、あとはパワープレーで点を取れたこと。他にもたくさんありますけど、その2つが大きいところかなと思います」
ーーアグレッシブな攻撃も見られましたが、得点までは結びつかなかった理由をピッチの中ではどのように感じていましたか?
堤「僕の持ち味はドリブルであったり、スピード、シュートなんですけど、Fリーグのキーパーはポテンシャルが高い選手が多いので、1対1からのシュートだけではなかなか破れないと思います。セグンドであったり、2人目3人目の動きが全然足りなかったので、もっと攻撃の迫力を出すために1人だけじゃなく、2人目3人目が絡めれば良かった。こぼれ球だったりというのは町田さんもゴールにつなげていたんで、それをどんどん真似するというか、今後は3人目2人目のところで圧力をかけていきたいかなと思います」
ーー今日は、2人目3人目というところがうまくいかなかった理由として、どういったことが考えられますか?
堤「そうですね、セカンドボールがどっちかというと町田さんに運良く転んでしまったっていうのは正直あると思います。そこのゲーム展開が難しい部分ではあったので。得点についても、ちょっとごちゃっとなったところも町田さんに運良く行ってしまって、そこを決められたというのもあると思います。そういったところも日頃の練習から質高くやらなきゃいけないかなと思います」
ーー今後に向けての抱負をお願いします
鳥丸「横浜というチームは、急成長しているチームだと思ってます。ですから、選手の成長とクラブの成長を促しながら、最後までリーグ戦を戦いたい。また、クラブの価値や選手の価値も高められるようなシーズンに、最後まで戦うことでしたいと思います」
堤「残りの試合、勝ちで終わるのか、負けで終わるのかは、Y.S.C.C.横浜としてはだいぶ違うと思うので、まず気持ちは残りの試合、全勝すること。それと、監督の戦術に対して選手一人ひとりが前向きに取りくんで、横浜のフットサルが変わっているというのは、間違いなく皆さんにお伝えできていると思うので、さらに一歩成長してシーズンを終えられるように、そしてまた全日本選手権につなげられるように頑張っていきたいと思います」