試合

両チーム合わせて9得点!北九州は最後まで意地を見せるも湘南が勝利

~ボルクバレット北九州 VS 湘南ベルマーレ~

Fリーグの新シーズン開幕。ボルクバレット北九州は、昨シーズン2位の湘南ベルマーレを迎え、ホームの北九州市立総合体育館で開幕戦に挑んだが3-6で敗戦。残念ながらホームでの開幕戦を勝利で飾ることはできなかったが、アリーナには1,576人の観客がかけつけ、両チーム合わせて9得点という熱戦で盛り上がった。

北九州は今季湘南から移籍加入のGKの上原拓也、FPの浦上浩生の二人が先発。湘南は北九州から加入の津田京一郎が途中出場と、それぞれに古巣対決となる選手がいることでも注目の試合は、立ち上がりに湘南の籔内涼也が先制。勢いにのった湘南はその後も追加点を決め0-3で第1ピリオドを終えた。

第2ピリオドに入ってもセットプレーやパワープレー返しで湘南の攻勢が続く中、北九州も田村研人が一点返すが、直後に今季限りの引退を表明した湘南の鍛代元気が追加点。1-6と点差は広がったが、このまま終われない北九州も果敢に攻めの姿勢を見せ続け、今季新加入の宮崎岳が北九州での初ゴールを決める。更に宮崎は試合終了間際にも第2PKを決め、自身の存在感を示した。

攻撃でも威力を発揮する昨季ベストGKフィウーザや、守備でも相手を封じる昨季得点王のロドリゴなどの個の力だけではなく、若手も台頭し、チームとしてのバランスの良さで強豪らしい姿を見せ勝利した湘南だが、北九州も特に第2ピリオドでは浦上浩生とクシヤマ・イザケの5本ずつを筆頭に、計21本のシュートを放つなど、勝利にはつながらなかったもののアグレッシブなプレーで最後まで観客を惹きつけた。

この日は開幕戦ということもあり、来場者に楽しんでもらうために様々なコンテンツが用意された。屋外には多数のキッチンカーが集まり、屋内では雑貨やグルメなどのマルシェといったイベントが行われたが、特に注目だったのはサッカー元日本代表FW武田修宏さんと、サッカー系ユーチューバー・マキヒカさんそれぞれが率いるチームTAKEDA対チームMAKIHIKAのフットサル対戦「レジェンドマッチ」。

ボルクバレット北九州OBをはじめ、サッカーのニューウェーブ北九州レディースやビーチサッカーのドルソーレ行橋などから選手が参加。ラソアペーゴ北九州からはFIFAビーチサッカーワールドカップロシア2021の準優勝メンバーの赤熊卓弥選手の姿も。ドルソーレ行橋代表で、ボルクバレット北九州OBでもあるマイケルこと岡本英雄さんがマイクを握ってMC進行しながらプレーする場面もあり会場を沸かせた。

また、バックヤードには開幕戦に挑む選手たちを激励しようと、北九州のファン・サポーター有志から寄せられたメッセージボードも掲示され、それぞれの立場でボルクバレット北九州を開幕から盛り上げようという多くの人たちの思いが集まる1日でもあった。

試合後会見


ボルクバレット北九州 中嶋孝行監督

ーー今日の試合の振り返りをお願いします
中嶋今シーズンの開幕戦、先ずは沢山の皆さんに会場に足を運んでいただいたこと、また多くのスタッフ、関係者の皆さまが、開幕戦を支え、準備し、盛り上げていた大とこに感謝申し上げます。

対戦相手の強豪湘南ベルマーレさんとの戦いですが、自分たちのゲーム運びとして弾丸プレスと呼ばれる強度高い守備で主導権を握れるか。また、ボールポゼッションを高め、攻撃でリズムを創り、相手にボールを渡さないことで、主導権を握れるか。大きく、この2つを主軸にして、観ている人たちに分かりやすい、ゴールを奪う、ゴールに向かうというアクションに繋げることが出来るのかと言うテーマでゲームをスタートさせました。

立ち上がりこそ、良いテンポ感を掴めそうになりましたが、先制されると少しゴールに向かう事が出来ずに、相手の攻撃を受ける事が多くなり、また相手GKの素晴らしいパフォーマンスの中で、ゴールを奪うことも出来ず、その間に点を重ねられてしまったことがゲームを少し難しくしてしまったと思っています。

後半もチャンスはつくれるもののやはりゴールを決めきれませんでしたが、10分前後からパワープレーでリズムを変え、ボールを持つことでリズムをつくり、相手の弱みを見極め、ゴールを奪うことが出来ました。

残念ながら追いつくことは出来ませんでしたし、負けたことは悔やまれることはありますが、0-5から3-6にゲームを少し動かせたこと、そして最後まで強度高くプレーし続けたこと、ゲームが決まったようなスコアの中でも、今年のテーマでもある一丸となりプレーで想いを繋げられたのではないかと思っています。

プロスポーツですので、勝ち負けが優先される中で、常々フットサルの魅力を、ボルクらしさを皆さんに感じてもらうことの意義を就任当初から選手たちにも伝えて来ました。そういう意味では負けはしましたが、会場の皆さんに何かを感じるものを残せたのかなと思っています」

ーー次節を迎えるにあたっての課題、意気込みをお願いします
中嶋「次節は九州ダービーということで、バサジィ大分さんとの対戦ですが、まずは、自分たちの色をしっかりとピッチに表現できているのか、ボルクらしさというものを皆さんに感じてもらえるか、を大事にしながらも、やはりゲームですので勝敗を決める戦いの中で、今回のように失点を重ねないようなゲームをしていくこと。もう少しボールを保持し、持つだけでなく、相手の脅威をつくり出すこと。後はやはり、ゴールを奪うこと、決定的な場面で確実にゴール数での優位性を勝ち得ることだと思っています。

とは言え、新チームになって数ヶ月ですし、私も含め新しいチャレンジの真っ只中なので、積極的に果敢に狼のように、集団で群れの強さで失敗、エラーを怖がらずに向き合っていきたいと思っています。そういうゲームを、ボルクらしく1試合1試合積み上げていけたらと思っています。フットサルの魅力、まだまだ成長し変化し続けるボルクの魅力を、沢山の皆さんにリアルタイムで感じてもらえたらと思っています」

浦上浩生選手
ーー開幕戦を終えた感想をお願いします

浦上1,500人を超える観客の皆さんの前でのプレーは最高でした。クラブの演出もとてもかっこよくてテンションが上がりました。試合も勝てれば最高でしたが。

試合についてはDF(ディフェンス)面の修正というか、強度をもっと高める必要があると感じました。パワープレー返しでの失点もありましたが、6失点してしまうとなかなか勝利に結びつけることは難しくなります。失点を減らすためにもボルクの持ち味でもある弾丸プレスで相手を前進させない時間を増やし、良い攻撃に繋げていきたいです」

ーー自身のプレーについて
浦上「まだまだできる。もっともっとやらなければいけない、と反省しています。得点チャンスもありましたし、DF面でもチームを助けるプレーを増やさなければいけないです。もともと目立ったプレーはできないですが、チャンスを仕留め、ピンチを助ける、チームの勝利に貢献するプレーを次節から増やしていきたいです」

ーー古巣との対戦で感じたことは?
浦上「正直古巣だからといった特別な感情はありませんでした。いつも通り対戦相手と試合をしただけというか。ただ、若手選手が得点したり、出場時間が増えていたりと自分が一緒にプレーしていた頃より成長した姿をみて負けてられないなと思いました。次の対戦では負けません。個人としてもチームとしても成長してリベンジします

田村研人選手
ーー試合の振り返りをお願いします
田村「まずは、1,500人以上の人が見守る中で、ホーム開幕戦を迎えられてプレー出来たことは幸せでした。試合内容は、スコアに表れている通りで、完敗に近かったと思います。それでも、最後3点取れたのはホームの後押しが間違いなくありました。現時点で完成度の高いチームとは言い切れませんが、日を追う事に強いチームになっていけると俺は信じています。負けても、勝っても今は修正する事が多いですが、言い訳せず課題と真摯に向き合い、タフで強い、ボルクバレット北九州を目指していきます」

ーー得点シーンについて
田村「狙い通りの得点でした。宮崎岳選手は、いつも自分を見ていてくれるので合わせるだけでした。湘南のフィウーザ選手は反応が素晴らしいので、普通にシュートをしても対応されます。タイミングを外す意味でも左足でシュートしました。結果、ゴールになって良かったです」

ーー次節大分戦に向けて意気込みをお願いします
田村
「まずは、自分自身が出来ることに目を向けたいと思います。精神的にもプレーも両方でチームを勝利に導きたいです。その為にも、勝つ確率を1%でもあげる準備をしていきたいです。大分戦も、チーム一丸となり勝利を目指して最後まで戦います」

上原拓也選手
ーー試合の振り返りをお願いします
上原「北九州に来て初のホームゲーム、多くの方々のパワーを感じました。試合に関わってくださった皆様ありがとうございます。期待や応援に応えたかったですが、結果がついてこなく、悔しいです。試合を終えてみてもっとやれる、もっと出来るという想いが強いです。点を決めるところで決め、ゴールを守るところで守る。そういう瞬間に仕事が出来るように、取り組んで行かなくてはいけないな、と感じました」

ーー古巣との対戦について
上原「ベルマーレとの対戦という事で、共に戦った仲間がいて、試合前はすごくワクワクしていました。対戦相手として戦ってみて、やはりすごく良いチームだなと感じます。特に若手の選手が融合してきて、更に厚みが増した気がしました。

僕自身、出場機会を求めてベルマーレを退団し、移籍をしました。移籍した事で、試合に出て得られる経験が沢山出来ているので、そこは凄くポジティブに捉えています。キーパーは経験が大切です。良い経験、苦しい経験、これから沢山待っていると思います。その一つ一つを受け入れながら、もっと素晴らしいキーパーになりたい。ベルマーレとは、今シーズンあと一回戦えます。次は敵地で勝って今回の借りを返したいと思います」

宮崎岳選手
ーー試合の振り返りをお願いします
宮崎「まず初めに会場にお越しくださった皆様、ありがとうございました。多くの方が見に来てくれた開幕戦、絶対に勝たなければいけませんでしたが、結果は敗戦。本当に悔しさしかありません。

内容としては、全体的にこちらのエラーでの失点が多く、入れ替わりが多かった今シーズンの難しさを物語っていると思います。反対に、細かな部分をより突き詰めていくことができればチームとしても化けることができると思っています」

ーー2得点それぞれのシーンについて
宮崎「僕の1点目に関しては、相手パワープレーのディフェンスが真ん中を開けた守り方に変わったので、シュートの選択をしました。得点が必要だったため常にシュートは狙っていました。

2点目に関しては、第2PKで相手のゴレイロが前に出てきたので顔横の取りにくいコースを狙って蹴りました」

ーー次節大分戦に向けて意気込みをお願いします
宮崎「次節はバサジィ大分さんとの試合になります。どんな相手、会場であろうと1試合1試合魂込めて闘い、そしてチームを勝利に導く活躍をするだけです。相手チームのホーム開幕戦ということで、バサジィ大分ファンの方がたくさんの方が見に来てくれるかと思いますが、宮崎岳、ボルクバレット北九州のファンにして帰ってこようと思います」

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Text by 東 恭子
Photo by 東恭子
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