~ペスカドーラ町田 VS シュライカー大阪~
7月3日(土)、町田市総合体育館では、Fリーグディビジョン1第5節ペスカドーラ町田 対 シュライカー大阪の試合が行われた。キックオフは、13時。前日から降り続く雨が予想以上の豪雨となり、その影響で朝から電車のダイヤが乱れ、アリーナを目指すサポーターの足が気になる時間帯の開催となったが、大阪のサポーターを含め、最終的に506人が試合の行方を見守った。
試合は、4節を終えて町田が4位、大阪が2位につける上位対決。派手な展開も期待されたが、1stピリオド前半はお互いバランスを崩さず手堅く試合を進める。それでも試合巧者の大阪が徐々に自分たちのペースに持ち込むと、10分に味方が打ったシュートの跳ね返りを齋藤日向選手が直接決めて先制する。しかし、5分後には、長いパスを受けた町田の毛利元亮選手が1対1から抜け出して得点。試合を振り出しに戻した。
2ndピリオドもお互い探り合いの展開からスタート。守備ラインにそれぞれの指揮官の思惑が感じられるが、先にペースを握ったのはやはり大阪。25分に高い位置でボールを奪うと計盛良太選手が走り込んでゴールゲット。その後、町田がパワープレーでゴールを狙うが、大阪が一瞬の隙をついてカウンター、相井忍選手が3得点目を決めて勝利を確実なものとした。
試合後会見
シュライカー大阪 永井義文監督
ーー試合の総括について
永井「今日は、いろいろアクシデントがあったが、選手は本当によく頑張ったなと思います。そのアクシデントを乗り越えられるかということが非常に試された試合だったと思うので、切らさずにハードワークし続けて、譲るところは相手に譲って、自分たちのフットサルを、攻守一体をやり続けた結果が、このような結果を生んだと思います。本当によく頑張った選手、あとはここに来れなかったメンバー外の選手で、1週間のトレーニングを含めて全員の準備が、身になった試合だったかなというふうに思っています」
キャプテン 田村友貴選手
田村「永井さんも言ったんですけど、スタッフが大雨の影響で来れないとかあったんですけど、自分たちはプレーモデルであったり、コンセプトというのがはっきりしているので、誰が抜けても、トレーナーが抜けても、選手が抜けても、自分たちのやるべきことは変わらないということが体現できたんじゃないかなと思います。その中でしっかり勝ち切ったことは、これからの自分たちの力に変わっていくと思います」
ーー今日得点した齋藤日向選手、計盛良太選手はFリーグ選抜で経験を積み、チームに戻ってきた選手。若い2選手についての評価を。
永井「よく頑張っていますよね。何を頑張っているかというと、ただ頑張っているわけではなくて、さっき友貴(田村選手)も言ったように、自分たちは攻守一体となって相手コートでプレーを続けて、試合の主導権を握るというしっかりとした自分たちのモデルがある。そのモデルを彼らは局面局面の中で、相手のキャラクター、シチュエーション、プレスの強度、その辺りをしっかり見て、判断をしながら、むちゃくちゃ個性が、タレントがあるわけではないけれども、ボールがない時の動きだったりで、しっかり自分たちのプレーモデルを体現して、ボールを相手コートに入れ続けることができてる結果だと思います。そこで未渚実(加藤選手)が決めることもあれば、翼(加藤選手)が決めることもあるし、カズ(計盛選手)が決めることもあれば、日向(齋藤選手)が決めることもある。その今日という日が、カズと日向だった、ただそれだけです。自分たちの若い選手が育ってきているというのはもちろん評価はしていますけど、僕自身は、若い選手だから使うとかそういうことはない。さっき友貴が言ったように、誰が出ても、全員でモデルを体現できるようなトレーニングを積んでいるので、彼らをそういう目線で、年齢で見たことはないです」
ーーアクシデントというのはどういうものだったのか?
永井「雨がすごかったじゃないですか。新幹線が止まって、スタッフの多くが来れなかったんです。それで、スタッフ2人だけでいろんなことを回したり、選手は自分でテープを巻いたり、ウォーミングアップを自分がやったり。全員が到着したのが後半だったので。
わかっていれば準備をしたんですけど、そこまで予測をしていなかったので、今日の朝、わかって。まずは来る時の荷物、荷物の搬入、テープ、ケア、入り時間も早くなって、とか。自分たちは、アウェイは、12人で来るというのがクラブの方針なので、人数も少ないし、その中でケガ人が出て。いっぱいあった(笑)。
そういうアクシデントがあって、対応対応に追われるとどこかで穴が出てきてしまう。そういう時のゲームは崩れやすくて。実際にベストなシチュエーションで戦えば、みんな100%の力を出せるのはフットサルに限らずだと思うんですけど、ただ、そういう窮地に陥った時に、自分たちが自分たちの持っている力を、自分たちの持っているパーセンテージの中で、低いなりに落とさずに戦えるかっていうのが試されるゲームだった。今日、彼らが割り切るところは割り切って、戦い続けた結果というのが、アクシデントの中で自分たちが掴み取った勝利ですよね。これは、本当に非常に大きな勝利だったと思います」
ーー総括の中であった「譲るところを譲った」というのは?
永井「ボールを持つということですよね。例えば、自分たちの攻撃のモデルでいえば、守備の1レーン目を崩して、数的有利を作って、ボールを奪うというのがあるなかで、守備の1レーン目を崩すとなると、運動量が必要になってくるんですよね。離れてラインカットで入ってくるとか、そこでワンツーとか、ピヴォ当てとか。攻守一体と言ってますから、ボールを前に運んだら全員でプレスアップするとか。そういう部分でオフェンスにも運動量が必要で、じゃあその部分が人数が足りない、アクシデント、ケガ、暑い、いろんなうまくいかないことがあるとか。じゃあそこは持たせるところは持たせる、自分たちの守備をやるところは守備する。例えば、ディフェンディングゾーン、ミドルゾーン、アタッキングゾーン、自分たちでゾーンで分けていて、自陣であれば3-7、5-5、7-3とか、プレーの決断の割合っていうのがあって、それを譲るところは今日はもう8-2でいいよとか。そういう決断の質に変えていくっていうのが譲ったところですよね。で、しっかりディフェンスからゲームを作って、ああいうふうに締めるというのが、今日譲ったところです」
ペスカドーラ町田 ルイス・ベルナット・モリーナ監督
ーー試合の総括について
ルイス「今日のゲームに関しては、最初の入りは決して悪い状態ではなかったと思うんですけど、試合全体を見て、すべて後手後手になってしまった。先制されて追いついて、また取られてということの繰り返しだったということと、大きなディフェンスのミスが最初の方に3つ4つあったりしたので、そこが試合の結果に、こういう形で繋がってしまったというのがあったと思います。
今日はホームゲームということで、本来であればもっといいゲームを、ホームに来てくださった皆さんに見せて、勝利をお届けしたかったです。まだホームで皆さんに満足のいくゲームをやれてないところが、我々の足りないところです。次は必ずいい試合を見せられるように頑張りたいと思います」
キャプテン 金山友紀選手
金山「今、監督が言ったところがすべてなんですけど、ディフェンスにミスが出てしまって、そこから自分たちでリズムを崩してしまったっていう部分があります。今日の敗北をしっかりと受け止めて、また来週、試合があるんで、そこでしっかり修正した形をできるように、また練習からやっていきたいと思います。ありがとうございます」
ーーボールがないところで厳しいプレーがあり、コントロールを失ったように見えたが?
金山「お互いに負けたくないという中で、ボールがないところでもだいたいせめぎ合いがあって、そういった部分をコントロールするのはレフェリーであったりすると思います。自分たちとしてはそこにしっかり、ジャッジに対しても従うとか、そこで自分たちがコントロールを失うという部分があったとは僕は思わないです。
気持ちは熱く、そういった中でお互いにやりあうというか、ひどいプレーがあったとは思わないので、決して自分たちでコントロールを失ったとは、思ってないですね。試合の流れで、自分たちの思うようなプレーができないというところに、コントロールを失っているっていう認識です」
ルイス「おっしゃる通り、大阪のディフェンスも良かったと思いますし、お互いにやっぱり駆け引きは結構あったというところはあって、監督としては結構難しい試合だったというのは感じています。その中で結果的に大阪が勝ったということは、そういうメンタル的な部分と、ディフェンスでのテクニカルな部分と、例えば、選手たちがそれをストレスに感じていたのであれば、それはやっぱり大阪がうまくやったところだと思います。お互い、町田もいいところがあったと思いますし、大阪も非常に良かったと思うので、今日の結果だけを見ると、大阪が勝つだけの価値はあった試合だと思います。そこはさっき大阪の監督にも、「おめでとう、今日はやられたよ」という話はしました」
ーー後手後手に回った要因で今考えられるものは?
ルイス「勝敗を分けたところに関しては、今、我々が取り組んでいるところは、去年のチームから今年のチームになった時に、もうワンステップ先に進もうとしているところがあって、そこがまだチームに完全に浸透しきれていない。当然今年はまだスタートしたばかりなので、我々に関してはチームの成長途中にある。大阪は、去年からやってきたことを継続していて、今年はこれまでやってきたことの集大成的な部分があると思うので、そこに違いがあったと思います。とはいえ我々も、これから成長していく中で、今日の試合でも修正点が見つかっているので、そこを修正しつつ、次の試合に繋げていかなきゃいけないなというのは感じています」
ーー今日の試合は、どんな狙いを持っていたか?
ルイス「大阪のディフェンスは、通常の状態よりカウンターに弱いので、そこが我々の攻撃のポイントだと思うところがあったので、まずディフェンスに関してはハーフ、低い位置からスタートしようという話をゲーム前に選手たちにしました。それと大阪は、ディフェンスする時に中央に集まる傾向があるので、セットプレーとかコーナーキックとか、フリーキックとかの攻撃のときに、どういうふうにディフェンスを散らして、効果的にゴールを狙っていくかっていう話と、相手のディフェンスは当然、個々でも強いんですけど、ボールを奪えるポイントはたくさんあるので、そこからのカウンター、すぐに切り替えてスピードアップをしてゴールを狙いにいく。そういうところが大阪に対しては有効的に点を取りに行くっていうポイントであり、この試合の勝つためのポイントだという話はしました。ただそれがうまく機能しなかったので、こういう結果になりました」