コラム

サッカーのゴールキックがフットサルとそっくりに変化

~JリーグとFリーグを両方観戦する面白さ~

「フットサルのゴールクリアランスの配置とそっくりだ」

久しぶりにJリーグを生観戦して思った。

11月23日、神戸市のノエビアスタジアム神戸で行われたJ1リーグ「ヴィッセル神戸VSセレッソ大阪」。

神戸のGK飯倉がゴールキックのボールをセットし、神戸とC大阪の選手たちのポジショニングを見た際、フットサルの景色と重なった。

サッカーの競技規則が変更され、ゴールキック時に攻撃側の選手がペナルティーエリア内でボールを受けることが可能になった。

規則変更に伴い、キーパーのロングキックが減り、自陣ゴールからショートパスをつないで、ビルドアップしていくことが増えた。

神戸の配置(部分)は上記の形で、後半中盤までは飯倉がロングキックを蹴る場面は1度もなく、ほぼ②か③へのショートパスから組み立てていった。

1-0でリードしたまま後半終盤にさしかかると、リスク排除でロングキックを使ったが、規則変更でゴールキックに大きな変化を実感した。

上記はフットサルで代表的なフォーメーション「3―1システム」で、多くみられるゴールクリアランスの配置だ(フットサルはゴールキックではなく、スローから開始するため「クリアランス」と表現する)。

フットサルはゴールクリアランスでフィールドプレーヤー(FP)に出した後、キーパーにボールを戻せない(相手に当たるなどしない限り、バックパスができない)。

一方でサッカーはキーパーへのバックパスが何度でもでき、前線から強いプレッシャーがかかっても、キーパーを使えることから、フットサルよりもプレス回避がしやすい。

フットサルでは、ゴールクリアランスから相手陣内へ前進するパターンが複数用意されており、サッカーのゴールキックからの組み立てにも参考になるだろう。

サッカーファン、特に戦術が好きな方には、是非フットサル国内最高峰「Fリーグ」を観戦してほしい。フットサルは縦40㍍、横20㍍とピッチが狭いことから、緻密な戦術が多く、自陣のゴール前から、相手ゴール前でのシュートまで練習した形で持ち込めることも多い。

僕はJリーグと、Fリーグなど競技フットサルの両方を観戦している。サッカーではゴール前の空中戦、ダイナミックなパス展開にワクワクするし、フットサルでは攻守の切り替えの速さや、サッカーの数倍放たれるシュートの応酬を楽しんでいる。

「0-0は嫌だな。1点でも良いから入ってほしい」。サッカー観戦前によく耳にする会話がある。フットサルは0-0で終わることはほとんどなく、1-0でさえ珍しい。たくさん得点が生まれるところはフットサルの大きな魅力で、ゴールの度に一喜一憂できる。

一方、オフザピッチでは改めてフットサルが遅れを取っていると再確認した。スタジアムに向かうまでの大勢のサポーター、スタジアムにはイニエスタらスター選手の大きな写真パネルが掲げられており、試合前の高揚感、ワクワク感はフットサルでは体験できないものだと改めて感じた

なんと言っても2万3744人が観客席を埋める熱気。サッカーが価値のあるものに思わせてくれる。フットサルも観客数が20分の1以下でも空席が少なければ、熱気や一体感は生み出せるはず。
観客席が閑散とすれば、魅力的な試合が展開されていても、初心者にとっては価値を感じにくくなってしまう。

さて神戸とC大阪の試合は、神戸の古橋が後半に1ゴールを挙げ、1-0で試合終了。神戸はイニエスタ、ポドルスキ、ビジャの3人が先発するなど豪華なメンバーで、優れたアイデアや技術をたくさん見ることができた。

今回の記事はサッカーとフットサルの両方を観戦することで「戦術やルールなど双方の共通点や違いを知ってもらいたい」との思いを込めた。フットサルにも興味を持ってもらい、双方の観戦でより豊かなフットボールライフにしてもらえれば幸いです。

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