~全日本フットサル選手権大会(中止)と来シーズンに向けて~
新型コロナウィルスの感染拡大による政府の専門家会議が見解を発表したことを受け、日本サッカー協会も2月26日午前に緊急会議を開催。翌27日から3月15日まで技術委員会や女子委員会などJFAのすべての会議、イベントを原則的に中止することが決定。
それによりJFA第25回全日本フットサル選手権の中止も決まった。
無観客試合での開催でもなく、延期でもなく中止。
この判断が下されることは正直想像していなかった。
参加するすべてのチームの選手、関係者はもちろんだが、特に今シーズンで引退を表明していた選手達や、予選を勝ち上がり出場権出場を手にしたチームの心情を思うと本当に何と言ったらいいのか言葉が見つからない。しかし、現状を考えるとこの判断もやむを得ない事は理解出来る。
そして今回のボルクバレット北九州の3選手(米村尚也、小林謙太、清水誠也)のインタビューは、全日本フットサル選手権の中止が決定されるほんの数時間前、2月26日の練習後に行った。
選手権を前に聞いた、来シーズンF1に挑む彼らの言葉である。
全日本フットサル選手権への想い
–全日本フットサル選手権大会まで2週間あまりになりました。現時点での意気込みなどについて聞かせて下さい。
米村:前回は1回戦を勝ち、2回戦は名古屋オーシャンズに敗退というすごい悔しい思いをしています。今年は何としてでもしっかりと1回戦を勝って、2回戦は自分達より格上のエスポラーダ北海道と戦い、去年と同じ悔しい思いをしないように、必ずF1相手に勝ちたい。
来シーズンも戦う事になる相手なんで、しっかりここで弾みをつけるという意味でも勝って、上に挑んでいきたいです。
(米村選手)
清水:選手権ってトーナメントなんで、結構番狂わせが起こってくるという認識が僕の中では強くあります。今シーズンこのチームに来て試合を重ねて、一応最後の大会という意味ではいい順位で終わりたいと思っていますし、このチームの今シーズンの集大成になると思う。そこはしっかりまずは最初の1回戦をしっかり勝ち切って、そのあとはもう勝ち上がったチームしかいないので、カテゴリーが上のチームか同じチームが来るのか分からないですが、どのチームがきても自分達がやることは一つだと思うので。自分達のスタイルを全面に出しつつ、一戦一戦勝ち上がって行けたらいいなと思います。
個人的には3シーズンくらいずっとベスト8止まりなんで、その壁はひとつ、今年壊したいなと思う。そのためにもまずはいい準備をして、体調管理もそうですし、コンディションとか含めて全ていい状態で試合に臨めたらなと思います。
(清水選手)
小林:今2人が言った、まんまその通りだと思いますが、強いて付け加えるとすると、F1に向けた戦いの準備を僕らは今からしている状態なので、そのひとつに選手権でどれだけ通用するか。今シーズンの集大成であり来シーズンのスタートでもあるかなと思っています。
僕らは日々来シーズンに向けて固めていってるので、その状態でどこまで通用するのか。もちろん1回戦から気を抜くつもりはないし、全力で全試合戦うつもりですけど、やっぱりF1のチームにそれがどこまで通用するか。来シーズンへの準備と腕試しかなと思っています。
(小林選手)
F1で戦うために
–2月22日には一般公開でバサジィ大分とのトレーニングマッチが行われました。大分とはこれまでにもトレーニングマッチをやっていますが、手応えなどに変化はありましたか?
米村:そうですね。一番は自分達のチームの持ち味はディフェンスの部分ですけど、そこは選手ひとりひとりもそうですし、チームとしての完成度はやるたびに上がってきてて、この前もやっぱり手応えを感じるところはすごく大きかったので、良くはなってきてるのかなと思います。
清水:どうしてもフィジカルの差っていうのは大きいと個人的には思っていて、大分なんかは大きいブラジル人が揃っていたりします。F1のチームを見ていて体の大きい選手はどうしても多いので。この前の大分の試合でいったら、力はついてきてるなと思う反面、やっぱりまだちょっと球際だったりとか、カウンターのスピードだったりとか、そういうものはカテゴリーが上の方が早かったり強いんだなと自分の中で痛感しました。
その中でもこの前の試合に関しては自分達のやるべきことはしっかりやれて。結果としては負けてしまったんですけど、戦う姿勢というのはトータルで見せれたんじゃないかなと思います。あれだけ出来たという事で、今後上のカテゴリーに上がってもやれる自信はもう少し、いや全然持っていいのかなとは思いました。
小林:3人目辛いな。だいたい2人に言われちゃってる(笑)
ただ、結果として大分にしろ今まで僕らはF1のチームと練習試合や公式戦、オーシャンカップとか色々やってきて、結局まだ1回も勝てていない。ボルクバレット北九州になってからF1のチームとやってスコア的には勝ってない。そういうところがあるんで、その事実を受け止めながら、まだ弱さが沢山あるし、課題だらけなんで、そこを突き詰めてやっていく。ただ内容としては2人が言ったみたいに少しずつ手ごたえ的なところ、やりたい事がやれるようになってきてはいるので、最後のフィニッシュの精度だったりとか。
内容もそうだし、やっぱり結果として勝ち切るようにならないといけないなという感じで今練習しています。
あとがき
現時点ではフットサルだけでなく、日本中の多くのイベントを含めあらゆる事の先行きが不透明。早く今後の見通しがたち、多くの人達がスポーツを楽しめる日常が戻ってくるのを願うばかりだ。
Text by 東 恭子
Photo by 東 恭子
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