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ボルクバレット北九州・安嶋健至選手インタビュー

~3年目でようやくたどり着いた同じ舞台~

新型コロナウィルスの感染拡大の影響をうけ、日本中のあらゆるイベントが中止や延期を余儀なくされる中、制限付きとはいえ、日常にスポーツが戻って来て数か月が経つ。プロ野球、Jリーグが共に6月リモートマッチで開幕・再開された。そしていよいよFリーグが9月に開幕。本来の予定より約3か月遅れでの新シーズンスタートとなる。

ボルクバレット北九州にとって、F1という新たなステージで迎える20-21シーズン。今回はその中で湘南ベルマーレフットサルクラブのサテライトチームLONDRINAからトップチームを経て、3年前のFリーグ初参戦時にボルクバレット北九州へ加入した安嶋健至選手に、古巣とのF1初戦(9月6日 14時キックオフ)を前に思いや意気込みを聞いた。

–安嶋選手から見た現在のチームについて聞かせて下さい。
安嶋:チームのコンディションは全体的にかなり上がってきているという印象はあります。F1は試合数も明らかに多くなるので、連戦なども想定した練習試合の組み方をしてます。自分のオフの過ごし方もそういったところを想定してすごしてきましたし、まだ実際試合はやってないんですが、そういったところでオフ明けの選手の動きだったりとかは悪くないのかなと。フィジカル面、体力の部分では結構上がってきているなという印象があります。

–北九州にひと足早くコロナの第二波的なものがきた影響で、他チームより活動開始が遅れました。焦りなどはありましたか?
安嶋:焦りっていうのはそんなになかったかなと。やるべきことは変わらないので。そんなに大きく影響したっていう感じはないと思います。最初に監督から戦術とかやることは明確にされているので、個人個人でやれることを個人で伸ばすということをやっていました。あとはzoomを使って選手間でフィジカルトレーニングを家でやったりもしました。そういったところやコンディション調整とかもチームが考えてくれて。そういうのは良かったです。

–初戦は古巣の湘南です。特別な感情はありますか?
安嶋:意識しちゃいますね、そこは。僕がいた頃からずっと湘南でやってる選手が結構まだ在籍していて、その選手達が現在中心となってやってるので。そこに対して負けたくない気持ちはあります。自分はその中から出て今のチームにいて、3年目でようやく同じ舞台にたどり着いた。自分がボルクでやってきたことを証明出来る試合でもあるので、僕的には燃えますね。ここで勝って流れに乗りたいです、僕個人もチームとしても。注目選手?みんなです。

–トレーニングマッチを含め、北九州はまだF1のチームに勝ったことがありません。
安嶋:いい勝負をしていても結局最後もってかれちゃう、ゴールを取られてしまうということが多かった。そこの差です。フィジカルの差は絶対あります、F1とF2とでは。経験もありますし、個人の技術も。そこが圧倒的に足りてないと思います。ゴールの部分では決めないと勝てない。「惜しい」が多いんですよね。ただそこまでのプロセスは悪くない。F1のチームと試合していてもゲームは作れてる。圧倒的に自分達がやられてるとかじゃなくて拮抗してる。まずは試合の流れを作るという部分では良くなってきてるなと。F1相手だからビビるとかもないし。そこのメンタリティもすごく大事です。自分達は下からですけど、僕たちが脅威になるくらいじゃないとリスペクトされないので。まずはリスペクトを勝ち取るためには勝つしかない。「最後は勝てるだろう」と相手に思われちゃダメなんですよ。そこは僕たちが先に突き放していくくらいじゃないと。結局最後僕らが負けてしまって、やっぱボルクには勝てるよね、みたいになったらきついですよね。そうすると結局メンタル的に相手が上回る。今そういうのもなくなってきている。下から来るチームや下位のチームはそこすごく大事だと思います。試合の途中でああダメだ、みたいになっちゃうと本当にダメ。何か言われてひるむとか、そういうのがあったらどんどん相手は押してくる。ちょっとしたスキにガツンとやられて失点。そういうの全然有り得るので。

–F2での2シーズンを見ていて、チームはだんだんと尻上がりに調子を上げる印象があります。
安嶋:後半にかけてチームが尻上がりに調子上げてくるのは、監督の意図が浸透してくるからだと思います。今回はコロナで始動遅れたのもありますが、今自分達のベースは出来てきたかなと。監督が目指すフットサルが浸透する時間もあって少しずつ形になってきたという印象はあります。

–準備期間が若干長くなったが、それは有利に働いている?
安嶋:そうですね。でもある意味逆にリーグがほぼ中断しないので、修正する時間が今度は短くなる。この準備期間でやれてきた物もある一方で、今度はリーグのスパンが短くなる。毎週試合がやって来る。そこでどうなるか。更にレベルアップもしないといけないし、今季初めての対戦相手とどういう戦い方をやっていくかすごく大事になってくる。うちは調整を重ねてやっていくチームじゃないですし、上に上にと積み上げていかないと上位を倒すことは出来ない。今の段階から修正とレベルアップをしていかないとという意識は大事ですね。

–北九州から米村尚也選手が代表合宿に招集されましたが、刺激を受けましたか?
安嶋:ありますねえ、やっぱり。代表監督が選ぶ選手のタイプというのがあると思うんですけど、自分はフットサルの戦術理解とか、そういうところでもっと違いを出せないと代表招集にはたどり着かないなと。あとは目に見えるゴールとか、フィジカルとか。代表選手はある程度体がしっかり出来てる選手が多いと思うので。ヨネ(米村選手)もどちらかといえばそっちのタイプですし。走れるという部分では自分も負けないと思うんですけど。ヨネが招集されたことで、ボルクが注目されてるなとは思いました。F2から昇格して、まだF1で試合したことがないチームからいきなり選ばれるということは、自分達にもチャンスがあると思うのでモチベーションになります。ボルクが注目されている中で試合やった時に結果を出す。そうすれば代表招集もあり得る。みんなやっぱ少しずつそこの意識は出て来てるんじゃないですかね。本当にリーグ戦です。結果です。チームとしても個人としても、勝たないと。上位チームじゃないと。勝って強いチームというのは代表選手選ぶ上でも見える材料になる。勿論個の能力で注目されるというのもあると思います。

–北九州に来て3年目ですが、日常生活の部分はいかがですか?
安嶋:だいぶん楽しくなりましたよね。初年度はこちらに知り合いもいなかったし街も知らなかったですし、リーグでもあまり結果出なかったというのもあってちょっときついところもありました。街自体は住みやすいんですよ本当に。仕事の環境も安定する仕事をもらえてそこもすごい大事で。そこはチームに感謝してます。2年目は関東の選手が結構来たというのもあって、選手間のコミュニケーションは自分自身としては更に増えましたね。横山(巧)とか(清水)誠也とか田口(友也)とか過去一緒にやってた選手も、ずっと昔から知ってる選手も来ましたし。関東はサテライトの交流がかなりあるので。
自分もLONDRINAに4年いて、ベルマーレでやっていて。そこの繋がりのコミュニケーションが増えたので、チーム的にも過ごしやすくなりましたし、結果も良くなってきて昇格も出来た。そして今年で3年目。ようやく目指す位置に来れて、ここからですね。

–ホップステップジャンプでいくと、3年目は飛躍の年にあたります。
安嶋:このチームでどこまで行けるか。すごい楽しみですね。ここに来て僕は間違いなかったです。来て良かったと思います、本当に。
(ここで同室で打ち合わせ中の馬場監督から「俺がいるからって遠慮しなくて本当の事言っていいよ、きついとかさ。」一同爆笑。「でも健至楽しんでるもんね。」)
本当に僕は楽しいですよ。これまではフットサル知ってるようで知らない事多かった。細かいところまで突き詰めてきてなかった。基礎なのに知らない、知ってるようで知らない。知ってるようなつもりだったけど、ここに来たら出来ない。そういうことが沢山ありました。でもうちの殆どの選手がそうなんじゃないかと思いますけどね。馬場監督の指導と、ウーゴ(・サンチェス選手)も来てくれて。僕は本当にお手本にしてます。すごいドリブルをするとかじゃないんですけど、基本が完璧に出来ているというか。それでスペインで活躍してる。新たな発見がすごく多かった。こんなチーム他になかなかないんじゃないかな。新しい選手はみんな来た時最初は躓きますよ。

–そこを乗り越える時はきつかった?
安嶋:きついっすね。そこはめちゃめちゃきついですね(笑)だって全然分かんないんですもん。どうしてこんなに出来ないんだろう、分からないんだろうって。でも新しい発見というか、学べることがかなりあった。細かい戦術とか細かい動きとかが僕はすごく好きなんですよ。ドリブルでばーっと行けたりとかもちろんすごいと思うんですけど、フットサルならではの動きをもっと完璧にしたいと言うか。そこで相手を崩したいとか、それでゴール決めるとか。動きだけじゃなく最後は自分で結果出す。そういう選手になりたいですね。最後は自分がゴールに絡んでいく動きを目指したいです。そして尚且つ守れる。フットサルはディフェンスは全員出来ないときついスポーツなんですけど。馬場監督、守備はすごい厳しいです

–最後に開幕にあたっての意気込みを聞かせて下さい。
安嶋:まずはコロナがある中リーグが開幕出来るということで、リーグやスポンサーや色んな方に感謝をしてプレーします。F1初年度なんで、自分達がどういうチームなのかをしっかり示したい。どのチームからも脅威と思われるチームになっていきたいですね。自分達がどういうスタイルで行くのか、そしてどのチームからも「ボルク嫌だな」と思われたいです。

今シーズンは小林謙太選手、澤野亮太選手と共にキャプテンを務めることも発表された安嶋選手。
ピッチでの活躍はもちろん、チームの要としてオフザピッチでの存在感にも注目したい。

ボルクバレット北九州の全試合はABEMAで生中継します。

Text by 東 恭子
Photo by 東 恭子
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