試合

小さな差が大きな差、開幕戦は名古屋が白星スタート

~ボルクバレット北九州 対 名古屋オーシャンズ(21-22 Div.1/第1節)~

ボルクバレット北九州の開幕戦となる名古屋オーシャンズとの試合が6月6日、北九州市立総合体育館で行われた。

331人の観客を迎えたアリーナでは時折選手もヒートアップする白熱したゲームが繰り広げられたが、ホームチームの北九州は1―3で黒星スタートとなった。

前半3分、5月に日本代表のトレーニングキャンプに初招集された樋口岳志がシュートを決め北九州が早い時間帯に先制。そのまま勢いに乗りたかった北九州だがスパウット トゥエンクラーンのゴールで名古屋が同点に。北九州はPKを得るなど好機も多く、名古屋もペースを握った時間帯も長かったものの両チームともに得点を決めることが出来ず1-1で第1ピリオドを終える。

第2ピリオド、名古屋は5分に吉川智貴のシュートが決まり逆転に成功。終了間際にもペピータが追加点を決め、名古屋の勝利で試合を終えた。北九州もゴールを脅かすシーンを作れたものの、いずれも名古屋GK関口優志の好セーブなどに阻まれ得点することが出来なかった。

開幕戦がホーム、しかも対戦相手が絶対王者とも呼ばれ、昨シーズンもリーグ優勝を果たした名古屋オーシャンズということでファンやサポーターをはじめ、ボルクバレット北九州にかかわる様々な人がこの日を待ちわびていた。当日の運営ボランティアに携わった、ビーチサッカーチーム・ラソアペーゴ北九州(福岡県行橋市)の選手、畑丈二さんもその一人。ボルクバレット北九州の小林謙太とは旧知の仲だそうで、「開幕戦が名古屋オーシャンズという強いチームなのもあってとても楽しみだった。今日はいい戦いをして欲しい。同じ北九州と名のつくチームとして応援してますし、共に地元を盛り上げていけたら。今日も謙太が活躍するといいなと思います」と試合を前に期待を語った。

試合終了後に話を聞いたのは中村旭さん。何度もボルクバレット北九州の試合に足を運び、自身も趣味でフットサルをはじめたという。「いい戦いをしていたし、チャンスもあっただけに負けたのは悔しい。やっぱりオーシャンズは強いですね。大分も強いし次も楽しみ」

これには多くの北九州側のファン、サポーターが同じ感想をもったのではないだろうか。北九州が負けはしたものの、スタンドからはあたたかい拍手が送られ、多くの笑顔が見られた。

次節ボルクバレット北九州は6月13日(日)10:45から北九州市立総合体育館(ホーム)でバサジィ大分と、名古屋オーシャンズは6月11日(金) 18:00から墨田区総合体育館(アウェイ)でフウガドールすみだと対戦する。

どちらの試合もABEMA/SPORTSチャンネルで無料生中継!
https://www.fleague.jp/news/?p=53670

ボルクバレット北九州・馬場監督の試合後コメント


--今日の試合の総括を
馬場
「前半、相手のリズムが上がらないうちに得点できたのはよかったんですが、警戒していたセットプレーからの失点は防げたと思っています。追加点のチャンスもあった中でなかなか点がとれず、後半では修正できたポイントも多かったが攻撃のリズムがつかめない、ボールを持てない。その中で時間が過ぎてしまうケースが多かった。最終的に点を取りに行くスイッチが入ってきたが、最後の分岐点となる1対2のところで2回目の追加点を決められてしまった。修正、改善するところもたくさんあるし、収穫も沢山あったと思います」

--先制点を取れたのは大きかったのでは?
馬場「そうですね。先制点を取れる力はついてきましたね。練習試合、カップ戦と名古屋と当たることが多かったんですが、先制点が取れるようになったことは力がついてきたのかなと思いますし、守れる時間も増えてきました。あとは小さなところだと思います。でも小さな差が大きな差、微差が大差だと思うので、やれてるんだけど点が取れない自分たちと、最後にワンチャンス決める彼らの差はやっぱりあると思います」

--その差は経験値の差ですか?
馬場「去年、チームの経験値の差という話はしましたけど、今は個の差だと思います。チームの経験値の差は少し埋まってきた中で、個々の圧倒的な差が要所要所に出てるのかなとは思います。シュートを枠に打った回数と入った回数を数えたら、そんなに僕達も少ないわけじゃないとは思う。そこを決めるかどうか。個の差が出てますね」

--個の差を詰めていくためには何が必要でしょうか?
馬場「個の差を詰めていくために自分達は集団的なトレーニングを積んでいます。連動だったり、人と人が動く、繋がるというフットサルをしていますから、これを続けていくしかない。個の差を埋めるための連動です。これは必ず良くなると思いますし、それでもやはり、だから勝てるって保障はないんですけど、精度、効率は上がってくると思います」

--開幕戦に向けて積み重ねてきたものを今日は表現出来ていましたか?
馬場「どうですかね(笑)僕も客観的に試合見てないんでわからないんですけど、名古屋さんが引き出してくれる部分と名古屋さんが消す部分とがあるんで、ちょっと何とも言えないですね。やはり相手ありきなので。他のチームとやったらもっといいフットサルが出来たかもしれないし、もっと簡単にボールを回せていたかもしれませんし、逆にいいところが出なかったかもしれません。名古屋さんが僕たちのいい所を引き出してるのか消してるのか何とも言えない試合ですね。ちょっとこう、今日の試合だけで評価するのは難しいと思います。名古屋は別格のチームですから、これを基準にF1リーグの中で出来る出来ないを判断するのは難しいかなと思ってます」

--次節の大分戦にむけて
馬場「大分さんも去年までは手の届かない存在だったと思っています。私がボルク時代に就任してから6年間、去年まで練習試合も含めて1回も引き分けたこともなかったと思います。それが去年の後半戦、やっと2-2で引き分けることができた。6年越しに初めて同じステージで引き分けたっていうのが去年のことなので、(積み重ねてきたことを)確かめる一戦だと思っています。本当にそういうところまでたどり着けているのか。クラブとしての、自分達の価値もそうですし、チームとしての積み重ねが大分とやってどうなるのか。それによって自分達の立ち位置が分かるのかなと思います。名古屋もそうですよね。全く去年までは勝てないと思っていたんですけど、今年は勝つオプションを持ったまま試合の最後までもつれることが出来るチームになってきたと思うんで、それは大分に関しても同じようなことですね。おそらく試合は成立すると思いますし、絶対勝てると思ってます。心から勝てると思っていますが、それを再認識するための試合だと思います。強度の高い試合が続く、去年の1位、2位のチームと最初にあたって自分達の立ち位置を知っていくっていうのはいいと思います。

ただ、今日の良かったこととしては選手全員出せたこと。フィールドもキーパーも全員出して経験を積ませるということも出来たので、次に繋がっているのかなと思います。次の試合のキーポイントは得点だと思います。もっと点を取らないと勝てないと思うんで。今日は1点だけだったので、このチャンスの数で1点では勝てないと思いますから、次は得点を重ねるようチャンスを確実に決め切れるように。大分に勝ち切れれば立ち位置が見えてくると思います」

ボルクバレット北九州・小林謙太選手の試合後コメント


小林「まずは、このコロナ禍で試合が出来ることに感謝しています。開幕戦に勝てなかったのは非常に悔しいです。今日の試合は中々ボールが持てずにディフェンスの時間が長く、難しい時間が多かったです。また、チャンスもありましたが、決めることが出来なかったので、結果を出すことが出来ませんでした。ただ、チームとして出来たこともあったので、課題とポジティブな面をしっかりと見直して次節の勝利に繋げたいと思います。新加入選手もチームコンセプトをかなり落とし込めてきているので、シーズンを通してチームが熟成され、勝ち点を重ねることが出来ると思っています」

Text by 東 恭子
Photo by 東 恭子
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