コラム

フットサルがまちに出来ること・ボルクバレット北九州が2つのチャリティーフットサル開催

能登半島地震復興支援チャリティーフットサル後の記念撮影

Fリーグ1部(F1)のボルクバレット北九州が1月21日に魚町(鳥町食道街)火災、3月9日には能登半島地震と、それぞれの被災支援のためのチャリティーフットサルを行った。

日本中の正月気分を一瞬にして消し去ってしまう衝撃的なニュースで始まった2024年。
元日、2日と現実とはにわかには信じ難い災害が続き、これ以上は何も起こらずに三が日が終わることを願っていたところに飛び込んできたのが北九州市の中心市街地であり、鳥町食堂街を含む魚町で発生した大規模火災の報だった。

北九州市内では能登半島地震支援と同時に、魚町火災支援の両方を呼び掛ける動きが様々な団体を通じて始まった。北九州市をホームタウンとするボルクバレット北九州もその中のひとつだ。

「自分達ボルクバレット北九州も能登半島支援のために何か出来ることをやりたい」
そう声を上げたのは石川県出身の田村龍太郎選手。
市内各所と同様に能登半島支援に加えてホームタウンで起こった魚町火災の支援もということで話が進み、1月に開催されたのが「鳥町食道街復興支援チャリティーフットサル」。
次いで3月には、当初2月3日に開催が予定されていたが悪天候で延期となっていた能登半島地震復興支援チャリティーフットサルも無事開催を終えた。どちらも幅広い層の参加者が大勢集まり、ボルクの選手達とゲームを通じて交流を楽しんだ。

鳥町食道街復興支援チャリティーフットサル・岡田大毅選手

今回、2つのチャリティーフットサルを通して「まちにスポーツチームが存在する意味」を、地元のプロスポーツチームを応援する熱量が決して高いとは言えない北九州市で示せたことはとても有意義だった。
特に魚町火災復旧支援に関しては、同じ北九州市をホームタウンとするサッカーJ3ギラヴァンツ北九州との共催が実現。これはこれまでにない画期的なことである(会場のフットサル場ギラパーク東田をギラヴァンツが提供)

2つのクラブがそれぞれに地域活動を行うことは勿論大切だが、協働することでスポーツがまちに、社会に貢献する上で1+1以上のインパクトになり、継続することで更にまちに欠かせないものへと成長する可能性はより大きくなるはずだ。

鳥町食道街復興支援チャリティーフットサル終了後の抽選会

まちとチームが支え合い、応援し合うことで良い循環を作っていく。
1月のイベント終了後の星野祐作選手が語った言葉もそのことを示しているのではないだろうか。
「たくさんの方に集まってもらって、僕達も本当に楽しかったです。
鳥町食道街は地元のみなさんにとって昔からなじみの深い場所だと思いますし、復興に向けて僕達だから出来ることで少しでも力になれれば。ボルクとギラならではの形、フットサルとサッカーを通じて、みんなで楽しくボールを蹴りながら支援することができたのは良かったです。
僕らが試合で勝つことでまちのみなさんに喜んでもらう、まちを元気にするのは当然やらなければいけないことですし、北九州でフットサルをやらせてもらっている感謝の気持ちをこれからも返していきたいと思います

鳥町食道街復興支援チャリティーフットサル・星野祐作選手

(※両チャリティーでの参加料はそれぞれ全額魚町火災、能登半島地震の義援金として関係団体を通じ寄付された)

3月9日能登半島地震支援チャリティーフットサル後選手コメント

安嶋健至選手

ーー今回の感想をお願いします

2月は中止になってしまったんですけど、それでも今日多くの方に来ていただいて、みんなの笑顔があふれるいい会になったと思いました。自分達の出来ることを今後も続けていきたいと思います。

ーーイベント終了後の挨拶の中にあった、北九州にもフットサルが文化として根付いてきたという言葉について

ボルクに来た6年前からクリニックに係わらせてもらってますが、北九州に来た時はまだサッカーの延長で楽しんでいるような人が殆どで、ミニサッカー的な感じで楽しんでいる方が殆どでした。

特に九州は今までフットサルクリニックをやるようなチームがあまりなかったので。自分が回数重ねたり、他の選手もクリニックをやり出したりとかで、どんどんフットサル特有の文化というもの、ただボール蹴るだけでも楽しいんですけど、そこにフットサルの知識を持ちながらやる人が増えたりとか、あとはフットサルがしたいという仲間、この(エコフットサルパーク)門司もそうですけど、ボールを蹴りに来るということで広がっている輪が自分としては本当に嬉しいなと思っていて。
そこで出来た輪がずっと繋がっているような気がしているので、そういった意味でもフットサルというのは文化もそうだし、周りの仲間、一生付き合っていけるような仲間が出来る素晴らしいスポーツだなと思っています。それが今回のようにチャリティーに結びつくというのは本当に良かったと思います

能登半島地震復興支援チャリティー終了後に挨拶をする安嶋健至選手

田村龍太郎選手

地元の石川県、能登半島の震災ということで、僕自身何か出来ることがないかと。風化させないということは勿論なんですけど、僕が出来るフットサルでこうやってみなさんと一緒に支援出来る、僕にはこういうことしか出来ないんですけど、少しでも石川県の支援になればいいと思ってチームのみんなに提案してやらせてもらいました。

僕達からも何かしたいと思っていたんですが、何をしたらいいか分からない時に(ヴォスクオーレ)仙台がゲーム会をしてチャリティーフットサルをやっていたので、僕達もそれなら出来るんじゃないかと思って。なかなか現地に足を運べないですけど、北九州の地でも石川県に対してみなさんに改めて考えてもらうとか、少しでも支援出来ればいいなと思いました。

一度延期になりましたけど、無事に開催出来て良かったです。選手自体は(オフ期間の関係もあり)なかなか揃わなかったですけど、こうして4人の選手で出来ましたし、急遽開催ということになりましたけど、本当に沢山のみなさんが参加してくれたんで、北九州の方達の思いというのがすごく伝わってきましたし、僕達が出来ることはこれからも少しずつでもやり続けていかないといけないなと思います。
(自分は退団するが)これからも誰かが繋いで北九州でやってくれたりとか、石川県を思い出してくれたりとか、少しでも石川県や北陸地方のことを思ってそれぞれが何かアクションを起こす、そのきっかけになったらいいなと思います

能登半島地震復興支援チャリティー後サインに応じる田村龍太郎選手

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【鳥町食道街復興支援チャリティーフットサル】

【能登半島地震復興支援チャリティーフットサル】

▶Text by 東 恭子
▶Photo by 東恭子
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