Fリーグ2023-2024シーズン 第10節マッチレポート バルドラール浦安 VS フウガドールすみだ

試合

後半5得点で逆転! 浦安が今季ホームで初勝利

Fリーグ2023-2024シーズン 第10節
〜バルドラール浦安 VS フウガドールすみだ〜

Fリーグディビジョン1は、8月中旬に第12節までを消化し、中断期間に突入。そのなかで、1巡目に未消化の試合があった4チームが、8月27日(日)に一足早く再開のゲームを戦った。

10節を残していたバルドラール浦安は、ホームのバルドラール浦安アリーナにフウガドールすみだを迎えた。中断前は、消化試合数が少なかったこともあって両チームともに暫定でボトムハーフに沈む順位。とはいえ、この試合で勝利すると、6位まで順位を上げられる。

浦安は、中断前最後の試合となった11節で名古屋オーシャンズに善戦して引き分けるなど、チーム状況としては上昇傾向にある。しかも、今季はホームで未だに勝利がないこともあって、ホーム初勝利に向けて意欲は高い。すみだは、8月の2試合を連勝。浦安同様、この勢いを継続したいところ。また、今季は15歳の羽生恒平がF1デビューを飾り、18歳のゴレイロ、入江悠斗が前節に続いてスタメンに名を連ねるなど、若い選手が力をつけてきていることも強みとしたい。

ホームチームのキックオフで始まった試合は、そのまま浦安が攻勢を強める展開。3分をすぎたところで東出脩椰と柴山圭吾のコンビネーションからすみだのディフェンスを崩してチャンスを迎えるが、入江の好セーブで得点には至らず。するとその直後、浦安のゴレイロ、イゴールが攻撃に加わってゴールマウスを空けたところで、パスミスを拾った星龍太がロングシュートを放ち、先制に成功する。さらに約2分後にはコーナーキックからのデザインされたプレーで北村弘樹が決めて、リードを2点に広げた。

2ndピリオド、追う浦安の本石猛裕が開始28秒で左サイドから利き足とは逆の左足で得点。その約1分後にキックインから再び本石が得点し、同点に。勢いに乗った浦安は、重心をいっそう前へ傾けていくと、相手陣内で縦パスを受けた本石を起点に追い越した宇野伊織がシュートを決めて、3分経たないうちに逆転に成功する。

すみだはゴレイロの入江もボールを運んで攻撃に加わる回数を増やしていくが形勢は変わらぬまま時間が経過。すると、残り5分を切ったところで栗本博生が2枚目のイエローカードで退場となる。すみだは、ここから2分間の数的不利な退場局面を守りきり、直後からはパワープレーを開始する。しかし浦安は、1分を切ってからも得点への意識は高く、イゴールからのロングパスを裏で受けた長坂拓海が得点、さらに加藤竜馬がパワープレー返しを決めてリードを広げる。すみだは残り5秒で浦安の5ファウルによる第2PKを獲得するが、枠を捉えられず、そのままタイムアップとなった。

浦安は、ホームで今季初の勝利を逆転でもぎとり、順位も6位に上げた。

バルドラール浦安 試合後会見

バルドラール浦安試合後会見 小宮山友祐監督

試合後会見に出席するバルドラール浦安の小宮山友祐監督

小宮山友祐監督

ーー試合の総括をお願いします

今シーズン初めてホームで勝つことができて、安堵の気持ちでいっぱいです。ここで勝つことがどれだけ大切なことで、どれだけ価値があることかというのをずっと選手たちに伝えてきたので、今日しっかりと勝つことができて、後半戦のいいスタートが切れたというのが非常に大きなことだと思っています。

内容に関しては、まだまだ改善、修正しなければいけないところが多々あったので、そういった部分は取り組まなければいけないんですけど、ただこれまでだったら0-2で折り返した後半に、1点も取れないで0-2のまま終わるというような試合を、今シーズンここで何度もしてきたので、そういった意味では、後半の立ち上がりからギアを入れて、逆転できたっていうのは大きいことかなと感じています。

選手たちもすごくタフになってきましたし、自分たちが目指すところにまだまだ届く可能性があるので、そこに向かって、また来週、ホームゲームですし、今日、(エスポラーダ)北海道さんは(ペスカドーラ)町田に勝ってますから、決して簡単な試合ではないと思うので、またしっかり明日からいい準備をしていきたいなと思っています。

ーー前半の入りは良かったと思うが、結果的にリードされて迎えたハーフタイムにはどんな話をしましたか?

おっしゃる通り前半枠内に14本シュートを打っていて、入江(悠斗)くんが頑張って止めているシーンっていうのがすごく目立ちましたけど、枠に飛んでるのでね、大きく何かを変えるというのは。コーナーからのボレーの質があんまり良くなかったので、そこだけは違うオプションに変えようということを話したのと、枠に飛んでたんで、そこまで慌てることもないと、ただちょっと入江くんが守備しやすいところに飛んでるから、もうちょっと腰から下のシュートは打てと。ゴロでもいいからしっかりグラウンダーのシュート、絶対にグラウンダーの方が取りづらいからというところを話しました。

こちらとしては、岸(将太)くんが出てくるのかなという予想でいたので、岸くんだったら上に打ったほうがいいと。やっぱりキーパーの特性に合わせてコースを変えていこうという話もしていたので。そういうところは、慌てることはなかったです。

ただ、ハーフタイムのロッカールームでは、少し喝を入れるというか。このままだったら(Y.S.C.C.)横浜戦、立川(アスレティックFC)戦、町田戦の繰り返しになるぞと。そうじゃなくて、自分たちが本当に勝ちたいんだったら、ここから何を変えるかって点を取りにいく。それについて点を取るべき選手は誰なのか? もちろん全員ですけど、ピヴォの選手だったり、出場時間が長い選手が、そういうゲームを決めるっていう意識を強く持ってほしいという話をしました。多分それぞれが本当に自分がやるべきことは何かっていうのを理解して臨んだ後半のスタートだったと思います。

取るべき本石(猛裕)が2点取って、宇野(伊織)も1点取って、長坂(拓海)・加藤(竜馬)も点を取って。あとは石田(健太郎)にね、ゴールが生まれたら良かったなと思うんですけど。柴山(圭吾)・東出(脩椰)は、その辺がまだまだ、染野(伸也)もそうですけど。点を取るべき選手が取れなかったところが大きな課題だったと思うので、いいシュートだったよね、惜しかったよね、枠に行ったよね、だと絶対勝てないよって。そうではなくて、やっぱり決めきる。拓海の5ファイルになっちゃったプレーも、しっかりセカンドポストに突っ込んだ結果、交錯しての5ファウルは、ちょっとかわいそうだけど。でも、そこまでしっかり走れ、行けという話は毎回のトレーニングで言っているなか、しっかりやった結果なので、あれはファウルでしたけど、しっかりやってくれたなというところは、チームのなかで全員が点を取るという意識がすごく芽生えてきたなというふうには感じています。

ーー本石選手が後半開始28秒で点を取った後に、監督がフィールドの選手を全員呼んで話をしていたが、どんな話をしたのか?

あれはディフェンスの修正ですね。すみだが入江くんを使って後半は、キーパーを出して、底辺にフィールドを置いて、プレス回避を狙ってくるから、逆に入江くんを引き込んで、彼のところにプレスをかけて奪おうというディフェンスの確認です。得点に関しては、本石の1点からまたすぐに入りましたけど、あんなに簡単に入るとは思ってなかったので、それよりもディフェンスの修正をしました。いつも言ってますけど、自分たちの強みはディフェンスなんだから、そこでどうやってボールを奪って、相手を相手コートに釘付けにするか、自分たちが相手コートでゲームを進めるか、自分たちのプレーモデルをもう1回しっかりやっていこうっていうとこですよね。

そういう意味では、前進される回数というのも、ひいき目に見ても、ハーフを超えられてヤバいというシーンは、こちらのロストぐらいしかなかったんじゃないかなと思います。個人的には、すみだにすごく脅威があって、これはちょっとヤバいな、対応しなきゃなというのは、そこまではなかった試合だったかなというふうに思っています。当然、すみださんからの見方は全然違うと思いますけど、私はそんなふうに感じたので。あとはゴールをどう取るかっていうところが一番の課題だなと思ってました。

ーー空(涼介)選手と染野選手をオプションで使うときは、あの2人は一緒に出ていますが、そういうプランですか? また役割はどういったものですか?

一緒に出すプランです。東出と柴山、染野と空というのは、セットで。もちろんチームのプレーモデルのなかで、やってほしいこともあるんですけども、彼ら2人にしかできないこともあって、東出と柴山もそうですけど、2人のコンビネーションって、すごくいいんですよね。空と染野もそうなんですけど。ただそれを2-2で使うと、あんまりよくないんです。なので、そのオプションのなかで守れるアラフィクソの選手がいて、染野・空、で、ディドゥダがいて、伊織がいて、東出・柴山みたいな、2人組で壊せるもの、構築できるもの、シュートまで行けるオプションっていうのは、彼らの特性、あうんの呼吸じゃないですけど、石田と長坂、石田と本石といった、そういうところ。すごくそれが良いので、なんとかそういうオプションで使えたらというところと。あとは染野と空に関しては、ディフェンスがいいので。柴山と東出はディフェンスにまだまだ課題があるので、そういう意味では柴山と東出の代わりは常に空と染野かなというのは、もう常に頭のなかにあります。ディフェンスの部分でも、しっかり貢献してくれましたし、染野に至っては決定的なシーンもあったので、ああいうところで決めていれば、もっと出場時間も長くなるし、っていうところはあります。そういう意味では、いい競争ができてきてるかなというふうには感じています。

ーー今日勝てば6位だったというのは意識していましたか?

全くしてないです。もう名古屋(オーシャンズ)と引き分けた時点で勝点を数えることをやめようと。あの試合、これを勝ったら5勝5敗だなとか。しながわに勝っていたら6勝4敗だったなとか、一瞬考えたんですよね。3-0で勝ってるときに。そんなことを考えたら引き分けたんで。それをすごく自分の責任だと責めたので、考えるのはやめました。勝点がとか、考えない。もう目の前の試合を勝つか負けるかっていうところだけにこだわっていきたいなと思ってはいます。

ーー今シーズンのレギュレーションを考えると、6位以内にいるのは大事だと思いますが?

もちろんもちろん。それは自分たちが今まで8位とか9位にいたなかで、6位、次に勝ったら5位とかになってきたら、めざしているタイトルを取るとか、そういうところにまず行くには上位リーグに行かなきゃいけないとか、選手たちにとっても順位が上がっていくことはモチベーションにもなると思いますし、私もモチベーションになりますけど、でも、全部終わってみないとね、リーグというのは。

さっきもロッカーで言いましたけど、一喜一憂することなく、次にやらなきゃいけないことは、次の北海道戦に勝つことだと。1試合ずつ決勝戦だと思ってやってますし。選手たちも、慢心も油断もできるチームじゃないので、単純に今日順位が上がったことはうれしいですけど、また次負けたらまた入れ替わる可能性もあるので。1つの基準として、知っておくことは大事ですけど、意識はしないようにします。

ーーこのタイミングで試合があったので、中断期間は短かったが、何か取り組んだことや強化したことなどあれば?

新しく取り組んだことは、セットプレーのバリエーションを増やしたのと、あとは組み合わせですよね、セットの組み合わせも然りですし。今日、試合が始まる前にも話しましたけど、ここから11試合、一戦一戦決勝戦で、1試合も落とせないと。じゃあ自分たちの強みはどこかといったときに、ファーストセットは、今日も完全に相手を押しこんでいたと思うんですけど、あれぐらいできる力がある4人なので、あの4人をどう、うまく、長い時間ピッチに置いとくかというのがすごく大切。でもあの4人の中でも、調子が悪いときもありますから代わりに誰をいれるかとか、名古屋戦のときのように、あの4人が全員疲れちゃったら、相手が強ければ疲弊もするので、どういうプランニングで戦うかとか。あとはセカンドセットを誰にするかっていうところ。セットで替える監督ではないので、あまり気にはしないですけど、でも、要所はやっぱり押さえておかないと、難しいかなというところに取り組んだ。

我々は今日試合があったので、1週間強ですかね。取り組んだことは、そういった部分にフォーカスしていきました。ただ選手たちが、世の中がお盆だバカンスだっていうところ、すごく真摯に向き合って練習してくれたんで、すごくいいオフ期間というか、中断期間を過ごせたかなと感じています。

ーー昨シーズンと比べて今シーズンは無得点の試合があったり、順位が停滞気味だが、チームづくりで苦労していることはありますか?

一番は試合で計算できるプレーを求めてるんですけど、それ以下のプレーが多いっていうところですかね。期待している以上のものを出してくれてる選手って、あんまりいないんですよ。計算通り、こいつはこれくらいできるんだろうなっていう、計算通りのプレーをしている選手は何人かいる。でも、計算よりも低い、練習のときの方がよかったよねみたいな。練習のときのほうがこいついいよねみたいな。そういう選手も多い。

今日は外林(綾吾)は使いませんでしたけど、1週目はフィールドプレーヤーはだいたい全員出します。で、パッと見たときに、緊張なのか、なんなのかはわからないですけど、明らかにプレーが硬いとか、普段はないロストをするとか、いつもしないのに横パスをミスるとか、何なら横パスなんて普段はしないのに、ということは、試合に出さないとわからない。それでも、使い続けるしかない。その葛藤が1番難しいです。

もう一つは、若い選手がいっぱいいるから、一人に時間もチャンスもそんなには与えられないよということ。今日は出てない外林、伊東(陽希)もいるし。そういう意味では染野と空は、去年1年間セグンドで苦労して、頑張って。やっぱり彼らのマインドやベンチでの振る舞いって本当に素晴らしい。必ず誰かしらに声もかけるし、ピッチ外からポジティブな声が常にベンチ、ピッチに響いている。だから彼ら2人は外せない。あいつらの存在は、オフザピッチではすごく大事。でも彼らも応援団で入れてるわけじゃないから、ピッチ内でも活躍してほしい。でも、まだまだやっぱり出場時間っていうのは限られてしまう。

そういう役割を与えていったときに、最低限の役割をやってくれよっていうところに、試合になったらなんか到達してない選手が多いかなという。選手は、大きく変わってない。ガリンシャとタケが代わっただけ。右利き左利きの違いはありますけど。変わったのは、そのくらい。でも、勝てないし、点も取れない。選手たちに言っているのは、誰のせいとかじゃない、全体として出せてないよということ。いつもの自分たちをピッチで、と。でも、アウェイでは勝ってるわけで、アウェイは出せるわけ。なぜアウェイは勝てるのかっていったら、なにくそ根性がやっぱり強いから。やってやろうぜみたいな。ホームになったらそれができない。

だからいろんな話しをしました。アウェイだと思っていいぞとか、ホームの重みとかも忘れていいぞとか、関係ない関係ないと言って。いつも通りのプレーをまず出してくれ、練習のときのあなたたちのプレーを出せば絶対に勝てるから、と。試合と練習は違うっていうのは、自分も選手だったからわかりますし、そういう選手をいっぱい見てきましたけど、今年はなんか特に。何を背負ってるのかは、わからないですけど。すごいよくやってくれてるからこそ、出してあげたい。突き詰めると俺の責任なのかなと思います、引き出せてあげてない。そこはもう日々勉強です。

ミックスゾーンにて
※ミックスゾーンでの取材のため、写真はありません

宇野伊織選手

ーー試合の振り返りをお願いします

まず、ホームでまだ勝ててなかったので、まずはチームの勝利っていうところを掲げて準備してきました。前半はチャンスを作っていたのに、得点が入らなくて。後半は、しっかり決めるところまでやろうという話をしたなかで始まって、立ち上がりにタケ(本石)が2点取ってくれて、いい流れを作ってくれて、逆転できた。それを守り切れたっていうのも本当にいい勝利だったかなって思います。

ーー前半も主導権を握ってるなかで先制されたような感じでしたが、自分たちではどのように感じていますか?

スカウティングというか、試合前も、多分自分たちが押し込む時間が長くなるだろう、だけど、失い方とか、カウンターとかで相手にワンチャンスを与えないようにっていうのは話していました。やっぱりそれは相手のストロングポイントで、けっこうそのカウンターから何本か危ないシーンもあったので。そういうところまで突き詰めないとっていうのと、あとは決めきる、枠には飛んでいたんで、14本ぐらいですかね、飛んでいたんで、1点でも入ってればというのは感じましたね。

ーーすみだの得点の取り方が強かだったが?

そこでずるずる行っちゃうのが今までっていうか。勝ちきれないっていうのがあったんですけど、今日は悪い流れを前半で切れたから、そこは良かったかなと思います。

ーー折り返しのハーフタイムは後半に向けてどんな話をしましたか?

負けてはいましたけど、主導権は持っていたし、あとは決めるだけっていうので、選手はみんな、あんまり悲観してはなかったのかなって思いますね。攻めれてなかったわけじゃないし、スキを与えてたかっていうとそこまででもないと思ったし。絶対に後半にチャンスは巡ってくると思ってましたので、そんなにネガティブな感情ではなかったと思います。

ーー小宮山監督は喝を入れたというような話をしていたが?

ああ、そうですね。はい。本当に、ここで負けたら今まで通りだっていうのと、あとは決めるところだけっていうのは、ずっと何年もそうなんですけど、課題なんで、本当に決めきるぞっていう、喝を入れていただきました。それが後半、形になったんで、よかったかなと思います。

ーーファーストセットが同点にしてくれて、勢いに乗ったところでの逆転の3点目でしたが得点シーンを振り返ってもらえますか?

あんま覚えてないんですけど、いい意味で、タケがよく潰れてくれて。で、タケにボールが入ったら走る、前への矢印というのを出さないといけないとずっと思っていたんで、そこでいい感じにこぼれてきて、先にさわれて、いい感じに入ってくれて。あんまり狙ったとか、考えずに打ったんですけど、入ってよかったです。

ーー逆転のゴールだったから、チームとしても勢いに乗れたと思いますが?

そうなってくれて良かったです。自分のゴールっていうよりは、そのあとみんなが走って守って球際も強く行ってましたし、後半こそ本当にピンチなんてあんまりなかったかなって思うので、みんなに感謝ですね。

ーーチームとして、強度が上がっているように見えましたが、その辺りは意識していますか?

そう見えた感じですか? でも、自分たちは日頃からけっこう強度高くやってると思ってるんで、それを100%試合で出すのは難しいかもしれないですけど、フットサルは相手に一つ一つ勝っていれば、多分勝てると思うので、っていうのは監督から試合前にもありましたし、1対1とか、走り負けないっていうのは多分うちのいいところかなって思います。

ーーチームとして、昨シーズンと比べて今シーズンは、思ったように勝てていないようにも見えますが、その辺りはどう感じますか?

去年は前半戦はすごく良くて、後半は失速しちゃって、って感じだったんですけど。そうですね、今年はまずホームで勝ててなかったのと、でも、名古屋に引き分けて、勝てればベストでしたけど、そこで自分たちの力をまた示すことができたので、そこから良い流れになるんじゃないかなと思ってました。で、後半戦一発目の試合を勝てたので、もうここからは全勝する勢いで、まずは上位リーグというか、上のステージでやれるようにやっていかないといけないんで。去年とは、選手も代わってますし、ここまでは終わっちゃったんで、これからは前を向いていくしかない。ここから勝って、上に入っていくしかないかなって思います。

ーー自分のプレーでこういうところを見て欲しいっていうのは、どういったところですか?

まずはディフェンスですね。監督にも試合に入る前には失点しないようにっていうのは、よく言われてるんで。まずはディフェンス。それと、ドリブルが上手いとかいう選手じゃないので、チームのために走ったり、ボールを持ってないところの動きだったり、味方を助けるプレーっていうのを見ていただけたらいいかなと思います。

ーーここから出場時間を伸ばすために必要なことや強化したい部分は?

(リーグ戦の)前半戦から多分チャンスはもらっている方だと思うので、今、ケガ人も出てますし、ここで自分のポジションを確立しないと、またケガ人が戻ってきたらメンバーも固定されていくと思うので、まずはコンスタントに試合に出ることプラスゴールとかアシストとか、結果を残したい。一番はチームが勝てればいいです。

フウガドールすみだ 試合後会見

フウガドールすみだ試合後会見 北隅智宙監督

試合後会見に出席するフウガドールすみだの北隅智宙監督

北隅智宙監督

ーー試合の総括をお願いします。

前半2-0という形で、自分が思い描いた、準備してきた通りの形で終えられました。ハーフタイムも後半に向けて同じような時間が続くなかで、相手の戦略的な部分を想定して入ったなかで、やっぱり立ち上がりの失点、3失点というのがすべてかなと思ってます。

選手たちは、本当に20分間はパーフェクトで、その後の20分間っていうのは本人たちも理解してますし、自分も同じく理解してますし、何か1個きっかけがあれば全てが変わったんじゃないかって思うような結果なので、なかなか受け入れるのは難しいですが、やはり浦安の強みを消し切れなかったり、あと1つ早く何か決断を取っていればっていうのを、本当に多く感じるようなゲームでした。自分も含めてゲーム自体のマネジメントだったり、そういったものをもう1回、考えていかなきゃいけないのかなと感じています。

あとは悪いところだけ見れば、負けたので悪いんですが、入江という素晴らしいゴールキーパーが今日は40分間ピッチに立つことで、多くのピンチを防いでましたし、攻撃に参加するなど、いいプレーもありました。若い選手がプレッシャーをはねのけて、ピッチで堂々と戦う姿勢というのは、これからのすみだの新しい光になると思いますし、ベテラン陣もそれを見て、ハードワークをして、中堅がそこに飲み込まれないように、一歩前に飛び出していくっていうサイクルが始まってきているので、そこは投資ではないですけど、彼がこれだけのパフォーマンスを示したのは、クラブにとって大きなポイントになったかなと思ってます。

来週、中4日で前回1-7で負けたYSCC横浜をホームに迎えるので、そこに切り替えて、新しくチームをもう一回立て直さなきゃいけないのかな、今考えるべきはそういう部分だと思うので、こういう負け方をしたからこそ良かった部分と、よくなかった部分、整理する時間がないからこそ、良かった部分だけに目を向けて、自分たちができたこと、逆にできないことは次のゲームでもできないと思うので、準備をしていけたらいいなと考えています。以上です。

ーー入江選手は、前節はスタメンで出て、後半は交代しましたが、今日は40分間出場しました。最初から使うつもりだったのかという点と、今おっしゃったような若い選手が経験を積むというところでいうと、この1試合ですごい経験をしたと思うが、クラブとしてのフィロソフィーについてや今後につながる種まきができたことなど、お聞かせください

まず一つ目の、入江に関してですが、その通り使うつもりでいました。前節の北海道戦で、彼は半ばプレゼントされたような形でF1のピッチに、しかもホームでスタートから出て、20分間ほぼ彼のエラーはないなかで、いいプレーが出てたので、その部分を評価して今日は40分使おうと思っていました。

ゴールキーパーに関して言えば、40分ゲームを戦って、初めてゴールキーパーだと、自分は認識しています。次の質問にもちょっと紐づくんですが、やはり若い選手を失点したからといって、特別な局面や今日みたいなゲームで代えていくと、彼の責任がどうしても薄くなっていくのではないかという考えがあります。1試合を通して出すことで、いろんな経験ができて、F1なので、正直この言葉が合っていると自分は思ってないんですけど、ただやはり誰かがいつやるかやらなきゃいけないというなかで、自分にしかできない仕事だと考えているので、彼を40分使うっていうところと、若い選手を使っていくことで、種まきという言葉はまさにその通りで、ピッチに立つことで、その経験が肥やしとなって次に繋がっていく、大きな花を咲かせるんじゃないかと思います。本当に思っているように成長してくれています。

これを既存の選手たちは許容してるというわけではないと思いますが、ただ、理解をしてもらっているなっていうのは、自分と選手との日常のコミュニケーションのなかで取れていると思っています。今日のゲームでいえば岸は、ずっとベンチで彼のことを支えてくれてました。試合全体を見ながら、若い選手が生き生きとプレーできるように振舞ってくれるベテランがいることは、今日の退場で失点しないとか、そういったところも全部含めて結果には繋がっているので。勝利という結果には繋がりませんでしたが、実際自分が想像している方向にクラブ自体は傾いていってるんじゃないかなと感じています。

ーー退場局面で選手を頻繁に交代していましたが、その狙いは?

まず自分たちは2-3で負けていたので、あの前にパワープレーをする予定でした。それで、パワープレーのジャージを着るのが、普段だと栗本(博生)なんですね。そういった選手が退場してしまったので、パワープレーをできるメンバーはスペシャリストですし、そうなったときに彼らはピッチに立たせ続けたら、2分間は守れたとしても、その次にプレーが全くできなくなるのは分かっていたので、パワープレーに出る選手たちを回しながら、調整を図っていたなかで、交代っていうのがありました。その後、羽生(恒平)を入れて、中田(秀人)を下げて、中田にキーパーのジャージを着させて入れ替わるっていう、戦略的なところで言えばパーフェクトにはまったのが今日のあの交代の背景にはありました。

ーー中断期間中に強化した部分はありますか?

まずクラブの大きいトピックとしては、U-18の選手たちが日本一のタイトルを持ってクラブに帰ってきたっていうことは、ご存知の方もいるかもしれません。自分は、ファルコンズ(U-18)の初代の監督ですし、彼らを全国大会に連れていった最初の監督なので、彼らが全国大会で優勝したというその結果に対して、評価を与えないといけない立場です。強化した部分で言えば、若い選手たち、全日本ユースで活躍した選手、セットを丸々トップチームに2週間呼び続けました。

強化したところで1番大きかったのは、そこになりますね。新しい種を撒く、ではないですけど、この2週間、1週間はトップチームに慣れるというところ、2週目は浦安のモデルを理解してもらって、スカウティングの映像からすべてをやってもらって、彼らが対浦安のまねをするような形から、デザインされたゲームを行ったり、どういうセットプレーに対してどういうふうにやるとか、1週間本当にトップチームがやるサイクルに参加させました。23人いたんですね、23人でこの浦安戦というものを作るようなサイクルを過ごしたので、特別、上を強化したというわけではなくて、どちらかといえばそういった日本一を取った彼らに、すぐ目の前に次のゲームがあって、次のゲームっていうのはもうF1のピッチだぞっていうのを示すことで、もしかしたら10月に新しい選手が特別指定になったり、そういったところの種まきをしたっていうところが、この2週間であった一番の強化のポイントになります。

そのなかで名古屋オーシャンズサテライトとゲームをしています。今季、浦安さんとは、オーシャンカップで当たって、そこからお互いに選手が成長して変わってきて、大島旺洋とかが骨折していないなかで、どういうふうにやって来るか、前回の対戦とは全く違うゲームの構造になると思いました。ですので、名古屋サテとのゲームは、強化の一環としては、トップの選手が前半20分は3-0で、本当にいいゲームをしました。今日のゲームに入るにあたって、前半がパーフェクトであったように、その試合も前半はトップの選手だけが出場して、3-0というスコアで勝って、同じように完璧なゲームだったので、浦安対策としては非常にいい出来だったなと自分にも選手にも実感がありました。その結果、いいモチベーションでこのゲームに望めたのが前半の20分に現れてたなって思ってます。強化にイコールではないですけど、そういったところも今日の20分には繋がってたかなと感じています。

ーーユースの選手を呼ぶことで、逆にトップの選手が刺激を受けることはありますか?

トップの選手が刺激を受けることはあまりないと思います。自分よりクオリティの低い選手が練習に来たら、監督なんで呼んだ?という感じに若干なるので、みんなには、感謝してます、と頭を下げてます。

ただ、自分のプロジェクトだったり、すみだの5年のプロジェクトはご存知だと思いますが、彼らが1年かけてなのか3カ月かけてなのかはわからないですけど、星龍太だったり、諸江剣語だったり、田口元気、栗本博生っていうのは、あと10年プレーをすることはないと思います。本当にこの1、2年で若い選手に何を伝えられるか、彼らはそのミッションを、タスクを理解してます。そこに対して、若い選手も向かっていってますし。それをやってるから悪い方向にとか、今日のゲームがとかっていうのは何一つないと自分は感じています。

▶Text by 小西 尚美
▶Photo by 小西 尚美
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