試合

延長後半残り2分に勝ち越し弾! エースの得点ですみだが優勝

第28回全日本フットサル選手権大会決勝
~湘南ベルマーレ VS フウガドールすみだ~

日本を9エリアに分け、それぞれの地域で予選を行って、日本一を争う全日本フットサル選手権。Fリーグに所属するチームは、地域大会を勝ち抜いた代表チームが出揃う本大会からの出場となる。2023年開催で28回を数える歴史ある大会だ。

本大会の1回戦と2回戦は、3つの会場に分かれて実施。勝ち上がった8つのチームが駒沢オリンピック公園総合運動場体育館を舞台に3日間で行われる準々決勝からの戦いに駒を進めた。ベスト8はいずれもF1に所属するチーム。昨シーズンの覇者、立川アスレティックFCはもちろん、2022-2023シーズンに立川とリーグ戦、カップ戦で常に優勝を争ってきた名古屋オーシャンズも順当に勝ち進んだ。この大会もまた、優勝を争うのはこの2チームか? と思われたが、蓋を開けてみれば決勝を戦ったのはリーグ戦5位の湘南ベルマーレと、6位のフウガドールすみだ。声出し応援が解禁となったタイミングで、熱いサポーターを擁するチーム同士の対戦となった。

湘南は、準々決勝でペスカドーラ町田と対戦。2000日の間勝利がなかった相手を破り、準決勝へ。その準決勝ではリーグ優勝の名古屋と対戦し、点の取り合いの末にPK戦にもつれ込み、決勝への切符を手に入れた。一方のすみだは、準々決勝でプレーオフに進出したバルドラール浦安に勝利。準決勝でY.S.C.C.横浜と対戦し、こちらも延長戦に勝利して、決勝に名乗りを上げた。

決勝が行われたのは、3月19日(日)。両チームともに強度の高い試合を戦い抜いて臨む一戦となったが、疲れがないと言えば嘘になるコンディションの中、連戦を感じさせないアグレッシブな動きを見せた。

この対戦は、ピヴォ対フィクソの対決が鍵。日本代表のピヴォ、清水和也選手を擁するすみだは、兄の清水誠也選手もピヴォを務め、どのセットもピヴォを起点にした攻撃を仕掛ける。その清水和也選手とマッチアップするのが、湘南の内村俊太選手。こちらも日本代表として、昨年行われたAFCフットサルアジアカップクウェート2022の優勝に貢献している。

序盤、攻勢を強めたのはすみだ。いい形で攻撃を仕掛け、シュートまで持ち込む回数は湘南を上回る。しかし、バーやポストに阻まれるシーンも多く、さらに湘南はゴレイロのフィウーザ選手のセーブも含めてていねいな守備で対応し、得点は許さない。こうなると流れが変わっていくのがゲームの常。1stピリオドの残り時間が1分を切ったところで、内村選手が自陣でボールをインターセプトし、ゴール前で右サイドを走る靏谷春人選手へパス。靏谷選手はワンタッチでボールを浮かし、ゴールへ。技ありのシュートを決めて先制した。

2ndピリオドも同様の展開。湘南は、前線に入れたボールもすみだのゴレイロ、岸将太選手に阻まれ、効果的な攻撃につなげられない。そんな中、湘南の内村選手が2枚目のイエローカードで退場になる。すみだは、このファウルで得たフリーキックから清水和也選手がシュートを放つがクロスバーに当てて得点できず。続く4人対3人の数的優位のシチュエーションも湘南がうまく守って得点に至らない。ところが、数的同数になったところで湘南は、すみだの星龍太選手をゴール近くでフリーにしてしまう。中田秀人選手がすかさずパスを出し、シュートにつなげ、同点とした。

その後は、両者得点できないまま延長戦へ。延長後半、残り3分を切ったところで湘南がパワープレーをスタート。ところが湘南は、相手ボールになったところでのセットの交代時にミスから清水和也選手に得点を許してしまう。すみだが逆転に成功したところから守り切って、そのままタイムアップ。強かに戦ったすみだが優勝を勝ち取った。

すみだの全日本フットサル選手権の優勝は、旧名称のFUGA MEGURO時代の2009年以来。今季限りで退任する荻窪孝監督は有終の美を飾った。

湘南ベルマーレ 試合後会見

ーー試合を振り返って
伊久間 洋輔監督「決勝戦でしたが、いつも通りたくさんのファン・サポーターに来ていただいて、熱い応援をいただいて、本当に素晴らしい試合ができたと思います。結果は出ているので、そこに対してどうということはないですが、最後の日まで試合ができるのは2チームだけ。どっちかが勝ってどっちかが負けるというところで、我々が負けたということかなと思います」

ーーオーシャンカップからリーグ戦、今大会まで、1年を振り返って、どのようなシーズンでしたか?
伊久間監督「今シーズンは、アジアチャンピオンになりたいと目標を掲げて、積み上げている段階だと思っています。僕は昨シーズンの途中から監督になりました。サポートはしていましたが自分でチームを作ったわけではないので、その中で足りないところはどこかなというのを探しながら、また、5年後(にアジアチャンピオンになること)を見据えて何が必要かなというところで、オーシャンカップからチームに必要なものを指導してきました。その中で、リーグ戦ももう少しでプレーオフというところまで行けましたし、選手権もリーグ戦が終わってからの間で整備して、昨日の準決勝ではそれが出せました。今日は、(内村)俊太の退場などありましたけど、全体的には若手の成長も非常に見えたので、来シーズンに向けてまた……という気持ちにはまだなれないですけど、というところです」

ーープレーオフまであと一歩というところだったが、主力の引退や退団があって、来季はまたチームが変わると思うが、その差を埋めていくために必要なことはなんでしょうか?
伊久間監督「(決勝戦は)熱い試合になるし、疲労も溜まる中で、個人個人がしっかりとしたプレーをできるかということだと思います。今シーズンは、そこを高めてきたんですけど、最後の最後で、僕も含め、まだまだだなという。でも、あそこの場面で全員がしっかりとしたプレーをできれば、まだまだ上に行けます。ベテランがいなくなるということは、今いる選手がそれをやらなければいけないので、そういうことも含め、選手起用に関してももちろん、勝ちを目指しながら成長しないといけないと思っています。今は、その辺が足りない部分かなと思います」

ーー内村選手の退場はやはり大きかったですか?
伊久間監督「非常に大きかったですね。コンディション不良だったんですが、そこはうまく調整しながらできたと思います。昨日は割と長く出場しましたし。やはり勝ち進めば非常に強いピヴォがいますし、昨日もそうですけど、今日も清水和也選手にしっかりつけて、というところはやれていたと思います。あのままいけばどうなっていたかなとは思いますけど、それがゲームだと思います。非常に痛かったです」

ーー今日のサポーターは、リーグ戦以上に声出し応援がすごかったですが、監督はどのように感じていましたか?
伊久間監督「もちろん、完全にホームだなという形で戦えました。選手たちも(3連戦で)厳しい状況の中ですし、追いつかれたあとも、全員が『これからだ』という気持ちでやれてました。本当にいつも以上に声援が届きました」

ーー悔やまれる采配があれば教えてください
伊久間監督「たらればですけど、PKに持ち込めばよかったのかなと思います。でも昨日もそうですけど我々の試合というのは、PKを待つスタイルではない。ですが……非常に迷いました。本当に、PKに行こうかなと。昨日はそれで勝てましたし。でも、みんなもPKの前に決める気持ちだったと思うので、悔いはないという感じです。選手は悔いがあるかもしれないですけど(笑)。結果がそうだったので、ということですね」

ーーでは残り2分44秒からのパワープレーは、ゴールを取りにいくものだったということですか?
伊久間監督「そうです。ここで勝負を決めるんだという気持ち、それが我々のフットサルじゃないかなと。PKになるのもおもしろいかもしれないですけど。あそこで決めに行きました」

ーー内村選手が退場したあとの清水和也選手への対応については、高橋選手が対応するシーンもありましたが、どのような指示を出しましたか?
伊久間監督「もう少しなところはあるんですけど、高橋広大もデュエルはいけますし、戦える。内村は鍵を握る選手なので、そこがいなくなったというところでセットの組み替えをしなければいけないという部分で、相手ピヴォに対しては高橋広大でいくよという形でした」

ーー昨日の準決勝のことですが、PK戦で靏谷春人選手を5人目のキッカーにした理由を教えてください
伊久間監督「彼の成長ですね。日本代表になりたいと言っているので、あそこで蹴ってゲームを決められなければ『それはないでしょ』というところで、『行け』と。今日の1点も多分、あれがあったから取れたと思います。自分がゲームを決めるんだという。先ほどベテラン選手の話がありましたけど、ベテラン選手はそこを通ってきているので、若い選手からゲームを決められる選手が出てくれば、次は明るいなと思います」

ーー今日を最後に鍛代元気選手、ロドリゴ選手、籔内涼也選手がチームを去りますので、彼らに向けてメッセージをお願いします
伊久間監督「毎年、彼らだけではなく、彼らはたぶん、華やかに終われる選手だと思います。彼らのことよりは、やっぱりFリーグでやりたいのにやめなきゃいけない選手もいますので。そういう意味では、元気は本当に素晴らしく育ったんじゃないかなと思います。最初も最後も僕が監督だというのは、彼が言っていて気づいたんですけど……泣きたくなりますけど。でもこれからも彼は多分チームを支援すると思いますし、最後の日までできたというのは本当に良かったねと、お疲れ様と言いたいです。

ロドはチームの顔ですし、昨日も大活躍でした。彼は本当にプロフェッショナルなので、一つのチームで終わるというのもいいですが、次のチームに行ってキャリアを積むというのもあると思いますので。長い間ありがとうと、次も応援しています、と言いたいです。

籔内涼也はレンタルなので、靏谷じゃないですけど、レンタル先のチームでしっかりと勝たせられる選手になれば呼び戻したいと思います。やってくれると思っていますので、頑張れよと言いたいです」

ミックスゾーンにて

※ミックスゾーンでの取材のため、写真はありません
高橋 広大選手
ーー試合を振り返って
「いい入りをしたんですけど、勝ちきれなかったなという試合です。みんな3連戦の最後でも戦っていたし、でも勝てなかった事実はこれは必然です。改善して、来季につながる試合になったかなと思います。

ーー今年1年間を振り返ると?
オーシャンカップから始まって、Fリーグもタイトルを取ることから遠ざかっていたので、最後は取るつもりでトレーニングもしてきたんですけど、取れなかった。何が足りなかったのかは、まだちょっと細かいところについての整理は追いついてないんですけど、来季は絶対取りたいなという気持ちです。

ーー取るというのは、リーグ戦ですか?
全部です。

ーー昨日の攻撃的なゲームから、今日はすみだペースの攻め手のない落ち着いたゲームになった印象ですが?
フウガは湘南の対策が上手だなというイメージがあって、そこをもう一つ上回る力がなかったかなと思います。

ーーフィウーザのゴール前へのパスなどすべて防がれていました
あれももったいないなっていう。あそこからもう一つ、上回れたらなと思います。

ーー高橋選手自身としては、今シーズンどんな1年でしたか?
チームでタイトルを取るためにプレーしてきて、その上で自分は代表に入るという目標を掲げてたんですけど、両方叶わずして選手権も終わってしまった。来季も目指すところは変わらず、それ以上のプレーをしていきたいなと思います。

ーー高橋選手にかかる期待は大きいと思うが?
自分ももっと目に見える結果でチームの勝利に貢献しなきゃいけないと思ってます。

ーー来季、ユースの先輩である菊池大介選手がチームに加わりますが、サッカー時代の先輩については?
(フットサルに転向して)1年目でFリーグの舞台というのは本当に厳しいと思いますけど、菊池選手もすごくキャリアがあるので、一緒に切磋琢磨してやって行けたらなと思っています。

ーー来季、背番号を変更する理由は?
24番というのは、湘南ベルマーレのサッカーのユースチームにいたときにつけていた番号で、思い入れのある番号なんです。来季は自分の中で覚悟のシーズンと位置付けているので、タイトルを取ることもそうですし、代表に絡んでいかないとW杯もないなと思っているんで、自分の中で一番思い入れのある番号をつけたいなと思いました。

牧野 謙心選手
ーー試合を振り返って
拮抗する試合になるだろうと思っていて、案の定そうなったという試合でした。昨日、名古屋を下したところで自分たちは気持ち的にいい方向に向いていたんですけど、最後のところのミスがあって、その結果負けてしまったなと思っています。

ーー内村 俊太選手の退場後は、清水 和也選手とマッチアップするシーンも多かったが?
俊太くんが抜けたことでセットの入れ替えがあって、チームとして対応したかったんですけど、ズレることも多くて、対応しきれないところもあった。そこで最後の交代のところでミスがあったりというところで。そこは来シーズンに向けてチームとして詰めたいなと思います。

ーー清水 和也選手はどう感じましたか?
やっぱりスペインでやっていただけあって日本人の中でも全然違う。そういう選手と対戦できて自分もうれしいですし、そこで負けていたら代表には入れないと思う。今日もちょっとやられたので、今度対戦するときはシャットアウトして勝てるような選手になりたいと思っています。

ーー内村選手は清水選手への対応がうまいが、どのような違いがあるのか?
違いというのは、明確にはわからないですけど、俊太くんは日頃から見ていてお手本になりますし、どんどん盗んで自分も対応できる選手になりたいと思っています。

ーー今シーズンを振り返ると?
今シーズンは、今日で終わってしまったんですけど、退団する選手などに本当にお世話になったので、今日にかける思いは強かったんですけど、そこで負けてしまって。優勝して送り出したかったのに、そこで勝ちきれなかったのは悲しいです。個人的には、攻撃に重きを置いていたシーズンではあったんですけど、その結果、自分の中では守備面が去年よりは劣ったなというのがありました。監督から求められているのは守備のところなので、攻撃のところは意識しつつなんですけど、もっと守備に力を入れて、負けないフィクソになりたいなと思っています。

ーーフィクソは攻撃とのバランスが難しいポジションではありますね?
それこそ俊太くんは、ピヴォをシャットアウトしながら攻撃でも点をとってチームに貢献する選手、勝ち切れる選手。お手本になる選手が近くにいるのでどんどん学んでいきたいなと思っています。

靏谷 春人選手
ーー試合を振り返って
全日本選手権を振り返ると、今シーズンの集大成ということもあり、チームが一番団結してタイトルを目指していたと思います。

ーー先制シーンは、清水選手も足を伸ばしてきている中でしたが、どんなことを意識していましたか?
先制点を決めたシーンはカウンターからのゴールでしたが、相手のゴレイロが少し出てきているのが見えていたのでシャペウ(ドリブルのテクニックの一つ)のようなイメージでゴールを決めようと考えていました。結果的には良かったと思います。

ーー得点シーン全体の振り返ると?
自分の得点はチーム的にも得点が欲しいと思うタイミングでゴールが取れたと思います。

ーー敗戦という結果でしたが、チームとして、個人として何が足りなかったと考えますか?
チームとして優勝に足りなかったことは、本当に最後の集中力だと思います。途中退場してしまった選手がいましたし、2失点目に関してはビブスを着たままピッチに入ってしまい、ディフェンスに間に合わないなど、最後の集中力が欠けてしまっていました。

個人としてはやはり、逆転されたときに自分の力でゴールをこじ開けられる個人技術が全然足りません。自分の得意とするゴールへ向かうドリブルは少なかったですし、あの緊張感と疲労感の中でも自分のプレーをできる選手にこれからなります。

ーーシーズン全体を振り返ると、成長を感じられた1年だったと思いますが、1年を通して振り返った感想は?
今シーズンは本当に成長できたシーズンだったと思います。プレータイムが伸びて、試合に出場する機会が増え、自分の得意とするプレーを出すことができ、どんどん自信に繋がっていきました。

ーー成長した点、課題に感じている点はどういったところですか?
成長したと思うところは、一番はメンタルです。今では自分の得意とする右アラでのドリブルは取られる気がしません。

課題点としては、得点力とディフェンスです。チームを勝たせる選手になるにはやはりロドリゴのように得点を取ることができる選手になる必要があります。

ディフェンスについては、1対1は大丈夫ですが、マッチアップしている選手以外の敵チームの選手にもっと気配りをして、カバーリングなどのディフェンスをもっと強化していく必要があると感じています。

ーー名古屋戦のPKでは、5人目のキッカーでしたが、そのことについてはどんな思いがありますか?また、蹴ったときにはどんなことを思っていましたか?
5人目のキッカーに選ばれたときは、少なからず期待されていると思いましたし、決める自信しかありませんでした。蹴った瞬間に、もう入ったと思うような感覚でした。

ーー来シーズンはどんな年にしたいか、目標や成長を目指すポイントを教えてください。
来シーズンは僕がチームを引っ張っていくような選手にならなければいけないことは間違いないと思っています。ですから得点を量産したいですし、自分の中で目指しているポイントというとおかしいかもしれませんが、ロドリゴのような選手になり、チームを勝たせる存在になります。そして次こそタイトルを掴み取ることを目標に頑張っていきます。

フウガドールすみだ 試合後会見

ーー試合を振り返って
荻窪 孝監督決勝ということでたくさんのサポーターの方が駆けつけてくれて、先制されてどうなるのかわからない展開で、その中で最後まで諦めずに戦えたのは、心強いサポーターの存在のおかげです。試合の前にもいろんな方から応援のメッセージをいただいて、選手たちにもその感謝をピッチで表して、勝って最高の恩返しをしようと声がけしていたので、勝利して優勝することができて本当に良かったと思います。

ーーラストマッチを優勝で飾って涙も流されていましたが、優勝が決まった瞬間の気持ちはいかがでしたか?
荻窪監督正直、信じられないというか、本当に勝っちゃったなというのが率直な感想です。試合前に控え室で一人で音楽を聴いていたら泣いちゃったんです。選手に見つかって「はえーよ」って言われましたけど(笑)。本当に、まだ実感はないんですけど、みんなで勝って新しい景色を見ようということで臨んだ一戦だったので、選手たちに感謝しています。

ーー泣いた曲というのは、どんな曲ですか?
荻窪監督湘南乃風の「応援歌」という曲だと思います(笑)。清水誠也がいつも音楽担当で流しているんですけど、しんみりしたのが来ちゃって。一人でご飯を食べていたんですけど、「今日で最後か」と思って「寂しいな」というので涙を流しちゃったんですよ。だから、テンション上がる曲にしろと怒りました。

ーーオーシャンカップから今日までシーズンを振り返ると?
荻窪監督最初は、(星)龍太など新加入選手もいる中でチームを作っていくというところでは試行錯誤しながら戦っていました。終盤になるにつれて、一体感というところでは選手一人ひとりがチームのために練習からやってくれたと思いますし、リーグ戦最終戦もそうですけど、いろんなドラマを産んでくれたと思います。この選手権もチームの雰囲気がそのまま出たかなと思います。

ーーバーに嫌われるなど、攻めても点が入らない中、相手に流れが行く空気をどう感じていたのか、また最後に決めた清水 和也選手についてはどのように感じていますか?
荻窪監督和也にも「お前が決めるしかないよ」と声がけしてました。内村 俊太選手が退場したのは想定外でしたけど、その前の段階でも「パワープレーじゃなくて、システムで勝負するよ」と話していて、彼が決めて勝つというのは、言っていたことそのままで。本当に決める和也がすごいなと思います。

ーーリーグ戦のホームの湘南戦では勝利しましたが、攻撃がうまくいってなかったように見えた。今日は攻撃面でチャンスを多く作れていたが、何か意識したところはありましたか?
荻窪監督ホームの湘南戦とほとんど同じ展開になっていたと思います。ピヴォとフィクソの勝負だと思っていましたし、内村選手というのは素晴らしいフィクソなので、そこでホームの試合では(ピヴォが)うまく機能しなかった。でも自分は、やっぱりピヴォ攻撃というところで、清水和也と誠也、岡村康平で勝負していくと思っていました。時間帯によってはフィクソを吊り出して裏のスペースを使っていく指示もしたんですけど、その辺は相手を見ながらやってほしいと選手を信頼してピッチに送り出しました。

ーー須賀雄大監督からバトンを受けて2年間、順風満帆ではなかったと思いますが、やるべきことをやる、走るべきところで走る、フウガイズムのようなものをかんじました。これは監督の手腕なのか、チームに受け継がれているものなのか、どう感じていますか?
荻窪監督僕もシンプルな、ゴールに向かう、ゴールを守るというフットサルが好きなんですけど、チームとして選手一人ひとりがそれを体現してくれましたし、選手たちがやるべきことをやってくれたという、それだけです。素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたと思います。

ーーメンバーに入れなかった佐藤雄介選手などの選手の振る舞いも素晴らしかったと思いますが、監督には彼らの貢献はどのように映っていましたか?
荻窪監督川崎柊音、佐藤雄介、甘利斗亜がメンバー外だったんですけど、練習から準備も率先してやってくれていますし、声も出してくれている中で、SNSなどでも発信していますけど、出ているメンバーの後押しをしてくれているというのもそうですし、いつケガ人が出てもいいように準備をしてくれていたと思うので、彼らが陰で支えがあったことも日本一を取れた要因だと思っています」

ミックスゾーンにて

※ミックスゾーンでの取材のため、写真はありません
清水 和也選手
ーー優勝おめでとうとざいます
ありがとうございます。

ーーまずは率直に優勝が決まった今の気持ちを教えてください
本当に苦しい試合でしたし、なかなか点が取れなかったという自分自身の葛藤もありましたけど、最後の最後、決めるのは自分だと信じてましたし、みんなも信じてくれた思いが乗り移って、ゴールを取れたんじゃないかなと思っています。うれし涙で、それしか覚えていないですけど、最高の景色を見れたなと思っています。

ーー監督が試合後の記者会見で、「和也しか決める人はいないが、そのなかで決めてくれたことがすごかった」とコメントしていましたが、決まったときはどんな気持ちでしたか?
誰がどう見ても自分が決めたと思える点だったと思いますし、どんな形であれ、この1点というのは、自分たちが優勝に近づくために大事なものでした。PKに行くんじゃないかと誰しも思ったかもしれませんが、自分自身は必ず決めると思っていました。その瞬間は冷静にフィウーザ選手の位置も見えていましたし、1トラップしたそのあとも外れていたのは見えていたので、ゴールに流すだけだったかなと思います。

ーー和也選手のセットは、完成度も高いが、ご自身は4人の連携はどのように感じていましたか?
何も言わなくてもパスが来るという信頼関係がありますし、彼らのためだったら自分がケガをしてもボールを抑えてやろうという気持ちもありました。決勝トーナメントは正直、自分に対する圧力を感じていましたし、それだけ点を取られたくないんだろうなと。もちろん当たり前のことですけど。そのなかで、カツ(中田秀人)が3試合で5点を取ったというところで結果を示していましたし、それ以外にも北村がケガをしながらも最後まで必死に守ってくれましたし、(諸江)剣語さんもベテランなのに若手のようにピッチを走ってくれましたし、畠山(勇気)も代表に近いピヴォの選手たちをしっかり抑えていたところもあるので、そういった面では非常に全員が全員、仲間のために身体を張れたと思いますし、一人ひとりが与えられた仕事をまっとうできたんじゃないかなと思います。

ーー今日は前半からチャンスも多く、シュート数もかなり打つ中で得点できなかったが、最後まで気持ちを保ち続けられた要因を教えてください
正直、自分との戦いだったのかなと思います。前半の決定機がポストに当たってから、「今日は自分の日じゃないのかな」と思いながらも、監督を含め選手たちが「お前なら取れる」と言ってくれましたし。実際、4対3の数的優位のときも1個クロスバーに当てて、どんだけゴールに嫌われてるんだと正直思いましたけど、自分ならやれるという強い気持ちを持てたのは間違いなくチームメートのおかげかなと思います。

ーー最後はやっぱり絶対自分が決めてやる、ヒーローになってやると思って?
それしか狙ってなかったですね。

ーーゴールを決めたとき、入れ替わりのシーンで一瞬エアポケットになったかな?と思いましたが、隙を見てましたか?
パワープレーの守備からオフェンスに変わるときは、僕が出ると決まってましたし、相手も最初は(内村)俊太くんが自分にマンツーマンでついていたところから、彼が退場してからは(牧野)謙心が入って。間違いなくそこに当ててくるだろうなというのはあったんですけど、交代の隙を見つけてカツからいいボールが来たので、自分のなかでもあの形で何回か点を取ったこともありますし、その通りにボールを動かして決めるだけだったかなと思います。

ーー繰り返しになりますが、何度はずしても、あのシーンは冷静に見えていた?
そうですね。フィウーザ選手がどういうゴレイロかというのもわかってるつもりでやっていましたけど、自分のコンディション的にいい所に置けなかったりだとか、腰が切れなかったりだとか、たくさんの要因はあったと思うんですけど、それでも最後の最後まで我慢して、最後に彼は滑ってくると思っていたので、そういった意味では非常に冷静に決められたのかなと思います。

ーーゴールを決めて一目散にサポーターのところに走って行きましたが、今日はたくさんのファン・サポーターが集まって声出し応援で後押しをしていました。和也選手はピッチのなかでどう感じていましたか?
間違いなくベルマーレは、日本でもトップクラスのサポーターを持っているチームだなと思ってますけど、我々も負けじとたくさんの人がああいうふうに応援席に入ってくれて、自分たちに最後の最後までエールを送ってくれたというのがあったので。自分はね、カツが5点決めてるうちに、俺にありがとうも言わないで応援席のほうに走って行く姿を見ていて、カッコいいなとちょっと思っていたので、自分もそれができて良かったです(笑)。

ーー久しぶりに日本で、ご自身はリーグ戦で得点王を取って、代表ではアジアカップも優勝して、クラブでも優勝して、最高のシーズンだったと思いますが、改めて1年を振り返っていかがですか?
良いこともあれば、悔しかった思い出も自分の中に残ってます。プレーオフに行けなかったというところは、自分の中でチームに申し訳ない、もっと点を決めていればとも思いましたし。だからこそこの選手権は、このメンバーでできる最後のチャンスというところもあったので、何としても優勝したいという強い気持ちでできました。本当にラクなシーズンではなかったですけど、誰一人下を向かずに自分たちの現状と向き合って、そこから更に良くしようともがき苦しんだ結果がこうやって優勝できたので、最終的にはお世話になった先輩もそうですけど、いろんな人を気持ちよく送り出すことができるのかなと思っています。

ーープレーオフに行けなかった悔しさも、この選手権にぶつけることができた?
自分の中では得点王を取ったとか、AFCで優勝したというよりは、「なんであの試合で点が決められなかったんだろう」というところがすごく頭のなかに残ってましたし、自分自身が決めるチャンスが多かった中で、その仕事を果たせなかったのは、やっぱりチームに対して申し訳ない気持ちもあったので、そういった意味では全てをここにぶつけると思っていました。結果的に決勝トーナメントは1点しか取れなかったですけど、その1点がチームにもたらした影響は間違いなく大きかったと思うので、自分の仕事はできたのかなと思っています。

ーー来シーズンに向けた課題はなにかありますか?
自分自身としては、代表でもそうですけど得点が求められるポジションなので、常に1点、2点を積み重ねられる選手にならないといけないなと思ってますし、そうするためにも日頃の努力もそうですけど、感覚的に研ぎ澄まさなきゃいけないなという部分がたくさんあるので、そういったところを伸ばして、もっともっと得点力のある選手になりたいなと思っています。

ーー感覚的に研ぎ澄ますというのは、ゴールへの嗅覚といったような部分ですか?
そうですね、あとは「このゴレイロならこう」という事前情報もそうですけど、そこにシュートを打ち抜く技術も間違いなく必要になってくると思います。今日でいうと数的優位な状態での2分間で点が取れなかったので、そういったところも自分自身が仕留めるという気持ちが必要かなと思っているので。足りなかったわけじゃないと思うんですけど、結果的に取れなかったんで、そこの確率を上げるためにも頑張らないとと思ってます。

▶Text by 小西 尚美
▶Photo by 小西 尚美
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