試合

F1勢とのタフな戦いを制し、F2柏が優勝の快挙を達成!

~トルエーラ柏VS フウガドールすみだ~

3月7日(日)浜松アリーナでは、F1、F2リーグをはじめ、アマチュアや学生などさまざまカテゴリーのフットサルチームが参加し、頂点を目指して競ってきた「全日本フットサル選手権」がいよいよファイナルを迎えた。勝ち上がってきたのは、F2リーグを全勝で優勝したトルエーラ柏と今シーズンのF1で6位につけたフウガドールすみだ。流動的なパス回しを武器に攻撃を組み立て相手を翻弄する柏と、智将・須賀雄大監督のインテリジェンスをプレーに写す すみだが真っ向勝負で日本一を争った。

試合は、ファイナルにふさわしく、どちらも譲らない展開。初顔合わせとなった両チームだが、相手のストロングポイントをきっちり抑えてくるあたり、普段のトレーニングをいかに緻密に行なっているかが伺える。1stピリオドは、中盤で潰し合うシーンも多く、シュートまで持ち込んでも互いのゴレイロの活躍が光り、無得点のままハーフタイムを迎えた。

2ndピリオドも立ち上がりから互いに主導権を譲らず、拮抗した展開に。そんななか、先手を取ったのは、柏。攻め上がったサカイ ダニエル ユウジ選手が正面から強襲。ゴレイロの大黒章太郎選手の足の間をすり抜けてボールはゴールに転がり込んだ。1点を追うすみだは、さらに追加点を狙う柏の攻撃をかわし、残り4分を切ったところでパワープレーをスタート。パスをまわすなかで守備が甘くなった隙を見逃さずに鬼塚祥慶選手が同点のシュートを決めて、延長戦へと持ち込んだ。

延長1stピリオドは、追いついた勢いのまま試合に入ったすみだが主導権を握るものの、決定的と思われたシュートがバーに嫌われるなど決めきれない時間が続くと、流れは柏に。42分にキックインからのサインプレーで佐藤建也選手がリードを奪う得点を決める。

再びビハインドになったすみだは、早々にパワープレーを開始。ところが前がかりになったところでボールを奪われると、フリーの内野脩麻選手が狙いを澄ませてロングシュートを放ち、柏が3得点目をゲット。その後も柏は、前に出たゴレイロの裏を狙って再び佐藤選手が得点。同49分には、ゴレイロの岩永汰紀選手がパワープレー返しのシュートを決め、4点差をつけてタイムアップを迎えた。

優勝したのは、F2の柏。F1リーグに所属する4クラブを破っての快挙となった。

決勝という舞台で選手たちは難しいタスクを高いレベルで遂行してくれた


フウガドールすみだ 須賀雄大監督
ーー今日の試合を振り返ってください
須賀
「トルエーラ柏は、バルドラール浦安、名古屋オーシャンズ、バサジィ大分を連続で勝ち抜いてきたチームです。例えばFリーグが連戦だとして、名古屋、大分という2チームに連勝できるチームがどれだけあるのか? ということを考えたとき、その実績はF2とかF1とか関係なく、リスペクトされるものだと思ってますし、逆に言えば自分たちがリスペクトして戦うことで、普段の柏の立ち位置とは違う戦い方をさせられるんじゃないかなと思っていました。

そういったゲームプランのなかで、彼らのウリである4枚でのボール回しに粘り強く対応していく、焦れずに粘り強く対応していくことで、彼らのいつもと違うゲーム展開を引き出していくというのも狙いでした。選手たちは決勝という舞台で、非常に難しいタスクを与えたんですけど、非常に高いレベルでそれをこなしてくれた。本当に素晴らしい選手たちだと思っています」

ーーケガが心配された諸江剣語選手、ガリンシャ選手を長い時間起用したり、逆に渡井博之選手などは出場時間が短かったが、選手起用の狙いを教えてください
須賀
「まず基本的には先ほど話した通り、粘り強く、我慢強く戦うというところが一つのテーマで、渡井も諸江も北村(弘樹)も非常に素晴らしいフィクソだと思っているなかで、より相手の4枚の攻撃、ヨン・ゼロのクアトロから背後を取りにいく戦術に対して、相手がピヴォで張ってこなかった時間に対しては、非常にアクティブな守備ができるのが諸江と北村という評価になっています。

柏には野村(啓介)選手というピヴォがいますけど、どちらかというとがっつりセンターで張るというよりは、下りてきて4枚にもなるようなタイプのピヴォなので、そういった動きに対してしっかりとプレッシャーをかけられるという意味で、まずその人選になりました。

渡井選手は、みんなわかっている通り、非常に素晴らしいフィクソです。ですが、僕は正直、諸江選手のケガの状況をたいして重くは受け止めていなかったので、もちろんケガを抱えていましたけど、今大会はそれに勝る気迫で挑んでたので、非常に素晴らしいプレーだったと思います。北村も失点には絡んでしまいましたけど、やはり彼がこれからフウガを背負っていくフィクソになっていくっていうのは、間違いないことだと思ってます。三笠(貴史)も含めて本当にハイレベルなフィクソの争いのなかで、この決勝は2セットを選択した。自分が決断したのが諸江と北村だったという形です」

ーー柏対策が行き届いているように感じたが、言葉で伝えただけでここまで選手が対応したのか、それとも練習をしたのでしょうか?
須賀
「柏と対戦するのは昨日決まったので、柏の対策ということはできませんでした。自分たちは、自分たちの戦い方をプレシーズンから構築してきていますし、Fリーグにはいろんなタイプのハイレベルなチームがたくさんいるので、例えばこのチームだったらこういう戦い方をしようという経験値が1年かけて溜まっていきます。そういう意味では柏と戦うにあたって、実際まったく新しいことをしたのではなくて、自分たちが持っている引き出しからこういう戦い方をしようという決断をしたときに、そのトレーニングの経験値が積み重なっているので、しっかり対応できたんじゃないかなと思っています。あとは選手たちがそのプランに対して、しっかりと遂行するインテリジェンス、自己犠牲心があることが前提だったので、本当にそこは素晴らしかったと思っています」

諸江剣語選手
ーー柏と公式戦ではじめてた戦ったが、戦ってみての印象は?
諸江
「最強の相手だということは戦う前からわかってましたし、実際に戦ってみて、やっぱり優勝にふさわしい、チャンピオンにふさわしいチームだと思いました」

ーー拮抗したゲームだったが、状況によって選手同士で話すことなどはあったでしょうか?
諸江
「そうですね、1点、ダニエル(サカイ ダニエル ユウジ)選手に決められましたけど、チャンスは来てたので、今やってることをやり続けよう、次のチャンスで決めるだけだという話はしてました。実際、追いつくことができて、延長になったんですけど、セットプレーでの失点っていうのは…。集中してはいましたけど、まだまだ力が足りなかったと思いました。今まではあそこを止めることができたので勝ち続けられてこれたと思うので、完全に力がなかったと思います」

ーープレッシャーはすみだの方がかかったと思いますが?
諸江
「立ち上がりに関しては、柏さんのプレッシャーは強くて、押し込まれた時間も多かったんですけど、後半最後、延長に関しては僕たちが押し込む時間もありましたし、チャンスも来てました。フリーキックでガリンシャ選手がバーに当てたシーンだったり、中田(秀人)選手がバーに当てたプレーだったりだ、本当に紙一重だったと思います。でも、勝てなかったということは力が足りなかった、そして柏がチャンピオンにふさわしいチームだったということだと思います」

鬼塚祥慶選手
ーープレッシャーはすみだの方がかかったと思いますが?
鬼塚
「個人としては今日もゴールは挙げられたんですけど、それ以外の部分でもっともっとチームに貢献できる部分があると思うので、そういうところを突き詰めていかないと、チームを勝たせる選手にはなれないと思います。来シーズンに向けて、そういうところを突き詰めていきたいと思います」

ーーゴールのシーンはコースが見えたのか、シュートを打つと決断したときの心境を教えてください
鬼塚
「わりと相手ディフェンスが引いている状況で、後ろからシュートを狙えるなと思ってました。トラップをしたときに少し相手の様子を見て、(ファーに)宮崎(曉)選手もいたんで、シュートパスのような形で、そこを狙って思いっきり蹴り込みました」

ーー名古屋からすみだへ移籍して出場機会も多くなったし、日本で2位にもなりました。シーズンを通しての成長をどのように感じていますか?
鬼塚
「自分の目標であったケガをせずにシーズンを通してプレーをするということは達成できたのでよかったです。これからはシーズンを通してもっとコンディションを上げて、それを継続してプレーをできるようにしていかないと。そうでないと今後代表には選ばれないと思うので、そういうところを意識して、もっともっと出場時間を長くして、活躍したいと思っています」

最善の準備をし、すべてを出し切った選手たちが日本一に連れてきてくれた


トルエーラ柏 岡山孝介監督
ーー日本一のチームを率いる監督になった気持ちを聞かせてください
岡山
「そうですね、非常にうれしいです。本当に選手たちに恵まれて、連れてきてもらったような気分ですけど、選手たちに感謝しているし、素直にうれしいと思います」

ーー今大会で日本一になりましたが、ずっと入替戦が一番と強調されていました。入替戦に臨にあたって、この大会を通して得られたこと、逆に慢心が敵となることもあると思いますが、考えていることを教えてください
岡山
「まさに慢心が一番怖いんですけど。ただ、彼らは名古屋(オーシャンズ)に勝ったあとも変わらなかったし、今大会の1戦目、2戦目、カテゴリーが下の相手との対戦でも最善の準備をして、全部出し切ってくれたんで、そういう心配はしてないです」

ーー今シーズン、若手選手はもちろん、ベテラン選手も成長させて素晴らしいチーム作り上げたと思う。どうやってチームを作り上げたのか、教えてください
岡山
「その通りで、ベテラン勢も成長していると思います。僕がペスカドーラ町田やバルドラール浦安で監督をやっていたときに、しっかりトレーニングを積んでいる選手が成長する姿を見ていたので、探究心を持って練習に励めば、どんどん成長するし、そういうスポーツだと思っています。彼らのあくなき探究心はすごいなと思うし、若い選手たちは、それをいい手本にして練習に励んでくれているので、二重の意味ですごくよかったと思います」

中村友亮選手
ーー大会を通じての成長など、感じていることを教えてください
中村
「この大会が目標だったわけではないですけど、初戦の2回戦から自分たちのフットサルができている自信はありました。この大会を通じて、チームの一体感や、やりたいことが自分たちが思っていた以上にできたのかなと思います」

ーー個人としてはいかがですか?
中村
「柏は、前からプレスをかけるスタイルで、スイッチ役は自分の役割だったんで、それはできたんじゃないかなと思います」

ーー試合全体を通じて、スピードや運動量、要所を締める安定感も素晴らしいプレーでした。自分自身で感じていることを教えてください
中村
「今年の最初は、コロナの影響で練習ができなかった時期もあったんですけど、その期間はチームからいろんなメニューをもらってトレーニングをしていました。チームが集まったときには、みんな意識高くもらったメニューをやってきていたので、すごくいい入りができましたし、1年間日々の練習も、チーム全員が本当に100%、120%出してやっていました。それはチームの決まりではなかったですけど、みんながそこを守ってできていたんで、僕も練習から充実した1年間だったと思っています」

ーー縁の深い浜松でビッグタイトルを取ったが、感想を聞かせてください
中村
「本当だったらこの大会の準決勝、決勝は東京であるんですけど、世の中がこういう状況で準決、決勝が浜松になって、自分たちが勝ち上がって。決勝の舞台が浜松アリーナというのもすごく自分の気持ち的にも高まる部分もありました。そういうなかで結果として優勝できたて、すごく充実した大会だったなと思います」

サカイ ダニエル ユウジ選手
ーー今日の試合と優勝した感想を聞かせてください
サカイ
「チームとして、全員がしっかり対策をできていて、そのなかでいい戦いができたと思っています」

ーー決勝戦では準決勝に比べて前線に上がる機会が多かったが、どういう理由があったのでしょうか?
サカイ
「準決勝は、ガの部分で自分のコンディションに不安な要素があって、試合の間も少し痛みがありました。決勝では、その痛みがマシになっていたので、いつも通りに攻撃できるところは攻撃をするという形になりました。特別に指示があったというよりは、自分のコンディションのところで動きやすかったということです」


ーー岡山監督のもとでいいプレーができていると思うが、どのように感じていますか?
サカイ
「町田時代から岡山監督のもとでプレーさせてもらっているので、監督がやりたいフットサルは、展開したいプレーモデルを含めて、ある程度把握できていたことが今シーズンの自分のパフォーマンスに直結していると思っています。チームで戦うなか、しっかりハードワークすることによってチームメイトに自分のストロングポイントをわかってもらえるようになりました。その結果、F2リーグを優勝して、全日本選手権も優勝できた。あとは残りの入替戦に向けてしっかりいい準備をして、力を振り絞って頑張りたいと思っています」

Text by 小西 尚美
Photo by トルエーラ柏
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