試合

経験値で勝る湘南の試合運びに、横浜は執念の得点で一矢を報いる

~Y.S.C.C.横浜 VS 湘南ベルマーレ~

駒沢共同開催2日目、2月14日(日)の最終戦は、Y.S.C.C.横浜と湘南ベルマーレが対戦する今季2度目の神奈川ダービーが行われた。3試合目までは入場制限はあっても有観客で行われたが、19時キックオフの試合は、緊急事態宣言の延長に伴いリモートマッチに。しかし、どちらのチームもベンチの選手たちからも声が響き渡り、チーム一丸となって戦う熱い試合となった。

横浜は、勝点3を取らないと自力でのF1残留が難しくなる一戦。キックオフ前には、コーチングスタッフも含めて円陣を組み、全員で声を掛け合うシーンが見られた。その勢いは試合の主導権争いにも表れ、積極的な姿勢で流れを引き寄せようと挑む序盤となった。しかしそこに立ちはだかったのは、ゴレイロのフィウーザ選手。横浜の攻撃を身体を張って防ぎ、流れを変える。直後に、自陣でボールを奪ったロドリゴ選手が長い距離をドリブルで運び、相手ゴール前へ。一人かわして放ったシュートは、ゴールに吸い込まれた。その後も湘南が攻撃の形を作って、有利に試合を展開。18分には、一瞬の隙をついて本田真琉虎洲選手がループシュートを決める。横浜は、ツキがない失点が重なった。


後半は、気持ちを入れ替えて臨んだ横浜の攻撃が目立つ展開。しかし、シュートを受ければ受けるほどプレーが冴えるのがフィウーザ選手。横浜の攻撃をことごとく跳ね返し、得点を許さない。それでも諦めない横浜がパワープレーに入ると、これまでプレスのスタート位置をハーフラインに設定していた湘南が、一気に前からに変更。相手のミスを誘ってボールを奪い、本田選手が再び得点を決めた。3得点差がついて試合は決まったように見えたが、横浜はここでも諦めずにパワープレーを続行。残り29秒というところで井原智選手が執念のゴールを決めた。

湘南が格の違いを見せた試合結果となったが、横浜の最後まであきらない姿勢も心に残る試合となった。

ゴールが遠かった試合、切り替えて来週も自分たちらしく頑張りたい


Y.S.C.C.横浜 前田佳宏監督
ーー試合を振り返って
前田
「まずハーフタイムにも言ったんですけど(ABEMA中継コメント)、昨日大きな地震があったなかで、予定通りに試合を開催していただいて「ありがとうございます」という感謝と、僕らが今、立たされている状況というのと、すべて合わせて戦おうという気持ちで試合に臨んだんですけども、1点目も2点目も自分たちのミスから取られてしまったような形で、後半はなんとか自分たちのパワーを使って、個性を生かして取り返しにいこうと思ったんですけど、なかなかゴールが遠かったかなという印象です。そうはいっても僕ら、崖っぷちという状況は変わりません。ひとつ変わってしまったのは、もう他力、(ボアルース)長野さんの勝点次第といういことになってしまったということ。ただ僕らがやることは変わらないので、(エスポラーダ)北海道戦に向けて調整して、いい意味で切り替えて次に臨みたいと思います。最後までしっかりやり切ることが大事だと思いますので来週も頑張りたいなと思います。以上です。ありがとうございます」

北野聖夜選手
北野「僕たちは勝点を取らなきゃいけない状況で、今日は(2連戦の)2日目でしたけど、昨日は第一試合だったので、選手はみんなケアをする時間もあって、この一戦に勝点3を取りにいこうと賭けていたにもかかわらず、湘南ベルマーレさんの方が昨日の試合から今日の試合までの時間が短かった、プラス僕たちの方が年齢的にも若かったのに勝ち切れなかったことは非常に悔しいです。

今日の結果は結果として受け止めて、(ボアルース)長野が勝点3を取ってしまったら、その時点で僕たちのF1リーグ最下位は決まって、入れ替え戦になるという状況ですけど、入れ替え戦も含めると3戦、まずは僕たちにある残りの1試合、(エスポラーダ)北海道戦をとにかくチーム一丸となって戦っていくために、切り替えて残りの時間、トレーニングしていきたいなと思います」

ーーまだ決まってはいないが、入れ替え戦になった場合、F1リーグを1シーズン戦ってきた積み重ねをF2の王者にどう示していこうと考えているか?
北野
「僕たちは、去年F2を優勝して上がってきた立場なので、F2のチームがF1のチームとやるときにモチベーション高く挑んでくることはわかっています。僕たちは、それ以上のモチベーションで挑まないと勝てないですし、難しい試合になるのは間違いない。プラスF2を優勝したチームは、もともとF1で戦っていた選手を豊富に揃えていて、経験ある選手と、Fリーグ選抜から若い選手も獲得したりしていて、フットサル的にもすごくいいチームです。もし対戦することになったらしっかり対策をして、相手よりも高いモチベーションを維持して、臨みたいです」

前田「(トルエーラ)柏さんとは、練習試合も何度かやっているので、ある程度やってくる形やどんな選手がいるかはわかっています。しかし僕らは、柏さんにはない苦労をこの1年していると思うので、その気持ちを爆発させたいなと思っています。もちろんフットサル的に、ああしようこうしようはあると思うんですけど、それよりもまずは見ている人に自分たちはF1に残留したいんだという気持ちを感じ取ってもらえるフットサルをしないと、僕らのチームの価値はないんじゃないかと思う。僕らは、フットサルのIQはまだまだ高くないが、大学サッカー組とか、若くてイキのいい選手で作っているチームなので、それがなくなってしまうと何も意味がなくなってしまう。それをウリに、やっていきたいなと思いますし、これはほんとうに来週も変わらない。強い思いをそのゲームに出せればなと思います」

ーー勝点3が取れていないが最終戦に向けて修正することは?
前田「今日のゲームは、すごくわかりやすかったと思うんですけど、自分たちでいい入りをしていても、1つのミスでネガティブになってしまう。僕らは今シーズン、負けが多いので、「やばい」「また負けてしまうのかな」と、みんなが連想してしまうというか。僕らは今シーズン、逆転して勝つという成功体験がどうしても少ないので、心技体という言葉がありますけど、やはり心が動かされてしまうと、持っている技術も体力もなかなか出ない状況になってしまうので、そこの改善というのはあると思います。いい意味でもう突き抜けてしまったほうがいいと僕は思うので、2つやられても3つ取ればいいぐらいなポジティブさを持ってやっていければなと思います」

ーー得点力の面で苦しいと思うが、対応策は?
前田「これも僕はメンタリティに大きく左右されている部分はあると思います。肩に力が入ったり、一つ力んでしまったり。僕らは喉から手が出るほど得点に飢えていますが、その飢えが強すぎて、それが良さになるときもあると思うんですけど、強すぎる部分がネガティブになっていると思います。いつも通り、肩の抜けた状態でやれば、もう少し周りが見えたり、もう一つゴールの空いているところが見えたり、仲間が見えたりっていうのがあると思うんですけども、テンションがどうしても高くなって、力んでしまう部分が出ているのかなと思います」

ーー下を向きがちな状況だと思うが、チームにどのような声がけをしようと考えているか?
北野「そうですね、とにかく僕たちは勝たなきゃいけない状況ですし、さっき監督も言ったんですけど、勝点3は点を取らないと生まれてこないので、とにかく前に前に、アタックするしかない。もっとゴールに向かう姿勢を出していかなきゃいけないということは常に言ってます」

連戦の疲れのなか、選手たちはしっかりタスクを遂行


湘南ベルマーレ 奥村敬人監督
ーー試合を振り返って
奥村「お疲れ様です。まずたくさんの方々の尽力で、この2試合を無事に終えられたことに感謝したいと思います。ありがとうございます。特にフウガドールすみださんの下部組織の選手たちが本当にたくさん働いてくれたおかげで、スムーズに試合できたこと、本当にうれしく思っています。

試合は、昨日、名古屋(オーシャンズ)さんとかなり激闘したことで選手一人ひとりの疲労度が高かったため、ハーフから守るという守備陣形をとったところが今までの闘い方と違うところです。それからYS(Y.S.C.C.横浜)さんがピヴォを入れ替えてピヴォ当ての戦術を使ってきますので、逆にスペースを与えないでカットしてカウンターを狙うというところの意図がありました。前半も何本かチャンスを作って、もっと点は取れたかなと思いますけど、2対0で前半を終えられたことはよかったかなと思います。YSさんは、普段すごく狭いコートで練習されているという情報も入ってきていましたので、やはり走ったときに練習場が10m長いか短いかというのは、戦い方が全然違ってくると思いますし、そういった面で自分たちが有利だったのかなと思います。

YSさんは負けられない状況で、戦いのなかで必死さがすごく伝わってきましたし、自分たちが一瞬でも受けに回ったらやられてしまうような、本当に危ないシーンもあったと思います。そこをなんとか我慢して我慢してチャンスをものにしてくれた選手たちは本当に素晴らしいと思います。ただ、最後の1失点は要らなかったと思いますし、そこを0で終えるのか、1点取られてしまうのかで、終わった後の選手たちの顔っていうのも全然違ったのかなと思います。もちろん誰も失点していいと思っている選手はいませんけど、そこの部分、最後の最後でボール1個分寄せられたのか、コースを切れたのかっていうところは、全員で共有しながらやっていかない。昨日の名古屋戦なら、ボール1個分身体を寄せて守れていたシーンだったと思います。そういう甘さが自分たちがこの順位に甘んじている結果なのかなと思います。あの試合のテンションで続けられたら、自分たちはもっと上の順位にいるんじゃないかと思いますし、そこができていないということはしっかり受け止めて、残りの2試合、非常に厳しい日程での試合になりますけど、全員一丸となっていい準備をして、一つでも順位をあげてリーグ戦を終えたいと思います。以上です。ありがとうございます」

上原拓也選手
上原「お疲れ様でした。2021年に入ってから、まだ1勝もできていなかったなかで、試合の延期だったり、難しい時間を乗り越えながら勝利できたことは本当によかったと思います。Y.S.C.C.横浜さんは、もう負けられないっていう状況で1プレー1プレーで必死さだったり、迫力っていうのはすごく伝わってきたし、そこに僕たちは飲み込まれずに、しっかり40分間、もちろん難しい時間帯もあったし、うまくいかない時間もあったなかで、しっかり勝ち切れたことは本当によかったと思っています。まだ、立川・府中(アスレティックFC)さんとボアルース長野さんと試合がありますし、2連勝できれば4位を狙える負けられない試合が続きます。自分たちの、ベルマーレのプライドをしっかり持ちながら、見ている人に勇気や希望を与えられるように、しっかりプレーして勝つ。まずは残り2試合しっかり戦い切っていきたいと思っています。以上です。ありがとうございます」

ーーハーフタイムに(ABEMA中継コメント)で前半楽しめてなかったというコメントがあったが、どういう部分でそう感じたのか、後半は改善できたのか、また名古屋戦は楽しむという部分ではどうだったかを教えてほしい
奥村「そうですね、名古屋さんとやると何も考えられないというか、一つのプレーに没頭できるというところ、それはどこのチームも名古屋さんとやるときはそうだと思いますし、どのチームも本当に身体を張ったりだとか、普段でない1歩が出たりだとかあると思います。本当に苦しい、息が切れたなかでも今を生きているということを実感しているのかなと思います。

今日に関しては、ハーフからのディフェンスということで、本当は自分たちは前から行くスタイルなんですけど、行きたくてもいけないという部分もあったりだとか、あとは相手もハーフから引いてきたので、普段とリズムが違ってボール回しがうまくできなかったりというところがあって、少しフラストレーションを抱えながら、選手たちがプレーしていたのかなと。そういうところで悪くないのに自分たちで雰囲気を悪くしてしまうような兆候がありましたので。久光(重貴)がああいう形で亡くなったというのもありますけど、自分たちが大好きなフットサルを思いっきりやれている喜びというのを絶対忘れちゃいけないと思うし、そういったものを画面越しでもそうですし、たくさんの方に伝えるのが自分たちの使命でもありますので、ああいうことをハーフタイムに言わしてもらいました。内容的にはチャンスも数多く作っていたし、全然悪いとは思わなかったです。

後半は、思いっきりやってくれたんじゃないかな。見ていて気持ちよかったですし、神奈川ダービーで、お互いに負けたくないというプライドを持ちながらプレーできたと思いますし、そういった部分では評価しています。さっき拓也も言ってましたけど、2021年に入って一度も勝ってないという苦しい状況でも選手たちはとにかく前向きに、ネガティブな言葉を全然発せずに練習に取り組んでくれたので、逞しい選手たちだと思いますし、このメンバーでもっともっと上を目指したいなと思っています」

ーーベルマーレの試合ではリモートマッチでもABEMAのコメント機能が盛り上がるが、ファンやサポーターへの思いは?
上原「リモートマッチのときはSNSで僕たちを励ましてくれたり、有観客試合で声が出せないなかでも僕たちに拍手を送ってくれたり、温かいサポーターの方がいてくれるというのは、本当に価値のあることだと思います。僕たちはそこに結果で応える、フットサルで勝ちを求めることもそうだし、さっき監督も言ってましたけど、前向きにやることでパワーを与えられるのかなと思うし、そういう存在でいたいと思う。僕たちも苦しいときもありますけど、アクションをしてくれるサポーターやファンの皆さんそういう行動に僕たちは助けられていますし、本当に感謝しかないです。ありがとうございます」

Text by 小西 尚美
Photo by 湘南ベルマーレフットサルクラブ
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