~湘南ベルマーレ VS フウガドールすみだ~
Fリーグディビジョン1は、9月の下旬から行われるAFCフットサルアジアカップクウェート2022と、その強化のためのブラジル代表との親善試合のために、リーグ戦第8節をもって、約2ヶ月近い中断期間に入る。その最後の試合が各地で開催され、湘南ベルマーレは8月27日(土)、ホーム・小田原アリーナにフウガドールすみだを迎えた。訪れた観客は、1,211人。関東圏ということもあって、すみだのサポーターも数多く足を運び、声を出せないという制限つきながら、両チームのサポーターがともに太鼓と拍手でチームを鼓舞した。また、この日は両チームのマスコットも登場。キングベルI世とスミダイルが会場を盛り上げた。
両チームともに、プレーオフ圏内を狙いながら、現状、一歩及ばない順位にいる。しかもともに前節敗戦しているため、ここで負けると順位と共にモチベーションも落としかねない。この試合で勝点3を積んで、なんとしても上位に食らい付いていきたいところ。そういう意味では、ホームで戦える湘南の方がより強い気持ちを押し出して戦うのに有利だったかもしれない。
試合は序盤、なかなか点が入らない時間帯が続いたものの、中盤を過ぎた頃にホームの湘南がコーナーキックからのサインプレーで鍛代元気選手が決めて先制。1stピリオド終了間際には、再び湘南がゴレイロのフィウーザ選手からのゴールクリアランスを相手陣内深い位置で受けた内村俊太選手が見事なトラップでシュートに持ち込み、2点目を決めてリードを広げた。
2ndピリオドはすみだの攻勢からスタート。その後はお互いシュートまで持ち込むものの、両ゴレイロの活躍で無得点の時間が続く。特に湘南は、バーやポストに当てるシュートも多くあった。両チームともに無得点のまま試合は進み、残り時間が5分を切ったところで負けているすみだがパワープレーをスタート。湘南のディフェンスが前への意識を強めたところで裏を取ったすみだが、中田秀人選手に繋いでゴールし、1点差に迫った。すみだはパワープレーを継続したが、キックインを獲得した湘南がフィウーザ選手を使ったサインプレーから林田 フェリペ 良孝選手がゴールし、2点差に。さらに残り30秒のタイミングで再び内村選手が4点目を決めて勝利を揺るぎないものとした。
この試合の見どころは、すみだのピヴォ・清水和也選手と湘南のフィクソ・内村俊太選手のハードな1対1。ボールのないところのポジション取りから強度高く戦い、お互いに自チームを引っ張った。また、湘南のゴレイロ・フィウーザ選手は、ゴールクリアランスを相手ゴール前の際どいところに投げ込み、3得点に絡む活躍を見せ、攻守共に存在感を示した。
湘南ベルマーレ 試合後会見
伊久間洋輔監督
ーー試合の総括をお願いします
伊久間「今日もたくさんの応援の方にきていただいて、会場も盛り上げていただいて、感謝しています。試合は、スタートは良かったんですけど、なかなか点を奪える場面で奪えない苦しい状態、先週も最初の10分は攻めている中、点を奪えずに同じような状況だなというところはありました。しかし、先週よりも動きは良かったですし、流れがよくないときの対策なども話をしていたので、うまく先制点が取れたことは大きかったかなと思います。
後半の頭もチャンスがある中、ポストやバーに嫌われたところはありましたけど、そこはゴールに向かっている証拠だとポジティブに捉えていました。ただ、2点差でパワープレーの守備に入るというのは、(ペスカドーラ)町田さんとの試合も、(エスポラーダ)北海道さん、初戦のボルク(ボルクバレット北九州)さんとも、パワープレーの守備で失点していたので、みんなの中でもちょっとメンタル的に、『大丈夫かな』というのは、おそらくあったと思います。ただ、1点取られてからも、非常に集中して守備をできて、パワープレー返しが決まったので、会場が盛り上がって良かったです」
フィウーザ選手
フィウーザ「こんにちは。今日は、良かったね。今日の試合はとても大事でした。今日はみんな、気持ちが強かった。フウガには、良いピヴォがいて、ディフェンスが難しかったけど、今日のベルマーレのディフェンスは超強かった。それと前半で2点取れたことも大事。ありがとうございます」
ーー先週の敗戦からどうやって立て直して今週の試合に臨んだのでしょうか?
伊久間「先週に関しては、僕の責任ですけど、試合がちょっと空きすぎて調整に失敗した感はあります。そういうことがまずあって、先週の試合も内容的には今日の試合と同じように攻める気持ちはありましたが、うちが持っているスプリントする力、走力に関しては、先週はなかなかいいところで相手を押し返すことができなかった。そこが敗因であって、内容に関してすごく悪かったわけではないということは、みんなもわかっていましたので、今週は、最初からもっと走っていくぞということをみんなで共有しました。それから、どのチームもフィジカルコンタクトや球際の部分について、先週はそれで僕が文句を言ってイエローをもらったんですけど、そういうことをやれということではなくて、先週の(バルドラール)浦安さんには、それくらいの気持ちがありましたし、そこは我々もファイトすることにフォーカスしてトレーニングを積みました。そういったことが今日の試合を最初から最後まで走り切れた要因かなと思います」
ーー今日はセットを少し変更されていたが、相手のピヴォにどのフィクソを当てるなどの狙いもあったのでしょうか?
伊久間「シーズンを戦っていく中で固定したセットはもちろん大事だと思うんですけど、誰が退場するかわからない、誰がケガをするかわからない中で、7月末からの中断期間に、いろんなセットを試しました。浦安戦は、以前のままいったんですけど、今週は、入れ替える中でいいコンビネーションもあったので、そこを入れ替えました。対戦するピヴォの守備というのは、(内村)俊太と(牧野)謙心が、どのチームに対してもほぼほぼ抑えている、ピヴォにボールが入ってそのまま振り向かれてというのはほとんどないので、そこは特にどっちがどっちという意味はないです。コンビネーションの良さを引き出すために、セットを少しいじったという感じですね」
ーー試合を通して少し荒れた印象があったが、監督はどういうふうに見ていたのか、聞かせてください
伊久間「僕は、審判の方に何かを言うつもりは全然ないんですけど、どこまでがファウルなのかという基準がちゃんとしていれば、荒れないとは思います。今日に関しては、どっちもどっちみたいなところがあって、相手もうちも結構ギリギリの線を行っているし、だからそこに関しては見る方の問題ですけど、個のぶつかり合いだと感じてます。もちろん相手にケガをさせないことは共有されていますし、そこは相手チームもわかっていると思います。今日の試合はどこまでがファウルなのか、終盤、ファイブファウルになってから、ファウルなのかどうなのかと難しいところはあったものの、激しくいい試合だったと僕は思っています。文句の言い合いなどは、あまり見せたくはないと思いますけど、お互いに勝ちたいという思いがそこに出てしまうというのは、反省する点もありますが、それくらいまで戦ったと評価はしています」
ーーファウルについて選手に指示を出したりはしていないということですか?
伊久間「基本的にどの試合もそうですけど、選手はやっぱり行くんですよね。それで、『これはファウルじゃないんだ』という基準が一つ決まれば、そこまでは行くわけです。ファウルになれば、その一つ手前が基準になるわけです。そこに関してはお互いがそういう形で戦っているので、例えば相手が激しく来たときに、うちが行かなければそこの奪い合いは負けてしまうので。そこはお互いに、ここまでというのは、わかっていますので、そこに関しては特に話はしていないです。もちろんラフプレーは、容認はしてません。今日に関してはギリギリだったんじゃないかなと思います。もちろんファイブファウルになっているので、ファウルはしているんですけど、フットサルは『ファウルを使う』とも言えますし、ゴールが近いスポーツなので、一瞬抜かれたら失点に繋がりますから、ファウルは5つまで使えるという形で。もちろんケガはさせないですし、ラフプレーは容認はしてないです」
ーー今日は内村俊太選手の活躍が目立ちましたので、そこに関しての評価を教えてください
伊久間「内村の活躍については、やっと活躍してくれたかという感じではあります。これもセットの組み替えによって、出てきたいい面だったのかなというのもあります。練習でもセットを変えてすごく良かったですし、そういう面でうまく行ったのかなという形です。俊太自身も、ベテランとして非常にチームを、途中もそうですし、最後のところも、得点はもちろんなんですけど、守備面でチームを引っ張ったなと。得点は本当に、やっとという感じですけど、常に守備面とかチームを鼓舞しているところは、今日はすごく良かったと思います」
ーー中断期間にどんな上積みをする予定ですか?
伊久間「セットの組み替えなどで、さらにいろんなコンビネーションが生めると思いますし、若手がベテランをもっと突き上げて行くようなことが必要じゃないかと思いますので、そういった個人のレベルアップの時間にもなると思います。戦術面では、今年は3-1をやってますし、今後何ができるか、どういうことを入れていけばいいのか、それはどの選手がいいのかなどは、一度オフを挟むので、そこで精査したいと思っています」
ーーすみだの荻窪監督から内村選手とフィウーザ選手が良かったというコメントがあったが、今日のフィウーザ選手については、どう感じられましたか?
伊久間「今日というかですね、いつも本当にフィウーザがいるからみんなが前に走れると思います。ディフェンスを疎かにしている訳ではないんですけど、本当にピンチを救ってくれますし、相手にしてみれば、荻窪監督がそういうのは当然だろうなと。やられた、というところは止めてもらえますし、あとはそこにきっちりボールがくるというところでいうと、みんなもスローを信じて走れますし。今日の評価というか、いつも助けられています」
ーーすみだのキャプテン、栗本選手も今日の敗戦で、プレーオフ争いを一歩脱落してしまったといっていたが、湘南にとっても今日の勝利は大きかったのでは?
伊久間「非常に大きいと思います。先週、負けていますし、しかも2位の浦安に。うちとフウガは同じような状況でしたし、今日負けていたらフウガさんと同じ状態になるというのはもちろんあったので、中断前に非常に大きい勝利だったと思います。ここで2連敗して中断に入ると、やっぱりなかなかモチベーションも上がってこない部分もあるので、そういった面も大きいと思います。ただ、昨シーズンからそうなんですけど、どの試合も『今日は大事だ』『今日は大事だ』といつも言っています。結果は、やってみないと本当にわからないので、みんなもそういう気持ちでやってると思います。ただ本当に今日は、非常に大きな勝利でした」
内村俊太選手
ーー2得点の活躍でしたが、振り返っていかがでしたか?
内村「前節負けてしまって、今日の試合は本当に大事な、上位がかかってくる試合だったので、チームとして本当に勢いを持って試合にも入れて、正直どっちに転ぶかわからない試合だったと思うんですけど、みんなでやり切れた試合だったので、すごくプラスで終われたので、良かったです」
ーー先週の敗戦からどのように立て直しをされたのでしょうか?
内村「チームとしてやり方を特に変えてはないんですけど、やっぱりメンタル的なところが大きいと思うので、どこが変わったというより、『やるしかないでしょ』っていうくらいの感覚で、みんなできたかなと思っています」
ーー中断期間は、どのようなレベルアップを図って、中断明けに臨みたいと考えていますか?
内村「そうですね、ベルマーレの試合は、結構期間が開くんですよね。約2ヶ月くらい。その期間って、選手のモチベーションというか、すごく大変なんですけど。でも、各々整えるしかないんと思うんですけど(笑)。でもリーグ戦ももう折り返しくらいまできていて、チームでアジアで優勝しようという目標を掲げているので、あとは本当に、勝つしかないですから、選手がそれぞれ高めていくようにしたいと思っています」
ーー3点目のセットプレーは、ピッチの中で選手同士で合図があったように見えました
内村「パワープレーをされていたので、ボールを奪ったらキーパーはいないし、チャンスなので、誰かが走らなきゃいけないので。チームでどうというよりは、フィウーザとジャッピーニャ(本田真琉虎洲)の関係だったり、僕とフィウーザの関係だったり、そういう関係性は長年できているので、そこにしっかりジャッピが走ってくれたので、ああいう得点につながったのかなと思います」
ーーあの点は大きかった?
内村「大きいですね、本当に助かりましたね。でもあそこは走ってなきゃ生まれてない点だと思うので、いい終わり方でしたね。はい」
ーーフィウーザ選手のロングスローは、一緒にプレーする側としては大きいですか?具体的にどういった部分が強みと感じていますか?
内村「やっぱり精度がすごく高いので。もちろんこっちが要求して走りますけど、そこにピンポイントで合わせてくれるのは、日本人選手ではなかなか。僕もこれまでいろんなキーパーを経験してきましたけど、あそこまで精度高く投げるフィウーザの技術というのはすごいなと思います。守っていても、今日も何失点も防いでいたので、やっぱりキーパーの存在はでかいですよね」
ーー4点目の内村選手のヘディングは、結構ライナー性のボールでしたよね?
内村「僕もびっくりしましたね、走りましたけど。『来い来い来い』って要求して走りましたけど、『あ、来た来た来た』ってなりましたから(笑)」
ーー普段から練習はしているんですか?
内村「そうですね、練習はしてます。でも、結構ここ数節は勝っていて、パワープレーを受けることが多いので、ああいうのはここ(二人)の関係で、『行くよ』というのは要求してますし、練習通りといえば練習通りなんですけど、精度高いですよね、触るだけだったので」
ーー相手のパワープレーは、1点目が決まって、1点差になりましたけど、その後はどのように感じていましたか?
内村「もちろん対策通りに動けたのもあるんですけど、ここ数試合で経験したのがパワープレーを受ける時間が長くて、ディフェンスの4人でずっとパワープレーを受けるのはきついよねということで、最近は誰が出ても同じ強度でディフェンスできるように練習でやっていて、今日は何人か代わってもそれがハマったのかなと思っています。選手によってもタイプがあるので、途中で入ったフェリペ(林田 フェリペ 良孝)なんかは、プレスが速いから、フェリペが出たときはちょっとプレス行こうねとか、そういうのが結構チームで、各々理解してやれているので、今日は本当に対策通りにできたと思います。失点のイレギュラーはあったんですけど、あれはチャンスだと思って『Go Go Go Go』っていって、一瞬で外されて数的優位を作られたんで、しょうがないです。
今、チームで毎回データをとっているですけど、例えばセットプレーの失点、特殊場面、パワープレーの失点とかを数値化していて、うちは特殊場面の失点が多くて、やっぱりパワープレーは相手もリスクをかけてくるんでしょうがないですけど、でもこっちからしたらキーパーがいないからチャンスなので、逆にそういうメンタルをみんなで持てたらもっといいかなと思います」
ーー失点をダメージには感じなかったですか?
内村「全然。あれも崩されて失点したわけじゃないので。でも2-1だったし、状況も状況だったんで、ハラハラしましたけど、でも『返せるっしょ』くらいのメンタルでいましたけど」
ーー確認ですが、最後に代表に呼ばれたのは、2019年ですか?
内村「そうですね、もう3年前くらいですかね」
ーー今も日本代表には入りたいという思いはありますか?
内村「もちろん、はい。それを目指してやってるんで、そこは狙ってますけど」
ーーこれからブラジル戦の発表がありますが、その舞台に戻りたいですか?
内村「そうですね。パフォーマンスも悪いと思ってないですし、ベルマーレは僕と牧野謙心のフィクソでやってますけど、ピヴォに仕事をさせているっていうことは毎試合ないんです。全部局面は勝ってるんで、今日もそんなに仕事をさせなかったかなと思いますし、そういうところは見てくれていると思うんで。最終的に選ぶのは監督ですけど、自信を持ってやってます。はい、入りたいですね」
ーーブラジルと対戦したいですか?
内村「やりたいですね。フェラオ、世界ナンバーワンのピヴォがいるんで、マッチアップしてみたいですね」
フウガドールすみだ 試合後会見
荻窪孝監督
ーー試合の総括をお願いします
荻窪「まず、この遠く小田原まで多くのサポーターに来ていただいたことに感謝を伝えたいのと、自分にとっても古巣の湘南ベルマーレだったので、いろんな思いを持って試合に臨みました。まずは、去年の大敗が脳裏に浮かんでくるんですけど、そこでしっかりグループとして戦っていこうと話しをしました。先制はされてしまいましたが、自分たちのプランとしては選手たちは良くやってくれたと思います。ただ、チャンスを多く作っていく中で、決めるところを決められなかったというのは、大きな敗因かなと思います。自分も含めて、細かいところをもっともっと詰めていく、厳しくやらなければいけないところがあったのかなと、甘い部分が勝敗を分けてしまったのかなと思うので、そういうところは自分としても反省点としてあります。このあと中断に入るので、そういったところをチームとしてしっかり詰めて、さらにレベルアップしていきたいなと思っています」
栗本博生選手
栗本「まず、今監督も言っていたように、去年の大敗が、クラブとしても、僕個人としても、非常に悔しくて、去年からこの1年、絶対にやり返したいという気持ちが、みんなにもあったと思います。ここ数年、小田原アリーナでベルマーレに勝ててない、そういうことも含めて絶対にやってやろうという気持ちでみんなで臨んだんですけど、その結果が出ないことに対しては本当に悔しいです。それと僕らのチームは、プレーオフ進出を掲げているんですけど、リーグを見ても、今回の結果で一歩出遅れてしまった。それに対しても非常にストレスを感じます。ここからもう一度、目の前の試合を1試合1試合、全力で勝っていって、その中でプレーオフ争いに絡めて行けたらいいなと思います」
ーー湘南がこれまでの試合とセットのメンバーを変えていましたが、試合のプランに影響などはありましたか?
荻窪「今日の試合は、セットで当てて勝負というよりは、自分たちのセットで自分たちがやりたいように、やっていこうということを優先していましたし、前回の試合からジャッピーニャが復帰しているとか、彼とロドリゴの関係性がいいというのはわかっていましたので、そういったところは改めて注意していこうということでした。セットを当てるという戦い方もしますけど、今日の試合はそういったところは意識はしていなかったです。いや、意識をしてないと言ったら、多少は流れを見ていた部分もありますけど、そこにものすごく注力したというわけでもなかったです」
ーー今日はパワープレーがハマって得点もできたのに、これからというときにもったいない失点だったと思うが?
荻窪「自分たちはあまりキーパーから投げてというのはやってないので、その辺は試合の中でアジャストしていこうという形でした。特にああいった攻撃に対して練習はしてないので、前半の最後の、2点目の失点のところもそうですけど、そういった部分は自分たちのウィークが出てしまったのかなと、反省点としてあります」
ーー後半はキャプテンを含めてスタートのセットのメンバーを変えたが、その狙いは?
荻窪「先ほども言ったように、セットをどちらかに当てるというよりは今日はパフォーマンスの良い選手を出していくつもりでやっていましたし、前半の戦い方としてはピヴォにボールもよく入っていましたし、そこからフィニッシュに行く形も、前回の名古屋(オーシャンズ)戦よりは圧倒的に出せていたので、逆に自分たちが変えるというよりは、相手が変えてきたときに自分たちもそれに適応できるようにしていうこということで、特に戦い方を変えたということはないです」
ーー後半は、スタートからの出場でしたが、どんな思いで試合に臨みましたか?
栗本「僕は前半、1周2周は出てないんですけど、監督が、例えばアラの田口(元気)だったり、宮崎(曉)を、ここ数試合、その試合を見てチョイスしているのはわかっていましたので、常に準備をしていました。ですから、後半スタメンだから気持ち入ってるぞとか、もっと行こうという気持ちがあったかというと、そうではない。監督のプランもわかっていましたし、この試合に賭けているものは大きくて、試合全体を通して気持ちは入っていたので、特別な要素はなかったです」
ーー今日の試合内容について、フィウーザとロドリゴはやはり脅威でしたか?
荻窪「去年の湘南の勢いというのも、間違いなく彼ら二人の活躍があってこそだと思います。ただ、今年のロドリゴに関しては、どのチームも警戒しているので少し対応されていると思います、ゴールもすごく少ないですし。フィウーザに関しては、やっぱりすごく能力が高い選手ですので、今日はあそこを攻略できなかったというのは本当に残念というか。あそこを攻略しなければゴールは奪えないので、ゴールが遠かったというのは、本音ですね。でも僕は、今日は内村(俊太)選手がすごく良かったと思っています。伊久間監督は、おそらく清水和也に当ててたと思うんですけど、なかなか仕事をさせてくれないところもあったので。攻撃や切り替えの部分とか、4点目のゴールなど、献身的にチームを引っ張ってるなという印象があるので。今日の勝利というのは、彼が導いたものなのかなと思っています」
ーー中断期間に入りますが、どういった上積みをしていくのか、話せる範囲で教えてください
荻窪「自分としては、攻撃の部分ではもっとフィニッシュに行く回数を増やしていくとか、もう一つ自分たちのパターン、ゴールを取るようなパターンみたいなものは必要になっていくのかなというふうには考えています。例えば、(バルドラール)浦安のように、ガリンシャに当てて落として打つみたいなパターンが必要になっていくのかなと思っています。あとはここからクワトロの戦術を入れるとか、そういったことをやるというよりは、今の戦い方をより突き詰めていく方が、今年はいいのかなと考えているので、攻撃ではフィニッシュの形、ゴールをもっともっと意識してやっていきたいなと思っています。あとはセットプレーの守備の失点が増えてしまっているので、そこは修正していかなければいけないと思います。去年は守備の部分では悪くはなかったので、そのセットプレーというところを中断期間で修正したいなと思っています」
ーー中断期間に入りますが、どういった上積みをしていくのか、話せる範囲で教えてください
栗本「戦術だったりそういうところは、監督のプランを遂行していきたいと思います。僕は、フウガに9年いますが、振り返るとチームが上位に食い込んで行くときは、チームとして非常にタフな集団であったなと思います。今、出場する選手が限定されている中で、もちろん出場している選手が出している結果なんで、その選手たちがもっともっと底上げしていかなければなりませんけど、先ほど言ったタフな集団になるためには、メンバー争いだったり、もっとチーム内で戦う意志を出していくことが、この中断期間で大事になってくると思います。タフな集団になったうえで、今監督が言っていたような戦術とか、それを遂行する力が僕らについてきて、初めて結果がついてくるのかなと思います」
ーーもう少し前向きな話もお願いします
栗本「そうですね、僕らは今、本当にケツに火がついた段階だと思うので、中断期間で本当にレベルアップして、先ほど1つ1つと言いましたけど、その1つ1つを積み重ねられるように、『フウガ、なんか変わったな』『ここからもしかしたらプレーオフあるかな』と、中断明け後はそういうふうな姿を見せらえるように、そういう試合をしたいと思うので、頑張っていきたいと思います」
ーーアウェイ感は、感じましたか?
栗本「ベルマーレと対戦するとき、小田原でやるときは、アウェイ感は感じますね。ただ、フウガのサポーターも遠い地からたくさん来てくれてましたし、アウェイの地に来たなっていういう感じはしますけど、そこに対してネガティブなものはなくて、やっぱり顔を上げるとたくさんの方が来てくださっていたので、むしろポジティブな面が非常に大きかったと思います。質問とはズレるかもしれないですけど、そういった中で結果を出せなかったというのは、やっぱり僕ら選手は非常に、毎年そうですけど、小田原に来て残念な思いをさせているというのは、非常に責任を感じています。後半戦に向けて、いつも来てくださっているサポーターに恩返ししたいなと思います」
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