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クラブ史上初の日本人選手のみで臨むシーズン

~シュライカー大阪・永井義文監督~

フットサルの国内最高峰リーグ「Fリーグ ディビジョン1」に所属するシュライカー大阪は、今シーズンから永井義文監督(32)が指揮を取る。

Fリーグナンバー1のフィクソ・アルトゥール(名古屋オーシャンズに移籍)、小曽戸允哉(バサジィ大分に移籍)、稲田瑞穂(Fリーグ引退)ら主力選手が退団。クラブ史上初となる全員日本人で構成するメンバーに加え、新型コロナウイルスの影響で新体制の始動も遅れた。

そんな逆境を「自分らしい」と語る永井新監督は「結果でやってみせる」と力強く語る。シュライカーをどんなチームに仕上げていくのか、シーズンに向けた思いや状況を聞いた。

◆ながい・よしふみ 1987年生まれ、兵庫県西宮市出身。セレッソ大阪の下部組織に在籍後、びわこ成蹊スポーツ大学サッカー部。シュライカー大阪サテライトから、トップに昇格。フットサル日本代表に加え、イタリアでのプレー経験もある。Fリーグ通算150試合出場54ゴール。日本代表国際Aマッチ11試合出場3ゴール。昨シーズンまでシュライカー大阪サテライトで監督を務めた。

攻撃的に考え、走り、戦う


ーーシュライカー大阪の選手から、トップの監督を任された気持ちをまず聞かせて下さい。
永井:「よし、やってやる!」という気持ちですね。2018~20年にサテライトの監督を2年経験しましたが、選手時代から監督というキャリアは意識してきました。2011年に大阪成蹊大学フットサル部の特別招聘コーチをスタートに、スペインで指導を学び、イタリアでも練習メニューなどを学んできたので、指導者としての経験は積んできました。

選手時代にシュライカーから、スペインのチームに移籍がほぼ決まっていたのですが、ビザの関係で行けなくなりました。プレーできない状況になった際もシュライカーに戻らせてもらい、翌年イタリアに気持ちよく送り出してくれた。クラブに、サポーターに、大阪に、恩返しをずっとしたかった。今回は監督としてその機会に恵まれたので、感謝しています。

ーーどんなフットサルを目指しますか?
永井:これまでのスタイルと大きくは変わりません。「シュライカー」は「ストライカー」の意味が含まれていますので、攻撃的なスタイルです。選手が熱闘し、戦術的に魅力を放つフットサルを展開します。考え、走り、戦う。そして「シュライカー大阪に関わる全ての人と元気・勇気・感動を共有する」ことをコンセプトに戦います。

これを実現するには「勝てばそれで良い」ということにはなりません。例えば10-0でリードされていれば、正直勝つことはできません。それでも我々は最後まで全力で戦います。その姿を見せることが、観客の皆さんに元気・勇気・感動の共有につながると考えています。もちろん勝つことで、共有できる部分も多いので、勝ちにはこだわります。

依存していた主力選手の退団 日本人だけで

ーーチームの核であるアルトゥール選手が退団しました。今シーズンは日本人選手だけのチームになりますね。
永井:アルトゥール選手はFリーグの歴史上でもナンバー1のフィクソですし、すべてのポジションでも外国人として5本の指に入る選手。日本人1人の選手で穴は埋まらないし、グループで埋めていきます。俊敏性など日本人選手の特徴も生かして、全体でカバーしていきます。

外国人選手がいないのは、シュライカーの歴史上初めてです。サポーターの皆さんは少し心配かもしれませんが、結果でやって見せますよ。日本人選手ばかりなので、通訳を介せず、コミュニケーションを円滑に進められる利点もあり、細かい部分まで伝えることができます。

ーー昨シーズンは4位で、プレーオフを逃したシーズンでした。結果をどのように受け止めていますか?
永井:昨シーズンはシュライカーファミリーの一員として残念でした。勝負の世界で、プレーオフを逃した事実は受け止めなければいけません。しかも、昨年から主力の小曽戸、稲田両選手も退団した。アルトゥールを含め、彼らに依存して戦ってきたことも事実。選手たちには、自分たちの現在地を明確に伝えました。

順位を上げるために、スペシャルなハードワークが必要です。何をハードワークするのか、その約束事は全員で守る。ミーティングでも「君たちには圧倒的な競争と成長が必要」と言っています。自分が選手時代に経験した優勝するチームや、日本代表には競争と成長が常にセットでありました。

コロナと監督就任が重なる逆境


ーー新型コロナウイルスで、3~5月はトレーニングが止まりましたが、影響はどうでしょうか。

永井:監督の就任が4月でしたので、新任の監督としてのスタートがコロナと重なりました。選手時代も逆境ばかりでしたので「またこの感じか」とは思いましたが(苦笑)。4月にはZoomを使って、自分のプレーモデルなど映像を通じて、2日に1回30分ほど説明はしてきました。

ただ視聴覚だけでは伝わりにくいし、選手への定着率も低い。やはり練習で実際にやってみて、選手同士のディスカッションが取れない難しさを感じました。6月に入って全体練習が始まって、「やっと始まる」とホッとした気持ちがわいてきました。

ーー6月の練習開始から、選手のコンディションはどのような状況ですか?
永井:6月の練習開始当初は、選手たちのアスリートとしての数値(コンディション)はゼロの状態と言えました。段階を踏まえたトレーニングを意識し、2週間はほとんどボールは触らず、フィジカルメインでじっくり調整してきました。

選手たちは鼻息荒くプレーしたいところを、抑えるのに苦心しましたね。練習量で選手も「これだけ?」と感じたと思います。6週目を過ぎて、60~70%までは上がってきています。紅白戦もスタートしていますが、ケガ人なく、ここまできました。

ーー今シーズンに期待する選手を挙げてください。サテライト出身の選手が多い印象ですが。
永井:日本代表の加藤、田村に加え、相井、今井、檜山選手らシュライカーの選手としてシーズン通して活躍してきた選手は登録メンバーの半分ぐらいです。残りの半分は経験していない。まだ自分を出せていない選手もいますし、試合の中でどれぐらいのプレーを見せてくれるか未知数です。その分、誰が出てきてくれるか、期待しています。

そうですね、大半がサテライトに在籍していた選手になりました。直接昇格したり、ほかのFリーグクラブに移籍後、戻ってきたり。サテライトからFリーグ選抜で経験を積んだ選手もいます。シュライカーが育成型クラブになりつつあることを示していて、クラブの血を持った選手がそろっていることは嬉しいですね。

ーーフットサルと離れますが、監督のリラックス方法や趣味はありますか?
永井:いや~、リラックス方法や趣味が本当に無いです。選手時代もオフの過ごし方に悩んだぐらいで。サテライトの監督になってからも、常にフットサルのことを考えてしまう。お酒は弱いのですが、夜にレモンチューハイを1杯飲むのが気分転換ですかね。アルコールでフットサルの思考を止めるみたいな感じです(笑)。

ーー最後に今シーズンの目標を聞かせて下さい。
永井:新型コロナウイルスの影響で、リーグ、全日本選手権などがどこまで開催できるかは不透明な部分もありますが、当然タイトルを狙っていきます。ただ最初の目標としては、リーグの順位を昨年(4位)より、1つでも上げていきたい。地元・大阪の選手が多いですし、応援の輪も広げていきたいと思います。たくさんの応援をよろしくお願いします。

(了)

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