~名古屋オーシャンズ VS バルドラール浦安~
全国のフットサルチームが日本一を競う全日本フットサル選手権。27回目を迎えたこの大会は、Fリーグに所属するクラブにとっても大きなタイトル。リーグ戦終了後のシーズン最終盤に行われるとはいえ、どのチームも目の色を変えてタイトル争いに挑む。参加するのは、地域大会を勝ち抜いた14チームと、Fリーグに所属する18チーム。昨年は、F2に所属するしながわシティの前身であるトルエーラ柏が優勝するなど、トーナメント戦ならではの番狂わせもあり、カップ戦らしいおもしろさがある。
3月20日(日)は、駒沢オリンピック公園総合運動場 屋内球技場を舞台に、準決勝の2試合が行われた。勝ち上がってきたのは、F1の4チーム。ここまでは順当な結果と言える。第1試合は、バルドラール浦安と名古屋オーシャンズが決勝行きのチケットを争って戦った。19日の準々決勝から21日の決勝までは連日開催されるため、決勝まで進むチームは実力とともに、3連戦を乗り切るタフさも要求される。
浦安は、前日の準々決勝でペスカドーラ町田と対戦し、延長戦まで戦っているため、連戦に加えた疲労の蓄積が心配されるところ。一方の名古屋は、ペピータ選手やスパウット選手など、リーグ戦の優勝を支えた攻撃陣がすでに移籍しているため、リーグ戦とは違った戦いぶりを見せている。
試合は、序盤から強度の高いプレスをかけてのボールの奪い合いが目立つ展開。攻撃では、名古屋がボール回しでチャンスを伺う中、浦安はハイプレスからのカウンターを狙う。実力的には名古屋が上を行くが、気持ちで譲らない浦安の守備をなかなかかいくぐれず、攻めあぐねる時間帯も。しかし、浦安のハイプレスはファウルのリスクと背中合わせともいえ、11分には5ファウルとなり、14分には6つ目のファウルで名古屋に第2PKを献上してしまう。しかしここは、名古屋のアルトゥール選手のシュートを今季限りで引退するゴレイロの藤原潤選手が勇気をもって前に出てセーブし、得点を許さない。
その後は徐々に名古屋が攻勢を強めるなか、浦安陣内、ゴール近くでキックインを獲得。ペナルティエリア内へのパスをマークを外した星龍太選手がフリーで受けて、ゴールに流し込み、1点を先制した。
2ndピリオドは、まずは同点に追いつきたい浦安のアグレッシブな姿勢が見える攻撃からスタート。しかし、名古屋も高い位置からプレスを仕掛けて自分たちのリズムを作っていく。お互いに大きなチャンスを作りながら得点ができずにいると、強度高く対応していた浦安の滝田学選手が2枚目のイエローカードを受けることとなり、退場に。滝田選手も今季限りの引退を表明している。名古屋は、滝田選手退場後の数的有利な状況をきっちり活かしてペネジオ選手が2点目を決めた。その後の浦安は、ゴレイロもビルドアップに加わり、攻撃への姿勢を見せるが、名古屋はゴレイロがゴールを空けた隙を狙ってボールを奪い、ペネジオ選手が正確にシュートを流し込んでリードを広げる。
最後まで諦めるつもりはない浦安は、9分を残した段階でパワープレーに入るが、なかなか得点ができずにいると、今度はディドゥダ選手が2枚目のイエローで退場に。この数的不利な状況は守り切ったものの、終盤のパワープレーの中で星翔太選手のインターセプトから4点目を決められ、タイムアップを迎えた。
ハーフタイムでの修正が効いたのか後半の名古屋は、終始冷静にゲームを運んでいたことと、浦安のアグレッシブな姿勢が印象的な試合となったが、最後は順当に名古屋が勝利を収めて決勝に駒を進めることとなった。
試合後会見
名古屋オーシャンズ フエンテス監督
ーー試合の総括をお願いします
フエンテス「非常に難しいタフなゲームでした。バルドラール浦安はすごく組織がしっかりしたチームで、特に前半は彼らの組織を壊すことができませんでした。私たちも1列目を回避する形は作れていましたが、ラスト12mくらいのところで、そこからゴールに向かうプレーというのをなかなか見せることができず、相手に対しても攻撃の厚みで怖さを出せなかったと思います。先制はできましたが、選手たちも苦戦にストレスが溜まる前半だったと思います。
ハーフタイムに入って少し時間がとれたことで修正をし、話し合ったことでフレッシュな気持ちで後半に入れました。そこで今度は冷静に相手が狙っているところの裏をどんどんつけるようになって戦えた後半だったと思います。
準決勝にもなると、お互いにとてもプレッシャーを背負っていて、その中で相手の大事な選手たちに、私たちにとってはタイミングよく、イエローカードが2枚出たことで有利に立てた部分もありました。4対3で戦った時間帯もしっかりと得点に繋げて、少しずつ差をつけることができ、冷静に戦えました。相手がパワープレーに入った時間帯も、そこは私たちも練習している部分ではあるので、相手の攻撃にはまったディフェンスができて、さらに点差を広げることができました。すごく苦しいゲームでしたが、ゲーム運びはうまくできたと思います」
ーー浜松で2回戦が終わったあとの会見でスペクタクルな試合を見せたいという話をされていたが、明日の決勝ではスペクタクルな試合を期待してもよろしいですか?
フエンテス「どのチームも日頃から練習で努力を重ねているのは、決勝の舞台に立つためなので、明日は両チームの気持ちのぶつかり合いになると思います。また、自分が持っている以上の力を振り絞れるのも決勝の舞台だと思いますし、気持ちのぶつかり合いはみている人も感じられると思います。悔いのないように決勝を戦って、その姿をみにきてくれた人に見せられれば、それがスペクタクルなゲームにつながると思います。全力で戦いたいと思いますので、最後の決勝の舞台、みなさん足を運んでいただいて、フットサルを盛り上げることができればいいと思います」
ーー先制後は、かなりチャンスを作っていたにもかかわらず、名古屋の選手にしては珍しい外し方をしていたが、疲労が溜まっているのか、他に原因があるのか、教えてください
フエンテス「その要因を一つに求めるのは難しいと思いますけど、少なからず疲労はあると思います。シーズンの終盤で、今シーズンはW杯もありましたので、選手も気づかないところで感じていると思います。ただ、それだけではなく、ゲームでプレッシャーを感じていたり、あとは相手の対応というのもあるだろうと思います。私が見る限り、1点目のあと2点目が入るまでに時間がかかったのは、すごくいいチャンスという形をなかなか作れなかったからだと思います。そんなにチャンスは多くなかったですし、シーズンの終わりなので体が重く感じたらそうなりますし、要因はいろいろあると思います」
星翔太選手
ーー試合を振り返っていかがでしょうか?
星翔太「古巣との対戦がこういうタイミングで来るのはすごく感慨深いのと、自分自身も引退を決めているし、今回は三決(3位決定戦)もないので、やっぱり勝たないともう1試合できないし、そういった部分でも本当に特別な気持ちを持っていました。ただ、相手は昨日も延長戦まで戦っていたし、かなり人数を絞っていたので、僕たちの方が有利だなと思っていましたし、その結果がスコアに現れたなと思います」
ーー浦安に押し込まれる時間帯もあったが、そこで逆に名古屋はカウンターが出せたのかなとも思うが、あの時間帯はどういう考えで戦っていましたか?
星翔太「選手権前、リーグ戦にいた、ぺピータとかスパウットとか強烈な選手がいなくなった分、チームとしてハードワークをするというところがあったので、そこに関しては前からも行くし、押し込まれても特に焦ることもなく、しっかりとマークについて、自分たちのペース、相手は自分たちでボールを持っているという感覚だと思いますけど、僕たちはディフェンスでペースを握っているという感覚を持っていました。結果、そういう気持ちが前向きにカウンターの部分で出ましたし、辛抱できた部分じゃないかなと思います」
ーー先制点を弟の星龍太選手が挙げましたが、ボレーではなくああいうニアからの形は珍しいと思いますし、あのゴールは大きかったと思うが、その感想をお願いします
星翔太「彼も、龍太も退団が決まっている中で、最後まで一緒に試合をやりたい思いは僕もありましたし、そういう選手が先制点を取ればチームとしては流れに乗ります。あの形は相手の特徴、セカンドポストが空くというのがあったので、ディドゥダ選手や滝田(学)選手が入るポジションを少し先読みして、そこを徹底して狙った結果です。特に龍太があの位置にいるとそこには出てこないと相手は読んでくるだろうとというのがあったのと、(八木)聖人のボールがすごくよかったので、それが結果に繋がったと思います」
ーーあのゴールの後は、アベックゴールを狙いに行く意識は高まりましたか?
星翔太「龍太が決めたのは忘れてました(笑)。さっき、試合後のフラッシュインタビューで『アベックゴールを決めましたが?』と言われて、『あ、アベックゴールだったのか』と。全然気づいてなかったんで(笑)」
ーー次が現役最後の試合になりますが、名古屋オーシャンズ、または星翔太選手として見てほしいところがあれば聞かせてください
星翔太「そうですね、名古屋オーシャンズは勝ってナンボのチームだと思っているので、そこに集中したいと思います。僕自身は、いろんなスタイルでプレーできるんですけど、勝利に貢献するという部分でいうと、ゴールであったり、ハードワークする、いろんな動き方、シュート、味方を生かすというところだと思うので、そこに集中してチームの勝利に貢献したいと思います」
ーー涙ぐむ選手がいましたが、そういう光景を見てご自身も何か感慨みたいなものはありますか?
星翔太「いや、感慨はないです(笑)。まだもう1試合あるので、もう1試合が終わったときに感じるものがあればなと思いますけど。早い段階で引退を決めて、リーグ戦もそうですし、カップ戦も1試合1試合戦ったので、あまりこの1試合に感情をすごく引っ張られるということはなくて、どちらかというとこのメンバーとやれるこの瞬間を味わいたいなっていう思いの方が強いなと思います」
バルドラール浦安 小宮山友祐監督
ーー試合の総括をお願いします
小宮山「名古屋オーシャンズに対して真っ向勝負を挑みましたし、選手たちはすごくハードワークをしてくれたと思いますし、今までの名古屋戦よりは戦えていたんじゃないかなと、個人的には感じています。球際の部分だったり、最後の決めるというところに関してはまだ課題がありましたけど、40分間を通して、退場者を2人出すという、なかなかない展開ではありましたけど、3人の時間もしっかり守りましたし、本当に選手たちが最後までハードワークしてくれたと思います。
名古屋との差が、本当に最後の部分、ゴールを守る・決めるというところで大きな差があるんだなと感じましたし、その差を埋めていくことが、これからとてつもなく大変だなと改めて感じた試合でもあったかなと思います。ただ、そこまで悲観する内容ではなかったと思いますし、自分たちがやってきたことはすごく出せていたと思います。
今シーズン、これで最後になりますけども、藤原(潤)、滝田(学)を始め、本当に多くの選手がこのチームを支えてくれました。私が就任してから目の色を変えて戦う集団になってきたのを感じてますし、間違いなくバルドラール浦安というチームがいい方向に向かっていくと感じています。だからこそ今回、優勝を目指してましたし、優勝したかったという思いはありますけども、やはり名古屋は強かったというところは、受け入れなければいけない事実だと思います。この悔しさをその先に繋げていけるように、来シーズンに向けてしっかりといい準備を進めていきたいと思います」
ーー前半10分くらいにアサノ(竜也)選手を入れたと思うが、その意図と、ファウル後に出さず、前半最後の2分半くらいから再び出場させた起用について、教えてください
小宮山「竜也に関しては、ガリンシャの足の調子があまり良くなくて長い時間プレーができないことと、勝負どころでガリンシャを使いたいというところがありました。また、名古屋のフィクソはボールを奪った後に自分で運んでという推進力があるというより、捌くタイプなので、竜也のところで多少ボールを奪われたとしても問題はないかなと思いました。また、竜也は体が強いので、そんなに簡単に失うことはなかったですし、今日の試合はすごく良かったと思います。アルトゥールに対してもしっかりピヴォの役割を果たすことができていたので、ガリンシャが休む時間を作れたと思います。もっと長い時間、使ってあげたかった気持ちはありますけど、まだディフェンスに関してはどうしても一歩遅れてしまったりというのがあるので、実際に竜也がファウルをして第2PKになってしまいましたし、ファイブファウルの時間帯に使うのは難しい部分がありました。でも、全体的な彼のプレーについてはすごく満足していますし、ああいうプレーができれば今後、出場時間が長くなっていくと思います」
ーーパワープレーで、最初は加藤選手、退場者が出た後のパワープレーは長坂選手を起用しましたが、その意図を教えてください
小宮山「まさか滝田とディドゥダが退場するとは思ってなかった。底辺のポジションをやる選手が2人も退場したんで。正直、他には誰もあそこの練習してないですからね(苦笑)。ただ、(加藤)竜馬が一番、あのメンバーの中でシュートもありますし、機動力もあるので、竜馬を底辺において、滝田とディドゥダがいるときとは違うサインプレーがあったので、それをやるように進めました。惜しかったですけどね。イレギュラーな状況だったので本当に急造で、それでもゴールに迫れたのは彼と、あの時間に出ていた選手たちの能力の高さかなと思います。1点取りたかったですけど、そんなに簡単なものではないと思いますし、2人退場するのは想定外の部分もあるので、仕方がないかなという思いはあります」
ーー浦安にはガリンシャ選手、ディドゥダ選手がいて、外国籍選手という面では他のFリーグのチームよりは一つ上のところにいると思います。日本人選手に関して、補強以外で名古屋との差を埋めるための道筋というのは見えていますか?
小宮山「間違いなくフィジカルの部分ですよね。1人でボールを持つ、運ぶ、剥がすというところの差というのがやはり、八木(聖人)選手にしても水谷(颯真)選手にしても、そんなに出場時間は与えられてないですけど、質が高いですよね。もちろん吉川(智貴)選手、西谷(良介)選手の存在はすごく大きいですが、八木選手や水谷選手などの若い選手も体がしっかりしていますし、1対1で最低限ボールを守ることができるし、1人で時間を作ることができる。その差は何かといったらやはり体の分厚さ、腕の使い方、体のバランス、スプリントの速さだと思います。例えばうちの東出(脩椰)も長坂(拓海)も速いですけど、やはり腕でブロックして背負えるかというと、まだなかなか背負えない。八木選手はそこをしっかり背負えますし、水谷選手もしっかり背負ってましたし、そこがやっぱり大きいかなと。
そこは我々もトレーニングでまだまだ改善できる部分だと思いますし、脩椰も拓海も本当に速いですから、ゴツさが増せば、もっと嫌な選手になると思います。やっぱりまだプレーが軽いし、1発で抜けたらチャンスですけど、1抜けなかったときはどうしても引っかかってしまう、上半身にコンタクトされると吹っ飛んでしまうという大きな課題があります。本当におっしゃる通り、ガリンシャがいて、ディドゥダがいて、滝田が引退するのでセンターラインの軸が1人欠けますけど、ディドゥダ・ガリンシャがいる中で、日本人選手の空気はすごく大事かなと思います。新しく軸に誰がなるのか、ゲームを決められる選手、ひとりでしっかり抜き去ってゴールを決める、1人でしっかりボールを運べる、1人でしっかりボールを守れるというところがこれからの課題になるのかなと思います。総じてフィジカルの部分は、ただ強いだけではなく、走れるスピードとかスタミナとか、そういった部分を含めてまだまだ改善する余地があると感じています」
ーー小宮山監督になってから若手が育っている印象があるが、チーム内の体質が変わったりなど小宮山さんが感じていることはありますか?
小宮山「脩椰に関してもそうですし、やはり試合に出すことが一番大事かなと思います。自分も若い頃を経験してきましたし、若い選手はチャンスを与えなければ、いくらいい練習をしても意味がないと思います。宇野(伊織)や柴山(圭吾)、大島(旺洋)もそうですけど、セグンドやテルセーロで選手権に出たので、今回は帯同できませんでしたけど、リーグに関しては出場時間も、特に宇野は長くなってきましたし、柴山もリーグ屈指のフィクソに対してしっかりボールをキープできるようになってきましたし、やはり試合を経験させることかなと思います。
当然、エラーもミスもありますし、結果が大事ということもありますので、長い時間出せるかというと難しい部分はありますけど、少なからず今までの浦安よりは若い選手が出場できる時間は、増えてきたかなと思います。若い選手をどんどん起用することがやっぱり若い選手へのメッセージだと思いますし。17歳だろうが18歳だろうが19歳だろうが、頑張れば出られると。柴山が最初に出たときは、15歳ですから。頑張れば出られるというのがクラブ全体のメッセージとしてあるので、アンダーカテゴリーの選手たちのモチベーションにもなっているのかなと思います。
浦安は、そういった循環というのが少しずつ良くなってきたかなと思います。ただ忘れてはいけないのが、加藤竜馬だったり、滝田だったりというベテランの存在。このクラブの哲学をベテランがプレーで見せて若い選手たちに伝える、それはすごく大事なことだと思います。両側面ですよね、ベテランのそういった振る舞いと、若手の思い切ったプレーと言いますか、ミスを恐れずにがむしゃらにやるというところがこのクラブに少しずつ浸透してきたのかなと感じています」
長坂拓海選手
ーーメンバーが絞られている中、ここまで4試合に主力として出場してきましたが、振り返っていかがでしょうか
長坂「どの試合も楽な試合というのはなくて、起用されたメンバーは絞られたというのはあったんですけど、チームとして出てない選手も含めて、チーム一丸となって戦った結果が今日、及ばなかったというところで、現時点のチームとしてはここだったんだんだなと思います」
ーー今日は退場者が2人出る厳しい展開だったが、ディドゥダ選手が退場した後、すぐに藤原選手の方に行って話をしていたが、どんな話をしたのでしょうか?
長坂「滝田選手が退場したときもそこで失点してしまったんで、そこの修正と、時間がちょっとあったんで、他のところでも守りきれてなかったんで、そこをもう一回修正して、勝ちに向けてどう守るかというところを話しました」
ーー数的不利の2分間の中でも状況を見てドリブルで抜け出してフィニッシュまで行くシーンもありましたが、そこは自分で決めて戦況を変えるというような気持ちだったんでしょうか?
長坂「点差的にすごく難しい状況で、ボールを取りに行くか行かないかという判断も難しいところではありましたが、その中でもチャンスがあれば1点でも返しておきたたかったですし、あそこで打つべきかどうかという判断が正しいかはちょっとわからないですけど、気持ち的にはどうにか1点でもと思った結果がフィニッシュ、結果的に決められなかったですけど、でも気持ちの部分でフィニッシュまでは持っていけたと思います」
ーー名古屋はぺピータ選手などが移籍して、違う戦い方をしてきたが、改めて感じた名古屋の強さってどんなところでしたか?
長坂「スパウット選手やぺピータ選手がいなくても、日本人選手のクオリティが高く、ベテランの選手も多いですし、代表に入っていたり、W杯に出ていた選手も多い。うちにはガリンシャがいますが、若い選手も多く、やっぱりまだまだレベルの差を感じました。やれている部分も多いですけど、やっぱり要所要所締めるところとか、そこの違いがまだまだあるなと。常に勝ち続けるのは簡単なことじゃないですし、それを経験している名古屋の選手に勝つのは簡単じゃないなと思いました」
ーー今シーズンは、飛躍したシーズンだったと思いますが、来シーズンに向けての課題やステップアップするために磨きたいと思っていることがあれば教えてください
長坂「自分の得点シーンというのは、滝田選手のアシストがあってとかが多くて、あまり自分が仕掛けてとか、自分でどうにかしてというのは、正直少なくて。かわしてアシストとかは、引き出しとしてあるんですけど。ですから、誰かと一緒にというのももちろん大事ですけど、自分でその試合とか局面を変えられるプレーをもっと引き出しとして増やさなきゃいけないなと思っています。あとは単純にフィジカルですね。やれているところも多いですけど、もちろん代表も狙ってますし、そのためにもまだまだ伸びしろを増やしたい。今言ったところをFリーグだけではなく、海外のチームとやったときにも出せるように、来シーズンはもっといい準備をしていきたいと思います」